371:名無しさん:2023/03/13(月) 10:15:56 HOST:110-130-209-191.rev.home.ne.jp
それと投稿のお許しを頂きましたので…お粗末なのはご勘弁を。

  • 合衆国陸軍M60戦車

 合衆国軍の兵備は連邦軍、州軍を問わずにカモミールという総合製造業が非常に大きな役割を担っていた。
 彼らは旧ソ連、ロシア式の工業製品や技術を好む転生者の集団が中核であり、当初の活動拠点は日本であった。
 しかし帝国三軍や戦闘警備隊が、前世の教訓や信頼性から西側技術を重んじることを受け、拠点の転換を決心。

 合衆国に居を構え、突撃銃から弾道ミサイルに至るまで旧ソ連、ロシア式に染め上げた異色の集団である。
 また彼らの相当数が複数回の転生を経験、その過程で技術開発及び生産管理のノウハウを獲得。
 嘗ての旧ソ連式の数を揃えるために生残性や一分性能を犠牲にする短所は、逐次改善を果たしている。

 言うなれば彼らは史実世界に例えるなら、西側の基礎技術及び汎用技術を用い赤軍の兵器を再現する集団であった。
 その努力は大きな成果を生んでおり、合衆国三軍や州軍にて良好な生産性、高い信頼性から好評を博した。
 1960年代に開発にこぎつけた連邦軍及び州軍統合MBTたるM60も、そのような結果の末に生まれた兵器の一つである。



 当時の合衆国軍はT-80系列を西側技術で改善再現したM46、T-72系列を同じく改善したM72を併用していた。
 前者は連邦軍、後者は州軍向けであり、基本構造を最大限共通化しつつ、財源に応じた設計分岐を行っていた。
 嘗ての旧ソ連と異なり額面割れすることのないこれらMBTは、概ねにおいて良好な機甲戦力として機能した。

 その一方で大陸日本及びその影響を受けた合衆国。これら2つの大国の技術進捗は仮想敵にも大きな影響を与えた。
 1940年代には第1世代MBT、1950年代には第2世代MBT相当の良好な主力戦車の多数量産に漕ぎ着けたのだ。
 そして1960年代にはほぼ間違いなく、特にドイツやソ連など欧州連合は第3世代MBTを生み出すと確実視された。

 かような状況で嘗ての現実世界でT-72を弄り回し、ロシア人をして中国軍MBTにすら劣ると嘆かせた戦車技術の系譜。
 それを趣味として保ち続けることが妥当とは、カモミールの戦車開発技術陣の誰もが思わなかった。
 彼らは欧州連合や英連邦の挑戦を前に「ならば歓迎してやる、盛大にな」と発奮。合衆国軍のオファーを前に自社開発を開始した。

372:名無しさん:2023/03/13(月) 10:16:29 HOST:110-130-209-191.rev.home.ne.jp
 これら生産性や生残性改善のためにT-14原型を改変した設計だが、優れた点はより先進化された技術を用い発達再現された。
 防御構造は乗員を車内集中配置とした上で、酷寒でも強度が低下せず高品質。なおかつ低コストな鋼板を主構造に採用。
 その上でM46やM72の延長線上にあるチタン合金、拘束セラミック主体のモジュール装甲を取り付け、RHA1000ミリ相当の防護力を確保。

 主砲はM46やM72と同一の既存弾薬に対応しつつ、装弾筒付翼安定徹甲弾及び対戦車榴弾ともに焼尽薬莢弾薬に変更。
 無人砲塔の大型化をあえて許容しつつ、弾薬全てを砲塔即応弾薬庫におさめ、バズル式自動装填で構造を単純化。
 更には砲塔上面へブロウオフパネルを設けることで、堅牢な装甲が貫通された後の生残性向上を強く意識している。

 主砲は既存弾薬の流用が不可能ではない125ミリ滑腔砲だが、焼尽薬莢弾薬に最適化の上で薬室を拡張。
 また砲塔内に乗員が存在しない利点を用い、砲身エバキュエーターを廃止し生産性の工場に努めている。
 なお既存弾薬への対応は不可能ではないレベルに落ち着かせ、自動装填装置や砲塔内部構造の単純化も推進された。



 このように西側技術と複数回転生を果たしたカモミール技術人の経験を適用された、西側式T-14ともいうべき新型戦車。
 それは合衆国連邦軍、州軍双方による各種試験において、性能及び信頼性で大変良好な結果を獲得している。
 戦闘重量を52トンと控えめに抑えて、主装甲を外装モジュール方式とすることで輸送インフラへの負担が軽いことも評価された。

 最終的にカモミールの生み出した合衆国式T-14は1968年に「M60主力戦車」として、ついに国軍による正式採用を勝ち得た。
 この頃になると欧州軍の機甲戦力の強化は非常に大きなものとなり、MBT更新の需要に対応できたことも大きかった。
 M60はまずもって合衆国連邦軍への配備を優先し、それを5年程度で果たした後に州軍M72の代替として生産を継続。

