銀河連合日本×神崎島ネタSS ネタ ゲートの先は神崎島もヤルバーンも無いようです欧州大戦その二十三 堕ちた世界樹
北大西洋、夜の北の海にいくつもの灯りが見える。
「被弾したランカスターの被害状況は!?」
「ディフェンダー及びケントにも被害を確認!!」
「複数艦艇より艦首を持っていかれたとの報!」
「敵戦艦による超大型光学兵器の照射直撃の模様!!何だったんだあの軌道!?光学兵器が分裂したり曲がったりしてたぞ!?」
「ランカスターより発光信号にて入電!『ワレ艦橋喪失ス!艦長以下司令部ニ壊滅的打撃』!!」
次々に上がる報告にキャプテンシートに座るネルソンは眉を潜めトントンと肘掛けを指で叩き思案し通信を開く。
「ビスマルクよ。」
『何よ、ネルソン。』
「現在、追撃中の敵巨大光学兵器戦艦の様子は?」
『アークとグラーフの艦載機による波状攻撃と試製ソードフィッシュⅡの攻撃の機関部直撃で速度低下してるけど…。
防御用と思われる重力シールドと電磁シールド搭載、
重粒子砲やディスラプター弾き、重力子魚雷や侵蝕魚雷くらって撃沈不可能ってどういう防御してるのよ…アレ…。
但し一定の距離詰めなきゃ攻撃してこないわね…どうもアレの乗せてる光学兵器は水平線超えての攻撃は無理みたい。
で、一旦損傷した艦連れて退避したソッチの被害状況は?』
「艦娘の方に被害はない。戦艦除く通常艦艇の被害の方が大きいくらいだ。」
『しょうがないわね。艦艇の規模と時間的に大出力シールド載っける余裕も無かったし。』
「しかし…『あ、オイゲンの魚雷が機関部に再直撃したわ。エネルギー低下に加え速度低下…止まりそう。』…ふぅ…。
取り敢えず降伏勧告でもしてみくれ。」
『分かったわ。通信員!敵艦隊に降伏勧告を…』
『了解しました!!応答あり、通信つなぎます!!』
『【fkdsal,;fp[b/f:adfglpadaだflぱ…助け…qうぇrちゅいおp@「asdfghjkl;::]zxcvbmm,../あ”あ”あ”あ”あ”A”h”a”a”a”a”a”a”a”!?】』
『…悲鳴?…ナニこれ!?』
『【俺えwお食べdsaiocvkleq;lNaいで…私を変enadまskcヴぃはkfjdいで…!!】』
ビスマルクとの通信越しに人間が出すものではないような異様な声がネルソンのCICに響き、
次いで戦艦ビスマルクのCICから思われる悲鳴の様な報告がネルソンのCICにも流れる。
『艦長!!敵光学兵器戦艦に高エネルギー反応、再起動!!』
『なんですって、何があったの!?詳細な報告を!!』
『敵光学兵器戦艦、随伴艦を消し飛ばしました!』
『ハァッ?味方を!?探知偽装中の偵察機の映像回しなさい!…何よこれ…一体どうなってるの…?』
モニター越しのビスマルクは光学兵器戦艦の映像を見る絶句する。
「ビスマルク!!こちらにも映像回せ!」
『え、ええ分かったわ…かなり衝撃的だから注意して。」
「システム!ビスマルクから回された映像をメインゼルモニターに投影!」
そこへ戦艦ネルソンに連絡役として乗り込んでいるロイヤルネイビーの士官が尋ねる。
「衝撃的…とはどういうことでしょう?」
「さあな…全ては見てみれば…。」
822 名前:635[sage] 投稿日:2023/04/27(木) 01:06:19 ID:119-171-248-113.rev.home.ne.jp [29/37]
映像をその瞳に青い瞳に映すネルソン。
ゼルモニターに映る映像にネルソンは言葉を失う。それはCIC、いやの映像を見た全ての者の反応。
戦艦ネルソンを沈黙が支配する。
「な…んだアレは…。」
ネルソンは何とか言葉を絞り出す。
眼前のモニターに映る光学兵器戦艦【大光線】…遠き世界では超兵器【グロース・シュトラール】と呼ばれ、
異世界の技術を使い世界を渡るモノ。
若しくはラグナロク(神々の運命)、フィンブルヴィンテル(大いなる冬)の堕とし子。
それは異様な姿でいた。
戦艦ネルソンやビスマルクの砲撃、空母アークロイヤルとグラーフツェッペリンの艦載機による攻撃の損傷箇所を確認出来る。
それはまだいい、損傷箇所が塞がれているのもまだいいだろう。
しかしある筈の損傷は全て”樹木の枝葉”で塞がれていた。しかも青々とした葉すら覗かせ明らかに生きている。
そしてその損傷箇所を塞ぐ樹木の枝には人間、憂国騎士団の者がその身を半ば枝に埋め…いや侵食され同化している。
憂国騎士団の人間を燃料に平行宇宙の彼方から大光線を呼び出し超兵器機関に文字通りの枝葉を伸ばし纏わりつき同化したソレ。
それは人間ならば嘆息しているだろう感情を持つ、やはりコレらはこんなものかと。
艦橋では憂国騎士団の者らが互いを罵り合っている。
「クソッ!!艦娘にも勝てる兵器ではなかったのか!?
暴風と旋風は傲慢な異教徒の都市(マンハッタン)を壊滅に追い込んだというのに何の戦果もないではないか!!」
「貴様の指揮が悪いのだ!!」
「なんだと!!お前らの機器の操作が…!」
自分と違う存在を排除し憎悪を掻き立てることしか出来ず。強力な武器を与えても満足に使いこなすことすら出来ないではないか。
愛し子達を酷く殺戮しきったあのガリアの暴君と何も変わらない、いや同じだと分かっていたではないか…。
現在の世界を維持する世界樹【扶桑】…日本にはこの者らでは勝てはしない…。
願いを叶える為には、ある筈のない世界…愛し子達の生きている世界で現世を上書きし世界樹と成るためには己が直接手を下すしかない。
そしてソレは動き出した。
超兵器機関から枝を艦体に這わせ同化、艦内に枝を出すと会話中の乗員の背後に近づく。
「カハッ!?」
「どうした?…ヒィッ!?」
背後より乗員の心臓を一突きし枝葉で締め上げるとその生命を吸い上げ同時に身体を養分とすべく侵食し同化する。
「だ、誰か助け!グェッ!?」
逃げようとする者もいるが誰一人として逃しはしない。
一人ずつ確実に丁寧に乗員の処理を行う。
「あ、悪魔め!!神よ、お助けッ…………。」
神に助けを求める者もいるがその目の前で自身を侵すものこそ異教なれど神である。
そしてその者の信仰する本来の神でも己が罪を自覚せぬ者を救う道理があろうか。
そして乗員一人残らず処理を終え艦体と完全に同化したソレは船先を現在最も脅威となる存在の方向へと艦首を向ける。
即ち、オリュンポス十二機神と英国の女神たる女神ブリタニアの存在するブリテン島へ。
それはさながらナグルファル、世界の終わりの先触れたる船…それを操る存在、その名は【イルミンスール】。
かつてドイツ・ザクセン地方で信仰されながらカール大帝により引き起こされたザクセン戦争において氏子を皆殺しにされた上に切り倒され、
その後のヨーロッパの戦争の怨嗟と呪詛を長年蓄積、
呪詛核兵器に使われた犠牲者達の悲鳴で目覚めた祟り神と化した神樹…世界樹の一柱である。
最終更新:2023年07月04日 23:05