964 名前:モントゴメリー[] 投稿日:2023/06/07(水) 21:21:15 ID:116-64-135-196.rev.home.ne.jp [115/123]
スターライト樹脂

スターライト(Starlite)樹脂は、1970年代に英連邦条約機構(以降BC)において開発された新素材である。
その真価は耐熱性であり、熱に弱いという合成樹脂の常識を覆し数秒間であれば摂氏1万℃に及ぶレーザー光線の直撃にも抗堪し得るほどである。
 スターライト樹脂の発明したのは英国人のモーリス・ワード氏である。
実はこの人物、大手企業や国営研究所の職員などではないアマチュア研究家である。
(本職は美容師)
そんな彼がこの樹脂を発明しようとしたきっかけは、ある悲劇であった。
1972年6月18日、「英国欧州航空548便墜落事故」が発生した。
生存者ゼロという痛ましい事故のニュースを聞いたワード氏は

『絶対に燃えない、そして墜落しても乗客の命を救える頑丈な素材を開発しよう』

と決意したのである。
それより数年の試行錯誤を経て産み出されたのがスターライト樹脂である。
その耐熱性は圧巻の一言であり、デモンストレーションでは本樹脂でコーティングされた生卵は溶接用トーチで5分間炙られた後でも素手で触れるほどにしか加熱されず、中身もほぼ生のままであった。
その後ヴィッカース社で行われたテストでは、摂氏1万℃に及ぶレーザー光線に数秒間耐久したのである。
これは合成樹脂(プラスチック)の常識を覆すものであり、チタンやグラファイトを越える水準である。
それでいながら原材料はありふれた安価のものであり、“馬に食べさせても問題ない”とワード氏は豪語した。
(正確な原材料と配分は決して話さなかったが)

965 名前:モントゴメリー[] 投稿日:2023/06/07(水) 21:21:46 ID:116-64-135-196.rev.home.ne.jp [116/123]
これほどまでに革新的な素材であったが、製品化への道は難航した。
当然様々な企業や団体が製品化しようとワード氏へ交渉を持ちかけたのであるが、その中に技術を独占し、権利すらワード氏から取り上げようとするものがいたのである。
特定の団体が技術を独占し秘匿するという国益に反する所業など、21世紀現在の世界では考えられない悪行である。
しかしながら、当時はBCのみならず旧4か国同盟陣営では戦前の悪しき思考が生き残っていた。
このような守銭奴たちからの脅迫まがいの交渉を受けたワード氏は態度を硬化。一時はスターライト樹脂の製法を封印してしまうことすら考えた。
しかし、家族の説得と急変する国際情勢により思いとどまる。
(当時は北米動乱やFFRの復興など、BCを取り巻く情勢は緊張を高めていた)
そこで彼は宣言したのである。

——スターライト樹脂の権利と製法を、女王陛下に献上する

戦後期から高まり続けていたBC国民の王室(より正確に言えば女王)への敬慕の念を象徴する一件であるが、確かにこれならばBC全体に知識は浸透する。
女王(と政府)はこの提案を受け入れ、スターライト樹脂は国家により保護されることとなった。
こうして実用化されたスターライト樹脂は最優先で軍事部門に採用され、BC製各装備の耐熱性を飛躍的に向上させた。
特に歩兵用機動装甲服が受けた恩恵は著しく、火炎放射器やナパーム弾による攻撃はほぼ無効化された。
その後順次民生分野にも適応されBC国民の生活を大いに発展させることになる。

なお後日談として、ワード氏スターライト樹脂を発明した功績により騎士に叙任された。
その際、スターライト樹脂に関する特許料の権利などが下賜されたという。

966 名前:モントゴメリー[sage] 投稿日:2023/06/07(水) 21:22:57 ID:116-64-135-196.rev.home.ne.jp [117/123]
以上です。
ウィキ掲載は自由です。

モーリス・ワード氏「God Save The Queen! God Save The Queen!!」
BC国民「「「God Save The Queen !!God Save The Queen!!」」」

たまには「忌々しくも偉大なる怨敵」の話題をね。
このスターライト樹脂、我々の世界ではワード氏があの世まで持って行ってしまいましたが、日蘭世界では日の目を見たようですね。

「英国欧州航空548便墜落事故」はメーデー!民なら必修科目ですよね。
+ タグ編集
  • タグ:
  • 設定
  • 日蘭世界
  • BC
  • 英連邦条約機構
最終更新:2023年06月23日 20:39