865:トゥ!ヘァ!:2022/10/09(日) 18:44:47 HOST:FL1-122-133-164-39.kng.mesh.ad.jp
大ゲート世界 イスラエル事変


204X年。
イスラエル 新嘆きの壁内部


世界が再編され十数年がたったある日のイスラエル。
突如首都の未知のゲートが出現。そこから現れた謎の生き物とも機械とも取れない生物によりイスラエル国内は非常事態状態となった。
2X年にゲートの出現が止まって以降、実に20年振りの新規ゲートの出現であった。


イスラエル軍はこれに対してすぐに対応。警察と軍を向かわせたが、謎の生物群(以降アンノウンと呼称)はこれを難なく撃破。
混乱する民間人への対応と合わさり、一両日経とうとも混乱が収まる気配は尽きずにいた。

これに対して丁度いい機会と言わんばかりの周辺の中東諸国が団結。
シリア、ヨルダン・イラク連合、アラビア連合などが中東連合を結成。
ゲート禍を抑えることを大義名分としてイスラエルへと突如侵攻を開始。

突如の奇襲攻撃に首都で混乱の続くイスラエル軍は効果的な対応をできずに、国境である新嘆きの壁群の突破を許すこととなる。

陸上部隊こそ首都へ至る前に抑えることは成功したが、中東連合の空挺、ヘリボーン部隊の類はエルサレムへ到達。
首都はイスラエル軍、アンノウン、中東連合の三つ巴の争いとなった。


この事態に対してユーロシア軍が第一親衛空挺団を乗せた航空部隊をイスラエルへ向けて派遣。
表向きは救援物資を乗せた輸送機と発表したが、誰の目から見てもイスラエルに発生した新規ゲートの獲得が目的なのは目に見えていた。

これに対抗し、SEUは地中海艦隊のイスラエルの派遣を決定。即日イタリアから出発した艦隊は上陸部隊を伴いイスラエル近海へ展開。
及びSEU北アフリカ方面軍の一部がエジプトからイスラエル国境沿いへの移動を開始した。


この両国の一方的な行動に対してイスラエル政府は強い抗議を行ったが、なしのつぶてと言うべきか両国はこれを黙認。

未だアンノウンを取り除けず、イスラエルの首都が完全な戦場となる中でユーロシアの空挺部隊が作戦を開始。

イスラエルの防空障壁群を難なく無力化したユーロシア空挺部隊はそのまま首都エルサレム近郊へ展開。

イスラエル軍が苦戦しているアンノウン群を押し込みながらゲートへの進出を開始した。

ユーロシア軍が行動を始めるのと同時期にSEU軍も行動を開始。イスラエル近海に展開した艦隊から部隊が展開し、ネタニアやテルアビデブへ上陸。
空母から発進したヘリボーン部隊はそのまま首都イスラエルに向けて一足先に展開し始め、エジプト方面の部隊はそのまま国境を越えてイスラエル国内に進撃を開始した。

SEU、ユーロシアの空挺部隊まで加わったエルサレムは実質五つ巴の戦闘となっていたが、戦闘力で圧倒するSEUとユーロシア部隊が主導権を握り、徐々にエルサレム中央へ開いた新規ゲートへの包囲網を形成し始めていた。

866:トゥ!ヘァ!:2022/10/09(日) 18:45:25 HOST:FL1-122-133-164-39.kng.mesh.ad.jp
SEU、ユーロシア両国が介入開始した日の夜。

SEU第一艦隊所属。第一魔導空中機動隊。第一中隊中隊長アントニオ・カレル大佐視点。

カレル大佐の目から見ても状況はSEU有利であった。
艦隊戦力を動かし、エジプト側からも後詰の部隊が向かっているこの状況。
雑多な集まりである中東連合も領土が離れているが故に空挺部隊しか投入できないユーロシアも相手ではない。

事の中心にいるイスラエルに関しては少々可哀想だが、これも仇敵ユーロシアにゲートを取られぬためだ。

果敢にも抵抗を続けるイスラエル軍には悪いが、ゲート技術で後れを取っている関係上、彼等の脅威度は高くない。
無論だからと言って手を抜くようなことはしないが、対勢は決しただろう。

