267:194:2022/12/01(木) 19:25:29 HOST:ai126196244228.17.access-internet.ne.jp
現代日本大陸化&銀連神崎島クロスSS ある日、日本が『超』大陸と化してしまった件サードシーズン?特別番外編 サードシーズン中のウマ娘達の出来事 その13
前回のラストで、晴れてカノープスのメンバー達全員を見る事となったヤスさん。
とはいえ、現時点ではまだトレセン学園内で活動する許可を貰っていない、いわば部外者である。その為、自前の施設でみんなのトレーニングを見る事となる。
授業が終わり、メンバー達と南坂は揃って安川フィットネスクラブに足を運ぶ。
まずは残りのメンバー達の現状を見る為、800mランニング10本と200㎏のベンチプレスをそれぞれ行う事にした。
まずはランニング。マチタンやスラテン辺りは多少息が上がっていたが、初期の頃のターボよりはましだった。
そして間髪入れずにベンチプレス。ターボを除く半分以上のメンバーは流石に上がらなかったが・・・
ビーフ「ふぐぐ・・・・・ぬおー!!」
スラテン「うぬぬ・・・・・がああああ!!」
意外と力が有るこの二人だけは、何と持ち上げる事に成功する。
ヤス「アラ、200㎏を最初から持ち上げれるなんて、なかなかやるじゃない」
ビーフ「・・・こ、こう見えてパワーだけは自信有るっす!」
スラテン「・・・で、でも・・・かなり一杯一杯です」
ヤス「それでも、大した物よ。持ち上がらなかった娘達も、力を込めた状態を維持し続けなさい。もし手を抜いたら、最初からやり直しよ」
ビーフ「・・・ア、アタシ達はどうするっすか?」
ヤス「あ、二人はそのままの体勢を維持してね。あと15分位」
ビーフ「・・・じ、15分!?」
スラテン「・・・もう一杯一杯なんですけど!?」
ヤス「頑張れ頑張れ♪あ、落としたらもう一回最初からやり直しよ」
ビ-フ・スラテン「「ひぃぃぃぃ~~~(涙)」」
持ち上げてしまった事を今更ながらに後悔する二人だったが、もう遅い。
その後15分の間、涙目になりながら必死に態勢を維持する二人なのだった。
268:194:2022/12/01(木) 19:25:59 HOST:ai126196244228.17.access-internet.ne.jp
ビーフ「・・・・・う、腕が・・・腕が・・・orz」
スラテン「・・・う、腕がパンパンに・・・orz」
ニンスナ『・・・ターボ先輩は、この様な事を毎日』
ターボ「そうだぞ!ターボも最初は全然上がらなかったし、二人とも凄いぞ!」
ネイチャ「・・・ターボ、涼しい顔して持ち上げてたわよね」
トリー「・・・本当、お姉ちゃんが成長したのを実感するよ」
ターボ「フフン♪もっと褒めてくれてもいいんだぞ」
ヤス「調子に乗らないの。さて、次はプールよ。下半身をもっと強化したいから、平泳ぎ5000mの他に水中ダッシュと水中スクワットもやってもらうわよ」
ネイチャ「うぇ~、本当にスパルタだぁ・・・」
イクノ「ですが、ターボが頑張った結果がオールカマーのアレです。我々も喰らい付いていかなければ」
カナ「せやな。ウチ等もゴーストを始めとする強敵もおるし、頑張るで!」
マチタン「えい、えい、むん!」
筋トレから間髪入れずに、プールでの水中トレーニングを始めるメンバー達。
相変わらず準備運動をせずに飛び込もうとして、イクノに捕まったりしているが。
その間に、ヤスさんは運動後の食事の仕込みに入る。何せ人数が激増したのだ。早めに取りかからないといけない。
そんな安さんの傍に、南坂トレーナーが座る。
269:194:2022/12/01(木) 19:26:30 HOST:ai126196244228.17.access-internet.ne.jp
南坂「色々と骨を折って貰って、本当に有難うございます。ヤスさん」
ヤス「アラ、礼には及ばないわよ。若い娘達が夢に向かって頑張るのは良い事よ。方向を間違えない限りはね」
南坂「ええ。・・・ヤスさんの指導ぶりを見ていると、自分はまだまだだなと痛感する次第ですよ」
ヤス「そんな事無いわよ。少なくともアタシは、カノープスが良いチームだと思ってるわ」
南坂「え!?」
意外な返事に驚く南坂。
調理の手を止める事無く、ヤスさんは続ける。
ヤス「確か、選抜レースでパッとしなかったネイチャちゃんを作ったばかりのチームにスカウトしたのは、貴方だったわね」
南坂「はい」
ヤス「イクノちゃんが怪我して練習もままならなかった時、復帰後のトレーニングを見せて励ましてたそうね」
