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銀河連合日本×神崎島ネタSS ネタ ゲートの向こうには(ry・超大陸日本クロス 神崎島おウマさんVS日本ウマ娘 第十話前編「ウマと馬は夜を駆けたようです」
大暴れした対州要塞姫、結果を短的に言えば対州要塞姫は鎮まった。
歌われたのは日本ウマ娘トレーニングセンター学園に在籍するウマ娘全員が歌う【GIRLS' LEGEND U】。
自分達ウマ娘は生きているから大丈夫、もう怒らなくていいと対州要塞姫に訴えた想いは確かに対馬の姫に届いた。
その当人は現在、スーパークリークやワンダーアキュートにイナリワン、タマモクロスなどなど…
面倒見の良いウマ娘の面々に包囲されスーパークリークによる強制膝枕の刑に処されいる。
「妾赤ちゃんにされるのじゃ…」と目が死んでたがどうでもいい話だ。
未だ異界のトレセン学園のコースにベアー号から降り片腕を無くしたままの電が客席にに座るとマシュが労を労う。
「疲れたのです…。」
「電お姉さんお疲れ様です。」
「しかしまあお祭り騒ぎなのです。」
「ゴーストウィニング号さんが現れたのだから仕方ないとは思いますが…。」
二人は視線を向けるその先、コースの中央では大群に埋もれたゴーストウィニング号の姿があった。
ナイスネイチャやセイウンスカイ始め号泣するウマ娘やハルウララなど笑い抱きつくウマ娘にトレーナーであり騎手である竹内、
ティアマトが連れてきた馬主であった花舞神流こと飯崎鈴夏、
それにゴーストウィニング号の担当だった厩務員や調教師、獣医に装蹄師らの姿もある。
この場も画面の向こうでも皆笑い泣いている。違うのは今後を知り複雑な顔をしているゴーストウィニングぐらいである。
「しかし、後処理考えると頭が重いな。」
「同感です…。」
二人の傍で話をするのは出番がほぼなかった大見や冨永、冨永は無駄にマント翻してる。
この超大陸日本では前代未聞である今回の事件、かなりの規模となった。
しかし死者も負傷者もなく現世に戻ればトレセン学園への被害もない。
前例に習えば犯人の罪自体は傷害に殺人未遂と不法侵入くらい…精々懲役刑が云年というくらいだろう。
だがその程度で裁かれるのならば国民は納得しないかもしれなず、また余りにも社会的に衝撃が大きすぎる。
いやそもそも一部除き生きてるのか?
現状で生きているのが確認されたのはウマソウルに拘束された者達くらいで現在大見の部下と邪気眼派が対応にあたっている。
二人の会話に入る電とマシュ。
「大見さんに冨永中将、皆さんそもそも裁くという気すら起きないかもしれないのです。」
「そうですね…。」
「どういうことだ?」
「そろそろ持ってくると思うのですが…」『おーい電!あったよー!』やはりありましたか…。」
会話をしながらもキョロキョロと周囲を見渡す電、遠くからトウカイテイオー号らおウマさんたちが何か大量に抱えてくる。
トウカイテイオー号らの抱えるそれを見て大見は顔を引きつる。
頭部、胴体や腕や足、大量の人間と思われる身体の一部である。
電達の所まで来るとそれらを地面にぶちまける。
「今回トレセン学園に侵入して異界に飲まれた人達なのです。」
「ッ!こいつ動くぞ…!生きてるのか…?」
ビクンビクン、或いはモゾモゾと動く酷く変質した人体の一部、中には原型をとどめていないものもある。
頭部やその一部だけなどは眼球だけキョロキョロさせて気色悪い。
「話に聞くゴーストウィニング号さんの時の方々より進行していると思われますが…コレ一部は理性も残ってるんじゃ…?」
「夜海に濡れた…怪異に成り果て生物学上は生きていますが…霊的には完全に死者でも生者でもないのです。
いっそ普通に死んだり、男性として死んでる方がマシなのです。」
「ま、煮るなり焼くなり研究対象にするなり法で裁くなり好きにすればいんじゃない?いっそ一般公開でもしてみればいいんじゃないかな?」
それなら馬鹿も減るのではないかとトウカイテイオー号がやり投げなことを言う。
そんな話をしているとピシリ、ピシリとガラスに亀裂が入る様な音が響き超大陸世界の人々は何だ何だと周囲を見渡す。
そして何かが割れる音が響くが周囲は何も変わらない。
だがハルウララが空を見上げ気づく。
「あ!お月様にお星さまだ!」
異界化の間は見えなかった天体が顔を見せる。
異界を維持する者がいなくなったのでトレセン学園が現世に戻ったのだ。
トレセン学園の外からは喧騒が聞こえ緊急車両の音が引っ切り無しに聞こえる。
皆は戻れたことに安堵した。
そして電は自分の手元のPVMCGに時刻を表示させると夜明けまでまだまだ時間がある。
鞍と手綱、騎乗具一式を造成するとマシュに声を掛ける。
21:635:2023/02/09(木) 17:31:29 HOST:119-171-248-234.rev.home.ne.jp
「マシュちゃん。」
「はい…ゴーストウィニング号さんに…ですね?」
「なのです。」
マシュは騎乗具を受け取ると歩き出し暫くするとゴーストウィニング号を中心に歓声が上がる。
竹内を乗せ駆け出すゴーストウィニング号、ウマ娘たちは誰が始めるでもなく続き芝のを駆け始めた。
原初の、ウマ娘とウマソウルの想いそのままに、此度多くのものに傷つき、涙を流した。
