72:奥羽人:2023/03/05(日) 19:21:41 HOST:sp49-109-7-223.smd01.spmode.ne.jp
布哇(ハワイ)型戦艦


全長:363m
全幅:53.7m
基準排水量:364,000トン
機関:統合電気推進
主機:
  • 高出力ガスタービン発電機ユニット 24基(1号計画艦「布哇」)
  • 加圧水型原子炉 8基(2号計画艦「高砂」)
  • 核融合/MHD発電システム (3号計画艦「新須賀」)


速力:30ノット+
乗員:0人(対艦戦闘時)

武装:
  • 80cm単装速射砲 2門
  • 10MW級戦術レーザーシステム 1基
  • レーザーCIWS 6基


装甲:
集中防御区画:最大3000mm
通常区画:最大150mm


艦載機:
偵察・観測UAV 6機


同型艦
《軍事戦略上の理由により非公開》



【概要】
他世界の日本が保有する現代型戦艦を仮想敵とし、これに対応する為のユニットとして設計された近似世界日本最新型の戦艦。

元々、近似世界日本は戦略環境の変化によって、20世紀中に戦艦を全て退役させており、海軍の水上戦闘艦は駆逐艦か巡洋艦のみであった。
しかし、平行世界間を繋ぐゲートが出現したことによって戦略環境が一変。
ゲートの先の国家は半数以上が現代型戦艦を保有しており、それら戦艦群は航空攻撃に対する防御手段も豊富で、仮に水上戦闘が発生した場合は自軍の決定力不足による苦戦が予想された。
特に、日本列島世界に対する侵攻と、その世界の小国へ戦艦を用いた戦略攻撃が実行される様子を見たことで、他世界への警戒感は高まっていた。

よって、当面の暫定的対処として大型タンカー改装ミサイル艦である「北極星型ミサイル巡洋艦」を建造、配備しながら、現代型戦艦の概念研究を実施し、その末に計画されたのが布哇型戦艦である。
本艦は前提として、より効率的に敵戦艦への対応能力を持たせる為、純粋に敵戦艦との水上砲戦のみを想定して攻防性能に集中し、それ以外の要素を極力排除する極めて割り切った設計となっている。

近似世界は現代型戦艦による水上打撃戦のノウハウが極めて薄く、建造する戦艦に多機能を持たせた高価値戦力としてしまうと、かえって中途半端に成りかねない。
故に、先ずは対戦艦戦闘だけを考慮した単機能兵器として、主任務遂行だけに性能を特化させるアプローチを選択した為である。

また、艦は大規模メンテナンスを除いて完全に自動化されており、戦闘自体も自律型水上戦闘AIが実行するので人間が搭乗する必要が基本的に無く、艦内容積にかなりの余裕がある。
その分、水密隔壁の増加など生存性“しぶとさ”を向上させる措置が多数採られている。
外見としては、ステルス性を感じさせるなめらかな船体の中央部に、船体規模に比してかなり小さい艦橋が一つ、そのすぐ前後に砲塔が存在しているだけという特徴的な見た目を有する。


主砲は、複合加速式60口径80cm砲を単装砲塔形式で艦橋のすぐ前後に2基搭載している。
この砲は、液体装薬と電磁加速を併用することによって、口径に比して比較的低負荷及び低コストで砲弾を高速投射できる。
弾種は重量7.1トンの徹甲弾と重量5トンの榴弾があり、どちらも通常は砲口初速5000m~6500m/s程度で投射される。
その他に緊急時の対戦艦攻撃用として、装甲を貫通後に敵艦内部で約100ktの核爆発を引き起こす重量6トンの熱核徹甲弾が搭載されている。

設計段階にて砲は1門だけで十分とする意見も出たものの、その場合、初撃で攻撃能力を喪失する可能性(ラッキーヒット)が無視できない値まで上昇するとの結果がシミュレーションからもたらされ、妥協して2門搭載されることとなった。
砲弾搭載量は一般的な平均の半分以下と、艦全体の規模から見ると控え目であるが、その分弾薬庫が小型化しており、結果的に生存能力の向上に繋がっている。