イスラエルが切り札としていた核融合弾頭群もついさっき我が国の特殊部隊が無力化したとの話だ。
破れかぶれで発射したと思われる潜水艦発射型弾道ミサイルも我が国の艦隊によって普通に撃墜された。
今時核搭載弾道弾の一つや二つでどうにかなる世の中じゃない。

しかしユーロシアの空挺部隊が中東連合の一部と連携を行っているとの報告が来ている。
我々が支援しているイランは今回は来ていない。アラビア連合は独自色が強い。
となるとユーロシア部隊と連携し始めているのは連中から支援を受けているというシリアか、アラビア連合や我が国への敵視が強いヨルダン・イラク連合のどちらか、または両方だろうか。

中東連合とユーロシア軍が手を組むとあると少々厄介だ。味方の後詰が来る前にゲート周辺を掌握し固守しなければならない。


「隊長!緊急事態です!!」

カレル大佐があれやこれを考えている最中に、その凶報は来た。

「艦隊から伝達!北米軍SODFがここへ降下してきているとのこと!」

部下に言われるがままに空を見るとそれはあった。
遥か高空。宇宙の近さから恐るべき勢いでこちらを目指して落下してくるもの。

来ているパワードスーツによる識別コードは北米軍戦略宇宙軍所属。衛星軌道降下部隊(SODF)

「クソ!ユーロシアのアホ共目!連中がイスラエルの防空障壁を無力化なんかするから!」

突然の第三者介入に驚くカレル大佐であったが、報告はそれだけではなかった。

空を見ている彼等の周辺へ突然響く大きな衝撃。
まるで近くへ大型ミサイルか何かでも着弾したかのような…

「何が起こった!報告しろ!」

「報告します!エルサレム郊外に巨大ポッドが着弾!識別大東亜共栄圏特殊戦略軍!特殊空挺部隊!ブラッディアーマーズです!!」

「あのクレイジーダイバー共まで来てるだとぉ!!」

カレル大佐は心底驚愕したと言わんばかりの驚きを露わにした。

SODF。北米軍戦略宇宙軍所属と衛星軌道降下部隊。その名の通り衛星軌道上から投下される空挺部隊だ。
四大ゲートの出現で内向きの体制に変わってしまった米軍が維持している数少ない国外遠征可能任務部隊。

精鋭として名高く、海外への遠征が執り行われなくなった昨今電は四大ゲート戦線において度々活躍していると聞く。

それがこの場に来ている…つまるところ米国もユーロシアの動きを看過できなかった、もしくは我々SEUの動きか…

867:トゥ!ヘァ!:2022/10/09(日) 18:46:13 HOST:FL1-122-133-164-39.kng.mesh.ad.jp
だが米国のSODFはまだいい。それより問題なのが日本のクレイジーダイバーズだ。
大東亜共栄圏統合軍。特殊戦略軍所属。特殊空挺部隊。通称特空隊。他所からはクレイジーダイバーズと呼ばれている連中だ。

あいつらが使っている馬鹿でかいポッドが来たってことは中身は勿論ブラッディアーマーズの連中だ。
一個小隊で一国の首都を制圧することを目的とした気狂い共。
きっとインド洋の艦隊か、それこそインドから直接ここまで撃ち込んできやがったんだ。

流石に我々の現有装備では対抗しきれない。後詰の陸上部隊もくればどうにかなるが、その前にゲートは確保されてしまう…
何より我々も日米を敵に回してまでゲートが欲しいわけではない。あくまでユーロシアが確保する事態を防ぐための介入だったのだ。

…潮時か。

そうカレル大佐が内心考えをまとめていると部下から追加の報告が入る。

「伝令です。本国は今回の騒乱の原因となったゲートに対して脅威度Sクラスと認定。
以降は日米露の三カ国と連携して確保しろとのことです」

「日米露…三カ国と連携してか…」

どうやら事態は政治的な決着がなされたようだ。
これで日米の部隊とぶつからずに済む。

「しかし三カ国とか…」

カレル大佐は無意識に言葉に出していた。
協力相手に現地のイスラエルは含まれていない。勿論侵攻していた中東連合もだ。

つまるところイスラエルは四カ国連合…この場合は古きに乗っ取り国際連合軍とでも言うべきか…
その保護領として扱われるわけだ。


これが今の世の中。今の情勢。
突然自国内に出現するゲート。そこからやってくる脅威。
これに自力で対応できなければ、他国の介入を招き、国際連合軍による統治なんていう古臭い手段で自立を奪われる。

