540:トゥ!ヘァ!:2022/11/29(火) 18:06:32 HOST:FL1-122-133-164-39.kng.mesh.ad.jp
日蘭世界 無人機事情について


日蘭世界において正規軍における無人兵器の運用にはある程度の制限が設けられている。
これは国際条約で決められたものであり、無人機を主軸にした場合の際限のない戦火の拡大を事前に食い止める目的とされている。


「無人機運用際限条約」
文字通りの何のひねりもない条約である。

内容は割とシンプルで歩兵の代わりになるような無人兵器。つまるとろこ機械歩兵とか歩兵ロボットなどと言える陸上兵器及び無人戦闘機や無人爆撃機の運用数を制限するもの。
である。
このためミサイルや偵察ドローンの類はノーカン扱いされている。
なお偵察ドローンに関しては搭載武装の有無で利用OKされる無人機か否かを判断されている。

あとは基本正規軍同士の衝突では無人機の全面利用は禁止とか、市街地への無人兵器を用いた攻撃は禁止だの色々なことが記されている。

これは条約発足当時の人々がSFで見られるような人の手を離れた戦争を恐れたから…ではない。

この条約はある意味日蘭勢と旧四カ国側の両者が見当違いな恐怖を抱いたためといえる。

旧四カ国側は日蘭の国力で大量の無人機を展開されては太刀打ちできないと恐れ、日蘭側は無茶の効く無人機主体で戦力を整えられては厄介と考えた。
この両者の微妙なすれ違った思惑の元で締結されたのが上記の条約である。


とは言え技術の進歩は日進月歩。同時に人件費の高騰も日進月歩である。
時代を経るにつれ、人材の価値は高騰していき、どうしても人力オンリーでは厳しい面が出てくるのは必然。

そんな中で上記の条約は時代によってアップデートと緩和を繰り返している。
大凡5年ごとに更新されており、202X年現在では一定数の無人歩兵と無人航空部隊の配備と運用が許可されている。

またドローン兵器の類も武装の有無ではなく、搭載しているレーダーと武装の威力、機体サイズなどで区別されており、史実で利用されている程度の武装ドローンレベルまでなら大凡緩和されている

これは前述の通りに人件費の高騰対策もあるが、ある日を境に発生しだした自意識を持つAIの存在に配慮した部分も存在する。
日蘭を始めとして自ら従軍の義務を果たしたいと言い出した自我AIが出現したことにより、その義務を果たさせるための緩和であった。

最もこの点に関しては未だ議論の最中であり、将来的に自我AIの数が増えていった場合の割合などどうするのかという話に決着はついていない。


因みに条約の中に「なお対セクト戦においてはその限りではない」という条文が存在しており、これは対セクト戦においては全面的な無人兵器の運用が許可されているというもの。

このた旧中国におけるセクト諸国間の動乱や事件においては度々各国がちまちま開発していた対セクト用無人機という名の殺意バリバリ実験機や試験機が投入されることも少なくない。

特に旧中国地域に本土が近しい日本やロシアなどでは、この手の対セクト用無人機の開発と投入に積極的である。

541:トゥ!ヘァ!:2022/11/29(火) 18:07:12 HOST:FL1-122-133-164-39.kng.mesh.ad.jp
〇無人機紹介

  • 獄卒三型改

日本が開発した対セクト用無人兵器シリーズの一つ。
初代獄卒一型から数えて三代目で、尚且つその改良機である。

インフラの整っていない中国内陸部で戦闘することを前提とした獄卒シリーズは良くイメージされる人型兵器ではない。

四足歩行で山々を駆け回る多脚戦闘車両の類である。
攻殻機動隊のタチコマか86のレギオンあたりをイメージしてもらいたい。

荒れた内陸で平地や森山を苦にせずセクト歩兵を追い詰めるには、この形が最適とされたためである。


武装は対人レーザー二門、7.92mm機銃。
セクトは人間じゃないから無問題!ということで対人レーザーが主兵装。
これは内陸部での作戦行動においての補給の必要性を下げるための措置でもある。
またセクト歩兵はまともな歩兵装備(パワードスーツなど)がない場合が多いため、レーザー兵器が有効的という意味もある。

またこの対人レーザーは出力に優れており、旧式の対戦車ロケット、小口径の迫撃砲、対人手りゅう弾程度なら迎撃可能。

最もレーザー兵器は霧、雨、雪などの悪天候時にはほぼ使い物にならなくなるため、それを補うためにも7.92mm機銃も併設されている。

これ以上の武装はない。セクト歩兵相手ならこれで十分だからだ。

平時はセクト国家との国境線上に配備されており、日夜不法越境者の対処を行っている。
決められたルーチンで行動し、自己診断機能により弾薬、エネルギー、各種パーツの摩耗が規定値を越えた場合に帰還行動に移り、最寄りの無人機ステーションに帰還。
そのまま補給と整備に移る。


