銀河連合日本×神崎島ネタSS ネタ ゲートの向こうには(ry・超大陸日本クロス 神崎島おウマさんVS日本ウマ娘 第十五話「ウマと馬のオンラインライブだそうです」
会見は強制終了となり会見場から退出させられ会社へ戻った乙名史は今日得た情報を己のPCで纏めつつため息を吐く。
既に他の者達は退社し責任者の編集長が同じく残ってくれているくらいだ。
会見で色々とトレセン学園と所属するウマ娘達の現状について知れたが最後の最後で台無しだった。
ゴーストウィニング号を受け入れウマ娘達の心を守ってくれた存在に対して斯様なもの言いをするなど記者として、
いや日本人として恥ずかしかった。
最もその記者はティ連の広域情報バンク関係者やワクワク動画の記者に拘束され他のマスコミが唖然とする中、
官邸の警備に引き渡されその後は乙名史も分からない。
官邸出る際に慌てた政府関係者と思しき人物らが無数の蠢く黒い手に引きづられていったとか話していたが…。。
「これが原因でさらに制限が掛からなければいんですが…。」
乙名史は夜だというのに星の見えない今の自分の心の様なビル街の空を見上げる。
現状でさえ色々とあった筈のレースやイベントが中止はまあしょうがないが、
行われたかもしれないウマ娘ファン垂涎の的であるウマ娘とウマソウルの対決というレースの開催の可能性が尽く潰されている。
今回のことでさらに悪化する恐れすらある。
「せめて…せめて…記録映像だけでも…シンザンやセントライトの走りが高精細で見れたかもしれないのに…。」
伝説とも言えるウマ娘と現役のウマ娘の走りの映像を公開する予定もありえたがそれすら旧来のメディアが原因で潰された。
乙名史は痛いほどに拳を握るがその僅かな夢すら現状叶うことはない。
その時編集室に編集長が駆け込んで来る。
「乙名史、まだいるか?」
「編集長…?会見は内容やトレセン関連の情報は今日は纏めきらないので明日また纏めて提出しますが…。」
「そんなことはどうでもいい!!さっさとPC立ち上げろ!!」
「ウマ娘について含まれた重要な案件をそんなことっ「歌うんだよ!」…歌う…?誰が?」
「コッチに来たウマソウルそのもののウマ娘達が、だ!!最初はトウカイテイオー号だ!見て記事にせにゃならんだろ?
それにトレセン学園の理事長から俺のトコへあのウマ娘達への密着取材の依頼も来た!!」
「!!!」
その生放送はカレンチャンやニシノフラワー、スマートファルコンらによる直前の報せにも関わらず急激に接続数を伸ばす。
ワクワク動画でウマウマ動画でようつべでインスタでウマチューブでツブヤイターでウマッターでウマスタグラムで…。
ウマ娘ファンな青年二人もそんな者達の一部だ。
「異世界のウマ娘。ウマソウルの具現…通称おウマさんが歌う。」
「どうした急に?」
「漏れ聞く情報によれば彼女達は昨日配信され削除されたレースの後に行われたレースでは武勇隆元騎手を迎え勝利したサイレンススズカ号、
そして同着のゴーストウィニングの竹内豊也騎手兼トレーナーを乗せたライスシャワー号を中心に歌ったという。」
「ああ…。」
「ウマ娘の為にウマソウルがウマ娘への祝福を歌うという光景に誰もが涙したそうだ。」
「そうか…始まるぞ…!」
スタンドマイクが置かれた何処かのバーの舞台様な場所にスポットライトが降り注ぐ。
その光が照らすのは背中を露出させた青いドレスを纏う彼らから見れば見慣れたウマ娘の少女。
しかしその顔は何かを待つように下を向き瞼を閉じている。
少しヤンチャそうな男子学生達がコンビニにたむろしウマホでその光景を見る。
「トウカイテイオー?」
「雰囲気が違う…上手く言えないけどなんかこうぽかぽか温かい春のお日様みたいな…。」
「テイオーはもっとこうさんさんと降り注ぐ夏の太陽みたいな感じじゃね?」
「ということはトウカイテイオー号か、だけど大人っぽくね?」
「トウカイテイオー号が歌うならばウマ娘達は泣くぜ。髪の毛また賭けたっていい。」
最初は穏やかに緩やかに後に続く激しさを感じさせない前奏が流れ出す。
ある特定の界隈以外では有名ではない歌。
:何の歌やコレ?
