327:奥羽人:2023/02/18(土) 19:34:02 HOST:M014009102000.v4.enabler.ne.jp
近似世界 1941年 日米中開戦



上海事件

1941年1月、南側では南明と中華民国の衝突が始まり緊張感が高まってはきているものの、まだ戦争とは遠い雰囲気のあった上海租界でその事件は起きる。
始まりは、中華民国軍の一部部隊が上海租界周辺に進出し、租界を包囲下に置いた事だった。

米中関係の極度の悪化によって米国は、在米中国資産を凍結すると同時に経済制裁や禁輸措置を発動した。
それに反発した中華民国も、朝鮮半島や中国国内に存在する米国資産の接収の可能性を示唆し始める。
中華民国はこの時、長く続いた中独合作の成果と、開戦に伴う動員によって兵力500万のドイツ式軍隊を編成しており、この軍事力は中国政府の強い自信の源となっていた。
そして何より、欧米に対するこれまでの鬱憤に加え、経済的・軍事的成長の成果は中国人達を過激な言動へと走らせていた為、国内世論からしても日米相手に安易に妥協することは不可能であった。
そうした空気感はもちろん一般民衆にも広く行き渡っており、在中の日本人やアメリカ人が集団暴行に遭う事例が多発。

そんな中での命令か独断か、上海近郊に駐留していた中国軍第88師団が突如動き出し、上海租界を包囲してしまった。

租界に多数の邦人が残留していたアメリカ政府は、中国側に上海の解囲と軍の撤退を要求。
対して中国側は、上海近辺での中国の派兵の全ての責任は不当な制裁を行う日米側にあるとした。


そして1月13日。
中国軍の側から始まった攻撃によって、上海は戦火に包まれた。
本格的な衝突時点での戦力は、中国軍2万8000人に対して米海兵隊はせいぜい4000人程度であり、尚且つ、租界からの米国民間人の待避が未だ完了していなかった。
圧倒的な戦力差を前に米海兵隊員は驚異的な奮闘と粘り強さを見せつけるものの、そこに中国軍は急降下爆撃機Ju87スツーカの飛行隊を投入。
陸上では装甲トラックや戦車まで使った力尾しが行われ、海兵隊の防衛線を抉じ開けられる。
同時に、黄浦江で避難民を収容していた米英の砲艦と商船8隻が攻撃を受けて半数が撃沈されると共に、避難民の列そのものにも爆弾が投下されていた。

数時間もしない内に、海兵隊は壊滅。
中国軍が上海租界に乱入し、その後は、語るまでもない戦場では良くある“悲劇”が行われた。


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中国侵攻

日米軍による中華民国侵攻は、主に北と南の二方向から行われた。
友好国の救援を主目的にしている日本が、南明経由の南側から。
朝鮮や満州地域に多くの権益を保持していたアメリカが、朝鮮半島経由の北側から。

侵攻前、日本からアメリカに貸し出された対馬北部や済州島の臨時基地には、ホーランド・スミス指揮の米第一海兵師団やジョセフ・スティルウェル将軍率いる米アジア戦域陸軍の兵士と兵器が次々に運び込まれ、トラックやジープにM4シャーマン中戦車はもちろん、P-51マスタングにP-47サンダーボルト、そして多数の揚陸艇などが犇めき、侵攻作戦の開始を待っていた。

沖では日本海軍が、海上に飽きたらず中国沿岸部の軍事目標を片っ端から掃討しているお陰で、さして時間も掛からずに日本海の制海権は完全に日本のものとなった。

328:奥羽人:2023/02/18(土) 19:36:11 HOST:M014009102000.v4.enabler.ne.jp

3月上旬。
越南経由で越明国境線上に展開を終えた畑俊六将軍指揮下の日本軍支那派遣軍が前進を開始。
海軍の艦砲射撃や航空攻撃の援護を受けた日本陸軍の攻撃は、昆明市に立て籠る南明軍に攻撃を仕掛けていた中華民国軍の横腹を思い切り殴り付ける形となった。
中華民国軍は兵器こそ史実1940年ドイツ軍クラスのモノを誇っていたものの、対する日本軍の兵器はそれ以上に高性能で、尚且つ運用も的確であった。
故に、南明軍を追う過程で戦線が横に薄く伸びてしまっていた中華民国軍は、大火力かつ高度に機械化された日本陸軍によって瞬く間に細切れにされることとなる。

