416 :New ◆QTlJyklQpI:2012/03/07(水) 00:25:03
ネタSS ~憂鬱自衛隊1943~
2003年10月13日 東富士駐屯地
「電源の物理的カット!急いで!」
「駄目です!止まりません!」
「的場一佐!!」
対プラズマ用人工磁場シールド実験中の暴走事故により第3特別実験中隊消滅。
世間には演習中に弾薬を積載したヘリの墜落事故で全員死亡したと発表された。
そして演習場にはその後2年たった今も”何の兆候も見られず”そのまま人工磁場シールドは凍結された。
「・・・・メキシコ戦の後始末が済んだと思ったら、戦国自衛隊ですか・・・・」
嶋田首相は纏められた報告書を読みながら頭を抱えていた。
1943年の富士駐屯地で大規模な発光現象を確認、陸軍が駆け付けて見ると見た事もない戦車やオートジャイロを発見し
睨みあいの状態になった。そして交渉として赴いた者からの情報で陸上自衛隊第3特別実験中隊という組織であることが確認された。
「どうやら戦国時代に行かずに並行世界に来てしまったみたいですね」
「そういえば揺り戻しの3日は過ぎてるはずだが反応は?」
「いえ、全くないですね。恐らく別の世界なので修正力も働かないのでしょう」
困ったものですと言いつつも辻の口は笑っている。そして陸軍を中心とするメンバーもほくほく顔だ。
90式戦車や地対艦ミサイル、更にAH-1S対戦車ヘリなど技術の山が出現したのだから。
「そんなに装備を手に入るのが嬉しいのか?」
「ええ、そりゃもう。何せシールドの実験でしたから機種などが違えど高精度のコンピューターに付属の電子機器が盛りだくさん
ですからね。それにあの”土産”も・・・・」
土産という単語で嶋田は眉間に皺を寄せる。
「確か小説版では
アメリカの核だったな。映画版ではMHD電池だったが・・・・どっちだったんだ?」
「なんと両方です!それにコミック版に出てきたTPexもセットで!」
おお!と技術者一同は目をギラギラさせている。正真正銘の宝の山を想像して涎を垂らさんばかりだ。
「それに人員もですね。技術者もそうですが2年で自衛隊を迎撃するだけの能力を持った部隊です。
彼らのノウハウを陸軍にフィードバック出来れば海外展開時に非常に有用かと」
陸軍側もプッシュするため嶋田は頭痛を感じながらも第3特別実験中隊との接触を行う事を決定した。
「仕方あるまい(こうなったら的場を会合に引き込めば苦労を分かち合うこと出来るだろうし、な。ふふふ)」
「(ゾクッ)!!」
「どうしました?一佐」
「・・・いや、なんでもない(なんだったんだ、今の悪寒は?)」
的場毅はその後、この悪寒を見過ごしたことを後悔することになる。
最終更新:2012年03月07日 21:42