201 名前:ひゅうが[age] 投稿日:2023/04/01(土) 16:50:11 ID:p6280002-ipoe.ipoe.ocn.ne.jp [34/235]
フォッケウルフ Fw190B-2「ベータ(ベルタ)」
全長:10.19m
全幅:10.51m
全高:3.36m
エンジン:DB603E液冷倒立V型12気筒エンジン(定格1850馬力 高度1100m時 緊急出力2260馬力 MW50亜酸化窒素噴射機使用時)1基
最大速度:720㎞/h(高度6400m 亜酸化窒素噴射機使用時) 690㎞/h(高度6400m通常時)
航続距離:1500㎞(増加燃料タンク使用時) 810㎞(通常時)
武装:MG131 13㎜機銃×2 MG151/20 20㎜機関砲2門
【解説】――第2次世界大戦中期にナチスドイツ軍が投入した戦闘機で、空冷戦闘機であるFw190を液冷化したことに特徴がある
通称「長っ鼻のベータ(ベルタ)」
1942年10月の初登場時は英国側の戦闘機を圧倒する高性能を発揮し、連合軍を恐慌状態に陥れたほか、終戦時まで主力戦闘機として枢軸国側最多の生産数を誇った
もともとクルト・タンク博士の手によるFw190戦闘機は1940年後半に量産性に優れた機体として誕生したが、当初からいくつかの欠陥があった
すなわち、採用したエンジンがその特性上から高高度性能が不足していたことと、搭載した自動制御装置コマンドゲレートの調整が間に合わずトラブルを多発させたのである
折しも、バトルオブブリテンの敗北によりドイツ空軍はメッサーシュミットBf109に代わる新型戦闘機を欲しており、ヒトラー直々の命令によって暫定的でも新型戦闘機を完成させることやエンジンの使用に制限をつけないことを条件にすぐさま改良型の開発に着手した
こうして1941年中盤に登場したFw190A型(コマンドゲレート装置を外した初期量産型)は英本土上空に展開していたスピットファイアMk.5や零式艦上戦闘機11型、隼2型を圧倒し制空権を奪取する活躍をみせる
驚喜した空軍当局は、アルベルト・ケッセルリンク航空相による重点開発命令によってさらなる本命となる改良型の開発を促進
当時量産体制に入ったばかりのDB603エンジンのさらなる改良型A型(のちにE型に換装)を搭載したB型の開発を加速させた
結果誕生したのが本機である
エンジンには前述のようにバトルオブブリテンによりメッサーシュミット社が政治的に失脚したことから使用制限を解除された当時最新のDB603エンジンを採用
環状ラジェーターと呼ばれる空力的に洗練されたデザインとなったことで一見して空冷機に見える外見をしている
初期は生産がはかどらなかったことから量産が遅れたが、初期生産飛行隊が独ソ戦に投入されA型と共にヨーロッパ・ロシア上空の制空権を組織的戦闘終結まで握り続ける活躍を見せた
またBf109より若干ではあるが航続距離も長く、英仏海峡上空で運用する際には問題とならずに連合軍戦闘機を圧倒した
武装も連合軍と同等以上になる13ミリおよび20ミリ機関砲を搭載したことで実戦部隊からの評価も高く、のちに連合軍戦略爆撃隊に対抗するために強化が行われるまではこのままで不満は生じていない
速度は当時の連合軍戦闘機を上回る高速であり、当初から格闘性能も一定以上であったこと、また1943年後半に調整が完了したコマンドゲレート装置使用時には操縦が単純化されたことでカタログスペック以上の高性能を実現した
大戦中盤以降は、ヨーロッパ・ロシアへ移転した工場群により量産が進み、連合軍戦闘機に常に一定以上の損害を与え続けた名機である
なお、改良型として開発されたTa-152は高高度性能はともかく運動性において本機の改良型に劣ったことから主力戦闘機としては採用されていないのであるが、しばしば混同される
202 名前:ひゅうが[age] 投稿日:2023/04/01(土) 16:57:32 ID:p6280002-ipoe.ipoe.ocn.ne.jp [35/235]
というわけで、ドイツ側も強化しました
バトルオブブリテンでメッタメタにされた結果といくつかのバタフライ効果(同時期にゲーリング死亡、零戦や隼の登場でドイツ側危機感増大など)によって「長っ鼻ドーラ」の登場が前倒しにされました
さらに凝った作りでなく今間に合うものをと要求されたことから操縦性は若干悪化するもののベテランパイロット揃いの当時のルフトバッフェにおいては問題とならない高性能機として大戦に投入されるおまけつき
大戦後期の練度低下後はようやく完成したコマンドゲレート装置と聖域化したヨーロッパ・ロシアでの搭乗員錬成がある程度間に合うので、ドイツ空軍は終戦時まで一定以上の練度を発揮することが可能となりました
むろん連合軍にとっては悪魔そのものなので、「ベータだ!」は1942年から1943年にかけての日英が一番聞きたくないセリフとなることでしょう
最終更新:2023年06月18日 22:17