:この音楽は…!!
:新しい…惹かれるな…
:ああ、この歌か…ならばこそ彼女に相応しい
青いドレスの少女は顔を上げ前を見る。
その視線の先で見据えるのはその場とカメラの向こうに存在する筈の彼女の種族の魂を継いだ存在達。
この歌とトウカイテイオー号を知る者達は流れに乗ってコメントを送る。
:昔話をしてあげる。神馬を超えた七冠馬が一線を退いて随分たった頃のこと一頭の馬がデビューしたわ。
:その馬は偉大なる父に続く三冠を望まれ、馬の実力的にも問題はなかった
そのコメントを見る青年二人。
591 名前:635[sage] 投稿日:2023/04/07(金) 07:20:31 ID:119-171-251-75.rev.home.ne.jp [11/24]
「トウカイテイオー号の話が出てきたな…。」
「どうした急に。」
:だけどその馬は骨折しその夢は絶たれてしまったわ
:その馬に期待した人達は落胆した。ああ子は皇帝を超えることは出来ないのかと
:その後も何度も何度も骨折しその度に競馬を愛した人達は落胆を繰り返しその馬に希望を抱かなくなった
:だけどその馬は倒れても、倒れても、その度に不死鳥の如く蘇り
少女の様な存在が歌い出す。走り続ける歓びを、言葉よ届けとばかりに歌う。
:最後の最後に奇跡を起こした。そいつは帝王、不屈の帝王って呼ばれてた
:ウマ娘の、いやウマソウルの歌うDay after dayか…!
『どうかキミの走る理由を忘れないで。ボクはターフの上の幽霊の様な存在だ。それでもキミから遠いココでキミを見守っているよ。』
英語の歌詞であるのに確かに言葉が聴くもの達にトウカイテイオー号の声で伝わる。
込められたその言霊が、ウマソウルの想いよウマ娘に届けとばかりに。
『あの日、生まれ変わったキミは答えを得て走り続けている。キミにとっての…。』
『たとえ他の人には取るに足りなくともキミ自身が走る理由を見つけたのだから。』
それに耳を傾けるウマ娘達、メジロマックイーンは呟く。
既にその瞳には光るものがある。
「まるでテイオーの為の歌…ですわね…。」
「マックイーン…ボクの為の…だけじゃないよ…。」
トウカイテイオーはメジロマックイーンに反論する。
その表情は舞台に立つトウカイテイオー号に向けられ伺うことは出来ない。
「ウマ娘の為の歌だよ…。」
『あの頃キミは諦めかけていた…諦めたいけど諦めきれず。キミの魂はターフと外の境界線を彷徨っていたんだ。』
『ボクは呼び掛け叫び続けたんだよ?声の届かないココからずっと…嗚呼どうしてココはキミから遠いんだろ…遠すぎるよ…。』
自宅の居間で柏木はトウカイテイオー号の歌声を聞いていた。
隣でフェルは同じく耳を傾け一筋の涙を流す。
「マサトサン…コレがウマソウルサンの声デショウカ…。」
「多分な…ウマソウルの叫びから最も遠いのがそのウマ娘当人か…。」
「家族より近いのに、常に寄り添ってるのに声が伝わらないのデスカ…。」
柏木はフェルの頭を撫でフェルは柏木の肩に顔を埋める。
『どうか…どうか…!キミの始まりを決して忘れないで…そしてまた走り出して。』
『ボクはターフに残った彼の残照かもしれない。それでも例え届かなくてもココからエールを贈り続けるから…!』
乙名史は会社のPCで編集長と共に歌うトウカイテイオー号を見続ける。
だがその瞳からは涙が流れ続ける。
「す”は”ら”し”い”て”す”!!!どれだけ言葉が届かなくてもウマ娘にエールを、声援を、贈り続ける…!!