73:奥羽人:2023/03/05(日) 19:23:10 HOST:sp49-109-7-223.smd01.spmode.ne.jp

対空火器としては、中距離防空と近接防御を行う2種類の自由電子レーザー兵器が搭載されている。
これらは敵攻撃機や観測機を排除し、水上砲戦への妨害を防ぐ為に用いられる。
また、敵艦のセンサーに対する妨害や破壊にも使用される。
その他兵装に関して、スペースはあるので必要に応じて後からある程度の兵器を搭載することも一応は可能である。


レーダー・ソナーに関しては、一般的な水上艦艇に搭載されている一式が踏襲的に装備されているのに加えて、対水上射撃用に用いるレーダーは予備が搭載されている。
その他、各砲には非常時/直接照準射撃用に光学照準装置が搭載されている。
また、特徴的な電子兵装として艦全体の制御と戦闘を行う受動的自律型水上戦闘AI「アルガ」が存在する。
これは、能力リソースを水上砲戦に特化させることによって極めて高い戦術・戦闘能力を持たせた専門型人工知能であり、水上砲戦時には本艦の自沈及び核攻撃判断以外のすべての機能を行使する権限が与えられる。
また、アルガの安全装置としてAIの意思決定プログラムを細切れにする為の対AI用侵襲破壊システム「キクスイ」がスリープモードで搭載されている。



防御面では、従来材料の14~16倍程度の性能があるとされる合金装甲材が採用されており、セラミックスや炭素素材、ゴム、高分子複合材料と組み合わせて複合装甲として利用されている。
単純性能で言えばもっといい材料を選択することも可能だったが、その場合、製造難易度やコストの関係で調達に支障を来すかもしれないということで、この範囲の性能の鋼材が選択された。
その反面、バイタルパートや砲塔正面それ自体が小さい範囲で纏まっていることを理由に限界まで増厚し、3000mm装甲という破格の防御力を有するに至った。
それ以外の装甲は最大でも250mm程しか無いものの、船体は多重殻化されており通常兵器相手であればこれでも十分である。
仮に貫通されたとしても、内部に壊れて困るものをほぼ置いてないのであまり問題にはならないし、内部で強烈な爆圧が発生してもある程度耐えるか受け流すようになっている。
被弾・浸水時の予備浮力の減少については乗員が存在しない以上能動的なダメージコントロール機能がほぼ無いので危険であるが、最悪でも撃沈されるまで敵戦艦に多大なダメージを与えられるので良しとされた。


主機関はそれぞれ、安価な従来型ガスタービンの高出力改良型を多数連結させて使う1号計画、長い運用実績と中間的なコストを併せ持つ従来型原子炉を使う2号計画、最新鋭の高価格高性能機関である核融合炉を使う3号計画がそれぞれ提出された。
それぞれが一長一短であり、また、未知数の問題が発生する可能性も考慮された為、それぞれの計画艦を1隻づつ製造して実際の運用を通して比較検討していく事が決定された。


艦載機として、ある程度のUAV運用能力を持つが、前提として本艦は友軍とのデータリンク下で水上砲戦に専念するものとされており、補助的な役割に留まっている。


本艦が発表された時、各所の戦艦マニアの間ではこの艦を「戦艦」と認めるか否かの議論が巻き起こったとされる。
また、一部からはスターリン戦艦とか呼ばれている。

74:奥羽人:2023/03/05(日) 19:27:59 HOST:sp49-109-7-223.smd01.spmode.ne.jp
以上となります。
近似世界の対戦艦用戦艦ですが……自分で作ってみて初めて、ここの先人の戦艦への熱意を感じましたね。

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最終更新:2023年05月05日 23:32