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銀河連合日本×神崎島ネタSS ネタ ゲートの先は神崎島もヤルバーンも無いようですその九十一


「お前顔半分ねえぞ。」

「そっちこそ下半身吹き飛んでんぞ。」


寝転がったまま身体の一部のない人間が会話を交わす。


「だから言ったんだ…普通科の対戦車隊だけで対戦車戦やんの無理だって。」

「撃破失敗した途端に戦車砲や機関銃だけじゃなく重迫や榴弾砲の砲弾までこっち飛んで来るの見えた時には笑ったわw。」




「まあ予想通りといえば予想通りね…。」


東京で公式上戦後初の戦闘が公式発表されてる頃、
焼け焦げた戦車や血まみれの人が倒れる凄惨な光景を見ながらこの場に似つかわしくない銀の髪の令嬢は言葉を零す。
そんな彼女は在ゲート日本全権大使を務めるアナスタシアだ。
ここはゲート日本・北海道北海道矢臼別演習場、彼女は在ゲート日本・銀河連合日本陸上自衛隊とゲート日本陸上自衛隊の演習を視察に来ていた。
その後ろでは一緒に来ていたゲート陸自の制服組の高官が顔を青くし呟く。


「分かっていたが長年の戦車と砲の削減が響いている…。
定数の維持は決定、寧ろ増加の方針で戦車も無償供与された10式改に更新される。
が…しかしそれを操る自衛官を増やすのは直ぐにどうにかなる問題ではない…。」


それ以上に顔を青くしているのが背広組の人間だ。


「さて…仮想敵として設定した2020年代初頭ロシア装備有する我が方と日本の陸自…先の演習は健闘すれども敗北。
今回は同じ敗北…人的被害は遥かに甚大だけれど…西住少佐どう見ます?」


そんな中年二人を他所にミドルティーンしか見えない少女を佐官と呼ぶアナスタシア。


「長年に渡り削減され続けた機甲戦力と砲火力の不足…機甲戦力を含む敵勢力上陸を許した時点で陸の打撃力の基幹たる双方の不足は確実に響いています。
そして16式機動戦闘車の運用も問題です。
あれは対戦車自走砲、自身の主砲にすら耐えうる装甲を保有していません。
にも関わらず対戦車自走砲ではなく戦車としての運用を強要される場面が見受けられました。
そして今回の演習は論外です…対戦車兵器で武装した歩兵のみで歩兵を随伴させた戦車に対戦車戦闘を挑むなど。」

「し、しかし先のナゴルノ・カラバフ紛争ではアゼルバイジャン、アルメニア双方で最新歩兵対戦車火器が猛威を振るい。
ミサイルならば一発数千万、安いのならば数百万。
十億する戦車よりはコストパフォーマンスに優れて…。」


防衛省背広組の人間は言う。
この世界におけるナゴルノ・カラバフ紛争においてはアゼルバイジャン側の滞空型、自爆型ドローンが猛威を振るうことはなかった。
先のロサンゼルスでのジョージ・ハリソン元米大統領を狙ったテロにおいて多種のドローンが使用されたが全てが防がれた。
若しくはクラッキングを受け味方を攻撃するなどその効果が疑問視されたからである。
それが出来るのはこの世界では銀河連合日本やティ連くらいなものであるが一度付いたイメージというのは払拭し難く、
また資金を投じて導入したドローンが何の成果なく失われることを許容できる筈もなく一部偵察に使われる以外は温存されていた。
故に行われたのは古式ゆかしい正規軍同士の激突。偵察部隊の得た情報による対砲戦や歩兵による陣取り合戦、一部で機甲部隊同士の激突。

その中で特徴的、ではなくマスメディアに持ち上げられたのは対戦車兵器による機甲部隊の損害。
対戦車兵によるジャイアントキリングという絵になりそうな故に両国において大々的に戦果として報道された。
まあそんな訳でまーた対戦車ミサイル万能論が出たわけであるので背広組が銀河連合日本からの10式戦車改について文句言ってきたのである。
戦車乗り増やすより歩兵携行対戦車ミサイル充実させろと。

90:635:2023/02/15(水) 07:17:11 HOST:119-171-248-234.rev.home.ne.jp


「T-90…1億7千万円一台をおしゃかにするために軽MATを破損含め5発消費し発射機自体も使い捨てせざるを得ず、
他中多1基と重MATなど複数喪失…この時点で4億円以上の消費ですね…。
加え対戦車班含め歩兵十数名死亡他負傷多数ですね。
ざっと自衛官の育成の時間数年分とお給料育成費補償合わせ数十億オーバープラスでコストパフォーマンスに優れていると?
先の演習では10式1両の損害でT‐90を5両破壊したケースもありますが…小学生でもできる計算も出来ないので?」