中華民国軍のⅣ号やⅢ号といった戦車は、日本軍の長砲身90ミリ砲を持つ九七式中戦車“チハ”に対抗することは不可能であり、日本軍砲兵は155ミリに加えて203ミリや240ミリ砲弾に多数のロケット弾を叩き込んで来る為、中華民国軍地上部隊は戦う前に半壊していることも少なくない。
また空の戦いにおいても、次世代の噴進機である日本空軍の一式戦闘機“隼”や海軍の零式艦戦が、中華民国軍のBf-109といったレシプロ戦闘機を蹴散らしていた。
歩兵部隊も、日本軍は歩兵部隊全てに自動小銃と軽機関銃、無反動砲を普及させており、そこに自走歩兵砲すらも着いてくる以上、火力面で中華民国歩兵になす術はなかった。



その半月後。
大陸各地の中華民国軍部隊が慌てて南下を開始した頃、米軍による朝鮮半島上陸が行われた。
満州や半島に駐留していた防衛部隊が南方への増援に引き抜かれた後のタイミングを見計らって釜山と仁川に同時上陸を決行。
米海軍と協働する日本海軍の戦艦「河内」「摂津」と「扶桑」「山城」が中心の日本海軍援護部隊による対地艦砲射撃が上陸に先んじて行われ、地上の敵軍が凪払われた後に米海兵隊の揚陸艇が列を成して浜辺に突き進む。

アメリカ軍も、日本軍の様に自動小銃であるM1ガーランドを普及させていた。
また戦車も、日本のそれには劣るものの、バランスが良く信頼性の高いM4中戦車の装備する3インチ砲は、殆どの中華民国軍戦車相手に有利に戦えた。

奇襲によって中華民国軍が動揺し、釜山上陸部隊が防衛部隊を惹き付けている内に、仁川上陸部隊が半島を横断し半島南部を遮断。
半島南部の中華民国軍は孤立して遊兵化し、中華民国は事実上、朝鮮半島に置いていた兵力の過半数を喪失したといっても過言ではなかった。

以降、アメリカ軍は半島を掌握すると満州、そして華北に侵攻。
中華民国本土への南下を開始したのだった。


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1941年5月15日 欧州
ナチスドイツ、ソビエト連邦に侵攻。

繰り返しの英本土空爆とUボートによる通商破壊によってイギリスが瀕死状態になったのを確認したヒトラーは、日米が中国に食らい付いた……つまり、日米の力が中国に吸われていくのを確信した上で、ソ連侵攻作戦「バルバロッサ作戦」開始を命令。

高高度からモスクワ上空に隠密侵入したドイツ軍戦略爆撃機編隊が化学兵器……マスタード-ルイサイトガス航空爆弾をばら蒔いたと同時に、ユダヤ人部隊を先頭に枢軸国軍400万がソ連領内へ前進を開始した。

第二次大戦にて、史上最悪の陸戦が始まったのだ。

329:奥羽人:2023/02/18(土) 19:37:30 HOST:M014009102000.v4.enabler.ne.jp

日本軍前線兵器抜粋


~歩兵火器~
【九九式小銃】
中身がショートストロークピストンのロータリーボルト式になっている見た目が史実64式な口径6.5ミリの自動小銃。
大陸世界出身転生者の手によって、史実64式より大分扱いやすい銃となっている。
ストックやグリップは後に強化プラスチック化される。


