909 名前:ひゅうが[sage] 投稿日:2023/04/18(火) 21:36:29 ID:p6280002-ipoe.ipoe.ocn.ne.jp [201/235]
「それは異様な光景だった。つい先ほどまでの行進では陽性の空気のもと拍手すら起こっていたものが、彼らは一斉に行進に対し背中を向けるか侮蔑の視線を向けたのだ
太陽の紋章を戴く軍旗と共に行進する小柄な兵士たち
どこからかブーイングが起こった
見ると、石を投げたらしい子供を抱きかかえて走り去る母親の姿もあった
だが、行進する帝国陸海軍は仮面舞踏会の仮面をつけたような無表情で行進を続けていた
私の横のパットン将軍などは怒り心頭に発しているようだった
『ミカドやイマムラの温情をいいことに、奴ら、「劣等人種」を舐め切っていやがる!』
まったく同感だった
エンペラー直々の厳しい命令で彼らはあえて無反応を貫いているのだった
それまでも我が連合軍はナチスの軍隊が主としてわがアメリカ軍にのみ降伏したがった光景を何度も見てきた
それは、ヒトラーがJAPと罵る彼らをユダヤ人と同等に扱い収容所に送り込む特別命令を出していたことや、彼いわくJAPはドイツ人捕虜に救いがたい虐待を加えドイツの殲滅を狙って策動しているというプロパガンダがあるからだと我々は考えていた
実際のところ、帝国陸海軍も我が連合軍一般と同様に無謬ではない
でなければエンペラーはわざわざ自らラジオのマイクの前に立ちドイツ人への扱いを戒めたりはしまいし、イマムラ将軍もわざわざ自ら命令を出したりはしなかっただろう
だが、先々代のエンペラーの詩を引用し「四方の海の向こうの民は皆同胞と思ってほしい」という切々たる訴えは裏切られた
自らが報復されないと知った彼らは、ヒトラーにより単に劣等人種とレッテルを貼った者たちには自由に振舞ってよいとされた教えを忠実に実行したのだ
敗北の責任は誰が負うべきか?
それは国際ユダヤ人とヒトラーが呼んだ空想上の存在であり、その一員であり劣等人種であるJAPだと
私は目の前で繰り広げられる醜悪な光景に暗黒の思考にとらわれそうになる
『これがドイツ人なのか?それともこれがナチスなのか?』
いずれにせよ、行進は続いていた」

1947年2月11日(日本時間) ベルリン入城式にて ドワイト・アイゼンハワー

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最終更新:2023年05月27日 19:25