南坂「え、ええ・・・」
ヤス「ターボちゃんの大逃げを否定せず、尊重した上で勝利する為にあれこれ頑張って、策を巡らせたりしてたわね」
南坂「は、はい・・・」
ヤス「その他にも、よく怪我や病気に悩まされるマチタンちゃんが頑張れる様に指導したり、ターボちゃん達が無理言って入部させた娘達も、見捨てる事無く身を粉にして指導し続けてる」
南坂「よ、よくご存じですね・・・」
ヤス「アタシは担当する人の事を、きちんと調べ上げた上で指導してるのよ」
270:194:2022/12/01(木) 19:27:02 HOST:ai126196244228.17.access-internet.ne.jp
調理の仕込みがひと段落したのか、手を止めて南坂を見据えるヤスさん。
ヤス「確かに、リギルやスピカとかと比べたら見劣りしがちなのは事実。でもね、このチームの居心地の良さと適切な環境作り、個性を尊重するこのチームを作り上げたのは、間違いなく貴方の奮闘の賜物よ」
南坂「・・・」
ヤス「アタシは、貴方のそう言う所が素直に凄いと思うわ。だからこそ、貴方にはトレーナーとして大成して欲しいと思ってるわ」
南坂「あはは・・・煽てても何も出ませんよ」
ヤス「事実を言っているまでなんだけどね。・・・ってコラー!マチタン!ビーフ!スクワットが甘いわよ!ちゃんと水に深く膝を入れなさい!」
マチタン『ふぁ~い!』
ビーフ『はいっす~!』
監視カメラの画像を見て、すかさず叱責を入れるヤスさん。
ここで体をしっかりと作った上で学園のターフに戻り、並走トレーニングもどんどんやって行く事となる。
月日はあっという間に流れて行った。
そして時は12月。今年も有馬記念のシーズンがやって来た。
人気投票で数多くのウマ娘達が選出されていく。今回の出走ウマ娘達だが・・・JURAファイナル並みに豪勢な面子となった。
- スペシャルウィーク
- グラスワンダー
- ウイニングチケット
- メジロライアン
- シンボリルドルフ
- メジロマックイーン
- ナリタブライアン
- ミホノブルボン
- ビワハヤヒデ
- マヤノトップガン
- マチカネフクキタル
- ゼンノロブロイ
- エイシンフラッシュ
- ツインターボ
錚々たるメンバーの中に、ポツンと未だGⅠ未勝利のツインターボが入っている。
人気投票でギリギリ。しかも数人辞退の結果、何とか入り込んだ形である。
それ故に、他のウマ娘達と比べて注目度は天と地程の差があり、ターボの所にはマスコミは誰も来なかった。
271:194:2022/12/01(木) 19:27:34 HOST:ai126196244228.17.access-internet.ne.jp
ターボ「何でマスコミとかが来ないのーーーーー!?幾ら何でも不公平だーーーーーーー!!」
トリー「・・・仕方が無いよ。投票順位が滑り込みだったし」
カナ「前評判も見事に最下位。まぁ他の戦歴が凄いだけに、残念ながら妥当やろな」
イクノ「確かにオールカマーでは快勝しましたが、今回は周りも精鋭揃い。しかも有馬は2500m。ターボさんにとって、不利な要素は有っても有利な要素が見当たりませんね」※メガネをクイッと持ち上げている。
ターボの不満が爆発しているが、周りは今までの実績から妥当でしか無いと判断しており、中々に厳しいコメントしか出てこない。
ターボ「もーーー!トリーもカナもイクノも、ターボの事を応援してよーーー!!」
ネイチャ「ブー垂れたって、現状は変わらないわよ?さっ、そろそろ並走トレーニングに移るわよ」
ターボ「欲求不満だーーーーー!!こうなったら、絶対に有馬で勝って見返してやるんだからーーーーーーー!!」
外にまで聞こえる程の大声で叫ぶターボ。
果たして、有馬記念の戦いはどうなって行くのか。この時点では誰にも分からなかった。
272:194:2022/12/01(木) 19:28:05 HOST:ai126196244228.17.access-internet.ne.jp
以上です。カノープスメンバー達のブートキャンプの様子と、有馬記念の前日譚とも言うべきシーンと相成りました。
一人だけGⅠ未勝利という事も有って、正直浮いてしまっているのが(汗)。JURAファイナルの時の様に、見返す事が出来るかどうかは・・・後のお楽しみという事で。
次回からは、再びフォースシーズンに戻ろうかと考えています。と言っても、2~3話程度ですが。新しい敵とかも出ますので、お楽しみに。それでは。
wiki掲載は、自由です。
最終更新:2023年01月14日 09:35