見た目ミドルティーンの少女にぐうの音も出ない背広組を他所にアナスタシアは視線を戻す。
その先ではゲート陸自に供与、採用された某ガーンズバックもどきなゲート陸自初の人型機動兵器、
何故か肩に士魂とか書かれた仮称20式機兵が動いているのだこれが以外と善戦してるのだが。


「陸自あの機体気に入り過ぎじゃないかしら?」


背中に緊急展開ブースターぽいの装着してそこにヘルファイアだの多連装ロケットだの乗せた対地攻撃型。
胴体を大型化し複座化させ副操縦士乗っけた電子戦型や対機小型ミサイルマシマシの突撃型。
その中でも特徴的なのは頭部から伸びた細長いセンサーと背部に人員輸送ユニット乗っけた偵察型…。
四つん這いになって被発見性低下させた黒に近い色で高速で地上をカサカサと移動してる。


「あれどう見ても台所のGね…。」





さて同じ頃のヂラールVS大日本帝国VSダークライもとい銀河連合日本という三つ巴ではないが共闘しているとは言い難い戦いが繰り広げられる宇宙。
政府中央艦常世を構成する艦艇の一隻、直衛機動兵器母艦『ティル・ナ・ノーグ』の斥力式カタパルト上にそれはあった。
盾と5つのガトリング砲の砲身を覗かせた兵器を持つ身体に対して手の長い異形の人型。
機械仕掛けの神の模倣、人が操る現代の大具足。
しかしその神の模倣の中身が人でなければそれはなんなのだろうか?


『マシュちゃん!マシュちゃんは無重力戦闘はそもそも機動兵器戦にも慣れていないのでシレイラ号の船上で近接防御に徹するのです!』

「電お姉さん、了解です!!」

『マシュ頑張ってね!』

「はい!船内に突入する雷お姉さん達も御武運を!」

『進路クリア!大具足【霓】発艦どうぞ!!』

「了解しました!神崎式大具足【霓】出ます!」


マシュ…駆逐艦【霓】の操る大具足【霓】…緑色の魔力光の粒を放ちながら飛び立つと虚空へと消える。


『マシュがあれに乗ってるとか絵面が酷いぞ…。』

『あれどう見てもプロトタイプネクストなんだが…。』


そんな通信があったりなかったり。



「しかし一体どうなってるのかね!?聞いた話じゃあの船助けに来るのはティ連とかいう勢力の船で21世紀の我々に近い時代の日本人とかが乗ってるのではなかったのか!?
来たやつらどう見てもティ連とかいう文明の船と形違うし宇宙船に統一性無い辺り明らかに複数の文明が合体してるのではないのかね!?
南米の光体か北欧の様な巨人や挙げ句機神ぽいのもいるし!?」


困惑しながら絶叫するのは我らがヒロイン…もとい新所長なゴルドルフ・ムジークである。
まあ形だけ見ても某イスカンダルまで行く系やら某機動戦士系やら某シューティング系やら機神やら挙げ句光の巨人まで飛んてる。
とまあそんなゴルドルフのいるここはまあいうまでもなくこの船は次元境界穿孔艦ストーム・ボーダー。
しかもゼスタールと大日本帝国の技術で更に魔改造された一品である。
まあダ・ヴィンチちゃん(小)が並行宇宙の銀河連合日本に出現し居ないために使えない機能やら完成度が低めなのだがそれでもなおヂラールを相手取るには十分すぎる性能を得た。
虚数潜航出来ない代わりに次元溝潜れたり世界渡れたり反物質兵器やら搭載してたり。
まあそんな超強化ストームボーダー&人理云々で経験豊富なカルデア(ノウム)もめっちゃ驚くというもの。


「あの宇宙戦闘機やら巨人やら戦艦からは魔力が観測されてるよー。
その攻撃でヂラールの呪いだか魔力だかを祓ってるみたい。」

「つまりはあの文明は魔力を操る術…魔術かそれに準ずるものを持っているということか。」

「経営顧問、何か分かったかね!?」

91:635:2023/02/15(水) 07:17:51 HOST:119-171-248-234.rev.home.ne.jp


センサーを睨んでいたネモマーリンの一人が言う。
それを聞きながらパイプを燻らすのは経営顧問もといシャーロック・ホームズ。なんかいつの間にか復活してた。


「彼らの戦いを見るにヂラールとの戦闘に慣れている様に見受けられます。
恐らくはヂラールの性質についても我々はおろかゼスタールや大日本帝国よりも詳しいのかもしれません…。
日本の原作情報では元来ヂラールは魔力などを持つ様子はなかったようですから。」