だからこそ集まって巨大勢力となった。集まることもできず、介入されることもなかった結果が南米やアフリカだ。

そう考えるとまだイスラエルはマシな方かもしれない。
自立の火は消え去った。しかし周りの中東諸国からはもう攻め込まれることもない。
ゲート技術で遅れていたことも気に掛けることはない。
他の近隣諸国のようにSEUとユーロシアの代理戦争の駒にされることもない。
経済や治安に関しても四カ国が責任をもって駐留部隊を送り、支援を付ける。
ユーロシアの野蛮人共が心配だが、日米も手を出すなら下手なことはしないだろう。

もう一度言う。此度のイスラエルはマシな結果で終われたのだ。
実質自由はなくなるとはいえ独立国という立場が消えたわけではない。政府も存続する。

かなり…そう…かなりマシな結果だ。

カレルは思う。自分の故郷キプロス。
突如出現したゲートから大量の怪物が現れ、蹂躙された故郷。
最後はその怪物たちが他所に広まることを恐れられ、核で全て燃やされ、今や国ではなくSEU保護領兼前線基地として扱われている。
そんな己の故郷よりはずっとマシな結果に終われたのだから。

868:トゥ!ヘァ!:2022/10/09(日) 18:47:02 HOST:FL1-122-133-164-39.kng.mesh.ad.jp
〇説明

  • イスラエル
今回の舞台。勝手にゲートが出てきては、勝手に他国に攻めこまれ、勝手に政治的決着がなされ、勝手に自立を奪われた国。

軍事力はそこそこ高い標準であったが、ゲート技術が大きく遅れており、ゲート出現前と打って変わって時代遅れの軍事国家と評されていた。

元々国内にゲートが存在していなかった関係上、ゲート系技術の取得に遅れ気味であり、更に独立独歩の風潮から他国からのゲート系技術の導入も中々進まずにいた。

そのくせ周辺諸国とのいざこざは続いていており、他にも異世界生物やら異世界人やらの脅威にも少なからず晒されていたため、仕方なく既存兵器を中心に軍拡だけは進めており、結果技術的に古めかしい兵器ばかりが揃う時代遅れの軍事国家と化した。

陸地の国境沿いを新嘆きの壁という名称の巨大物理防壁で包み込み、SEUや北米から輸入した魔導シールド発生装置によって魔導防壁を展開し、空からの攻撃にも常時備える状況を作っていた。

しかし204X年。久々の新規ゲートが首都エルサレムに出現し、国内は大きく混乱。
出動した軍も民間人避難が終わっていない首都での戦闘ということで現代軍隊お得意の火力を発揮できずにずるずると泥沼の戦闘と化した。

その隙をつき近隣の中東諸国が連合を組んで攻め込んできたことにより新嘆きの防壁が突破される。
その後ユーロシアの空挺部隊により虎の子の対空魔導防壁軍も突破され、以前から備えて防壁戦術は崩壊することとなる。

一応戦略核融合ミサイルなども少数配備していたが、使う前にSEUの特殊部隊により発射場の過半を抑えられ無力化された。

運よく残っていた弾道弾搭載潜水艦により数発発射されたが、全てSEU艦隊に寄り無力化された。
この時代の核兵器は威力においても、汚染においても少数では余り意味のないものとなっている。


その後は四大国による政治的な決着により駐留軍を国内に招く羽目となり、実質的に占領されることとなった。

しかし四大国の軍が駐留し、ゲートに対応するようになってからは治安が改善し、他国から攻め込まれなくなり、経済的には潤い始めていたため国民感情以外の面では事変前より改善され始めている。

869:トゥ!ヘァ!:2022/10/09(日) 18:47:54 HOST:FL1-122-133-164-39.kng.mesh.ad.jp
  • アンノウン
イスラエルに開いた新しいゲートから出現した謎の生き物。

