137:635:2022/11/25(金) 06:45:53 HOST:119-171-248-234.rev.home.ne.jp

銀河連合日本×神崎島ネタSS ネタ サセボ異界紀行十八冊目


sideエス

ファーダリシュリューが何やら佐世保で観閲式じみたことしてよりはや数日が経過。我々は伊勢にいた。
とはいってもやっぱりアインビルとファーダリシュリューはここに居らず、
ファーダ金剛製神剣群が引き起こした帝国側の諸々の行事の発生で生じた連合加盟式典のそれなりの遅れに乗じ一時国外にいる。
それもFFR領のエストシナ中央都市エスト・デ・パリ我々の世界でいえば上海に当たる地に…急遽飛来したFFR大統領専用機に乗って。
何でも軍事行動の為に緊急展開した部隊利用してファーダリシュリューに奉じる観閲式行うそうな。
まあ流石に緊急展開部隊をいつまでもそのままに出来ないし向こうもいつ来るのかとやきもきしていたみたいだったとは向こうに着いたアインビルの談。

ついでにあのFT-17bis軽戦車もFFRに正式に譲渡され大統領専用機で空輸していったから驚きだ。
大統領専用機、未成年以外元含む国民総軍人国家である国のものらしく軍事利用も前提だそうで、
人員輸送はもとより中身の入れ替えで主力戦車無理でも小型軽量装甲戦闘車両は輸送可能と言われ呆れた。


「うぅ…なんで異世界下りまで来て神サマの真似事しなきゃならいのデース…。」

「金剛…貴女の撒いた種ですよ。」


内宮近郊で我々に提供された宿の一室で項垂れるファーダ金剛を前に緑茶を飲みながらファーダナヨは容赦のない言葉を放つ。
まあ形代ではないとはいえ壇ノ浦で失われた原典の完全コピーと言うべき代物に加え他の神代三剣も与えられた。
しかもFFRの女神と同格のということにもなれば帝国も動かぬ訳にはいくまい。

ただでさえ連合加盟式典という国威発揚目前にした慶事に湧く今日このごろ、
国内でFFR主神降臨だのFFRが軍事行動の動きを近隣で見せたばかりか、
海軍の鎮守府のあるとこでFFRそのものといえる艦でFFR主神が自国の前帝と英雄並んで観閲式に望むとかねえ…。
国威的にもプライド的にも色々と宜しくなく。
それらを超えることを目標に現在、女神戦艦金剛より神剣を賜るという形の祭祀の準備が急ピッチで進められている。


「しかし流石は現代まで朝廷がその形をほぼ変えずに生き残ってきた大和の国ですね。この帝国は…。
妾の生きた時代の祭祀を再び見ることになろとは思いませんでした。」

「ファーダが驚かれる程ですか…。」

「向こうの日本では御維新や先の大戦で失伝してしまったものも多いですし…まあ妾も知らない祭祀も多々あるようですが…。」


ファーダが生きた平安期の祭祀が残るとは後で仔細な情報をファーダ柏木に求めなければなるまい。
そしてファーダナヨが知らない祭祀ということは…。


「ネストリウス派キリスト教にゾロアスター教、挙げ句マニ教まで私達の世界じゃ絶滅した宗教が形変えて生き残ってるデース…。
しかも宮中祭祀に少なからず影響与えてるとか…。」

「奈良に都のあった時代に景教、その中でも異端とされていたものが伝来していたと知れば妾達の世界の景教の者らは卒倒してしまうでしょうね。」

「後、奈良三異教宗教哲学って何なんデース?哲学分野で日本だけ特異点になってますヨ。」


この世界の日本は奈良時代にはもう既に色々と宗教的にカオスであったようだ。
流石は平行宇宙、侮りがたし。


「宗教といえばFFRもBCもCISもカオス極まりないないヨ。」

「FFRは軍艦を神格化し先の大戦を神話化した上に聖女や王妃、創造神など全てがリシュリュー本地垂迹説となってますからね。」

「コッチのBCはBCで女王陛下中心に纏まってるのいいけどさあ…。
楽園の妖精とかいうブリテン創世神話的な民族叙情詩的なのがなんか存在するし…モルガンが尊崇の対象だし。
楽園の庭とかいう物語でアーサー王女性説で固まってるし…。
その上、近衛騎士団とかいう円卓モドキやら自由騎士団とかお前らロードス島戦記なのデース!?」

