35 名前:トゥ!ヘァ![sage] 投稿日:2023/06/09(金) 19:55:57 ID:FL1-122-133-166-42.kng.mesh.ad.jp [11/153]
我流日本連合世界
2009年。日本近海に謎の超常空間が複数出現。以降この空間をゲートと呼称。
このゲートは並行世界へ繋がっており、どれもが日本と呼ばれる国の近海へと繋がっていた。
ゲートで繋がった並行世界の日本各国は日本連合を結成。話し合いの場を設けることとした。
しかし史実日本(通称平成日本)はこれへの加入を拒否。理由は
アメリカからの圧力。
公開された情報によって日本連合内に並行世界の米国を領土としている、または滅ぼした国が存在しているため米国が日連を潜在的な敵対国と認識したため。
2010年。史実日本との交渉が続く。しかしアメリカの介入により大凡失敗に終わる。
同年。日本連合が安全保障の関係を理由に平成日本及び平成アメリカへと宣戦布告。
第二次太平洋戦争始まる。
日連の奇襲攻撃により日本各地の主要な自衛隊施設、政府施設、在日米軍基地の過半が一日のうちに制圧される。
事実上この時点で平成日本は戦争から脱落。
同時刻においてグアムや韓国などの米軍基地も日連の攻撃により壊滅的被害を被る。
これにより日連は一日もしないうちに西太平洋の主導権を握る。
数日後米軍は太平洋方面及びインド洋方面の戦力を集め、攻撃を開始。
日連は手勢を二つに分け、それぞれを迎撃。
フィリピン海決戦及び一日遅れで北太平洋開戦が勃発。
両戦闘により米軍艦隊壊滅。
その後ハワイ沖に日本連合艦隊進出。迎撃部隊を全て叩き落とし、米国に講和を迫る。
米国政府はこれを受諾。
第二次太平洋戦争終結。
米国の太平洋戦力と威信が物理的に壊滅した戦いとなった。
在日米軍は日本から順次撤退することとなり、捕虜となった米兵の受け渡し。鹵獲された米軍兵器の買戻しなどが行われた。
そして戦後の平成日本は日本連合の影響下におかれ、実質傀儡政権が作られることとなる。
天皇家による立憲君主制はそのままに、その下に政治運営AIとそれに選ばれた政治家によるAI政治を導入。
日連各国でも未だ本格運用はされていない、未知の政治体系である。ぶっちゃけると日連は自国または自分たちの世界では表立ってやりにくいあれこれを史実こと平成世界で試そうとした結果である。
史実日本列島は日連の実験場と化した。
この他にも戸籍と連動とした国民IDによる管理強化。
役所、官僚関係のAI及びロボの導入による大幅な無人化。それによる人材余りを吸収するための日本連合各国との貿易、管理組織・企業の設立。
公平で正確な情報のみを与えるためのAIマスメディアの全面導入と同時に行ったマスメディアへの資格制の導入開始。
これの反発した各種マスメディアへの資格停止と解体。
管理IDの普及による腐敗と犯罪と是正。この結果芸能界では既存関係者の半数が消え、欲も悪く新たな出発を余儀なくされた。
無論鞭ばかりではない。既存企業への技術提供を行い、自動ロボやAIの定期的な整備、運用ノウハウを提供。
消費税の撤廃や各種税金の軽減。
自動ロボやAIを導入した学習システムの順次更新。
AI審査による職業診断及びそれに沿った学業、職業訓練カリキュラムの制定など。
大凡導入するにしても何かしら反発を受けそうな代物や幾らか問題が出てきそうなものであったが、一種の実験ということで日連行政府はこれを強行させた。
最も当の平成日本人と言えば、戦時中の武力侵攻とそれに伴い反発した人々への武力を伴う鎮圧風景を見て逆らう気をなくしており、更には各種税金の是正や各種医療、セーフティネットの整備は喜んで受け入れられた。
1年もする頃にはAI政治にも慣れ、生活や経済も大凡前向きとなっていったころで国民の不満や恐怖心は消えていった。
36 名前:トゥ!ヘァ![sage] 投稿日:2023/06/09(金) 19:56:38 ID:FL1-122-133-166-42.kng.mesh.ad.jp [12/153]
2011年に東日本大震災が起きた時も日連指導下の新政府は上手く対応し、被害の軽減と効率的な復興、経済の立て直しに成功。
東洋の奇跡とも呼ばれ、新政府や日連が真に平成国民の信頼を獲得したのはこの時期と言える。
