625 名前:ナイ神父Mk-2[sage] 投稿日:2023/04/18(火) 01:44:34 ID:p582141-ipngn1402akita.akita.ocn.ne.jp [110/134]
憂鬱スパロボ 融合惑星ネタ 

戦後サブイベント HuntingNighutmare

 海上都市群カナンの一角にある2113区画では、現在激化する犯罪に対して既存の少数の執行官と監視官による潜在犯対処では対応不可能になっており治安維持を担っている。
 厚生省公安局としても、同様に避難してきた他の惑星や地域の警察機構を参考に組織再編を行わざるを得ない事態となっていた。しかし、必要に迫られて行った急激な改革は各所にて軋轢を産み、更にはシビュラへの信頼低下が起きて、それに続いて現状の状況を嫌う反体制派に流れる人間が増えるという様相を呈している。
更にそうした組織が、ドローンなども侵入し辛い地域において他国の犯罪組織と繋がる事も問題であった。

 避難当初、受け入れを行ったPRTOは2113惑星の住民を太平洋上の完全な機械化されたフロートへと受け入れる予定であった。
 しかし、惑星の住民の特性上精神的な安定の維持が重要になってくると言う状況であった事から、立地を完全機械式の物から既存の自然の島を利用したタイプの土地へと変更していたのであるが、コレが悪手であった。
 元々少人数での治安維持であり広範囲に、これまで通りのオートメイション化された産業区画を有する2113惑星の日本の土地運用は犯罪者の潜伏には最適であり、運がない事に2113惑星の警察機構の能力は同惑星内の人間にのみ特化された物であった事から、他惑星からの人間に対しては機能不全を起こしているというのが実情だったのである。

 そう言った実情から2113区では、余所の地域からそういった警察機構や対テロを前提とした組織の人員を召集、新体制を構築する為の準備を行っていたのであるが、当然過去に廃止された警察機構の彼是はこの区特有の犯罪判断基準である色相の悪化につながる事から廃止された事であった。
 その為、色相の悪化を何より嫌う2113区の人間からは旧来の警察機構のやり方は嫌悪の対象であり習得が進まないというのが実情である。

 その為、今回実際にバイオテロを経験したγ世界の日本に属する関東政府及びアンブレラからの派遣人員によるバイオテロ対策の講習会にも、6係迄増員された刑事課の内1係含めた少数の人員以外参加して居ないという有様であり、講師陣は呆れの表情を見せていた。
特にアンブレラから派遣されたアレクシアアッシュフォードはイライラを隠せない様子であり、変異し植物とも甲殻ともつかない物になった手で髪を触っている。

「全く・・・理解できないわね、色相の悪化というのも」

「あなた達は外部の人間だから無関係ですが、こっちは一生に関わる問題なんです!軽々しく言わないでください!」

 そう思わず愚痴を呟いた彼女に対して、一係として参加してた霜月監視官が抗議の声を上げるが、言われた本人は気にする事も無く、隣にいる研究員風のもう一人の女性講師も想定の範囲なのかどこ吹く風と言った様子で時計を一瞥した。既に所定の開始時刻は過ぎている事から、部屋の電気を消灯して室内中央にある大型モニターを起動させる。

「これ以上待っても時間を無駄にします。アッシュフォード博士、始めましょう。」

「そうね・・・先ずは自己紹介から始めさせて貰うわ。私はアンブレラのロックフォート生物兵器研究所の主任でアレクシア・アッシュフォード。彼女が・・・」

「関東特殊生物災害対策研究所の岬冴子です」

「私達二人が講習を行うわ。先ずは基礎的な話だけど・・・あなた達は何処まで生物兵器という物を知ってる?」

「ウィルスを撒きその感染により社会不安や直接ダメージを与える兵器ですよね、それ位は知ってますよ!」

 その言葉に対して真っ先に反応したのはやはり霜月監視官であった。
 唯でさえこうした犯罪に関する知識と言うのは相応に耐性を有する人間でなければ色相を悪化させて犯罪係数を上昇させる要因となり兼ねない案件であり、不参加を希望したものを上司に言われて参加という経緯もあってか、口調も攻撃的な物となっている。
 それに対してモニターの前に居る彼女等は想定通りと言った顔であり、彼女は余計に無駄な時間を取られている様に感じたのであろう。更に言葉を続けようとするが隣にいた常守監視官がそれを遮った。

626 名前:ナイ神父Mk-2[sage] 投稿日:2023/04/18(火) 01:45:04 ID:p582141-ipngn1402akita.akita.ocn.ne.jp [111/134]

「特殊なウィルス或いは生物を利用して製造した生体兵器・・・BOWを使用した直接的な社会や或いは人的被害を出す攻撃行為・・・コレが連合で主に行われている生物兵器の運用ですよね?」

