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現代日本大陸化&銀連神崎島クロスSS ある日、日本が『超』大陸と化してしまった件サードシーズン?特別番外編 サードシーズン中のウマ娘達の出来事 その10


大阪でのやり取りから二日後、カナはターボや南坂と共に理事長の下へ。
目的は言うまでも無く、ターボの特別訓練の許可だ。
カナの言い分を一頻り聞いた秋川は、幾つかの質問をする事にした。


秋川「質問!何故そこまでして、ゴーストウィニングの打倒に拘るのか?」

ターボ「ゴーストはとっても強い!普通に考えたら殆どの人が勝てないって言う!でも・・・だからこそ、ゴーストに勝ちたい!」

ターボ「テイオーに教えて貰った『諦めない事の大切さ』。それが何よりも凄く、かけがえの無い物だって事を、ゴーストに勝つ事で証明したい!」

秋川「疑問!何故南坂トレーナーではなく、外部の人間を頼ろうとするのか?」

カナ「端的に言って、トレーナーが激務過ぎて追加で指導出来そうにないからや。まぁ、チームメイトを増やしたウチ等にも原因は有るけどの」

カナ「というか、常々思うけどトレーナーの仕事量とそれに比例する負荷が殺人的やねん!トレーナーを殺す気かと思うわ!」

カナ「サブトレーナーと言う役職は有るみたいやけど、実際にそういう人間が指導の補助をしているのを見た事無いねん。少なくとも、ウチ等のチームには居らんみたいやの」

秋川「・・・南坂トレーナー。オーバーワークなのは、真実か?」

南坂「・・・悔しいですが、カナさんの言う通り余力が皆無な状態なのです。ですが、ターボさんの夢を叶えてあげたいのも、また事実です」

南坂「こんな事を言ってはトレーナー失格と言われるかもしれませんが・・・信頼出来る人なのを確認した上で、ターボさんの特訓をお願いした次第です」

秋川「・・・・・」

128:194:2022/11/24(木) 19:26:00 HOST:ai126149098028.54.access-internet.ne.jp
渋面な顔をしつつ、三人を見る秋川理事長。
言うまでも無く、ウマ娘に対する本格的なトレーニングには資格が必須となる。それも

「T大受験と比較される難度」

「合格者が出ない年もある」

という、難関という言葉では到底足らない程の難易度を誇る資格だ。
その資格を所持するトレーナーを差し置いて、外部の人間が代わりに指導をする等、本来なら言語道断だ。
だが、一方で指導する側の人材が慢性的に不足しているのも、また事実。実際カナが言った通り、トレーナーを補助するサブトレーナーを用意するのもままならない程だ。
現にそれが原因で、南坂トレーナーがオーバーワークな状態となり、大きな負荷をかけてしまっているのだ。それ故に、頭ごなしに却下する事も出来ない。


秋川「・・・質問。特訓と言うが、どの辺りのレベルを想定しているのだ?」

カナ「基本的に、総合的に強くなる為の体作りのみを考えとる。走り方やフォームの指導とかは一切考慮しとらん。そもそも、その辺の知識は流石に無いしの」

秋川「あくまで体作りのみ、と言う訳か」

カナ「せや。本気でゴーストに勝つとなると、今のターボのカサではやれる事が限られる。それではまともにやり合うのもままならんのが現状や」

カナ「今回お願いしたヤスさんは、強い体作りの第一人者と言っても過言では無い人や。人とウマ娘は、多くの部分で体の作りが似とる。やってみる価値はあると、判断したんや」

カナ「理事長、この通りや!ターボの叶えたい夢の為にも、今回の事、認めたってや!」

ターボ「お願い、理事長!ターボ、もっともっと強くなってゴーストに勝って、トリーやカナの様に沢山の人達に夢を見せる事が出来るウマ娘になりたい!」

南坂「・・・私からもお願いします、理事長。横紙破りなのを承知の上で、どうか認めてあげて下さい」


そう言って、三人がそれぞれ頭を下げる。
そんな三人の前で、目を瞑ってしばし瞑目する秋川理事長。
許可を出さないのは簡単だ。資格の無い人間に指導させてはならないという、動かしがたいルールが有る。
だが・・・ルールに拘泥する余り、肝心のウマ娘の夢や思いを踏み躙っては本末転倒ではないか。
少なくとも、『あらゆるウマ娘を支えたい』という信念を持つ彼女としては、その選択肢を取る事は出来なかった。