セクト国家への軍事介入の際には陸空両ルートから大規模に投入されること前提に設計されており、この際には整備用の大型車両なども随伴しての利用となる。



  • 狒々二型
日本が開発した対セクト用無人機の一つ。

実験的な部分が多い機体であり、配備数は少ない。

歩行戦車タイプの獄卒シリーズと打って変わり、人型に近しい体系をした兵器であり、その姿は腕の巨大なゴリラといった具合。

無人機を長期運用する際の補給問題どうするべ…という課題を解決するべく試作された兵器の一つ。

武装は自衛用の対人レーザー以外は搭載しておらず、専ら戦闘では二対の巨大な腕を用いて戦う。

この腕で相手を殴る…のではなく、そこら辺にある石やら木片やらを思いっきりぶん投げて相手にぶつけるのだ。

単なる投石と侮るなかれ。投石攻撃は古代から連綿と使われているメジャーな戦法で、神話の時代では巨人すら討ち取ったとされる列記とした伝統戦術なのである。

人外の膂力で投げつけられた石は容易に人の顔面や手足を粉砕する。
手頃なサイズの石なら徹甲弾。木片ならば簡易フレシェット弾、砂利をつかめばなんちゃって散弾となる。

このため弾薬補給の概念を無くした新しいタイプの兵器であり、対セクト戦における持久能力を解決…することはなかった。

結局のところ何度も投げれば腕を回しているモーター周りが損耗するため、結局基地に帰還して交換しなければならなかった。

因みにその戦闘方法から高精度のセンサーを搭載しており、強力な膂力を生み出すモーターと合わせて中々のお値段である。

また投擲以外の武装が自衛用の対人レーザー一門程度のため、遮蔽物のない射撃戦に弱いという欠点も存在していた。
幸い敵が近寄ってくれば、自慢の膂力でミンチにできるのだが、これでは本当にゴリラの戦法である。

結局のところは山岳部などを中心とした地域で運用するだけの少数配備で終わっているが、その見た目からか案外セクト兵士には恐れられており、治安維持能力という面では意外と評価されている。

542:トゥ!ヘァ!:2022/11/29(火) 18:07:53 HOST:FL1-122-133-164-39.kng.mesh.ad.jp
  • 円盤五号
ローターで飛ぶ無人ドローン。
上部に飛行用ローターを持ち、下部に対人レーザー一門を備える。

空から展開し、地上のセクト歩兵をレーザーで焼くのがお仕事。
重い実弾を持たずに済むため、軽快な動きを可能としており、またレーザーには反動がないため命中精度も高い。

欠点として飛行ドローン共通の悪天候時にはまともに運用できない点。
また主武装がレーザーなので霧や雨の時でも戦力にならない。

この他にも耐久性が低い点やセンサーの問題で一定以上の低空飛行は苦手としているなども欠点もあり、セクト歩兵掃討のため陸戦戦力として獄卒シリーズが開発された。




  • 見張り君二型改
民間の作業用ロボに装甲と武装を施した民生流用兵器。

戦闘力は対セクト用に開発された無人機群に及ばないが、低コストで手軽に用意できるため、国境付近の監視基地の防衛や獄卒型などの手が回らない部分の補助として運用されている。

見た目のイメージはスターウォーズのR2D2。



  • バーバヤガ
ロシアが近隣の友邦国と共同開発した対セクト用大型兵器。全高3m。全長8mほどの巨大な歩行戦車。
八脚で動く多脚戦車であり、ロシアの殺意が形になったキリングマシーン。

主砲として長銃身90mm砲。主砲同軸12.7mm機銃。
対人、対物迎撃レーザー複数。近距離迎撃用放電装置。

セクトの用いる雑多な施設や車両を吹き飛ばす100mm砲。同時に対人攻撃の意味もある12.7mm。
近づく敵や撃ち込まれてくる迫撃砲や手りゅう弾を迎撃する迎撃レーザー完備。

そして近距離防衛用の放電装置。
これは電気を誘導するための小型の杭と水分を周辺にばら撒き、そこに高圧放電を仕掛けて近づく生き物をしとめる防衛装置である。
この装置を用いるにあたってバーバヤガには高レベルの耐電処置が行われている。

どれもが対人攻撃に特化した兵装であり、軽装備が基本のセクト兵士ならば鎧袖一触である。
またその巨体と六脚から生み出される速度も単純な脅威。大概の敵はその巨体と足で引き潰せる。

セクト被害に悩むモンゴルやトルキスタンと共に開発した兵器であり、前述の通りその性能は圧倒的であるが、正直軽装備のセクト相手には過剰戦力気味である。
またその性能に裏打ちされた高コストのため配備数も余り多くない。

その過剰性能から一説には対正規軍を想定して開発された実験機なのではないかという噂もある。

モデルは86(エイティシックス)に出てくるレギオンの戦車型。

543:トゥ!ヘァ!:2022/11/29(火) 18:19:52 HOST:FL1-122-133-164-39.kng.mesh.ad.jp
投下終了です。

前々からちょこちょこ話題に出してた対セクト用の無人機です。

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最終更新:2023年01月15日 10:13