【三八式小銃】
憂鬱昭五式。


【九六式軽機関銃】
見た目や使用感こそ史実62式軽機関銃だが、転生者の手によって史実よりも遥かにマトモな仕上がりとなっている。


【一〇〇式擲弾筒】
口径70ミリの無反動砲。
携帯歩兵砲として、敵戦車や機関銃陣地など様々な目標に便利かつ気軽にぶち込まれた。



~地上兵器~
【九七式中戦車「チハ」】
チハたん。
WW2型戦車相手に大体の場合有利に戦える(上で、あんまり諸外国に強烈なテクニカルハラスメントしないよう……いきなり滑腔砲とか複合装甲とかお出しするのは禁止)戦車として開発された日本軍の主力中戦車。
外見的には史実の61式戦車なのだが、エンジンが720ps出る空冷ディーゼルだったり、装甲厚がT-55並になってちょっと重くなったりしている。
また、この兵器に限らないものの冶金技術や製造技術などのカタログスペックに現れない部分なら見た目以上に先行させた技術を投入している為、使い勝手や装甲強度等は基本史実以上である。


【九八式十五糎自走歩兵砲「ホロ」】
密閉型固定戦闘室の自走砲。
当初の予定通りイタリア半島を北上するとした時、半島の山がちな地形を利用した枢軸軍の強固な防衛陣地を突破する必要が出てくると想定して開発された。
チハの車体を利用して、ヤークトパンターやSU-100のようなレイアウトで旧式の15センチ級榴弾砲を搭載しており、役割としては突撃砲に近い。
固定砲塔になった為か、装甲厚が少し増えている。 
欠点としては砲弾搭載量が20~30発程度しかないことだが、20発の15センチ砲弾を直接照準射撃で叩き込んでも解決できないような事柄には砲兵射撃か航空機が飛んでくるので大きな問題ではない。


【九五式重戦車】
120ミリ砲を搭載した60トン級重戦車。
外見は巨大化した史実STA-1で、ハードのカタログスペックは史実M103と同程度。
ドイツ軍のティーガーⅡ相手でも有利に戦えたが、日本の制空権下でそのような機会はあんまり無かった。


【九一式装甲輸送車】
見た目は史実60式装甲車だがこちらは12人輸送できる。
後に自走榴弾砲や対空砲の車体としても利用された。



~航空機~

【零式艦上戦闘機】
おおよそ憂鬱疾風。海軍機。


【一式戦闘機「隼」】
翼面積が増加した史実F-1戦闘機。
動力はドライ推力5300kgfのターボファンエンジンが二基。空軍機。


【「彗星」艦上爆撃機】
外観は一回り大きくなった史実T-1練習機だが、高翼式主翼と強力なエンジンを積んでA-7コルセアⅡ並の性能になっている。
その速度により魚雷こそ使用できないが、高度なFCSを備えており、無誘導爆弾による緩降下爆撃でも十分な命中精度を確保できている。海軍機。


【九〇式襲撃機】
陸軍航空隊が使用するターボプロップエンジンの近接航空支援機。外見は史実彗星で、性能は史実A-1スカイレイダー相当。
機体規模に比して豊富な爆弾搭載量に、前線の即席飛行場から無線一本ですぐに飛んできて爆弾の雨を降らす姿から、陸軍兵士から最も頼りにされた航空機である。
今戦争が終わった後は固定翼攻撃機は全て空軍に移管予定なので、陸軍所属としての最後の奉公になる。


【九七式戦術爆撃機】
史実4式重爆の胴体に後退翼とジェットエンジンを取り付けたような見た目の戦術爆撃機で、爆弾搭載量は約10トン。
敵軍後方に高速侵入し、物資集積所や交通網、基地を爆撃する。空軍機。



【九九式回転翼機】
いわゆる汎用ヘリコプター。性能は史実UH-1相当。



330:奥羽人:2023/02/18(土) 19:41:50 HOST:M014009102000.v4.enabler.ne.jp
以上となります。
ヒ「よっしゃ今のうちに腐った納屋一蹴りしたれ!」

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最終更新:2023年05月04日 23:37