552:陣龍:2022/12/28(水) 16:17:57 HOST:124-241-072-209.pool.fctv.ne.jp
『自動人形ちゃんの戦闘尋問 ~手心全開素人対応~』
異世界からの進駐(?)が始まって瞬く間に終わり、そして諸々を根底から改革して早期撤収しようとしたら
闇の泥沼を掘り当ててしまって官僚もIOPも怒号と怨嗟と激怒の大合唱艦砲射撃が開幕し、
そして情け容赦も【聖域】も無く徹底監査で丸ごと全裸公開に突き進んでいたその日。
「隠れた名店ってその評価その物で良い店だったね~」
「後で皆におススメして置こうか。ビックリするくらいにお値段安かったし」
「寧ろこの世界の物価が普通で私らの世界の方が物価高と言う珍説」
「無いでしょ」
「無いよね」
「うん、言っといてなんだけどそう思う」
異世界に派遣され、そして居眠りしそうな程に『やる事がねぇ』状態の警邏任務から休暇で解放された
三名の自動人形達が、首都圏にあるとある地方を観光していた。物価の差、景気の差も有り、
大陸側では高価な部類の商品も、列島日本側では比較的に安価な事が過半の為に、
普段より贅沢に遊んでいる兵士や派遣人員も多かった。この三名はそんなプチブルジョワ観光では無く
うろつき寄り道観光をしていたが。
「……休暇で殆ど非武装のままに遊園地にゲーセン、ショッピング。進駐任務と派遣前の緊張感は反比例にも程が有る、
何とも平和な任務だ事」
「平和なのは良い事。言いたい事は分かるけど。それに直接戦闘が無いだけで、他部署の任務は戦争より過酷」
「政治改革に尽力してる【同胞】やその官僚たちは毎日死んだ目してるしねぇ…」
そして大陸日本側の、それぞれの世界によっては懐かしさを感じる様な、平穏な市街地の道を歩む三名の自動人形。
実戦部隊側に配属された自動人形や兵士達は銃弾一発も自爆テロ特攻兵も進駐軍に飛んでくる事の無い、
進駐直後に何度か有った喧しいだけの鬱陶しい【年寄りデモ】も既に殆ど無い現状暇を持て余すも同然であったが、
内政担当の官僚や自動人形は揃って殺人的忙しさに忙殺されている事が多く、
本来対立か緊張関係にある筈の【制服組】【背広組】は、事この列島日本内に限って言えば
【制服組】が【背広組】を尊重している事が多かった。誰しもストレスで目が血走って仕事が山積している『勇者(生贄)』は
敬して遠ざけるモノだ。
そして他国の内政改革でゾンビの大行進をし兼ねない官僚や内務担当の自動人形達と違い、
やる事と言えば撃つ事も無い小銃を担いで警邏と言う名の【散歩】をし、偶に列島日本の自衛隊との演習や教官役、
そして稀に在日米軍との交流会をする位の軍隊側。恨めし気に監査祭の地獄で生気の抜けたガラス玉の目を向ける
官僚たちの視線からは、愛想笑いも出来ずに目を逸らす事しか出来ない。それでいて規定に則って休暇その物は出される。
出されてしまう。何とも居心地の悪いモノである。
553:陣龍:2022/12/28(水) 16:19:36 HOST:124-241-072-209.pool.fctv.ne.jp
「まっ、でも私らに出来る事とか特に無いんだよねぇ」
『足音、15人。歩調、乱調。素人集団と推定』
「今度差し入れとかした方が良いかなぁ…コーヒーとか」
『金属、衝突音。推定、刃物、金属バット類。銃火器無し』
「それ煽りになるだけ」
『追加車両音無し、増援無し』
そして素人からは、否歴戦の兵士であっても何気なく歩いて居る様にしか見えない
この三名の自動人形は、人間には感知不能な伝達力・感知力にて、
自らの周囲に【悪意ある存在】を相互に確認する。ほんの僅かな物音ですらない音、
空気の動き。人通りの少ない平和な平日で有る事を考慮しても、自動人形の能力の程が分かる。
「……わぁー」
「ゲームじゃ無いんだからさ……」
「こんな光景が現実に見れるとか貴重過ぎて涙出そう」
「そんな事欠片も思ってない癖に」
そしてフラッと通りから離れた小道へ立ち入った様に見える三名に、挟み込む様に出て来た
ジャージ等を着た服面集団。隠そうともせずに金属バットを担ぎ、手に持ち、
そして包丁やサバイバルナイフに属する小型刃物を取り出す奇怪な面々。
明らかに素人感丸出しの襲撃集団である、枢軸世界では先ず見られる事は無い。
手製爆弾どころか火炎瓶すらも持って居ないのだ。
「……で、何の用?」
「うるせぇ!死ねやクソアマぁ!!」
「ハイハイ天ぷら天ぷら」
「テンプレート」
そして名乗り口上も何も無く、三下丸出しに一斉に金属バットを持った、見掛けは厳つい野郎が全力で
呆れ顔の自動人形に殴りかかり、背後からも各々の得物を持った襲撃者たちが襲い掛かって来る。
一切の躊躇無く、少なくとも暴力、暴行に手慣れている事は分かった。
