356:ホワイトベアー:2022/11/17(木) 21:40:44 HOST:om126253159136.31.openmobile.ne.jp
日本連合小ネタ 日常の中で
相模湾に異世界とのゲートが開き、日本は日本連合軍という異世界から襲来した軍隊に占領され、その統治下に置かれるというラノベやアニメ、映画にありそうな状況におかれた。
大都市圏を中心に日本各地には日本連合軍の部隊が進駐し、各大都市には武装した部隊が展開していくのだが、
大半の日本国民は取り敢えず戦争が回避された安堵と今後への不安を抱きつつ、されど特に何かをするわけもなく占領前と対して変わらない日常を続けていった
それはここシブヤも変わらない。
「ここまで抵抗らしい抵抗がみられないとはなぁ」
シブヤ駅前に警備の名目で駐車されている3台の装甲車のうち四輪型でいわゆる歩兵機動車に分類される車両の運転席に座っていた彼女は、
銃器で武装している自国を侵略した占領軍の兵士を前にして無防備かつ無警戒で信号が青色に変わるのを待っている群衆を見ながら呟いた。
「平和なのはいいことじゃない。それともアフガンのように銃弾やロケット弾での熱烈な歓迎がお望みだったかしら?」
「まさか、平和なことは万々歳だよ。だけどよ、それはそれとしてある程度の抵抗は覚悟してきたのにこうも無抵抗を貫かれるとそれはそれで不気味だろ?」
彼女の乗る歩兵機動車には車体上部に12.7mm機関銃を装備した銃座が設けられており、そこから周囲を警戒している同僚が軽口を飛ばしてきたので、彼女も軽口風の口調で返す。
だが、その言葉に嘘は入っていない。
日本連合軍の進駐と軍政の開始からしばらく経ったが、それでも占領開始から現在まで武力を用いた抵抗運動は一切確認されていない。
それどころか多くの地域では日本連合軍が進駐して時間が経過すればするほど地元の住民たちは日本連合軍の存在を当たり前のこととして受け入れていった。
それはシブヤ駅前も変わらず、部隊が配置された当初はその物々しさや珍しさから多くの人々は目を反らして早歩きで去るか、
あるいは逆に物珍しい目で見たり話しかける、近づいて一緒に写真を取ろうとするなど彼女らに何らかのアクションを見せていた。
しかし、時間の経過とともにそうした行動を取る人間の数は減っており、現在ではそういった行動を見せる人間の数は進駐したばかりの頃からだいぶ少なくなっている。
こうした日本国内での姿勢と雰囲気の変化は占領統治に関する負担やリスクの低下という面では日本連合軍の将兵にとって喜ばしいものである。あるのだが・・・
いくら政府が占領状態を受け入れたとは言え自国が他国に征服された状態をハイそうですかと軍隊と国民の大多数が受入れ、
抵抗らしい抵抗を見せずに占領軍による統治を受け入れている史実日本の世情には人ならざる自動人形である彼女らも拍子抜けするのと同時に薄気味悪さを感じるものも多かった。
「信号が変わるわね」
銃座に立つ兵士が言い終わるのとほぼ同時に歩行者用信号が青色に切り替わる。それを合図に夥しい数の群衆がそれぞれの目的に向かって交差点を渡り始め、
装甲車や銃で武装する自動人形達を意識することなくそれぞれの目的地に向かって散っていく。
異世界からの侵略軍としてほんの少し前まで異様な存在感を発揮していた彼女らの存在すら、今や日本の日常に飲み込まれてしまい、今日も日本では平和な日常が続いていくのだった。
357:ホワイトベアー:2022/11/17(木) 21:41:35 HOST:om126253159136.31.openmobile.ne.jp
短いですが以上になります。
史実日本占領中の日本連合軍末端の話がなかったので書かせていただきました。
舞台が渋谷な理由?・・・プロセカはいいぞ
余談
日本連合軍は占領下におかれた日本国国民に無駄な圧迫感や威圧感を与えないように駅前や公共施設、繁華街などの民間人が多く行き来する場所の警備では、
筋肉モリモリマッチョマンな兵士や無骨かつ無愛想な軍用ロボットではなく日米枢軸ルートの自動人形部隊をなるべく配置するようにしております。
そのためここシブヤ駅前に配置された部隊も全て女子高生ぐらいの容姿の自動人形から構成されています。
基本的な施設警備や警邏にあたる自動人形部隊の服装としてはドルフロのAK-74Mちゃんの服装(マントなしバージョン)をイメージしてください。
最終更新:2022年11月19日 00:20