626:194:2023/01/03(火) 18:25:51 HOST:KD106154146165.au-net.ne.jp
現代日本大陸化&銀連神崎島クロスSS ある日、日本が『超』大陸と化してしまった件サードシーズン?特別番外編 サードシーズン中のウマ娘達の出来事 その16
赤坂「今年もやってきました。年末の中山で繰り広げられる夢のグランプリ、有マ記念。例年同様に、大きな盛り上がりを見せております」
赤坂「実況は私、赤坂。解説は細井 澄子さんとなります。よろしくお願いします」
細井「よろしくお願いします」
赤坂「さて、今回の有マ記念ですが・・・細井さんはどうご覧になられますか?」
細井「GⅠ優勝ウマ娘が大半を占めていますからね。誰が勝ってもおかしく無い戦い。全く予想が付きません」
細井「会見では、ビワハヤヒデとナリタブライアンの姉妹対決やスペシャルウィークとグラスワンダーのライバル対決が注目されていますが、他も決して劣らない精鋭揃いです」
赤坂「好レースが期待出来そうですね。今から楽しみです」
そのやり取りの通り、ここ中山競バ場は肌寒い冬を忘れる位の、熱い熱気に包まれている。
果たして、誰が栄冠を勝ち取るのか。この時点では誰にも分からなかった。
さて、各ウマ娘のゲート位置は以下の様になっている。
1枠①ナリタブライアン
②グラスワンダー
2枠③メジロマックイーン
④シンボリルドルフ
3枠⑤スペシャルウィーク
⑥エイシンフラッシュ
4枠⑦ツインターボ
⑧メジロライアン
5枠⑨ビワハヤヒデ
⑩マヤノトップガン
6枠⑪マチカネフクキタル
⑫ゼンノロブロイ
7枠⑬ウイニングチケット
⑭ミホノブルボン
627:194:2023/01/03(火) 18:26:21 HOST:KD106154146165.au-net.ne.jp
ビワハヤヒデ(以下ハヤヒデ)「・・・・・ブライアン」
ナリタブライアン(以下ブライアン)「・・・何だ、姉貴?」
ハヤヒデ「お互い、良いレースにしよう」
ブライアン「・・・当然だ」
ゲートに入る直前、そんな言葉を交わす二人。
夢にまで見た姉妹対決。それが遂に現実となったのだ。
後は言葉ではなく、自らの走りで語るのみ。二人の言葉は、そう告げていた。
その一方、スペシャルウィークとメジロマックイーンは・・・
マックイーン(・・・やはり誰も、ツインターボさんには注目していない。今までの戦績を考えると、無理からぬ事ですが・・・)
スぺ(・・・一度どころか二度もテイオーさんを破ったという事実。もう嘗てのターボちゃんじゃない。しっかり注視しないと、足元を掬われかねない・・・)
グラスワンダー(以下グラス)「・・・スぺちゃん?」
スぺ「ひゃいっ!?・・・ぐ、グラスちゃん?」
グラス「・・・何を考えているかは分からないけど、ちゃんと全力で私に当たって下さいね?」
かつての宝塚記念の戦いの再来を心配してか、しっかりと釘を刺すグラス。
その言葉に思わずハッとするスぺ。敵はツインターボだけではない。ここに居るウマ娘達は、揃いも揃って超一流揃いのウマ娘なのだ。
その事実を改めて思い出したスぺは、親友に感謝しつつ改めて気合を入れ直す。
スぺ「・・・ゴメンねグラスちゃん。でも、もう大丈夫。かつての借り、キッチリと返してみせるから」
グラス「・・・それでこそです」
互いに笑みを浮かべながら、見つめ合う二人。
この二人も、最早言葉はいらない状態だった。
628:194:2023/01/03(火) 18:26:51 HOST:KD106154146165.au-net.ne.jp
赤坂「貴方の夢。私の夢。皆それぞれに持っている夢を叶えるのは、果たしてどのウマ娘なのか?各ウマ娘、ゲートイン完了。体勢が整いました」
ガッチャン!
