銀河連合日本×神崎島ネタSS ネタ ゲートの先は神崎島もヤルバーンも無いようですその九十四

その場のヂラールを駆逐した束の間の時間、神崎島特殊部隊のスネークことジャックは葉巻の煙を吐きながら手元のPVMCGを操作する。
広域情報バンクへの情報伝達をカットするためだ。
そしてもう一本葉巻を取り出すとオイルライターと共にを大日本帝国の人間を名乗る柏木に差し出す。
柏木は葉巻を受け取るとしげしげと葉巻を見る。


「煙草か…この身体になってからもう百年近く吸ってないな…。」

「百年…長いな。」


柏木は火を付け葉巻を加えポツポツと語りだす。


「BETA…敵生体01…ヂラールか…そしてそっちは21世紀の前半にヂラールコロニが飛来、地球がヂラールの侵略を受けた世界、か…。」

「ああ…俺ら帝国や地球上の大国が地球全てが一致団結し抗った。しかし、結局は…地球を、故郷を守れなかった…。」

「そしてそこでゼスタールに助けられスール化か。」

「BETA来るまでは多少の戦争こそあったが総力戦なんて転生者の話の中だけだったんだが…。」

「ちょっと待て…転生者だと!?」

「え?…いや…何って…転生者は転生者だ。他の世界からの転生した来訪者、文化に技術様々なものを持ち込み俺らの世界を発展させてきた。」


大日本帝国の柏木の世界を特徴付ける存在、転生者。柏木によればそれは公の存在としてある。
その存在は有史以前…いや人類の発生と共に存在し十数万年前には彼らにより断片的であるが文字や数学が既に存在していた。
村落や個人単位でしか最初はなかった小さな火であったが時代が下り少しずつ文明が発達する更に発展した。


「ローマ時代にガレオン船…大航海時代に動力船か…。」

「転生者の世界と違いそっから全金属製航空機、そしてロケットになるまでは数百年かかったけどな。」


それでも19世紀には月面に到達、20世紀には宇宙空間での一部資源採掘にまで至ったという。
途中には転生者知識で木製布張り航空機すっ飛ばして全金属製単葉機だったり、
蒸気機関からレシプロ機関と蒸気タービンすっ飛ばしてディーゼルとかショートカットと多用されたらしいが。


「そういえば大きな戦争はなかったと言ったが…。」

「世界大戦も発生したが転生者達の世界の様な総力戦も悲劇も無かったよ。転生者達が必死で終末を回避し続けて来たからな。」

「そこが技術発展のスピードが遅れた原因か…。」

「そうだ…戦争でそこまでの…殺し合いの技術は必要なく急激な発展は必要なかった。必要に応じて緩やかに発展してきた。
だからこそ…転生者のいた世界の発展スピードならばもっと進んでいた筈の俺らの世界は…、
BETA…そっちで言うヂラールとの戦いで21世紀+αくらいの技術とそれに劣る戦術で戦うしかなかった。
最もその戦争で技術が更に発展し戦術も研ぎ澄まされたがな。」

「あの自動人形もその一つってやつか。」


スネークは少女の姿をした者達に目をやる、皆可憐な容姿で創作物から出てきた様な姿。


「話に聞く総力戦どころではない、転生者すら体験したことのない絶滅戦争…。
それまで必要なかった機械の鎧を生み出し、自分らの肉体を改造してもなお消費される命。
それが無かったら自動人形の発展は必要なかった。
自動人形を実用化した世界の転生者のお陰でどうにか生産を軌道に乗せて浪費される人材を補填したんだ。」

「ではあの自動人形が生体とはどういうことだ?
突き詰めれば俺らのセンサーは骨格や臓器を人工物に置換、電脳化や強化こそなされているが脳や各部がほぼ【人間】という結果叩き出してる。
それこそ頭にドーラコア、カウサを抱えて文字通り脳が無いあんたらよりな。」


ジャックは葉巻の煙を吐く。


「元々は機械式だった。が、生体式…人間ベースの準人類とも言える形式に移行したのには理由がある。」


スール柏木も葉巻の煙を吐いた。


「BETAには通常武装が効き難かった…シールドを持っていたのもそうだが純粋な物理攻撃が効き難かったんだ。」

「だろうな。俺らの世界のドイツで出てきたのもそうだがあのヂラールは原種より霊的に強化されてるフシがある。」

「霊的…魔術的に強化されてるとカルデアの魔術師達も言っていたが…そっちはそういうこと分かるのか…。」

「まあ、艦艇の魂そのものである艦娘の存在だの蠱毒だの神様の召喚だの色々あったからな。」

「艦娘とか聞きたいことはあるが…初期調査ので既にヒトが持つある種の生体波動…今で言えば魔力が効果的なのが判明した。
効果的ならば使うのが人間だろ?」

「さっき言ってた人体改造…?」

708 名前:635[sage] 投稿日:2023/04/15(土) 22:22:15 ID:119-171-248-113.rev.home.ne.jp [11/37]


それだけではないと言うスール柏木にジャックは暫し思案する。


「カミカゼ…いや特攻か!!」

「ああ、無論投入れたのは志願者のみだ。改造含め…な。」


軍人達は文字通りその身命を賭したと言う。
それでもなおヂラールを抑えきれず10代の若者達すら志願しその生命を散らしたと言う。
それを補う為に、人類の戦闘での消費を抑える為に生み出されたのが。


