976:陣龍:2022/11/18(金) 21:23:21 HOST:124-241-072-209.pool.fctv.ne.jp
『【真剣勝負】を祝う宴と異世界交流』
「えぇぇぇー-!?この世界だと、凱旋門賞勝利騎手がお二人も居るの!?」
「しかも、一方はUMAによる当たり前の勝利だったのは兎も角、もう一方は戦前日本馬の血統を残し、
日本の中長距離芝G1にKGⅥ&QE杯すらも勝利して無敗のサラブレッド種での……」
「そんなに凄い騎手さんが、ライスに騎乗していたんだ……」
カオスにカオスを重ねた異世界ウマソウルサラブレッドとウマ娘の全身全霊を駆けたレース、
そしてレース後この世界では恒例であるウィニングライブでウマソウルのサイレンススズカ号とライスシャワー号が
観客のウマ娘のほぼ全員を泣かせた後。打ち上げ会だか歓迎会だかと銘打った宴会がトレセン学園の誇る
巨大カフェテリア(食堂)で開かれていた。
「いやぁ……超大陸化とかトレセン学園の神様による召喚とかもやけど、ウチらとしてはあの『ゴーストウィニング』っちゅう娘の経歴が衝撃やなぁ……。
あのアホ共……どの世界でも身勝手に度し難い事ばっかしよる」
「(モゴモゴモゴモゴ)……そうだな、タマ……(ゴキュゴキュゴキュゴキュ)……他のウマ娘と、あの娘は……(バクバクバクバク)
……どうしてか、違う感覚がしたが……(モグモグモグモグ)……そう言う経緯があるのなら、納得だ」
「……オグリは、食べるか喋るかどっちかにしような。何時も言うとるけど」
「ん、そうだな……(ガブガブ)」
「って、やっぱ食べる事優先かい!」
ネタ晴らしで異世界出身と言う事が知られた一同は、改めて自分達の世界とこの世界の差異を宴の合間に聞きつつ、
トレセン学園のウマ娘と交流を深めていた。異世界側では対馬での虐殺と人間蠱毒の生き血を吸わせた核兵器の多数実戦使用、
神界霊界の現世来訪等々の意味不明な惨劇も数多であったが、それ以外でもトレセン学園に対する
一方的逆恨みの【報復】として集めた集団によるガソリン放火未遂テロ事件もさる事ながら、完全な偶然の不幸の連打による
悪夢のピタゴラスイッチによる道路封鎖、馬運車強奪、街中暴走、横転炎上と言う呆れる程に綺麗に繋がったコンボ劇は、
過去女性権利やら動物保護を叫んで競走馬に硫酸をぶっ掛けて来た犯罪団体や、己個人の政治思想の為に意図して
レースのゲートを封鎖する小細工を仕掛けた輩の事を思い起こさせるに十分だった。
「アッハハハハハハ!!なにこれ、マジ面白過ぎて神ってるとしか言えんわーアハハハハ!!
あのタキオンが何度も昇天のメイドインヘブンるってマ!!」
「ふふっ……本当に面白いね。でもなんで、ウマ娘がタヌキになってるんだろうね?」
「メイショウドトウさんが動物と仲が良くて、その中でもタヌキとの交流していたエピソードからウマ娘のタヌキが生まれた見たいなのです」
「……アタシ馬鹿だから良く分かんないんだけどさー、どうして馬と狸が仲が良かったってだけで、別のウマ娘をタヌキにする発想が生まれる訳?