554:陣龍:2022/12/28(水) 16:20:58 HOST:124-241-072-209.pool.fctv.ne.jp
「おらぁああ!!」
「ほいっ」
「あぁ!?」
「よっ」
「ッ!?」
「そぉい!」
「ゴバ!?」
そして成人男性の助走をつけた全力の頭に向けた殴り付けに、片手で金属バットを掴まえ、
驚愕する襲撃犯を他所に平然と取り上げ、【出力を調整した】フルスイングを相手の顔面に叩き込んで
他動力バク転を強制し地面に叩き付けた自動人形。分かり易く言えば龍が〇くの強奪〇極(金属バット)である。
自動人形が本気の全力フルスイングをしたら文字通り頭部がボールの如く【かっ飛ばされてしまう】ので、
その点は配慮された。命と比べれば顔面崩壊等、安いモノである。
「素人が」
「は、はなっ、放せ!!」
「刃物を」
「ガッ!?」
「振り回さない事です」
「ギャァ!?あ、あぁぁーグギャ!!?」
一方ナイフで突き刺しに突進した襲撃者は、自動人形に突き刺す事も出来ずに手首を掴まえられた挙句、
髪を掴まれ路地の壁に叩き付けられた挙句片手に自分のナイフを突き刺された末に、
後頭部への踵落としで強制ノックアウトされた。ご丁寧に自動人形側は綺麗に骨を避けて縦に突き刺した
壁ド〇の極なので、永遠に片手が使えなくなる事は無いだろう。
「お、オイ誰だよ集団で襲えば倒せるとか言ったやつ!?」
「そもそもその点勘違いしてるみたいだけど」
「ふぉぉあ?!」
「自動人形、それも軍事用が相手だったら、素人が何人集まった所で相手に成らないっての」
「ギャイン!!」
巨漢も平然と一瞬で捻り潰す自動人形に『話が違う』と恐慌状態に陥る襲撃者なチンピラにも、
丁寧に現実を教えた上でヘッドクラッシュの一撃で沈黙させる自動人形。自爆ベルトも死なば諸共の覚悟も何も持って居ない、
文字通りの『雑兵未満』が相手では、例え15人が百人になっても、襲撃者が全滅する未来は、
それこそ必要時間以外何も変わらなかっただろう。
555:陣龍:2022/12/28(水) 16:23:06 HOST:124-241-072-209.pool.fctv.ne.jp
「クソガァー-!!」
「はいアウト」
まるでゲームの映像の如く吹き飛ばされ、襲撃犯が次々粉砕されて行く事実に
キレ散らかした襲撃犯の一名が、奥の手として残していたらしい
プラスチック製の拳銃…3Dプリンターで製造した模造銃を懐から引き抜くも、
根本的に手振れだらけで照準もまともに定まらないド素人では、
軍用自動人形相手ではハエが止まる遅さだった。
「ごあぁー-?!」
「……今日は厄日よ、本当。はぁー……」
尚、発砲した瞬間正当防衛と言う事で自身の拳銃で応射しようとした自動人形側だったが、
作り方や保管方法がよっぽど粗製でいい加減だったのか、相手の模造拳銃が引き金を引いた瞬間
勝手に暴発して相手の両手を吹き飛ばし、その場に襲撃犯が蹲ってしまった事で、
結局発砲する事は無かった。マリアナ海溝よりも深いため息と共にホルスターに拳銃をしまった自動人形の耳には、
報告で即応した部隊が直行しに来る音が聞こえていた。
「この自動人形の行動はロボット三原則に反する危険な事ではないか!?この様な行為が許される事ではない!!」
「つまり彼女らに自己防衛もせずに無意味に殺されろと言うのですね?訴訟します」
そしてこの事件の余波のオマケとして、左翼以前の活動家タイプが未だ巣食っていると言う弁護士界隈の一部や
自動人形の容姿や存在に憎悪を抱く女性権利活動家界隈が反応し、襲撃犯への反撃が過剰である、
自動人形は危険であると訴えを世間やSNSに出したりしたのだが、絵面が『幼気な女性や少女を集団で襲って
逆に全員ぶちのめされる』と言う、自動人形の戦闘力を考えなければ果てしなく無様極まりない様相であり、
尚且つ武器を持って明確な殺意を以て襲っている事から唯の自業自得としか世間一般からは見られず、
日本全般のみならず世界的反応も全く芳しくない所か、逆に訴えを広めようとした弁護士や活動家の方が
猛批判を叩き付けられるだけに終わった。その後、IOPから
アメリカ流名誉棄損の損害賠償請求が
騒いだ弁護士だの活動家だのへ叩き付けられるのだが、それはまた別の話である。
556:陣龍:2022/12/28(水) 16:26:43 HOST:124-241-072-209.pool.fctv.ne.jp
|д゚) 以上となります。極一部の後先考えない脳足りんによる自殺劇。変に休日潰された自動人形側には不幸な事である(シミジミ)
|д゚) 実際射殺されんかっただけ本当幸運と言うか何と言うかって感じである。因みにドル風呂漫画買う様な所や時間はにぃ(年末夜勤×2予定)
最終更新:2023年01月16日 09:14