「成る程…しかし我々があの地球に出現した時も地球占領してるヂラールから襲撃受けたが…。
魔力持ってるとか生体兵器として普通じゃない…。
ワープするし地球環境改造するし天体規模の頃にコロニー作るし機械とも融合するらしいし。」

「まさしくインベーダー(侵略者)の名が相応しい存在ですな。」


そんな会話を行っているとネモマーリンが再び報告する。


「一番大きい船から人型機動兵器発艦、魔力出力はこれまでのどの兵器よりも上、
その上パターンからすると機動兵器というよりも金時のベアー号に近いみたい?」

「ほう…。」

「だけど…神性も感じるしなんだろこれ…あ、登録されてる魔力パターンに近いのがあった!…けどこれ?」

「なんだと!何らかの我々のみかたのサーヴァントかね!?」


その言葉に詰め寄りマーリンを揺さぶるゴルドルフ。


「揺らさないでえー!?あれマシュの魔力パターンに近いけど…。」

「マシュ…キリエライトか!あれにキリエライトが乗っているのか!?」

「マーリンどうしたんだ?」


それを見ていたネモが口を挟む。


「人類悪…ビーストⅡティアマトの霊基に近いのも検出されてるんだ…。」

「「「「は?」」」」


全員がモニターを見る。
そこには緑の燐光を放ちシレイラ号に向かう神崎式大具足【霓】が映っていた。




「なんだあれは!?」

「ちょっとこっち来ますぞ!?」


シレイラ号甲板で戦闘中だったサーヴァントやイゼイラ人達は叫ぶ。
向かってくるそれを回避するために甲板の中心を空ける。


『神崎式大具足【霓】着艦します!!』


巨人より少女の声がシールドに覆われ空気のあるシレイラ号の甲板に響く。
その巨体がシレイラ号の甲板に着艦する。いやそれは着艦というには余りにも荒すぎた。
シレイラ号に纏わりつくヂラールを薙ぎ倒し、轢き殺し甲板の一部を破壊しながら止まった。
そしてその巨人、機械仕掛けのそれから溢れる緑の燐光が周囲を包みそれに触れたヂラールは苦しみだす。


「この緑の光は…魔力…か…?」

「いやあモビルシルエットのフリーダムいたと思ったらあんなの来るとは…しかも神性持ちっぽいし。
しかもこの魔力…指向性もってヂラールだけ攻撃してるね。」

「まるで古のギガスの様…。」

92:635:2023/02/15(水) 07:18:29 HOST:119-171-248-234.rev.home.ne.jp


そんなことを言うのは魔女キルケーとメディア・リリィ、この場にいるのはシレイラの乗員除けばギリシャの者達。
その眼の前にて機械仕掛けの巨人は盾を振るい突進してきた大型ヂラールを退けガトリング砲で小型種を掃討する。
それだけで歓声がイゼイラ人達から上がる。それは正しく悪を一刀両断する機械仕掛けの神(デウス・エクス・マキナ)。
絶対の盾を持つ戦女神の如く。
そして巨人は守るために詠う…その声はイゼイラ人もサーヴァントも彼らのよく知る声。
イゼイラ人達にとっては同胞達への道を拓いた恩人、そしてサーヴァント達にとっては久しく聞いていない声。


『真名…開帳、私は災厄の席に立つ…。』

「これは…!」「この声はハルマへの道を開いた…!」

『其は全ての疵、全ての怨恨を癒す我らが故郷…。』

「ああこの声は…。」「やっぱり居たんだね…。」


長く失われた白亜の城が再び彼らの眼の前に顕れた。


『顕現現せよ、【いまは遙か理想の城(ロード・キャメロット)】!』

「しかしマシュ殿…何故にロボ…といか機神?」

『…え?あれ…ギリシャの皆さん何故ここに!?』

93:635:2023/02/15(水) 07:19:01 HOST:119-171-248-234.rev.home.ne.jp
以上になります。転載はご自由にどうぞ。

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最終更新:2023年07月02日 16:13