407 名前:ひゅうが[sage] 投稿日:2023/04/04(火) 22:57:24 ID:p6280002-ipoe.ipoe.ocn.ne.jp [93/235]
「エルザス」級戦艦
全長251.0m
全幅35.0m
吃水10.7m
基準排水量:4万5090トン
満載排水量:5万2130トン
機関:インドル・スラ式重油専焼缶8基 パーソンズ式タービン4基4軸(20万馬力)
速力:32.2ノット
主砲:45口径40.6cm砲3連装3基
武装:52口径15.2cm砲3連奏3基
45口径10cm連装高角砲12基
37ミリ連装機関砲25基
13.2ミリ4連装機銃37基
装甲:舷側320ミリ(20度傾斜) 甲板170+40ミリ 主砲前盾430ミリ 主砲天蓋197ミリ
同型艦:「エルザス」「ロートリンゲン」(未成)
【解説】――ドイツ海軍が第2次世界大戦後期に運用した戦艦
もとは、フランスが建造していたフィリップ・ペタン級戦艦(計画艦名アルザス級)を買収したものである
1940年の対独敗戦当時、フランス海軍はその主力艦のうち建造年数の新しい新戦艦をことごとくドイツに接収されており、海軍は早急な代替艦の建造を計画していた
当時バトルオブブリテンもたけなわとなっており戦争は短期間で終結するものと考えられており、フランスの海外植民地の防衛だけでなく敗戦後も残るであろう英国海軍への対抗上海軍の再整備は必須とされたのである
これは当時の首相でもあったダルラン提督の強力な後押しによるものでもあった
このため、建造中であったリシュリュー級戦艦3番艦「ガスコーニュ」の完成促進が考えられていた
だがそこへ重大な情報が入る
敵となった帝国海軍が建造中の新型戦艦大和型の性能を公開したのである
6万トン級の18インチ砲艦(実際は満載8万トン近くに達するさらなる巨大戦艦だった)に対抗可能な戦艦は当時世界に存在していなかった
このことから、ドイツのヒトラー総統は対抗可能な新型戦艦の入手を厳命
さらに接収されたフランス艦隊の調査で自国の建造技術の遅れぶりを把握したドイツ海軍は本級の存在を思い出した
結果、一応の中立国であった安全なフランスで新型戦艦の建造経験を積むことが考えられ、急遽建造が決定されたのである
だが、その後本級は過酷な運命を辿る
当時既に計画図面が存在していたことから1940年8月にキールを据え付けた1番艦フィリップ・ペタン(ドイツへの配慮からアルザス級から改名)は英国空軍のハラスメント的な妨害(当時戦略爆撃隊はまだそれほど量産が進んでいなかった)を潜り抜けつつ建造が進み、1943年6月には早期艤装の上で進水予定の本級の最大の擁護者であったダルラン提督が北アフリカのアルジェから英国へ政治亡命をしてしまったのだ
さらに参戦したにも関わらずフランス軍が北アフリカ戦線に大軍を展開しないことに苛立ったヒトラーは「代償」を要求
かくして本級は、ドイツによる戦時国債払いとしてドイツ軍へと売り渡されることが決定してしまったのであった
1943年8月の新月の夜、突貫工事で航行可能なまでに達していた1番艦はドイツ海軍による盛大な嫌味として「エルザス」(アルザスのドイツ語名)と命名され、サン・ナゼールのドックからわずかな護衛を引き連れて抜錨
これにあわせてドイツ海軍主力艦隊がスカゲラク海峡から北海に進出したことに気を取られていた英国海軍の哨戒網の裏をかきドーバー海峡を白昼堂々突破してのけた
世にいう「チャンネル・ダッシュ」である
連合軍が気付かなかったのは、本艦が未完成であると判断していた(事実、水密試験などが未完了であった)ことと一切の通信を行わず古典的な封緘命令書による命令伝達が徹底されたことによる
こうしてドイツ領域であるヴィルヘルムスハーフェンへと逃げ込んだ本艦だったが、フランス本国から2番艦(予定艦名ロートリンゲン)用に用意された物資をはぎとって陸上輸送された各種機器の取り付けに手間取り、さらに恥をかかされた連合軍による攻撃がキールほかの軍港に加えられ続けたことから流転の運命を辿り、最終的には同じくドイツ軍に接収された「ヘルマン・ゲーリング」級1番艦(旧ソビエッキー・ソユーズ)と同様に占領下のサンクトペテルブルク海軍工廠で艤装を完了させることになった
だが、完成した1945年10月になると、既に海上の優勢は連合軍側に完全に傾いており、本級を参考にドイツが建造していたH42級こと「アドルフ・ヒトラー」級戦艦らと共に彼女らには決定的かつ最終的な運命が用意されることになるのである
408 名前:ひゅうが[age] 投稿日:2023/04/04(火) 22:57:57 ID:p6280002-ipoe.ipoe.ocn.ne.jp [94/235]
というわけで一本
フランス海軍ぇ…
最終更新:2023年06月18日 22:18