 日本の70式を配備するほどには余裕のない同盟国、友好国へ相当数の輸出にも成功した佳作MBTとなった。
 なお日本大陸本国ではカモミールは廉価版として評価されてきたが、M60の開発及び量産成功は見識を大きく改めるに至った。
 21世紀に移行しても合衆国州軍、あるいは友好国においては多数がC4I、弾薬、防御構造を近代化の上で現役にある。

373:名無しさん:2023/03/13(月) 10:18:42 HOST:110-130-209-191.rev.home.ne.jp
申し訳ありません、順番を間違えてしまいました。
再度、順番を修正の上で投稿させていただきます。恐縮です…

374:名無しさん:2023/03/13(月) 10:19:22 HOST:110-130-209-191.rev.home.ne.jp
合衆国陸軍M60戦車-①

 合衆国軍の兵備は連邦軍、州軍を問わずにカモミールという総合製造業が非常に大きな役割を担っていた。
 彼らは旧ソ連、ロシア式の工業製品や技術を好む転生者の集団が中核であり、当初の活動拠点は日本であった。
 しかし帝国三軍や戦闘警備隊が、前世の教訓や信頼性から西側技術を重んじることを受け、拠点の転換を決心。

 合衆国に居を構え、突撃銃から弾道ミサイルに至るまで旧ソ連、ロシア式に染め上げた異色の集団である。
 また彼らの相当数が複数回の転生を経験、その過程で技術開発及び生産管理のノウハウを獲得。
 嘗ての旧ソ連式の数を揃えるために生残性や一分性能を犠牲にする短所は、逐次改善を果たしている。

 言うなれば彼らは史実世界に例えるなら、西側の基礎技術及び汎用技術を用い赤軍の兵器を再現する集団であった。
 その努力は大きな成果を生んでおり、合衆国三軍や州軍にて良好な生産性、高い信頼性から好評を博した。
 1960年代に開発にこぎつけた連邦軍及び州軍統合MBTたるM60も、そのような結果の末に生まれた兵器の一つである。



 当時の合衆国軍はT-80系列を西側技術で改善再現したM46、T-72系列を同じく改善したM72を併用していた。
 前者は連邦軍、後者は州軍向けであり、基本構造を最大限共通化しつつ、財源に応じた設計分岐を行っていた。
 嘗ての旧ソ連と異なり額面割れすることのないこれらMBTは、概ねにおいて良好な機甲戦力として機能した。

 その一方で大陸日本及びその影響を受けた合衆国。これら2つの大国の技術進捗は仮想敵にも大きな影響を与えた。
 1940年代には第1世代MBT、1950年代には第2世代MBT相当の良好な主力戦車の多数量産に漕ぎ着けたのだ。
 そして1960年代にはほぼ間違いなく、特にドイツやソ連など欧州連合は第3世代MBTを生み出すと確実視された。

 かような状況で嘗ての現実世界でT-72を弄り回し、ロシア人をして中国軍MBTにすら劣ると嘆かせた戦車技術の系譜。
 それを趣味として保ち続けることが妥当とは、カモミールの戦車開発技術陣の誰もが思わなかった。
 彼らは欧州連合や英連邦の挑戦を前に「ならば歓迎してやる、盛大にな」と発奮。合衆国軍のオファーを前に自社開発を開始した。

375:名無しさん:2023/03/13(月) 10:20:09 HOST:110-130-209-191.rev.home.ne.jp
合衆国陸軍M60戦車-②

 彼らが次世代の合衆国連邦軍及び州軍統合MBTのたたき台としたのは、ロシアが数十台の生産を行ったT-14であった。
 この戦車はロシア連邦にて共通戦術プラットフォームとして開発され、その主力戦車の派生型として生まれた。
 重装軌装甲戦闘車両のファミリー化による更新を企図しただけに、基本的には大変優れた設計の戦車であった。

 国力の不足や経済制裁で実質不発に終わった非遇のMBTをカモミールは、いつの日か実用化することを強く意識していた。
 故に合衆国軍から1960年代に、自社開発の状況を着眼した上でのMBT更新のオファーはまさに渡りに船であった。
 「今度こそ活躍させてやる」と口にした開発主任は、やはり合衆国式に生産されたウォッカもあり赤く染まっていたという。

 その一方で実用品として売り込むにあたり、T-14でネックとなった点は極力オーソドックスな技術で代替する必要も認めていた。
 彼らは旧ソ連、ロシア製兵器の実用性やロマンに魅力を感じていたが、売れない商品は無価値であることも熟知していた。
 故に彼らは共産趣味者であっても、根底においては市場経済を熟知した自由経済に基づく平成日本人でもあった。



 T-14とは大雑把に言えば、砲塔の無人化による主砲構造簡素化及び被弾部位の人的損害の抑制。
 そして乗員全てを重装甲を施された車体内部のカプセルに配置することで、史実西側MBTに優位を求めた戦車である。
 この点はカモミールが嘗て活動拠点を置いていた日本でも認められるほど、優れたコンセプトであった。

