958:トゥ!ヘァ!:2022/10/13(木) 18:19:57 HOST:FL1-122-133-164-39.kng.mesh.ad.jp
日本大陸ゲート物 異世界大戦
地球時刻 20XX年 第三ゲート世界 太平洋戦線 ハワイ要塞
「馬鹿な…馬鹿な…馬鹿な!」
栄光ある神聖ブリタニア帝国に奉ずるダブリン男爵はグロースターのコックピットで悪態をついていた。
己が乗っているのが最新鋭機であるグロースター。更には戦っている場所はブリタニアが威信をかけて築き上げた大要塞。
だというのに何故こうも圧倒されているのか!
空を我が物顔で飛ぶ敵の航空要塞。海上からは多数の敵艦艇の援護射撃が降り注ぎ、地上の味方は敵の巨大人型兵器相手になすすべもなく落とされていく。
既に自軍側のIFFは6割を切っている。後方の司令部とも連絡が取れない。
自分が率いていた隊も壊滅状態だ。
もしや既に戦線は…そう不吉な考えが脳裏を過った瞬間にそれは来た。
「巨人だぁ!!」
戦争が始まって以降常に我が軍を蹴散らし続けた異世界の日本が操る恐るべき鉄の巨人。航空機並みの速度で地上すれすれを滑空し、その手に持つ銃火器から放たれる攻撃は我が国のKMFを瞬く間に鉄くずに変えていく。
「全機散開!!」
そういった瞬間に残っていた5機の味方の内2機が爆散した。
そのまま近づいてきた巨人の持つ刀勝ちあげられ二機が吹き飛ぶ。
「クソぉ!くそぉ!!!」
ダブリン男爵はせめてもの抵抗とグロースターの30mmアサルトライフルを連射するが、その全ては敵に躱された。そして敵の巨人は目の前に。
「手間を取らせずな。こっちは予定が詰まってるんだ」
意識が途切れる前にそう聞こえたのは男爵の幻聴だったのか。それは誰にもわからない。
第三ゲート世界 太平洋戦線 ハワイ要塞跡地
「ブリタニア兵め。手間取らせやがって」
そう吐き捨てるのは大日本帝国第十七戦術機甲大隊所属の戦術機パイロットである。
彼等はいい加減無駄な抵抗を続けるブリタニア帝国を叩き潰すために追加派遣された部隊の一つで、現在彼らが攻めていたハワイ要塞は降伏している。
アラスカ方面からの攻撃も成功したようで今ではカナダ方面に戦場が移っており、彼等はこの後補給を済ませて西海岸方面への攻撃に加わる予定である。
予定ではこのまま西海岸を制した後に南下し、ブリタニア首都のペンドラゴンを狙う予定である。
首都が東海岸ではなくメキシコ近くにあるのは行幸と言えた。
ここは第四世界。彼らのいた地球から見て三番目に確認されたゲートの向こう側。
その地にて友好国日本に喧嘩を売ってきたブリタニアを叩き潰している真っ最中であった。
959:トゥ!ヘァ!:2022/10/13(木) 18:20:51 HOST:FL1-122-133-164-39.kng.mesh.ad.jp
ゲート。数十年前に突如開いたそれは地球世界に様々なものをもたらした。
新しい友人。新しい素材。新しい市場。そして新しい敵。
アメリカがゲートの先のBETAと呼ばれる敵と戦い始め、中露が自国領土に溢れてきた幻獣の相手をし、欧州で殺戮機械レギオンとせめぎ合いが始まり十数年。
そんな中で日本も新たな敵と戦う必要性に迫られるのは必然であったといえよう。
太平洋にゲートを通してあふれ出してきた深海棲艦。
インド洋に出現しだした巨大生物カイジュウ。オーストラリア大陸でしのぎを削るネウロイ。
日本が受け持つだけでこれだけの相手をしなければならない。
オセアニア・
アジア連合やインド軍も良くやっているが押されがちである。
幸いがどちらも欧州の例のように敵が溢れ出てくるのとは別に、異世界側の人類国家と繋がったゲートも存在している点だ。
これがなければ敵の情報や対応策も取れないうちに両国は陥落していただろう。
太平洋の深海棲艦対策もそうだ。日本領海に艦娘や向こうの人類の拠点と繋がるゲートが開いてなければ
アメリカとの連絡航路は途絶していた可能性が高い。
今の地球人類は幸運によって踏みとどまれているに過ぎない。
そんな中で起きたのが日本国内に幾つかあるのゲートのうちの一つ。
第三世界に通じた先の世界で起きた日本とブリタニアによる太平洋戦争である。
この第三世界。中々重要な世界で、この世界からもたらされる超電導物質サクラダイトは地球世界において主兵装として使われるレールガンを生産するにあたり必須物質なのだ。
それ以外にも発電やCPU製作などにも使用されている重要産業資源。
ゲートが通じた先のもう一つに日本はそんなサクラダイト産出量世界一を誇る国であった。
今となってはこのサクラダイトがなければ太平洋戦線どころか北米戦線ですらおぼつかないであろうことは想像に難くない。
そんな第三世界の日本を度々脅かしたのが太平洋の向こう。ブリタニア大陸に名を変えた新大陸の超大国ブリタニアである。