機械とも生き物とも言えない奇妙な生物だが、自前でビームを発射し、高い再生能力と身体能力を誇る非常に戦闘能力が高い生き物。

このため自国の首都ということで本領を発揮できないイスラエル軍を圧倒せしめた。

その後は所詮他国の都市だしと遠慮しない四大国の部隊により駆逐されゲート向こうに追い払われた。

ゲートの向こうではこいつと戦っている現地文明が存在しているが、地球側はまだそれを知らない。

その高い戦闘力から米国の四大ゲートやインドの二大ゲートと同じ脅威度Sと認定されたが、この評価は半ば政治的に決定したものであった。
最も実際のところこの評価は当たっており、四カ国合同でゲート先を調査した際に、それを思い知らされる羽目となるのだが…

ネウロイ、ザイ、ワーム、ヒュージといった機械だか生き物だかよくわからない感じの敵役をモデルにしている。




  • 第一親衛空挺団
ユーロシアが新たに編成した空挺部隊の一つ。
異世界製バイオテクノロジーにより誕生した超能力兵士によって構成されている部隊であり、ユーロシアの誇る精鋭部隊の一つ。
規模は連隊規模程度だが戦闘力はフル編成旅団を上回ると言われている。

今回イスラエルに派遣したのはあわよくば同国のゲートを確保しようとしたため。
失敗時は友好国のシリア国内まで撤退し、そこから航空機で帰還する予定であった。

SEUの魔導空中機動隊相手に互角の戦いを行っていたが、流石に日本の気狂い共が来た時はビビったらしい。




  • 魔導空中機動隊
SEU所属の精鋭部隊の所属。所属はSEU統合軍。
数少ないSEU統合軍指揮下の特務部隊であり、虎の子の一つ。

専用にカスタマイズされたヘリや輸送機に乗り込み、敵地に降下するのが目的の部隊。
魔導の名の通り魔導兵士のみで構築された部隊であり、低空程度ならヘリと同程度の速度で飛ぶことも可能。

このため降下する際もロープやパラシュートを使わず生身で飛び込んで、飛んだり、減速したりして降下する。

非常に強力な部隊であるが、SEU統合軍指揮下の純魔導兵士オンリーの部隊はこいつ含めて三部隊くらいしかない。
最もSEU統合軍は盟主であるバチカンやイタリアの影響力が強いので、作戦時には両国の精鋭部隊も付き添うことが多い。

今回はイスラエルのゲートをユーロシアに奪わせないために投入された。
極論ユーロシアがゲートを確保しなければいいので、あんまりイスラエルのことは考えられていない。

日米の部隊が来た時には結構ビビったが、翌々考えれば両国とは別段関係が悪いわけではないので、そこまでビビる必要はなかったりする。



  • SODF
正式名称は衛星軌道降下部隊(Satellite Orbital Descent Force)
読み方はそのままエスオーディーエフ。北米軍の誇る精鋭部隊の一つ。所属は戦略宇宙軍。

衛星軌道に駐留する北米衛星軌道艦隊から専用の大型ドロップポッドに乗り込み、そのまま地上に出射される。

ポッドは出射後、一定高度に達した後に減速しながら低高度に達した後に人員用の小型ポッドを分離。
大型ポッドはそのまま質量弾として役割を全うする。

分離後の小型ポッドはスラスターで軌道調整しながら最終的にパラシュート降下で着地。人員はそのままポッドから出撃する。
小型ポッドには降下時の防衛のために下部に魔導シールド発生器を装備。またポッド自身にも支援用機関銃が取り付けられている。

前述の通り北米軍でも名の知れた精鋭部隊であり、装備も整っている。
短時間ながらその火力は戦車を有した機甲師団とも渡り合えると言われているほど。

本来は国外遠征用の部隊であるのだが、ここ十数年はろくに国外へ投入されることはなく、もっぱら国内に有する四大戦線の異世界側で活躍しており、地球世界にいるのは虎の子の第一軌道降下大隊のみである。

ゲート出現以降、内向きの体制に移行した米国が維持している数少ない国外遠征用部隊である。

米国の虎の子扱いされており、世界でも指折りの精鋭(やべー)部隊と認識されている。

870:トゥ!ヘァ!:2022/10/09(日) 18:48:49 HOST:FL1-122-133-164-39.kng.mesh.ad.jp
  • 特殊空挺作戦隊
通称特空隊(とっくうたい) 他称クレイジーダイバー。もしくはブラッディアーマーズ。