つまりは…ウマソウルこそがウマ娘一番のファン…!あああああああああああ…!!」
歌が終盤に差し掛かる。
歌うトウカイテイオー号の汗が飛び散りライトの光で輝く。
『そしてやがてキミは思い出し手に再び入れたんだ。再び走り出すその理由を…!』
592 名前:635[sage] 投稿日:2023/04/07(金) 07:22:38 ID:119-171-251-75.rev.home.ne.jp [12/24]
老人ホームで、公園で、コンビニで…夜にも関わらず。
画面の中で輝くトウカイテイオー号に皆が見入る。
『例え見失っても今のキミならば何度でも走り出す理由を見つけられるよ!!』
ウマ娘のいる家庭ではヒト息子、娘らオンリーの家庭と異なる光景が見られた。
皆、トウカイテイオー号の歌声を聞き涙を流していた。
悲しみではない、彼女達の心に奇跡を起こした。
屈腱炎でレースを引退したウマ娘はもう一度走ろうかなと夫に言い、
中央トレセン学園に落ちて地方に行くことになり意気消沈してたウマ娘の涙を流す目に光が戻り、
骨折してレース絶望的だと言われた諦めかけたウマ娘は両親にトレセン学園受けると言い出した。
『だからキミはもう止まることはない。どうか最後まで走り抜けて!!』
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:ブラボー!!
:トウカイテイオー号ありがとう!!
:いい歌だった!!
舞台では歌い終えたトウカイテイオー号は汗を拭うとカメラとウマ娘達に向かい一礼し舞台を降りる。
次に出てきたのはこちらに来たという艦娘の一人。
:次は…
:あれ?ウマ娘じゃなくてコッチ来たという電ちゃんの妹が舞台立ったぞ?
:ウマ娘出せ!ウマ娘!
:何故サイレンススズカ号を出さない!?
『霓ことマシュ・キリエライトです!』
:艦娘は今及びでな…い…?
:マシュ…キリエライト…?
:完全にマシュの声だぞ…
:事実ならシャレにならんぞコレ!
:よく見たらマシュのアイドルイベの霊衣じゃねえか!?
荒ぶり出すネット、柏木家ではバラしたー!?と突撃バカがとんでもない顔になってるがどうでもいい。
『ちょっと!?自分の名前出しちゃだめだよ!?』(;´∀`)
『ハ!?ト、トトロットさんどうしましょ!?』アワワ ヽ(´Д`;≡;´Д`)丿 アワワ!?
『帰ってきたと思ったら霓…もといマシュちゃん、トトロットさんのこととか何で自分から色々とバラしてるのです…。』( ´Д`)=3
『い、電お姉さん!?』
ふと自分のことバラしてしまい慌てるマシュとそれを見て呆れる帰ってきた電。
周囲の人達もバラしたー!?といった感じだった。
『まあ、私達の世界では一般的に知られていることだし知られるとメンドくさいだけで全力で隠すほどのことでないの構わないのですが…。
それは兎も角としてさっさと歌を歌うのです。』
『電さん…霓ちゃんにこの空気の中で歌えと…?』
ツッコミ入れる勝負服チアなナイスネイチャその姿に別な意味で荒ぶるネット。
『ネイチャさん、イイツッコミなのですがまだまだ歌う方がいるのです。
というか貴女もプログラムに入ってなかったのに歌う気マンマンじゃないですか。』
『いや、これね!?ゴースト達に乗せられて…その…。』
『カノープスの皆さんも着替えていて…まあ丁度いいのです。マシュちゃんと一緒に歌ったらどうなのです?