「BETAと戦闘可能で準人間…人間をベースに自動人形の技術も導入し量産化可能にしたのが…。」

「生体式自動人形って訳か…。」


無論、特攻や人体改造、生命倫理そのものにすら抵触するだろう生体式自動人形まで批判はあったらしい。
しかし、人類と地球上全ての生命体という重みの前に訴えた者すら直ぐに批判を引っ込めた。
その生体式自動人形も戦争を経る毎に改良されていったらしい。


「年月を経たもの…思いの込められた存在を人間が振るえば強い生体波動を発することが分かり、
それ故に転生者のそれこそ創作物や眉唾もののオカルトまで動員して開発が進められた。
その一つで最初期に生まれたのが日本発祥の艦娘型自動人形…艦艇の一部をコアとする自動人形達だった。」


その多くが第二次世界大戦、大凡百年は経て付喪神が憑いたと思われる日本艦艇の一部が使われ、
シーレーン防衛や海上でのヂラール要撃などで活躍した。
そしてその結果を踏まえ刀剣、銃器、戦車、戦闘機をベースとする自動人形が大量生産、
生体波動を組み込んだ兵器も生産され一時はヂラール駆逐寸前まで至った。だが…。


「あの時の絶望は忘れやしない…。」


更に追加のヂラールコロニーが複数個太陽系に飛来したという。
それにより防衛線は瓦解、各国とも分断され追い詰められていった。


「その過程で連絡線を維持してた艦娘型筆頭とする自動人形始め戦力の多くが失われたよ…。」


地球がヂラールに侵食されあと一歩で絶滅という場面にてゼスタールが接触に成功、
人類は全てスール化し脱出することとなった。
そこで地球規模での残存自動人形全てを投入した人類脱出の為の一大陽動作戦が決行された。
柏木は葉巻を吸うと煙を吐き出す。


「人類はなんとか脱出し、残存自動人形や地球に残った人類も特攻とも言える状況で皆死んでいった…と思われてた。実際俺もそう思っていた。」

「思われてた…?」


ジャックの疑問に答える柏木。


「俺も参加した昨年決行された地球への潜入調査作戦で人類と自動人形の存在が確認された。皆狂喜したよでもまあ、実際はそれが…。」

「カルデアだった、て訳か…。」

「ああ、地球上で唯一生き残ってた暁型の自動人形に保護されていた。
だが彼らは俺らの世界の地球人類ではなかった…まあ、分かったのは救出した後だったがな…。」

「サーヴァント達はいなかったのか?」

「俺らの地球の生体波動はBETAが原因で薄く。彼らの船が墜落し大破状態で無理だったようだ。」

「そうかそれで全員救出を?」

「いや生身で救出出来たのはあの女の子ぐらいだった…後は重体だったり心停止でスール化することで何とか存在を繋いだ。」

「最後に残ったという自動人形は?」

「…最後に残った自動人形…暁型の電は救出作戦の際に殿を努めた。
そしてその際に逃げ遅れそうだった女の子を俺に託し…BETAの超大型特殊個体に対し彼女の目の前で特攻した。
ボロボロだった艤装の機関暴走させてな…。」

709 名前:635[sage] 投稿日:2023/04/15(土) 22:24:37 ID:119-171-248-113.rev.home.ne.jp [12/37]


煙と共にため息を吐く柏木。その際の、電が特攻した際の少女の狂乱は忘れられないという。
そしてスール化でヒトとしての生命失った仲間を知った際の無表情さを。
それを聞き顔を顰めるジャック。


「不味いな…。」

「何がだ?」

「暁型の艦娘電はこの船にいるんだ。」

「何だって!?もし遭遇してその電が生きてたとあの子が勘違【Pipipipipipip!!】。」

「すまん通信だ…トウカイテイオーか…俺だ…どうした…。」

「スネークがトウカイテイオーて…。」


頭の中で転生者が作った某UMAなムスメのゲームやらアニメやら馬主が転生者だった実馬思い出すスール柏木。


「何ッ!?」


ジャックが叫ぶ。


「突如として電が倒れた!?後って……ハァッ!?
合流したサーヴァントからの情報で女の方の藤丸立香が船の損傷で出来た穴に落ちた!?」






【いや、止めて…戻ってきて…。】


叫びは届かない。だってこれは夢なのだから。


『貴女はこれまで多くの苦しみを経験しました。もう嫌だと逃げたって構わないと電は思うのです。
でも忘れないで欲しいのです。苦しみの中にも確かに輝くものがあったと…。
サーヴァントさんやカルデアの皆さんのお話された時、貴女の顔は輝いていたのです。
電だって同じです。全て失い後悔の連続なのです。だけど皆との思い出という輝きに支えにここまで来れたのです。』


大きな化物を相手に立ち塞がる自分より小さな女の子。


『キキキキ貴様…!カンムs…艦娘…!何度、nンドわtシの正義を阻めばkガ済むのダ!!
せイ義の為にかるデアのマスターと技術、そしてサーヴぁントを取り込ムのを阻ムというk!!』

『BETAの超大型個体…喋れるのですか…!?立香さんが狙いなのです…?絶対に手出しはさせないのです!!
柏木さん!早く脱出を!!』

『しかし!?』

『電が食い止めるのです!私の艤装どうかもって下さい…!!主機関過負荷最大出力…!!』


化物に突撃していく女の子に手を伸ばすが男の人に抱えられ届かない…。




「いやあああああああああああ!?……ハァハァ…ここは…?」


悲鳴と共に起き上がると武装した青い肌の鳥の様な人や爬虫類の様な肌をした人がいるバリケードの様な場所で寝かされていた。

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最終更新:2023年07月04日 23:00