「CISも労働を美徳とし国家への勤労こそ神への奉仕というキリスト教勤労派とでも言うべきものが国教ですからな。
労働を神が与えた罰とするキリスト教からすれば目を剥きたくなるようなものでしょう。」

「いやこっちにとってカオス過ぎなあんたらに言われたくねえよ…。」

138:635:2022/11/25(金) 06:47:11 HOST:119-171-248-234.rev.home.ne.jp


そう言い入ってきたのは仮称大陸世界のファーダ柏木。


「LGBTだっけか?特定人種や性癖はエラい、何してもいいなんて主張してる連中、
環境保護を主張してるくせに人類共通の文化遺産を喪失させるだの、テロ行為だのしてる連中がのさばってるんだろ?そっち。
挙げ句自国を破滅させようとしてるようなセクト共を日本が政治家として抱えてるなんてこっちじゃ信じられねえぞ。」

「まあそこら辺については否定出来ませぬね。」


苦笑いを浮かべるファーダナヨ、実際アレらは本当にないと思う。


「でもこっちでも先の大戦じゃセクトが大量発生で大暴れだから余り変わらない気もするヨ?今はこっちの方がマシだけど。」

「ま、まあそこは…でもそれ以上にカオスなのはあんたら艦娘や妖精の存在で霊魂が証明されてることだよ…。」

「ですがファーダ。こちらも公式記録でオセアンがあるのですから余り変わらない気も。」

「どちらがカオスか堂々巡りですね。」


ファーダナヨの言う通り最早どちらがカオスか競い合っている状況だ。
そこでファーダ柏木は話を変える。


「えっとそういえば陸奥さんは…?」

「ファーダ陸奥ならば現在大西洋やインド洋を飛び回っておられますよ。」

「は?大西洋にインド洋を飛び回ってる?」

「はい、船体一部の引き揚げすら困難な海底で眠ってる蘭帝の艦艇達に会いにいってる筈です。ああ蘭帝の許可は頂いてるから大丈夫ですよ。」

「ちょっと待て…海底で眠ってる艦艇に会うってどうやって…。」

「どうやってと言われましても…普通に潜航してですが…。」

「潜れるの!?」

「私達艦娘は艦艇用事象可変シールドも張れるから海底程度問題ナッシングデース。」

「艦艇用!?」


ファーダ柏木、ファーダ金剛らが艦艇級事象可変シールド張れることに驚いているようだ。


「いやでも…まあそれはそれとして置いとくとして何で艦艇に会いに?」

「色々と理由ありますが…FFRにはリシュリューの一部を剣として与え、日本には私が三つ剣作ったでしょう?」

「そしてイゼイラには妾の愛刀の小烏丸を譲渡しようと思っています。」

「なので日本の同盟国(ズッ友)であり、イゼイラとも友好国となっている蘭帝だけ日本と同じもの…というのも如何なものかとファーダ陸奥がおっしゃいまして。」

「いやそれはそれで喜びそうな気も…。」


我々の言葉を聞いてなんか大量の汗を流し始めたファーダ柏木はロボットの様に話し始める。


「つかぬことおうかがいしますがどのようなものをらんてい=サンにおわたしするおつもりで?」

「剣継ぎの大剣というのが蘭帝にはあるそうですね。」

「ア、ハイ。」

「ならば人を継いだ剣だけでなく艦の想いも継いだ剣が必要ではないかとのファーダ陸奥のお言葉がありまして。」

「まさかぐんかんのせんたいつかうとかないですよね。」

「良くお気づきになられましたね?蘭帝の許可は頂いてるので艦艇の方にも許可貰い船体の一部使って剣継ぎの大剣二振り目作る予定です。」

「………。」

「ファーダ柏木?」



「己 ら な ん ち ゅ ー も ん 作 ろ う と し て ん ね ん ! !」



ファーダの絶叫が宿に木霊した。

139:635:2022/11/25(金) 06:49:23 HOST:119-171-248-234.rev.home.ne.jp
以上になります。転載はご自由にどうぞ。

誤字発見、タイトルのサセボ異界紀行十七冊目を転載される際はサセボ異界紀行十八冊目に変更お願いします。

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最終更新:2023年01月14日 10:12