129:194:2022/11/24(木) 19:26:30 HOST:ai126149098028.54.access-internet.ne.jp
秋川「・・・たづなよ」

たづな「はい」

秋川「本来なら、資格を持たない者が指導するのはご法度だ。それは、間違い無いな?」

たづな「・・・そうですね。そのウマ娘の夢と人生を預かる以上、それは動かしがたい事です」


二人のやり取りにターボは涙目となり、カナと南坂も顔を青くする。
だが・・・


秋川「・・・しかしだ。それは、ウマ娘の夢や思いを犠牲にしてまで守らなければいけない事か?」

たづな「・・・理事長!?」

秋川「今回の事も、我々上層部が十分な指導要員を確保出来なかったが故に起こった事だ。そのツケを、今現在頑張っているウマ娘達やトレーナー達に押し付けるのは、間違っていると思う」

たづな「まさか!?」

秋川「結論!取り敢えず『お試し』と言う形で、特別に認めようと思う。どの様な結果が出るか、楽しみではないか」

たづな「ま、待って下さい!流石にJURAのお偉方が黙ってはいませんよ!?」

秋川「もし文句を言ってきたなら、逆に言ってやると言い!『指導要員不足を解決出来る妙案が有るなら、今ここで言ってみて、そしてやってみせろ』とな!」

たづな「・・・そこまでおっしゃるなら、私からは言える事は無いですね」


溜め息を付きながら、秋川理事長の言い分を認めるたづな。
二人が出した結論に、先程とはうって変わって喜びの顔を見せるターボ。思わず、秋川理事長に抱き着く。


ターボ「有難う理事長!!ターボ、絶対に強くなる!テイオーやゴーストが本気で驚く程の、強いウマ娘になるから!!」

秋川「こらこら!泣きながら抱き着くな!取り敢えず約束として、通常の学業とトレーニングも怠らない事。そして・・・次のレースで結果を出す事。それが条件だ」

ターボ「うん!ターボ、やる!次のレースで、皆がアッと驚く結果を出して見せる!」

秋川「うむ、いい返事だ。因みに南坂トレーナー、次はどのレースに出る予定なのだ?」

南坂「はい。三週間後のオールカマーを予定しています」

秋川「GⅡレースか・・・。まずはどの様な結果となるか、見守ろうではないか」


こうして、秋川理事長の鶴の一声で正式に許可が出る事に。
早速その日のトレーニング終了後に、トレセン学園から西に200mの所に有る安川フィットネスクラブに足を運ぶターボ。そこには既に、ヤスさんが準備を整えて待っていた。
そして・・・ターボを鍛え上げるブートキャンプがスタートする事となったのだった。

130:194:2022/11/24(木) 19:27:00 HOST:ai126149098028.54.access-internet.ne.jp
以上です。秋川理事長への説明と、彼女の決断と言う展開になりました。トレーニングのシーンまで行けんかったorz
サブトレーナー云々ですが、渋の百科事典で初めて知りました。ですが・・・アニメにしろゲームにしろ、そう言うのが出てくるシーンが皆無なのが(汗)
多分、求められる物がトレーナーと同じと推測出来てしまうので、正規のトレーナーも不足気味な現状ではそんなのが出ないのも当然なのかと。
最終的には、

『あらゆるウマ娘を支えたい』

と言う信念を持つ秋川理事長のの鶴の一声で、正式に許可が下りました。
さて、次回以降の予定ですが次回はトレーニングの様子を書いて、その次はオールカマーでの戦いの様子となる予定です。お楽しみに。
wiki掲載は、自由です。

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最終更新:2023年01月14日 09:27