 一方で複雑なX字型という複雑怪奇なディーゼルエンジン、主砲発射式対戦車ミサイルはコストのみを嵩上げしてしまっている。
 また乗員を車体重防御区画で防備しても、車内より弾薬を装填するカセトカ式自動装填装置もネックであった。
 アクティブ防護システムも先見性はともかくとして、州軍まで普及させるには些か高価にすぎる。

 カモミールAFV開発部門は合衆国軍と折衝の末、これらの複雑化ないし脆弱化をきたす要素の再設計を実施。
 兵役義務を果たす。つまり選挙権や市民権を持つ合衆国民が戦場より生還できる可能性の追求。
 そして州軍でも無理なく配備できる程度への低コスト化について、趣味の昇華として達成することに成功した。

376:名無しさん:2023/03/13(月) 10:20:41 HOST:110-130-209-191.rev.home.ne.jp
合衆国陸軍M60戦車-③

 まず最も構造的に原型が複雑であった駆動系については、4ストロークV型12気筒ディーゼルというオーソドックスなものに置換。
 変速機も前進4速、後進2速と段階数を常識的なものとしたトルクコンバーター自動式とし、多分に商用技術も適用している。
 最大1500馬力の出力とそれに応じた変速機。高強度トーションバーは、史実以上に自動車産業の進んだ合衆国商用技術の恩恵である。

 防御上の難点にして複雑な構造であったカセトカ式自動装填装置は、FCSの近代化と弾薬の高威力化。
 つまり即応弾薬のみで仮想敵相手に勝利できる状況を整え、史実世界の西側MBT相当のバズル式自動装填装置に変更。
 搭載弾薬は即応弾22発となったが、M46系列の段階でT-90A相当のFCS達成もあり、大きな問題となることはなかった。

 間接防御装置もレーザー検知器複数搭載は維持されたが、照準阻害は規格化された発煙弾発射機に依存。
 赤外線視認及びレーザー照準を阻害継続中に、実用性を高めた駆動系を用いて敵昇順から脱出する方針へ割り切った。
 これらの変更は賛否分かれるところではあるが、州軍と連邦軍のMBTを統合して近代化を行う一義には大いに貢献している。



 これら生産性や生残性改善のためにT-14原型を改変した設計だが、優れた点はより先進化された技術を用い発達再現された。
 防御構造は乗員を車内集中配置とした上で、酷寒でも強度が低下せず高品質。なおかつ低コストな鋼板を主構造に採用。
 その上でM46やM72の延長線上にあるチタン合金、拘束セラミック主体のモジュール装甲を取り付け、RHA1000ミリ相当の防護力を確保。

 主砲はM46やM72と同一の既存弾薬に対応しつつ、装弾筒付翼安定徹甲弾及び対戦車榴弾ともに焼尽薬莢弾薬に変更。
 無人砲塔の大型化をあえて許容しつつ、弾薬全てを砲塔即応弾薬庫におさめ、バズル式自動装填で構造を単純化。
 更には砲塔上面へブロウオフパネルを設けることで、堅牢な装甲が貫通された後の生残性向上を強く意識している。

 主砲は既存弾薬の流用が不可能ではない125ミリ滑腔砲だが、焼尽薬莢弾薬に最適化の上で薬室を拡張。
 また砲塔内に乗員が存在しない利点を用い、砲身エバキュエーターを廃止し生産性の工場に努めている。
 なお既存弾薬への対応は不可能ではないレベルに落ち着かせ、自動装填装置や砲塔内部構造の単純化も推進された。

377:名無しさん:2023/03/13(月) 10:21:26 HOST:110-130-209-191.rev.home.ne.jp
合衆国陸軍M60戦車-④

 このように西側技術と複数回転生を果たしたカモミール技術人の経験を適用された、西側式T-14ともいうべき新型戦車。
 それは合衆国連邦軍、州軍双方による各種試験において、性能及び信頼性で大変良好な結果を獲得している。
 戦闘重量を52トンと控えめに抑えて、主装甲を外装モジュール方式とすることで輸送インフラへの負担が軽いことも評価された。

 最終的にカモミールの生み出した合衆国式T-14は1968年に「M60主力戦車」として、ついに国軍による正式採用を勝ち得た。
 この頃になると欧州軍の機甲戦力の強化は非常に大きなものとなり、MBT更新の需要に対応できたことも大きかった。
 M60はまずもって合衆国連邦軍への配備を優先し、それを5年程度で果たした後に州軍M72の代替として生産を継続。

 日本の70式を配備するほどには余裕のない同盟国、友好国へ相当数の輸出にも成功した佳作MBTとなった。
 なお日本大陸本国ではカモミールは廉価版として評価されてきたが、M60の開発及び量産成功は見識を大きく改めるに至った。
 21世紀に移行しても合衆国州軍、あるいは友好国においては多数がC4I、弾薬、防御構造を近代化の上で現役にある。


 初投稿故に見苦しいものとなりました。重ねて申し訳ありません。

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最終更新:2023年05月05日 23:42