タヌキと触れ合う位なら分かるけどさ」
「細かい事を気にしてもしょうがないのです、どうせそんな深い意味とか無いのです」
「え。あ、うん」
無論、そんな血生臭いし欝々しい事を話す必要性も無いので一切話の端に出す事も無く、専ら異世界側から出すのは自国の
ウマ娘関連のネタ話や映像、画像の類で有った。特に二頭身タヌキ化ウマ娘は、見た目の愛くるしさに加えて好き勝手に
色々キャラ崩壊前提の内容で有る事も多々なので、自分達の知っているウマ娘とのギャップの大きさにツボに入るウマ娘も多かった。
尚、とある怪物二世は自らの身体的な事で弄られる事にショックを受けて親友の日本総大将や怪鳥らに慰められたりしている。
この世界の栗毛の怪物は鎌倉武士でも普通の少女である、事有るごとに薙刀を振り回して腹を切らせようとする事は無い。
精々が命と身の程知らずの不法侵入した不審者を薙刀術で一撃制圧する程度である。
977:陣龍:2022/11/18(金) 21:24:43 HOST:124-241-072-209.pool.fctv.ne.jp
「ほぁー……」
「やっと落ち着いたか……」
「さっきまでが嘘のようだね……」
そしてそんな喧騒から少し離れたテーブル席には、転生ウマ娘トリオが座って落ち着いていた。
テーブルには空になった皿が山積みになっており、この三名もウマ娘らしく色々食べきったのが伺えるが、
その細身の身体の何処にこの質量が消え去っているのかは、生命の神秘として多分分かる事は無いだろう。
「そういえばさ、自分だけ無いんだよね」
「は?行き成り何言うとんねん」
「さっきの話とか【祝福】で私だけあんまり感動で打ち震えなかったのを見ると、向こうの世界の『ゴーストウィニング』のウマソウル」
「はっ……!?」
唐突に言い出した転生馬の一角、ゴーストウィニングの言葉に思わず身構えるトリプルターボとカナリハヤイネン。
何が原因か良く分からないが彼女に起因した大騒動が、またこの宴席で始まるのではと、当たり前だが予想するのは至極当然だった。
「まぁそれに付いては割とどうでも良いんだけど」
二人はこけた。
「……何してるのさ?」
「……いや、お前さんなぁ……先の今のと有ったんやさかい、行き成り突拍子の無い事言い出して来られたらなぁ」
「また泣いて大騒動になったりしたら困るから……」
「今は私の心も落ち着いているから大丈夫だと思う」
「思うて……あぁ、それでええわ」
「でも、本当にどうでも良いの?」
「一応、血族に当たると言うシンザンとセントライトが居るってのは気になるけど、何十代前のご先祖様かって話だからね」
無垢な人間経験に纏う優秀な知性と最優良の才覚、そしてサラブレッドの記憶と言うごちゃ混ぜにも程が有る塊なゴーストウィニング。
普段からして突拍子もなくサラブレッド的行動をしていたが、今度はトレーナー関連となると何を仕出かすか分からないウマ娘と言う評価に、
この二人の転生馬コンビは落ち着いていた。ゴーストウィニングが抱える、魂に刻印された【悪夢】の事を知っているのは、
断片的にシンボリルドルフ会長が聞いた以外では、直接対応したナイスネイチャとセイウンスカイ、そしてマンハッタンカフェのみである。
「……で、行き成りそんな事言い出してどないしたん」
「サイレンススズカ号とライスシャワー号の歌った【祝福】、いい歌だったよね。本当に」
「また何か変な事考えてたりしないよね……?」
「全然そんな事考えていないよ、ちょっとあの歌の音源使って競馬MADの作る映像が浮かんだから作って流そうと思ってるだけ」
「なんやそんな事……は!?ちょい待ち、今なんて言った!?」
「今日のライブの音源を使った競馬MADの作成」
「え、作る事確定なの!?」
事も無く「うん」と頷いたゴーストウィニングが表情に、『あ、あかんわ(駄目だ)コレ』と親友同士内心一致したトリプルターボとカナリハヤイネン。