同年後半に問題発生。
韓国が旧政府関係者や海外要人を擁立した正統日本政府の設立を宣言。
また同時に北朝鮮もこれを支持し、朝韓同盟を設立。
新日本政府と日本連合相手に挑戦状を突き付けてきた。
この行動自体は北朝鮮と韓国が自ら進めたものだが、これ幸いと欧米各国と中露はそれぞれ北朝鮮と韓国に支援を開始。
各種兵器から更に義勇兵までもが集まりだした。
新日本政府と日連はこの行動に顔をしかめたが当初は冷静にことを当たっていた。
しかし同年に北朝鮮による核実験及び弾道弾発射がなされると一転して日本連合が反応。
強くこれを批判し、核戦力及び弾道弾の解体と日本への正式な謝罪。おまけに正統日本政府の解体を要求。
対する朝韓同盟はこれを拒否。むしろ核搭載弾道弾の映像と朝韓同盟軍の合同軍事演習を行い、日連を挑発した。
翌月。日連は両国へと戦線布告。日朝戦争始まる。
朝韓同盟側は両国の戦力と各国から支援された兵器や人員で受けて立つつもりであったが、日連側は丁度いいと言わんばかりのオートメーションフリート(完全自動化艦隊)を向かわせ、戦端が開かれた。
この完全自動化艦隊は最終目標と攻撃命令だけを出す司令部以外は完全自動化されている艦隊であり、第二次太平洋戦争終結後から日連各国の技術(という名の実験)を集め建造された軍勢である。
朝韓連合軍は日連の自動艦隊を迎え撃ち、そして何の展開もなくこれに敗れた。
衝突開始から三日たたず両国の軍隊は半壊状態となり、各種弾道弾施設は破壊、または制圧された。
北朝鮮が苦し紛れに撃った核搭載弾道弾も遥か上空で撃墜され、無駄に終わった。
その際のパルスショックによりむしり朝鮮半島及びその周辺地域の電気系統がダウンするという珍事すら起きた。
無論自動艦隊側は織り込み済みの事態なので対応ばっちりである。
こうして一週間かからずに朝鮮半島の主要地域が破壊されるか制圧され、日朝戦争は終戦した。
別名は一週間戦争である。
正統日本政府関係者は逃げる間もなく捕縛され、朝韓首脳部とともに適当な裁判にかけられ豚箱送りとなった。
半島を制圧した日連側は両国の武装を徹底的に解体。
その後は統治用の傀儡政権と治安維持用の完全無人化部隊を残し、主要部隊は撤退した。
以降半島では度々旧政府残党などが沸いたが大凡無人治安維持部隊により鎮圧されることとなる。
日朝戦争後の朝鮮半島は朝鮮共和国として統一。
政府こそ現地の人物によるものが作られたが、実際には統治用AIにより行動指針が決められている傀儡政権である。
この統治用AIは日本で使われている政治AIとは違い、主に軍事制圧化の治安維持を目的としたもの。
現地政府は文字通りの傀儡であり、政府機関及び軍の運用は完全にこの統治用AIにより行われている。
日連的には戦場統治及び治安維持を完全に無人化した場合のモデルケースとして見られており、日本列島とはまた違った実験場として注目されている。
そんなこんなで実質世界の総力(適当)が結集された朝鮮連合軍も鎧袖一触されてから、世の中の日連への目つきが変わった。
大凡二つ。
欧米や中露といった危険視する勢力とインドや後進国を始めとする日連と繋がり、影響を持ちたいという思う国々である。
37 名前:トゥ!ヘァ![sage] 投稿日:2023/06/09(金) 19:57:09 ID:FL1-122-133-166-42.kng.mesh.ad.jp [13/153]
欧米は変わらず日連のやりたい放題の国内統治に人道的じゃないだなんだで文句言ってくるし、中露も世界平和を乱すな!やらなんだと批判してくる。
そんなことに対して日連はそもそもこの世界の条約に批准してない、国連にも入ってないんですけど?という史実世界スタンダード全否定と言っても過言でもない強気の姿勢で対応。
最悪核撃たれても焼け野原になるのは史実の日本列島と朝鮮半島だし…といった感じ。
そしたら今度は核戦争後の復興モデルケースという新しい実験場ができるね!くらいの感覚である。
上記の通り危険視する国とどうにかお近づきになりたい国で分かれた世界情勢であり、国連でも日夜ああでもない、こうでもないと議論が交わされているが、アメリカを真正面から打ち破った実力を恐れて誰も矢面に立とうとしないのが現状である。
そんな中で真っ先に接触を持った国が台湾である。