専用の超高硬度ドロップポッドを戦略レールガンにて成層圏まで打ち出し、同空域においてポッドのスラスターにより効果位置を微調整の後にそのままほぼ原則せずに目標地点めがけて降下する。

全方位に魔導バリアを展開しながら半ば質量兵器として目標地点へ着陸(落下)した後にポッド内部から部隊を放出。作戦目標を制圧する運用となる。

乗り込むのは戦術決戦装甲服を着込んだ大東亜共栄圏統合軍の最精鋭部隊。

北米軍のSODFと比べ、減速及び最終パラシュート降下がないため隙が少ない。
同軍の降下ポッドと比べ中の人員へのセーフティがほぼ存在していないが、搭乗員保護に関しては人員が着込んでいる戦術決戦装甲服の機能に依存している。
このパワードスーツは希少な重力石を用いた慣性制御機能が備えられており、ポッド出射中のGや着陸時の衝撃をそれでカバーしている。

その余りにも力技、決死運用な点を指して他国からはクレイジーダイバーと呼ばれ、恐れられている。
ブラッディアーマーズの呼び方の方は戦術決戦装甲服の略称である戦決服(せんけつふく)の呼び方を英語読みしたものとなる。

30名ほどで一個小隊としており、今回はイスラエル事変では二個小隊が投入された。
戦闘力としてはこの一個小隊で一国の首都を制圧可能と言われている。

使われている予算の桁が違うため、こいつらだけ今回投入された精鋭部隊の中で(悪い意味で)浮いている。


因みに戦術決戦装甲服を着こんでいない一般空挺部隊に関しては普通に航空機からの空挺降下か、大東亜共栄圏宇宙軍の降下用駆逐艇に搭乗しての衛星軌道降下を行う。

871:トゥ!ヘァ!:2022/10/09(日) 18:49:37 HOST:FL1-122-133-164-39.kng.mesh.ad.jp
  • 戦術決戦装甲服
通称は戦決服(せんけつふく) 
正式名称は37式戦術決戦装甲服乙二型。イスラエル動乱の際に投入された最新型で、初期37型甲一型から数えて三度目のマイナーチェンジ機。
全長2m半ほどのパワードスーツである。

他所からはクレイジーダイバーズの鎧やらブラッディアーマーやら呼ばれている。

日本が持てる限りの技術を積み込んで開発した超兵器であり、一個小隊もいれば一国の首都を制圧して有り余る戦闘力を持つ。

超圧縮電力パック及び専用マナコンデンサーのハイブリット動力で駆動し、搭乗者は魔導シールド、外皮電磁装甲、内皮複合装甲、内部防護ジェルの四重防御で守られる。

専用の6mmレールライフルと単分子カッターを基本装備とし、幾つものオプション装備で武装している。
6mmレールマシンガン、対艦ビームサーベル、大型ビームキャノン、40mm機関砲ユニット、60mm迫撃砲ユニット、マルチミサイルポッド、20mm狙撃ユニット、レーザー式迎撃装置、専用追加電子装備、追加式魔導シールド発生装置、20mm対空レールガンなど。

40mm機関砲以降の大型兵器は背部搭載オプションであり、運用目的ごとに変え、事前に装着していく。

特徴は二つ。
一つ専門の亜空間格納庫。最大150kgもの無機物を格納できる魔法式異次元コンテナで、この空間内には武器弾薬や燃料を格納できる。
これにより実弾、エネルギーパックの瞬時の補充が可能で高い継戦能力の一助となっている。
最も維持・可動させるにも莫大な外部エネルギー(ポピュラーなのは魔力もしくは電力)が必要なので言うほど使い勝手は良くない。ぶっちゃけ燃費悪い。

二つ目は貴重な重力石を用いた限定的な慣性制御能力。
これにより機体に掛かる負荷を大きく軽減しており、超高硬度(誤字にあらず。めちゃ固い)ドロップポッドに乗り込まされて出射されても人員への負荷は最低限で済んでいる。