「その通りよ。誰も予習してきて無かったら局長に抗議を入れる所だったわ」

 常守監視官の答えに対して納得したアレクシアは口にするとモニターの映像を切り替えた。
 其処には様々な怪物と呼べる存在が映っており講習に参加していた面々にも嫌悪感が浮かぶ。

「主なBOWに関しては既に資料を配布しているけど、この世界に関して言えば通常の世界以上に警戒する必要があるの。バイオテロに関しては恐怖の連鎖という物が一番恐ろしい」

「恐怖の連鎖・・・」

 誰ともなく言葉にしたそれは何人かには心当たりがあるものであった。
 嘗て宇宙怪獣が来る前の2113惑星に置けるヘルメット事件それによって連鎖したサイコハザードは大規模な混乱を齎し鎮圧には著しい労力を及ぼした。それを経験した刑事課局員としては苦い顔に成るのも当然と言える出来事である。

「この区画の住民は特に精神的なダメージに弱い・・・そこにたとえ薬物でも抑えられない恐怖を産み出す存在が現れたとしたら?」

「サイコハザード・・・」

「そう、しかも万が一コレが感染性のBOWの場合、その根源はさらに増えるわ」

「けど、それ位ならドミネーターで対応できる範囲では?デコンポーザーに寄る攻撃で有れば十分有用な筈です。」

 常守監視官に最適解を答えられた事で出鼻を挫かれ大人しく座っていた霜月監視官はバイオハザート対策にドミネーターでの対応を主張するが思い通りの疑問を出してくれる
 霜月監視官を面白い物を見る目で見始めていたアレクシアは、彼女の言葉を聞いて即座に否定の言葉を返す。

「ドミネーター、監視官の武器ね・・・それは何百人まで対処できるのかしら?」

「何百人って・・・」

「ドミネーターを持っているのは結局人間、更に言えば強化も義体化もしていない生身」

「当たり前です!他のあんなにポンポン自分の身体を弄る他の所が可笑しいんですよ!」

 その言葉はある意味では2113区の人間の総意と言える言葉でもあった。
 過度な義体化や他国の自然食と言うのは元より忌諱される行為であり各国がそれを平然と行っているという事実は2113区の住民に他の地域との交流を躊躇させるには十分すぎる事実であった。

627 名前:ナイ神父Mk-2[sage] 投稿日:2023/04/18(火) 01:45:35 ID:p582141-ipngn1402akita.akita.ocn.ne.jp [112/134]

「別に義体化を求めている訳じゃないわ、けど通常の人間の反応速度には限界がある。
 ドミネーターを撃つのは結局人ない以上反応速度には当然限界があるの。
 それにこういった事を起こすテロリストは何も考え無しに放つ事は決してしない。例えば街中で突然惨劇が起きれば高いサイコハザードが起きる犯罪係数の高まった人間を全て処分すればどれだけ始末することに成るでしょうね?
 そして・・・この手のバイオハザードで一番怖いことは・・・あなた、自分の大切な人を撃てる?」

「え?」

「現地警察組織が市街地で起きたバイオハザードに対応する際に一番怖いのはコレよ。
 巻き込まれて既に手遅れになった人間を撃つのに躊躇して自分も感染者に成る。頭ではわかっていても身体が動かない。貴方はそれを振り切って撃つことが出来る?」

「・・・」

 その言葉には流石に反発していた霜月執行官も沈黙せざるを得なくなった。少なくとも即答できることではない以上は何かしら思う事が有ったのだろう。

「まあ、その前にドミネーターが使えなくなる可能性を考慮した方が良いかも知れないけどね?」

「それは如何いう事ですか?」

「その武器、威力相応に制限も多いでしょう?内蔵された機器だけじゃ無く外部との通信を必要としている。仮にジャミングをたかれれば如何し様も無くなる。」

「流石にそんな物を都市部に持ち込まれる程警戒は甘くは無いと思いますが・・・」

「だと良いけどね・・・」

 その後もBOWに関する講習は継続されていく事になるが多くの刑事課の角係の多くは欠席、間を縫って真面目に参加するのは、軍事的な経験を持つ執行官が所属している2係と元より外の手法を熱心に学んでいる1係だけであり、この知識の差が後に起こる事件で重要な事態を引き起こす事になるとは、この時はまだ公安局も予想はしておらず、それが
大惨事につながる事となる。そして、その事件より大きな脅威と恐怖を呼び、2113地区には悪夢が蔓延っていく。

628 名前:ナイ神父Mk-2[sage] 投稿日:2023/04/18(火) 01:46:22 ID:p582141-ipngn1402akita.akita.ocn.ne.jp [113/134]
以上です。取り敢えず導入としてバイオハザード関係組とpsychopass組とのやり取りをば…
+ タグ編集
  • タグ:
  • 憂鬱SRW
  • 融合惑星
  • The Hound Dog in Megapolis
最終更新:2023年08月27日 15:34