全力土下座からのヘルプミーコール!恥も外聞も投げ捨てての救援要請であった。
日本連合は今度は小国を大国へ対抗できるためにはどのような支援が必要なのか?というモデルケース(実験場)として台湾との正式な国交樹立と支援を決定。
各種条約を交わした後で怒涛の支援が展開された。
具体的には支援前は小国にしては大分頑張っているなぁくらいだった台湾の軍事力が1年後は兵隊は全員パワードスーツを着込み、戦車はレールガン搭載のもので統一され、航空部隊はアクティブステルス搭載機で無人仕様込みで数百機出そろい、海では現代版巨大戦艦が新しく拡張された人工港や人工島に停泊しながら常に中国大陸側に砲門を向けていた。
当然各種迎撃設備やシェルター完備。
インフラ整備能力が違うのだよ、整備能力が!と言わんばかりのビフォーアフターであった。
日連からすれば本国ではコンペの末に落第した兵器や試作で終わっていた兵器などを改めて台湾への支援へ盛り込み、色々実地試験できるという状況に満足していた。
因みに代金は出世払いである。最悪回収できなくても、常に送られてくる各種データだけでおつりが来るレベルだそうな。
この台湾の劇的なお色直しは世界に衝撃を与えた。
つまり日連側に付けば、これと同等か、それより多少下がれど大きな支援がもらえるかもしれないというわけである。
まずはインドが先手を取り、次に東南アジアの国々が順次国交を開き、次いで南米やアフリカの国々が国交を求め襲来。
日連政府は新日本政府を窓口として一本化しながらも、国交締結に関しては嫌がらず丁寧に対応していった。
こうして日本連合の勢力が拡大していく中で、欧米諸国や中露は団結…なんてするわけねーだろ!という事態が起こる。
ロシアによるウクライナへの全面侵攻と、これへの米国の全面介入である。
第二次太平洋戦争でアメリカの武威が落ちたことを確認したロシアは数年がかりで準備を進め、今となってウクライナへと侵攻を開始。
中国も
アジア方面はもう駄目だと言わんばかりに欧州へと進出するためにロシアへ支援を開始。
実質中露連合によるウクライナ侵攻であった。
史実ではかなり奮戦しているはずのウクライナも数年がかりで準備された割と本気の中露軍相手では分が悪く、各地で敗退。首都も制圧されてしまった。
38 名前:トゥ!ヘァ![sage] 投稿日:2023/06/09(金) 19:57:54 ID:FL1-122-133-166-42.kng.mesh.ad.jp [14/153]
この戦況に対して大きく動いたのがアメリカであった。
第二次太平洋戦争の敗戦により大きく影響力を落としていたアメリカはNATO諸国の不安を払拭するために、ウクライナへの全面支援と介入を表明。
即時欧州中のアメリカ軍が西ウクライナへ終結し、順次本土の部隊も現地へと送り込まれていった。
これに対して中露連合側は負け犬アメリカなにするものぞ!と受けて立つ姿勢で対応。
欧州諸国に関しては冷めた目で見ている国とガンガン行こうぜ!と米軍とともに介入を表明する国で分かれ、EU及びNATOは実質二分化された。
ウクライナは中露と欧米の代理戦争地と化したのだ。
これに関して日連は…まあ何もしない。
精々一刻も早い終戦を願いますというお祈りメールを飛ばすくらいであった。
だってこの世界の条約も国連にも入ってないし、正直蚊帳の外の出来事に興味がなかったのだ。
中には戦時中の国に介入して新たなモデルケースを試すべきでは?(新しい実験場欲しいレス!)という声もあったが、小国支援モデルは台湾でやってるし、軍事的統治モデルは朝鮮で。
実戦という意味では朝鮮戦争の経験と、ここ最近では現地法人ぬっころし事件が起きたアフガニスタンへ全面介入しており、大国との戦闘経験もアメリカとの奴があるので今すぐ介入の必要ないという事情があった。
というわけでウクライナへの介入は保留となった。
白ロシアの地での争いが激化していく最中でアジアではまた違った大きな出来事が進められていた。
新日本に音頭を取らせた新しい国際組織の誕生である。
並行世界条約機構(Parallel World Group Treaty Organization) 通称PWTO。読み方はパパゥトーとでも言うべきか。