要請出してた増援の先遣隊も来たことだし…バックバンドして貰うのです。』
『歌うって…増援!?』
『追加のおウマさん達なのです。先行していたシンザン号さんとセントライト号さんは手が離せないので…皆さん来るのです!』
:シンザン…?
:セントライト…?
:聞き捨てならない単語が…
コツコツと足音が舞台に近づいてくる。
全員とカメラがそちらを向く。
その間にチラリとダブルゴーストウィニングが映ったがおウマさんの方がどっから持ってきたのか動物の馬の被り物してるからまあ問題ないだろう。
593 名前:635[sage] 投稿日:2023/04/07(金) 07:23:08 ID:119-171-251-75.rev.home.ne.jp [13/24]
「いやー来てそうそうのあたしらにバックバンドやれってか…。」
「ネイチャ、十分に可能でしょう?」
「なら頑張るぞー!えい、えい、むん!!」
「え?やるの?やるならやりたい!!」
頭には馬の耳、臀部には馬の尾のよく見慣れた四人組。バーは騒然した空気に包まれウマ娘やトレーナー達はざわめく。
「な!?なななななななんですと!?」
狼狽えるナイスネイチャ(チア)。
「私達も存在しているとは思いましたが…。」
冷静そうながらもメガネがずり落ちるイクノディクタス。
「はうわ!?」
なんかいつものマチカネタンホイザ。
「ターボ達がもう一人いる!!」
そう増援とはナイスネイチャ号、イクノディクタス号、マチカネタンホイザ号、ツインターボ号の四人であった。
だが鎮守府の軍服を着た上にその胸には幾つもの勲章が輝く、見る人が見ればそれがそれ相応のものだと分かる。
:ちょっと待って!?
:軍服着てるけどカノープスだと!?
:胸のところの勲章か…?
:ちょっと待てや!?旭日章は兎も角でもないけど何でイギリスのヴィクトリア十字章付けとるんや!?
:>ヴィクトリア十字章。あれって敵前で勇敢な行為した兵士に贈られるのだろ?
四人組から抜け出てブーツの踵を鳴らしウマ娘ナイスネイチャに近づくおウマさんナイスネイチャ号。
近づく自分のドッペルゲンガーみたいな存在に何となく気後れするナイスネイチャ、
ナイスネイチャ号はそんなナイスネイチャを上から下までしげしげと見る。
「で、あんたが別だけどアタシの魂継いだナイスネイチャって訳?」
「(あ、アタシって意外とまつ毛長いんだ…髪もモフモフ…もしかしてアタシって意外と美人…?)え、あはい…。」
「ネイチャ…何してるんですか…。」
反応の遅れるナイスネイチャに呆れるイクノディクタス、ナイスネイチャ号は苦笑する。
「ま、何はともあれ…ゴーストウィニング号との中山でのレース向こうで見させて貰ったよ。」
「え!?見たの!?」
「後の事は色々と残念だから言うべきでないかもだけど…勝ってくれてありがとう…。」
ナイスネイチャ号の口から出る感謝の言葉。
「いやーまさか生前は万年ブロンズコレクターだったネイチャさんからこんな優秀な子が出るとは思わなかったわ。」
ナイスネイチャ号はカラカラと笑う。
「ま、日本の、いや世界の生きる伝説相手に勝利するだなんてさ…。
いやホント大したもんだわ…アンタはアタシの…競走馬ナイスネイチャ号の誇りってことよ。。」
ナイスネイチャ号のその言葉にナイスネイチャの瞳から一筋の涙が流れ堪えきれず嗚咽を漏らす。
なお、ナイスネイチャの復活に時間が掛かったのは言うまでもない。
加え復活後におウマさんカノープスバックバンドにマシュやカノープスらと一緒に歌ったのがよりによって某グランドオーダーの逆光だったため、
逝った(銀河馬状態ゴーストウィニング号「ここにいるんだけど…」)ゴーストウィニング号のことを思って歌ったと思われたのは言うまでもない。
最終更新:2023年07月05日 22:39