TFL(Transporteur de Fret Logistique)
【概要】
TFL(Transporteur de Fret Logistique=物流貨物運搬車)とは、フランス連邦共和国(以下、FFR)で開発、運用されている運搬手段である。
統制車両に連結された台車が電源車から供給された電力でモーターを駆動させ走行する姿から「陸上列車」とも呼ばれる。
その優秀な積載能力と不整地走破能力によって「暗黒の30年」期のアフリカ州物流を支えた影の功労者である。
【計画】
発足から「暗黒の30年」期におけるFFR政府の一番の懸念事項はアフリカ州の開発であった。
国土の過半を占めるこの「砂の海」から利益を生み出せるようにならなければFFRの発展は望めない。
しかしその前途は厳しいものだった。
各国(主にドーバー海峡の向こう側)から支援を受けた現地の反政府勢力は衰えるどころか右肩上がりの状況であり、国境付近での他国(主に以下略)との軍事衝突も一向に改善されないのである。
これに対して、ジョルジュ・ビドー初代大統領が下した指示は明確であった。
——とにかく物流網を整備せよ
軍隊にとって一番重要であるのは兵站であることを彼は解っていたが、理由はそれだけではなかった。
反政府勢力が勢いづいているのは現地住民がそれらを支持しているからだ。
そして何故現地住民が支持するかと言えば、彼らの生活が苦しいからその不満が流れているのである。
つまり物流を安定させ、現地の生活が改善されれば反政府勢力の活動も自然と低調になっていくはずである。
ビドー大統領のこの考えは歴史上に何度も登場するものであり決して彼の独創によるもので合は無い。
しかし何度も繰り返されたほど有効な処方箋であることは間違いないものであった。
こうして方針は決したが、それを実行する段階でも問題は山積みなのである。
なにせ相手はサハラ砂漠。この星で最も巨大な砂の海なのであるから。
大量の物資を一度に輸送するのに最も適しているのは鉄道である。
しかし、砂漠と鉄道はすこぶる相性が悪かった。
当時の技術ではアフリカ州を縦横に駆ける鉄道の敷設は不可能と判断され、未来への課題とされた。
(この「課題」が解決されるには21世紀を待たなければならない)
次に考慮されたのは空輸であるが、これも主要な方法とはみなされなかった。
効率が悪いというのが一番の理由であるが、空軍から「OCUと開戦した場合、制空権は確実に奪われるから物流網は寸断される」という提言が決め手となった。
当時のFFRには、本土上空の制空権すら維持できる力はなかったのである……。
残された手段は自動車による陸上輸送である。そしてやはりこの方法も一筋縄ではいかなかった。
当時のアフリカ州は道路の「設定」こそ行われていたが、実際の整備はほとんど進展していなかったのである。
何せ相手は砂である。
一日かけて整備した路線が翌日には砂の下、ということは日常茶飯事であった。
そしてこの問題に対しても、ビドー大統領の回答は明確であった。
——砂の海を渡れる輸送車両を作るのだ。
こうしてTFLは始動した。
606:モントゴメリー:2023/01/25(水) 18:12:55 HOST:116-64-135-196.rev.home.ne.jp
【構造】
TFL
シリーズは一般的な牽引式輸送車のようにガソリンエンジンやディーゼルエンジンを積んだ牽引車(いわゆるトレーラーヘッド)が引っ張る方式ではなく、発電機で起こした電気を各台車の車輪に分配し個々の車輪の駆動力で走るという構造である。
これは鉄道車両などに多く見られる「動力分散式」だ。
牽引車が引っ張るいわゆる「動力集中式」と比較すると、動力分散式の方が構造は複雑になるものの殆どの車輪が駆動するため不整地走破性が高く、アフリカ州の未整備な道路を走る場合は有利であった。
最初のタイプであるTFL-1はS41中戦車のエンジン(230馬力ガソリンエンジン)を発電機として搭載した動力車と3両の貨物車から構成された。
貨物車は各々15トンの積載能力があり、これはルノー社が戦後に開発した新型軽戦車を一両搭載可能である。また貨物車は最大5両まで増やすことも可能であるが、その場合は動力車を1両増やす必要がある。
【運用】
開発されたTFL-1は早速アフリカ州に送られ、物資輸送任務に就くことになる。
標準仕様で45トンという輸送量は大戦時の輸送トラック(不整地積載量2.5トン)18両に匹敵し、2編成で一個輸送トラック中隊にやや劣る程度の輸送量を確保できる。
別の視点で見れば、大戦時の機甲師団は一日300トンの物資輸送が必要とされるので7編成あればこれにも対応できる。
「暗黒の30年」期にはアルジェやチュニスに陸揚げされた物資を積載したTFL-1が南へ向かって砂の海へと漕ぎ出す光景が多く見られた。
また物資輸送のみならず台車に一般バスのような客席を設置することで人員輸送にも活用された。
本車両によってアフリカ州の治安維持部隊の兵站は辛うじてであるが維持されたのである。
もちろん軍需物資のみならず民生用の物資輸送にも活用されアフリカ州の開発に多大な貢献を果たした。
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以上です。
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FFR内政
シリーズ再開でございます。
今回の車両がどんなものかは下記の動画を見てください
つttps://www.youtube.com/watch?v=Uio3HgeSRTI
一般道を走るシーンもあるので、大きさがイメージできると思います。
最終更新:2023年05月03日 17:38