かの国は日本のサクラダイト資源が欲しいのか度々侵略行為を行っており、10年前の侵攻を跳ね返してからも既に2度も衝突している。
最も第二次太平洋戦争と名付けられた10年前の衝突でブリタニア側の侵攻戦力を軒並み沈めてからは大人しく、2度の衝突も小競り合い程度であった。
しかし10年という節目を迎えたからか、もしくは新兵器KMFの運用に自信がついたからか、ブリタニアは再び大兵力を以て日本へ侵攻を開始した。
後に第三次太平洋戦争。またはブリタニア解体戦争と呼ばれる戦いの始まりである。
いい加減国内の問題は桁付けたいと考えていた大日本帝国は第三世界へ大規模な派兵を決定。
この第三次太平洋戦争でブリタニアと言う国を解体しきることを決定した。
以降半年間戦争が続いたが、ブリタニアは最終国防ラインであるハワイ要塞が陥落し、戦場は本土へと移った。
結果だけ言おう。以降二か月に及んでブリタニアの抵抗は続いたが、一か月目で首都ペンドラゴンが陥落。
南米方面へと遷都したが、それも次の一か月で陥落し遂に降伏した。
降伏後のブリタニアの扱いは分割された。
西海岸及び太平洋方面は日本領に。エリアは全て独立。南米は領土を欲していたEU、中華連邦、ジルクスタンに分けてやった。
残りの西部以外の北米がブリタニアに残された領土とされた。
ブリタニアの政治体制も絶対王政から共和制に移行されたり、次期大統領選定に揉めたりなどの話はあったが、ここでは割愛する。
大事なのは元の世界の話。
日本はこの第三ゲート以外にも幾つかの戦線を抱え込んでいた。主要四勢力が何故か日本に攻めこんできた第四ゲート世界。
突然東京上空から異世界の軍勢が攻めこんできた第六ゲート世界。
隣の大国が攻めこんできた第七ゲート世界など。
その全てで悉く相手を退け、あるいは解体してきた。
日本の余力と言うのは常にどこかの異世界に割かれており、その全力というのを基の世界で発揮させることができずにいたのが今までの状況である。
そんな中で第三世界の問題は大まかには解決された。
第四世界は戦線が広い分だけ苦労しているが、苦労しているだけ。大まかには解決してきている。
第六世界は東西で日本を分割しているが、敵に余力がなくなってきたのは目に見えてわかる。
第七世界についてはシリコンカビを克服した今となっては一方的な戦いになっている。
日本国内にある他のゲートは現状これといった問題なし。
つまるところ時が来たのだ。
960:トゥ!ヘァ!:2022/10/13(木) 18:21:35 HOST:FL1-122-133-164-39.kng.mesh.ad.jp
20XX年 日本 東京
夢幻会会合
「一心不乱の大攻勢!」
突然の大攻勢発言で始まった
夢幻会会合であるが、その言葉は間違いではなかった。
この会合自体、これから始まる大攻勢における最終確認のためのものなのだから。
「オセアニア方面は物資の貯蓄完了。120%です!
オセアニア・
アジア連合も準備万端だそうです」
「太平洋方面は米統一軍との連携も完璧です。今度こそこちらの世界に作られた深海棲艦に拠点を灰燼に帰して見せましょう」
「ユーラシア方面の防備は完璧です。中露同盟軍も今度ばかりは協力を約束しました。まあ最悪彼らが動かなくても自力で幻獣の攻勢を跳ね返すくらいの防備は備えてあります」
「インド洋方面だがイェーガーの集中配備が完了した。未だカイジュウ連中が通ってきているゲートの位置はわからないが、オセアニア方面には一匹たりとも通さないことを約束しよう」
「本土ですが戦線を抱えているゲートはどこも戦況は優勢のままです。
念のためダメ押しの援軍も送りましたから、少なくとも攻勢の最中はどんな問題が起ころうと抑えて見せます」
「つまるところ準備万端ってことですね。では始めましょうか。ここ数年の集大成を世界へお見せしましょう」
「「「「異議なし!」」」」
嶋田さんの最後の一言と、それへの賛同で最終方針は決まった。
目標は深海棲艦の拠点。ポリネシアネスト。及びネウロイの拠点。タスマニアネスト。
この二つの拠点を攻略し、太平洋の安全を絶対のものとする。
夢幻会の面子は今一度やる気を込めて叫んだ。
「「「「「いい加減一休みしたいんじゃー!!!」」」」
彼等はここ数年。まともに休めていない。
961:トゥ!ヘァ!:2022/10/13(木) 18:22:31 HOST:FL1-122-133-164-39.kng.mesh.ad.jp
〇説明
数十年前に発生しだした謎の超常空間。ゲートの先は異世界に繋がっている。
アメリカに発生した第一ゲートを始め、現在では世界中に点在しており、人類が確認できていないゲートも存在する。
平和裏に国交を持てた世界もあれば、人類に敵対的な存在が出現したゲートも存在する。
中露国境上のゲートから流入してきた幻獣。欧州バルカン半島のゲートから現れたレギオンなどがそう。
アメリカは第一ゲートの先の世界でBETAと呼ばれている異星生物と戦争を繰り広げている。
