619 名前:モントゴメリー[] 投稿日:2023/05/21(日) 16:35:14 ID:116-64-135-196.rev.home.ne.jp [65/123]
——La Peau de Roland(ロランの皮膚)——

La Peau de Roland(ロランの皮膚)とは、フランス連邦共和国(FFR)において開発された新素材である。
極めて優れた衝撃吸収能力を持つ素材であり、これが存在したからこそFFRは恐竜的進化を遂げるOCUの火力に対して対抗できる目途が立ったと言われるほど重要な発明である。

FFRの科学史は、新素材の開発を主軸に紡がれてきた。
それは「我らが指揮官」に相応しい御衣(みけし)を編むためであり、金属材料では「リシュリュー鋼」という金字塔を打ち立てることになる。
しかし、FFR科学陣が勝ち取った「戦果」はそれだけではない。むしろリシュリュー鋼は「戦果」においては最新のものであり、それに至るまでいくつもの物語が存在しているのである。

FFRが目を向けたのは「生物」である。
セラミック系やカーボン系材料はOCUが先行しており、単なる後追いでは勝利は覚束ないからだ。
(あと「特許」問題)
そこで自然界の材料、生物に着目したのである。
忘れられがちであるが、「昆虫記」の作者ファーブルもフランス人なのだ。「全てのフランスの後継者」たるFFRは、彼の功績と情熱も引き継ぎ次代へと繋げる義務がある。

研究チームは、自然に存在する細胞の衝撃吸収材であるタリンと呼ばれるタンパク質に着目した。
そして、張力下ではタリンが開き、非張力下では再び折りたたまれる、分子レベルの機械応答を明らかにした。
この機械応答は、衝撃吸収特性をもたらし、大きな力変化の影響から細胞を守っている。そこで、研究チームは、タリンの組換え体を単量体単位に組み込んで架橋したハイドロゲルを合成し、仮称としてタリン衝撃吸収材(TSAM)と名付けた。
研究チームはこの仮称TSAMに実験を行った。
実験内容はアルミ片を秒速1500mで仮称TSAMに衝突させるというものだ。
結果、仮称TSAMは破損しなかった。のみならずアルミ片までも変形せず形を維持したのである。
この実験により仮称TSAMが衝撃を吸収するだけでなく、物体を捕獲/保存することが示された。

この新素材は軍事分野に大変革をもたらした。
従来の防弾チョッキには、繊維強化複合材で裏打ちしたセラミック板が使用されることが多いが、これは重くて扱いにくいという欠点がある。
さらに、衝撃を受けると不可逆的に損傷することが多く、再使用できない。防弾チョッキに仮称TSAMを組み込めれば、より軽量で長持ちする防弾服として、より広範囲の傷害から着用者を保護できるとのことだ。
これによりFFRの機動装甲服は大幅に防御力を向上させることが可能となった。
また仮称TSAMの捕獲/保存能力は、宇宙分野でも活用される。
宇宙ゴミや宇宙塵、流星塵の効率的な捕集を可能にして、捕集した飛散物からの情報を活用し、宇宙ステーションをはじめとする航空宇宙機器の局所環境の理解に役立った。
また人工衛星や宇宙船の「装甲」に活用され、両者の耐用年数の大幅な延伸に貢献した。
(宇宙軍の装備にも採用されたことは言うまでもない)

仮称TSAMの正式名称はLa Peau de Roland(ロランの皮膚)となった。
これは、シャルルマーニュ配下の伝説の騎士であり、どんな攻撃にも傷一つ負わなかったという英雄ロランにあやかったものである。

620 名前:モントゴメリー[sage] 投稿日:2023/05/21(日) 16:36:34 ID:116-64-135-196.rev.home.ne.jp [66/123]
以上です。
ウィキ掲載は自由です。
タリン衝撃吸収材(TSAM)。2022年に発表された論文ですが、1500m/sのアルミ片を受け止めるって、仮にアルミ片の重さが10gとしたら運動エネルギーが12.7㎜弾と同等になるのよね()
トゥ!ヘァ!さんがOCUは電磁装甲とセラミック、ケプラー系素材で行くと言っていたので、FFRはバイオロジー系素材で勝負します!!
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最終更新:2023年06月23日 20:09