競走馬時代の馬主が投資家を兼業している動画配信者のインフルエンサーだった事も有ってか、
ツインターボ張りに動画編集を得意としているゴーストウィニング。情緒がある意味ミホノブルボン等より未成長だと言うのに過去
トリプルターボを動画視聴により感動で泣かせた実績が有るウマ娘である。ただでさえ歌その物ですら凄まじかったと言うのに、
それに映像が付与でもされようものなら、どんな破壊力を叩き出すかは想像だに出来なかった。
978:陣龍:2022/11/18(金) 21:26:02 HOST:124-241-072-209.pool.fctv.ne.jp
「……あ、電話だ。ちょっと出るね」
「おう、ゆっくりなー……。なぁトリー、絶対大変な事なるよな?」
「うん、絶対になる。ちょっと想像しただけで涙出てきそうだもん」
「あぁ、せやろな……」
「あ、もしもし、主さ……」
「『ゴースト!?今平行世界からのウマ娘がトレセン学園に来てるってのと府中とかの巨大な物体も
平行世界から来たって緊急ニュースで流れてるけどどう言う事!?後マスコミの取材班がトレセンに取材で向かってるって!!』」
「……はぇ???」
何だか外野が飛んでも無い事態に陥りつつある事を初めて知ったゴーストウィニングは、そんな間の抜けた返答しか出来なかった。
――――それはそれとして暫く後
「ゴーストウィニングさん!?どうしてこんな、恐ろしく感動的な飛んでも無い動画を作っちゃったんですか!?」
「降参!最早、私では収拾がつかぬ!!」
「アッハッハッハ……すみませんでした、つい勢いで」
本当に先の【祝福】の音源を使った競馬MADにウマ娘映像も差し込むアクセントの匠の技の結果、普段から事有るごとに感動の涙を流す
ウィニングチケットは当然ながら、そう言った涙を流す事は殆ど見た事も無い様なテイエムオペラオーすらも何時もの演劇振りが全くできずに
大泣きするキャラ崩壊を引き起こし、中二病全開のタニノギムレットも同じくキャラ崩壊の中二病セリフ皆無な本気号泣となり、
不良ウマ娘を纏めるシリウスシンボリすらも同胞の不良ウマ娘達が完全に周りが見えなくなる程泣き出す中タオルで目頭を抑えていたりと、
異世界から来たウマソウルすらも巻き込んで泣かせる大騒ぎになった。
せめてもの救いは、許可を取って事前に予告しているスマートファルコンのゲリラライブのノリで夕食時のカフェテリアのテレビで流した事から、
自主トレ等でその場に居なかったウマ娘も又多かった事位だろうか。軽い気持ちで見た黄金・覇王等各世代が揃って涙で顔に滝を作っているが。
979:陣龍:2022/11/18(金) 21:28:32 HOST:124-241-072-209.pool.fctv.ne.jp
『花舞 神流』…本名・飯崎 鈴夏。『超大陸化』後に、所謂『生えて来た』動画配信者兼投資家。
某SNS社の陰謀()によるシャドウバンも鼻で笑うインフルエンサーだが、海外の頂点勢と比べると
活動域が日本限定なのもあり比較的大人し目。馬主になったのはある種の思い付きだったが、
その結果誰も買おうとしなかったゴーストウィニングを格安で落札し、結果競馬界に永遠の爪痕を残す
怪物を世に産み落とす事になった。現在は普段の配信業に加えて、馬主時代の縁で他馬主の持つ企業等や
競馬関連の宣伝も行っている。
戸籍上、ゴーストウィニングの母親の席に本氏が登録されているが、彼女は初婚も未だの人間である。
ウマ娘ゴーストウィニングとの関係は、竹内騎手兼トレーナーと同程度には良好で、
仕事の傍らゴーストに関連する申請の親代わりになってたりもしている。
|д゚) と言う事でカフェテリアの中での一幕とかこんなんやろなと思い付きでした
|д゚) 勝手にやっちゃって良かったかは分かりませんが駄目でしたらかんしゃく玉でプライマーとビル群焦土にして来もす()
最終更新:2023年01月14日 09:59