日本連合を発展拡大させた組織で日連と国交を持った史実世界での国々と、各並行世界における日本の同盟国や友好国をも巻き込んだ多次元国際組織である。
まあNATOみたいな軍事連合というわけではなく、共通した各種条約や戦時国際法を共通する集団といった具合。
今までこれといった共通の戦時国際法や慣例、条約を持たなかった日本連合及びその関係各国の間柄を改めて整備しなおしたのが今回のPWGTOと言える。
あとは各種世界間の交流や通商条約の締結、または仲介なども行う組織であり、7カ国の理事国が持ち回り式で決定される。
理事国は日本連合内から三カ国、各並行世界から二カ国、史実こと平成世界から二カ国選ばれる仕組みとなる。
各国を巻き込む大きな議題に関しては多数決で決まる。
因みに決定後もどこまで力を貸すかは各国の考え次第なので、左程多数決決定に意味はなかったりする。
とまぁこんな感じで国連なんて目じゃない超巨大組織が誕生したわけなのだが、未だ平成世界ではウクライナを舞台に欧米と中露が争っていたり、ちゃっかりと初代理事国の地位にインドやブラジルがついていたり、密かにフランスやイタリアが加盟できないかと接触してきていたりなど世界は少しずつだが動き続けていた。
39 名前:トゥ!ヘァ![sage] 投稿日:2023/06/09(金) 19:58:43 ID:FL1-122-133-166-42.kng.mesh.ad.jp [15/153]
〇設定
史実日本を除く並行世界の日本が集まった連合組織。
史実世界へに対応のため…というよりも互い同士の軍事衝突を防ぐための共同組織である。
取りあえず全員で同じ組織に属せば突発的な争いはある程度抑止できるべ!といった感じ。
今のところは良い感じに互いにけん制できている。
並行世界群条約機構設立後は発展解消されたが、旧日連枠として三カ国を理事国に選出、または指名する枠を残すなどちゃっかりしている。
現在は地元世界と史実世界、他並行世界との交流の仲介役または中継地として割とどこの国もウハウハしている。
列島日本、平成日本ともいう。
第二次太平洋戦争の際に一瞬で制圧され、その後は当時の政府組織は解体され、以降日連の実験場となっている。
戦後からは新日本政府と呼ばれており、各国や日連内でも同様に呼称されている。
紛れもない敗戦国なのだが、日連の方針から割と国家機能や主権回復が早く、更には経済が立て直されたことから史実より大分景気が良い。
景気が良ければ人々は細かいことを気にしないものである。
またリーマンショック、東日本大震災、新型コロナウィルス流行といった各種イベントも日連の支援で難なくクリアしているため経済的に大分順調。
並行世界群条約機構設立以降は各世界及び史実世界を繋ぐ中継地となり、これまで以上に発展している。
近年では宇宙開発のための大型マスドライバーや軌道エレベーター建造計画も出ており、宇宙進出の本格化が囁かれている。
略して並世機。またはParallel World Group Treaty Organizationを略したPWTO(パゥトー)
日本連合を発展させた並行世界にまたがる超巨大組織である。
NATOのような軍事同盟ではなく、あくまで交流と戦時国際法を始めとする各種条約の共通を目的とした国際組織。
ゲートの安全性に関しては日連の中でゲート研究が進んでいるとある国のお墨付きである。
何かない限りは数千年は安泰とのこと。
史実世界においては日本含めた東シナ海一帯から東南アジア、南アジア、東アフリカ、北アフリカ、南米まで広がる超巨大組織となっている。
とはいえ前述の通り軍事同盟ではないから、加盟国が他所から攻撃されても防衛してやる義理も条約もない。
しかし、攻撃に晒された国がよしみを通じている加盟国のPMCや雇ったり、義勇兵を受け入れたりはするかもしれないが…
現在はフランス、イタリア、スペイン、イギリス、メキシコなどが加盟できないかと密かに交渉を始めている。
40 名前:トゥ!ヘァ![sage] 投稿日:2023/06/09(金) 19:59:19 ID:FL1-122-133-166-42.kng.mesh.ad.jp [16/153]
投下終了
息抜きに少しずつ書いていた一発ネタです。
最終更新:2023年08月03日 19:40