また同時に自重軽減機能も備えており、機体各所に内蔵したスラスター及び風系魔法陣による空中機動が可能。
戦闘機は無理だが戦闘ヘリや小型ドローン程度なら空中で圧倒できる。プロペラ機くらいまでなら楽勝で追いつける。
本格的な航空戦力が出てきた際には対空レールガンを始めとする対空オプションで対抗する。

少人数で奇襲し、敵中枢を短時間で制圧することを目的とした超攻撃型兵器。
決戦の名を関しているのは伊達ではない。


元々は国内に多数開いたゲートに対応できる兵器を求めて研究され始めたものであり、辿り着いた答えが超絶戦闘能力により敵中枢を制圧もしくは破壊し、戦局を終結せしめるというものであった。

ぶっちゃけると最悪国内に10個の戦線を抱える可能性を恐れた上層部(という名の夢幻会)が、それなら身軽な超少数精鋭を向かわせて首狩り戦略(戦術にあらず)するしかねぇ!という暴走により生み出された。

このような暴走的兵器が生み出された背景には異世界に存在する強力な個体生物に対抗するための最終兵器という側面も存在する。
つまるところ物語に出てくる魔王や勇者みたいのが敵対した際の措置である。

実際のところそこまで突飛な個人戦力は今のところ観測されず、途中開発中止にすべきかと議論が上がったのだが、その後ドラゴン族がいる世界とゲートが繋がったのを契機に開発続行となった。
このためドラゴン族と国交を結んで以降の決戦装甲服シリーズの仮想敵というのが現代地球並の技術力を持ちながらドラゴン族並みの戦闘力を誇る大戦力が籠る敵重要地域となっている。


欠点はそのお値段。元々の高性能っぷりのコストに加え、希少な重力石を用いているため一機のあたりの値段はフリーゲート艦並。なおコストの大半は搭載されている重力石と亜空間格納庫装置である。
このため日本を含めた大東亜共栄圏軍全体で未だ200機も配備されていない。
また最新技術の塊であるため整備性も極悪。専ら短期作戦に投入され短い時間内にフルパワーで暴れるため、作戦後は毎回オーバーホールが必要なほどである。

30機で一個小隊として扱われ、204X年現在では6個小隊が運用されている。
2個小隊が日本国内、3個小隊が日本以外の大東亜共栄圏全体に、最後の一個小隊が米国に派遣されている。


試作の21式。初の正式採用モデルの23式。第二世代の29式。現状最新鋭の37式が存在している。
重力石を用いた慣性制御を取り入れたのが第二世代。第三世代である37式は亜空間格納庫の個別搭載に成功した初めてのPS。

872:トゥ!ヘァ!:2022/10/09(日) 18:50:58 HOST:FL1-122-133-164-39.kng.mesh.ad.jp
  • キプロス
地中海に浮かぶ島国だった地域。

202X年におきたゲート禍により国体が崩壊。
ゲートから侵攻してきた虫のような異世界生物が他に散らばることを恐れた当時の欧州諸国により核攻撃がなされ、全土が焦土と化した。

国家としては完全に崩壊しており、以降はSEUによって保護領として扱われている。

ゲート確保以降は脅威度S認定され、異世界戦線扱いとなった。
現在は向こう側の異世界に在住の現地民と手を組んで異世界昆虫軍団相手に激闘を繰り広げている。




  • 脅威度
ゲートの脅威を図るための目安。詳しく言えばゲートで繋がった先の異世界の脅威度を指す。

一番下のDから上のSまであり、Dで特別の脅威無し、Cで近隣に好戦的国家あり、Bで地球側へ明確に敵意あり、Aで核兵器に準じる戦略兵器持ち、Sで対話不能。苦戦必須。ゲートから溢れ出ては文明の危機。
といった段階に別れる。


現在S級認定されたのは米国内の四つのゲートくらいで、イスラエルゲートが始めての米国外ゲートにおけるS級認定。

異世界戦線と称されるのはA級危険度の存在と戦争中のゲートとなる。



  • 核兵器の取り扱い
この時代異世界からもたらされた技術を用いてある程度の放射能除去や核融合技術の実用化がなされている。

また魔導式シールドという名のバリアやレールガンや高出力レーザー兵器の実用化により迎撃能力が高度化した結果、既存の弾道弾及びミサイルによる核攻撃は成功率が大きく低下している。

