294 :New ◆QTlJyklQpI:2012/03/04(日) 12:25:34
超短編ネタSS ~日本人ということ~

戦後のある日夢幻会メンバーは目の前にある資料を見て頭を抱えていた。

「ある程度予想していたことだが、やはり・・・」
「まあ、今までの所業を考えるとそうなるんでしょうがね」

戦後世界がある程度安定した時にとある機関が世界規模で聞き取り調査を行った。
内容は「日本人をどう思うか」というもので様々な意見があったがある一定の思考が浮き彫りになった。

それは「日本人≠東洋人/黄色人種」という図式である。

欧米の特に旧米国人にこの考えが多くこれは「中国人=東洋人」「日本人=日本人」という考えが主流になっているらしい。
欧州でも「少なくとも日本人は東洋人とは違う」という思考が広まっており半ば名誉白人的な扱いになっている。
それだけなら白人の優越感を保持するためと考える事が出来るが他のアジア人の中でもこの考えを持つ者が増えつつあるのだ。
隣の半島や自称アジアの盟主だった国の状態と対比すると仕方ないとも言えるが。

そして「日本人は何か?」という問いの答えはまさにカオスだった。
曰く「突然変異種」
曰く「世界の神秘」
曰く「アーリア人の末裔」
曰く「ユダヤの失われた支族」
他にも「滅びた古代文明の末裔」やら「宇宙人との混血」など数えたらきりがない。

「外国もそうですが国内にも同じ考えの者が多いですし、対処が必要ですね」
「確かに日本でナチズムみたいな日本人至上主義になりかねないしな」

その後なんとか日本のイメージを変えようとする夢幻会。しかし動けば動くほど皮肉なことに特異性が目立つことになるのは
そう遠い未来ではない。

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最終更新:2012年03月05日 22:51