日本はオーストラリアに出現したネウロイ、及び太平洋ポリネシア諸島に出現した深海棲艦、未だゲートの特定に至っていないインド洋のカイジュウを相手に戦い続けている。
これら人類と敵対的な存在との戦争以外にもゲート側の友好国に戦争を仕掛けてくる国家や、直接ゲートを超えて侵攻してくる異世界国家なども存在している。
反面異世界との交流でもたらされた産物も多い。
サクラダイト。パワードスーツ。魔力転換炉。魔法。聖遺物。錬金術。小型核融合炉。G元素。
この多くは地球世界に大きな革命をもたらし、また人類と敵対的な存在との戦争に大いに役立った。
ゲートは福音も凶報。その両方を無機質にもたらす存在である。
ゲートを通して人類に敵対的な存在とコンタクトしてしまっているため、各地では大きな軍事同盟や連合が組まれることとなった。
アメリカを盟主とする
アメリカ統一機構(Organization of American Unity OAU)
欧州とアフリカの連合であるヨーロッパ・アフリカ連合(European-African Union EAU)
中国とロシアの軍事同盟ことユーラシア協同機構(Eurasian Cooperative Organization ECO)
日本を主軸とした東南アジア、南アジア、オセアニアによる連合帯。インド洋・太平洋共同連合(India-Pacific Joint Union IPU)
大凡この四つに別れている。
一応は近しい間柄の国々でそれぞれ構築されているのだが、四大勢力同士で特に大きな対立をしているわけではなく、むしろ積極的な協力関係を結んでいる。
これはどこの勢力も人類に敵対的な存在との戦線を抱えているためである。
一致団結とは言わないがある程度呉越同舟程度出来ねば死ぬ。
絶対的敵対存在体(Absolute Adversarial Entity AAE)
ゲートを通して地球に現れた、もしくは地球に来たらヤバいとされている人類と決定的に敵対的な勢力存在の事。
太平洋のネウロイと深海棲艦。南米の侵略生物。北米のゲート先にて激闘と続けるBETA。
欧州のレギオン。ユーラシアの幻獣。インド洋のカイジュウ。
現状は主にこの7種類とされている。
この他にも異世界の魔物やら戦争仕掛けてくる国家などもいるが、地球国家側から見て脅威と見られなければ単なる敵対勢力扱いとなり、絶対的敵対存在体とはされない。
962:トゥ!ヘァ!:2022/10/13(木) 18:23:14 HOST:FL1-122-133-164-39.kng.mesh.ad.jp
第三世界
コードギアス。第四世界境界戦機。第六世界逆転世界の電池少女。第七世界重鉄騎。第九世界ネギま。第十世界シンフォギア。
この六つの世界が日本国内のゲートから通じている世界。
第三、第四、第六、第七のゲート先ではそれぞれ別国家と戦争中。どれも戦況優勢。
第九と第十は現状平和的な交流で終始しているが、それぞれのゲート先では様々な事件が起きており、異世界調査局のエージェントを送っている。
ギアス世界ではブリタニアをボコし終えて解体中。
境界戦記世界では
アジア協商をバラバラにし、オセアニアを下し、北米を経済的に追い込み講和させ、大ユーラシアは現在欧州とロシアで分裂の危機である。
電池少女世界は真国が有する東日本と大日本が支援する西日本で冷戦中。
重鉄騎世界は単純に中国本土を燃やした。
ゲート出現後に日本で設置された特務機関。
文字通りゲート先の異世界を調査する機関。
(富)←この人がトップのでその下には
(ボ)こんな人や(甘粕)こんな人や(道満)こんな人に(桃太郎)こんなのや(吉良)こんな奴と(愛染)こんなのたちがいる。
因みに全員転生者なのでなんちゃってなりきりキャラである。
一応これでも日本切っての優秀なエージェントたちである。個人戦闘力も非常に高い。
色々な世界から様々な技術が流れ込んでいるので非常に混沌としている。
レギオンをリバースエンジニアリングし、境界世界のAI技術と合わせて生み出された無人機。
大凡各国の主力兵器として活躍している戦術機。
KMFとアメインを合わせ、小回りの利く兵器として日本が作りだしたAC。
歩兵の一般装備となっているパワードスーツの類。
魔法系技術を用いた魔導兵。
戦車から軍艦、戦術機にまで普及したサクラダイトを用いたレールガン。
技術革命により実現した航空要塞ことエスコン系大型飛行兵器群。
レールガンや荷電粒子砲の実用化により蘇った現代の戦艦。
この他にも様々etcである。
963:トゥ!ヘァ!:2022/10/13(木) 18:23:46 HOST:FL1-122-133-164-39.kng.mesh.ad.jp
投下終了です
前に書いたことのあるネタを幾つか合わせて混ぜ込んで暇見て作ってみた物です。
最終更新:2022年11月27日 10:32