このため最低でも数百発単位での運用ならともかく、数発程度の核搭載ミサイルは大きな脅威ではなくなっている。

何よりもこの時代では、やれ対消滅弾頭やら、やれ重力圧壊弾頭やら、やれ魔導汚染弾頭やらと凶悪な戦略兵器が跋扈しており、核分裂、核融合を用いたミサイルの脅威度は一段下に見られている。

イスラエルは数十発の核融合弾頭搭載弾道弾や大型ミサイルを整備していたが、弾道弾発射設備が事前に制圧されてしまった。
この点では四大国とそれ以外の諜報能力の差、もしくはゲート技術の差を如実に表している。
また運よく潜水艦から発射した分も全て迎撃されて終わった。

873:トゥ!ヘァ!:2022/10/09(日) 18:51:42 HOST:FL1-122-133-164-39.kng.mesh.ad.jp
投下終了

ロシア「新しいゲートやん。取るンゴ」

欧州「ロシアには絶対渡さねぇ」

日本「腐ってもイスラエル軍が対処できないとか準ゲート禍状態じゃん。最強戦力派遣しよ」

米国「たまには外に目を向けた方がいいと思ったので日本のお付き合いとして向かわせてもらいました」

イスラエル(返事がない。ただの国家のそっくりさんのようだ)

879:トゥ!ヘァ!:2022/10/09(日) 23:46:39 HOST:FL1-122-133-164-39.kng.mesh.ad.jp
追記
中東連合について


中東連合君はまぁ元々チャンスと思ってイスラエル殴ってただけなので、四大勢力が介入してからはクモの子散らすように逃げ帰りました。
この時代。イスラエルの例を見ればわかるように大国からの介入ってのは一昔前よりずっと気軽に起こりますので。


中東諸国の中身としては

イスラエル:ユダヤ資本を元手に独立独歩でやってきた。
日米を中心に兵器を輸入していたがゲート技術で遅れを取っており、今では時代遅れの軍事国家扱い。
今回遂に国内に念願のゲートが開いた。結果実質的な自立を失った。


ヨルダン・イラク連合:国内にゲートが出現し、混乱していたヨルダンをイラクが支援し設立された連合国家。
実質イラクがヨルダンを傀儡にしている。ヨルダンのゲート先がゴブリンやらオークやらの魔物の生息地で現地文明の存在も未だ発見できておらず、現状では資源や土地の開拓も進んでいないため赤字状態。
ユーロシアから兵器を買っているが、関係は友好国止まり。


シリア:レバノンを飲み込んでおり、対イスラエルの急先鋒であった。
今回のイスラエル事変でも真っ先にイスラエルへ侵攻した国。国内にゲートは存在しないがキプロス殲滅時に偶然生き残った異世界昆虫が国内に逃れて繁殖しており、その対応に四苦八苦している。
ユーロシアから多大な支援を受けており、中東における同国のメッセンジャー的役割を持つ。
ユーロシア空挺部隊は作戦後シリアに撤退し、同国から飛行機で帰国する予定。


イラン:今回の騒動には関わらなかった国。立地的に関わりにくいので仕方ないが。
北部をユーロシア、東部をパキスタン、西部をヨルダン・イラクとユーロシア系勢力に囲まれているためSEUから支援をもらって独立を維持している。

国内でゲート先の近現代系国家と国交を結んでいる。またペルシャ湾のゲートを巡ってアラビア連合と衝突中。


アラビア連合:上記で紹介した国家以外のアラビア半島国家がまとまり成立した勢力。
国内に複数のゲートが存在しており、そのすべてから様々な種類のモンスターやモヒカンが出現し、それらへの対応に苦労している。
主義主張の違う国々だったのが連合を組んでいるのもこれらに対応するため。
一応自力での対応には成功しているので大国は介入してきてないが、国境沿いや海沿いのゲートを巡って度々近隣諸国と衝突している。
ゲートが国内に複数存在しているため中東諸国の中ではゲート系技術に秀でている。また米国からも度々兵器を購入している。
今回の事変では長年国境沿いのゲートを狙っていたイスラエルを潰す良い機会と見て侵攻した。

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最終更新:2022年11月18日 23:45