赤坂「スタートしました!各ウマ娘、出遅れ無し!この序盤、どの様な位置取りになるのか!」
赤坂「まず先行争いはこの二人!ツインターボとミホノブルボンです!」
スタートと同時に一気に走りだすターボとブルボン。スタートダッシュの差でターボがハナを切るも、差は殆ど無い。
後続を引き離してどんどん加速していく二人。そんな中、ブルボンは冷静だった。
ブルボン(・・・ターボさんの大逃げを確認。・・・スタミナを温存、後の先作戦を実行。終盤に躱し、そのまま逃げ切る・・・)
ブルボンはこのまま競い合っては共倒れになると判断。敢えて2着の位置を堅守して、終盤に勝負をかける作戦に出た。
対するターボは、いつも通りにぐんぐんと加速していく。この辺りは、いつも通りのターボだった。
マチタン「ああっ、ターボ飛ばし過ぎ!」
イクノ「過去二戦とも大逃げで戦いながら、どちらも通用せずに惨敗しました。今回も通用するかは・・・」
ビーフ「でっ、でも『三度目の正直』って言葉も有るっすよ?」
ニンスナ『そこまで甘い相手ではないでござるよ』
ネイチャ「とにかく応援しよう。アタシ達に出来るのは、それだけよ」
トリー「は、はい!お姉ちゃん!頑張ってー!!」
カナ「トリーの言う通りや!見返したれー!!」
不安になりながらも、必死に応援するカノープスのメンバー達。
一方、ヤスさんは冷静に観察していた。
ヤス(・・・悪くない、寧ろ良い傾向ね。フォームの乱れも無し、ここまでは満点ね)
この大舞台で調子を崩す事無く走るターボの成長を、はっきりと感じ取っていた。
629:194:2023/01/03(火) 18:27:21 HOST:KD106154146165.au-net.ne.jp
赤坂「さぁ、一週目のホームストレッチです。中山はここに坂が有る。各ウマ娘の位置取りも、ほぼ決まってきました」
赤坂「先頭は依然ツインターボ。少し離れてミホノブルボン。ビワハヤヒデ・ナリタブライアン・マヤノトップガンは先団、少し下がって後ろにメジロライアン・スペシャルウィーク・メジロマックイーン」
赤坂「グラスワンダー・ウイニングチケット・ゼンノロブロイはバ群の中団。そのすぐ後ろにエイシンフラッシュとシンボリルドルフはこの位置。最後尾はマチカネフクキタルとなっています」
ハヤヒデ(この程度の距離、直線前にしかけて差す。何も問題は無い)
ブライアン(姉貴は多分、直線前に仕掛けるな。そこで勝負だ)
マヤノトップガン(以下マヤノ)(マヤ分かっちゃった。この二人は直線前に動き出すって。なら、そこまで此方はスタミナを温存っと)
メジロライアン(以下ライアン)(あの時の負け、キッチリ返してやる!だが、まだ仕掛けるには早い・・・直線前に仕掛ける!)
スぺ(ターボちゃんはいつも通り。でも、油断は出来ない・・・。グラスちゃん達もいる。勝負は、まだ先です!)
マックイーン(・・・序盤はそこそこ良い位置を取れましたわ。・・・テイオーの仇を討つ為にも、絶対に勝利しますわ!)
グラス(・・・ちゃんとこっちを見ていますね、スぺちゃん。後半、一気に仕掛けます!)
ウイニングチケット(以下チケゾー)(やっぱりダービーとは雰囲気が違う・・・。それに、強くなったツインターボもいる。燃えて来たぞー!)
ゼンノロブロイ(以下ロブロイ)(どのウマ娘も非常に強い!でも・・・負けない!ロブ・ロイの様な英雄に・・・なってみせる!!)
エイシンフラッシュ(以下フラッシュ)(ここまでは予定通り。・・・後は、寸分の狂いもなく駆け抜けるのみ!)
シンボリルドルフ(以下ルドルフ)(皆、しっかりと成長している様だ。その事実は嬉しいが・・・だからといって、勝ちを譲る気持ちは無い!!)
マチカネフクキタル(以下フクキタル)(むむむ、最後尾ですか・・・。ですが、今日の運勢は『後方からの差しが吉』と出てます。後半で・・・勝負です!)
それぞれの思いを胸にターフを駆けるウマ娘達。果たして、最初に仕掛けるのは誰になるのか?
630:194:2023/01/03(火) 18:27:51 HOST:KD106154146165.au-net.ne.jp
赤坂「各ウマ娘。位置取りが決まった後はそのまま、と言った感じです。何とも重苦しい空気のまま場が進行していきます」
細井「先に仕掛けるのは誰なのか、注目していきましょう」
1000mを過ぎ、レースは後半へ。南坂がストップウォッチを止めて、1000m通過タイムを見る。
南坂「1000mタイム、59秒丁度。・・・これは」
カナ「・・・抑えとるの、ターボは」
ネイチャ「ええっ!?」
タイムを聞いたネイチャが驚く。何時もの様に飛ばしている様に見えて、まだ脚を残していたのだ。
トリー「残り1500m。ここまでフォームの乱れも無く、上半身の使い方もいい。ここまでは理想的な展開、だね・・・」
スラテン「じゃ、じゃあこのまま逃げ切れるの?」
カナ「いや、流石に今日の面子はそこまで甘くないで。中山は直線が短くコーナーが長いが・・・それでもコーナーから仕掛けても追い付ける範囲や」
イクノ「そして一度抜かれたら、もう一度追い付き追い越す二の脚は無いです。摑まったら終わりです」
マチタン「ッ・・・頑張れ、ターボ!!」
スラテン「私達に構わず逃げて下さい!ターボ先輩!!」
奇跡を信じ、必死に応援を続けるカノープスのメンバー達。
レースは後半を過ぎ、もうすぐ終盤へと差し掛かろうとしていた。
631:194:2023/01/03(火) 18:28:21 HOST:KD106154146165.au-net.ne.jp
以上です。本当は一話で終わらせたかったですが、予想以上に長くなったので前後編に分ける事にorz。決着は次回に持ち越しとなります。
では、短いですが今年もお付き合いして頂けたら幸いです。それでは。
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最終更新:2023年01月14日 09:41