816 名前:奥羽人[sage] 投稿日:2023/05/30(火) 22:31:31 ID:sp49-105-77-103.tck01.spmode.ne.jp [2/4]
近似世界 【地中海海戦】3



10月28日午前0時28分、第一打撃群の戦艦大和、武蔵、及び重巡洋艦古鷹、加古がキプロス島アクロティリに残存した枢軸軍施設に艦砲射撃を実行。
戦艦信濃、紀伊は島東部の港湾部、特にUボートの臨時補給港とされていた中小港湾を重点的に攻撃した為、キプロス島の戦略的価値はほぼ完全に破壊されることとなった。



【クレタ航空戦】
10月31日早朝、アレクサンドリア近郊に展開した日本軍の重砲連隊が、航空偵察を元に割り出したクレタ島の枢軸軍施設(主に航空基地)に対して多数の短距離弾道弾を発射。
弾頭の種別は不明(一説には三号弾頭と言われている)だが、航空基地の設備と、駐機中の航空機にある程度のダメージを与えたとされる。

5時30分頃、第二打撃群に護衛された第三戦闘群揚陸部隊がクレタ沖に展開し、両群より攻撃隊(戦闘機、攻撃機あわせて150機程)が発艦する。枢軸側も、クレタ島各地の航空基地から合計90機程の迎撃機を出撃させ、これを迎え撃った。
5時45分、アレクサンドリアの空港を利用した臨時基地より出撃した日本空軍の戦闘機部隊(一式戦闘機“隼”48機)がクレタ島上空に到着し、形勢は一気に日本側有利となる。
6時00分頃、制空権確保の見通しがついた日本軍は揚陸作戦を開始。機甲部隊含む地上軍がクレタ島東部南岸に接岸し、回転翼機に分乗した空挺部隊が後方各地を強襲した。
艦砲射撃等の援護により橋頭堡の確保までは速やかに達成されたものの、枢軸軍は海岸線から後退し、クレタ島の山がちな地形を利用して強固な抵抗を見せる。

日本軍の襲来を受けた枢軸側は、いち早く反撃を行い、上陸地点に拘束されている日本艦隊の殲滅を狙って各地の海空戦力に総攻撃の指示を令達する。
仮に島が日本軍の手に落ちた場合、シチリア島やイタリア南部が日本軍の航空機や弾道弾の射程圏内に入ると想定されていた為、何としてもクレタ陥落は阻止しなくてはならなかった。

817 名前:奥羽人[sage] 投稿日:2023/05/30(火) 22:33:24 ID:sp49-105-77-103.tck01.spmode.ne.jp [3/4]


【アンティキティラ海峡海戦】
11月1日午後11時41分、クレタ島の日本軍橋頭堡付近にUボート曳航発射型弾道弾(V2ロケット:アグリガット8と推定される)が着弾し、これを始めに3日間で数十発の弾道弾が落下した。
当時のドイツ製弾道弾の命中精度の問題から大きな被害は出なかったものの、第三戦闘群の一部部隊が掃海の為にクレタ島西方へ進出した。

11月2日午前6時20分頃、第三戦闘群所属の進出部隊(軽巡龍田、長良、北上、多摩、及び駆逐艦雷、電、響、暁)が、イタリア海軍偵察艦隊(重巡トレント、トリエステ、他駆逐艦6隻)と遭遇。
潜水艦掃討任務を行っていた龍田、長良、雷、電の4隻が16km前後で、北西を単縦陣で航行している偵察艦隊8隻に対して“剣”対空/対艦誘導弾を6発発射する。内2発が先頭のトレントの後部マスト付近に着弾、1発はトリエステの艦橋付近の舷側に着弾し小破、駆逐艦1隻に1発が直撃し中破した。
数分後に日本側が誘導弾の第二斉射を行い、先ほど損傷を受けた駆逐艦1隻が大破し、新たに駆逐艦2隻が中破した。

日本側は危険を犯さず誘導弾斉射後に待避するつもりだったものの、イタリア艦隊が全速力で接近してきた為に速力で不利と判断(イタリア艦35ノットに対して日本艦33ノット前後)し、距離を取りながら多摩率いる別働隊と合流を図った。

6時30分頃、トレントとトリエステが主砲の射撃を開始する。全速航行中での発射で、尚且つイタリア艦砲特有の問題もあって着弾は大きく外れ、何度か斉射しながらも命中弾・至近弾共に無かった。

日本側も艦砲による反撃を始め、45分頃には先頭を航行していたトリエステに複数の命中弾を与え、中破させることに成功した。
トレント、トリエステ共に被弾で速力が低下し、駆逐艦隊も多大な被害を受けた事で追撃を断念したイタリア偵察艦隊は、西に進路を取って離脱を始める。

午前7時5分、北上に試験的に搭載されていた対艦誘導弾“震洋”2発が、トリエステの艦橋と煙突部に直撃し炸裂。
トリエステは大破炎上し、瞬く間に航行能力を喪失。早々に総員退去が開始された。後の7時30分頃に、魚雷に誘爆し中央部が著しく破損して転覆、沈没した。




【“剣”対空/対艦誘導弾】
おおよそRIM-24ターター。

【“震洋”対艦誘導弾】
射程80km前後、重量450kgの半徹甲弾頭を持つ亜音速艦対艦ミサイル。シースキミング能力は無い。

818 名前:奥羽人[sage] 投稿日:2023/05/30(火) 22:37:13 ID:sp49-105-77-103.tck01.spmode.ne.jp [4/4]
以上となります。詳しく描いていこうとすると再現無く文字が伸びていきますね……

水上戦の前哨戦といった赴きの戦いでした。
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最終更新:2023年06月23日 20:33