それでももそれを乗り越えウマ娘達は星空に笑い声を響かせながら草の上を駆けて行く。
「あーもう!負けた負けた!!」
「いやー、ダブルゴーストにセイちゃん完敗ですぞ…!」
ナイスネイチャとセイウンスカイが草の上に勝負服を着たまま倒れ込む。
誰ともなく始めた全員一斉にスタートした芝2500m。ナイスネイチャとセイウンスカイを差し切り、
ウマ娘ゴーストウィニングとゴーストウィニング号が同着となった。
キチンと機器を用いれば差は分かったのだろうがそれは野暮というもの、
非公式なれどゴーストウィニングの名を冠する存在は中山の借りを返した。
他のウマ娘達もナイスネイチャやセイウンスカイに続きゴール板を抜け大の字に倒れていく。
その状態で皆が空を見上げ、その空は赤く染まり始め、紫色の雲がたなびく。
「朝焼け…綺麗…。」
「もうそんな時間なんだ…。」
「春はあけぼのってか…。」
その時誰かが手を叩き言う、そろそろ時間だと。
起き上がった誰かがその人物の名を口にする。
「電さん…。」「手が復活してる!?」
「腕はデメテル様に直して貰ったのです。皆さん名残惜しいですがそろそろ時間切れ…春の夜の夢が終わる頃なのです。」
「え…?」
「虹の橋を渡る時が来たのです。」
電が顔を向けた先には…竹内の乗るゴーストウィニング号。
来たのだ。夢が覚める時が。
ウマ娘達は皆困惑の表情を浮かべる。
「え、どうして?」「ゴーストウィニング号は生き返ったんだよね?」「何で!?」
「ゴーストウィニング号さんは生き返った訳ではありません。
トレセン学園に残っていたウマソウルの残滓の皆さんの力を借りて…、
ウマ娘の皆さんを助ける為に定命のものの枠も、馬という存在の境も超え顕現したのです…。
斯様な存在が常に許容される訳でもないこの世界では生きられないのです。」
ウマ娘達は自分達ならば受け入れると主張する。
「貴女達が受け入れても他の方々がどう思うか…。
始皇帝から彼のアドルフまで、斯様な超常の存在があればあれば力付くでも手に入れたがるのが人というもの…。
ゴーストウィニング号さんはそれでウマ娘さんや竹内さんたちが傷付けられるのを許容出来ません。
全てを強制的に受け入れざるを得なかった私達の世界とは訳が違うのです。」
人の悪性を見たウマ娘には電の言葉を否定できない。
そして電は最もな理由を話す、それは残酷な現実。
「それに限界を超えたゴーストウィニングさんは元々はただの生物、その魂の残照…器が持たないのです。
このまま地上にいても消滅を待つだけ…「どうしてさッ!?」クッ!?」
電の服の胸元をセイウンスカイが掴み締め上げる。
慌ててナイスネイチャが止めに入る。
22:635:2023/02/09(木) 17:32:21 HOST:119-171-248-234.rev.home.ne.jp
「どうして…!どうして…ゴーストウィニングばかりこんな目に合わなきゃならないのさ!!「スカイ!抑えて!!」
ネイチャ…どうして止めるのさ!?あの中山の時からゴーストばっかり不幸な目にあってるんだよ!!酷いと思わないの!?」
「私だって…私だって理不尽だと思うわよ!!怒ってるわよ!?
でもね…ゴーストを助けるために頑張ってくれた電さんに当たるのは筋が違うでしょっ!!
このバカスカイ!!」
「何を!?」「何だ「二人共やめて!!」…ゴースト…。」
ナイスネイチャとセイウンスカイの間に割って入るゴーストウィニング。
その顔は涙でグチャグチャだが懸命に笑顔になろうと顔が歪んでいる。
「二人がそんなじゃゴーストウィニング号(私)が心配して渡れない…お願い…どうか、どうか笑顔で送って…。」
そんなゴーストウィニング達に頭を垂れるウマ娘達、彼女たちを他所にゴーストウィニング号は嘶き近くに居たライスシャワー号を呼ぶ。
ライスシャワー号はゴーストウィニング号の言葉を聞く。
「え、どうしたの…?走りたい…竹内さんの乗った…とウマ娘の…と?」
「どうしたのです?」
電の問に困惑した表情でライスシャワー号が答える。
「ゴーストウィニング号さんがウマ娘のゴーストウィニングさんと竹内さん乗せた私と走りたいって…。」
「え…?」
トレセン学園芝コースのスタート地点、発馬機も用意されていないヒシアマゾンの立て看板だけ置かれたスタートライン。
そこに馬二頭とウマ娘一人が並ぶ。
ウマ娘ゴーストウィニング、竹内騎手兼トレーナーonライスシャワー号、駆逐艦電onゴーストウィニング号。
いやまあウマ娘ゴーストウィニングとゴーストウィニング号が走るのはまあ分かる…、
が何故に自分ゴーストウィニング号に跨ってここにいるんだろと思う電。
ゴーストウィニング号たっての希望だから仕方ないが如何なる理由か。
ゴーストウィニング号に尋ねてもこれはレースじゃない!レースじゃないから!と主張するだけ。
なおウマ娘ゴーストウィニングは泣いていて竹内はチラチラとゴーストウィニング号の方を気にしっぱなしだ。
そして距離は芝2500m、ゴーストウィニング号最後のレースの距離。
時は春暁、スタートの旗が上がる。
23:635:2023/02/09(木) 17:33:19 HOST:119-171-248-234.rev.home.ne.jp
以上になります。転載はご自由にどうぞ。
後編もあるけど早くて21時か22時くらいにでも…。
最終更新:2023年07月02日 15:52