243 名前:弥次郎[sage] 投稿日:2023/07/15(土) 22:21:48 ID:softbank060146109143.bbtec.net [27/73]
日本大陸SS 漆黒世界
アメリカルート(Re) 「信長の異常な愛情 -または如何にして(ry-」2.5
織田政権における外地進出は、非常に理路整然しているというのが後世の評価である。
織田信長という英傑が一代で戦乱状態にあった国内を統一し、覇権を確立したのは確かに偉業である。
だが、彼の人生を後世から振り返れば、それはまだ半分でしかない。残り半分は外地獲得や海洋進出の指揮という形で埋め尽くされている。
普通ならば、統一した政権を打ち立てた後に、ここまで大胆な外地進出を行うというのはリスクが伴う。
まして日本大陸という巨大な大陸国家において、その膨大な民や勢力を束ね上げたばかりというのは、何時結束が崩れるかという不安も伴うものであるからだ。
にもかかわらず、織田政権は惜しみなく外へ打って出た。
まずは、国家の統一により土台を構築。
ほぼ同時並行で、先進国であるスペインからとの交易により、外へ出るための手段と最初の足掛かりの確保。
それにより、東南アジア地域の資源および利権の獲得とそれに伴って生じた利益による投資した費用の回収。
これに国内において生じていた浪人問題や反体制派の勢力をそぎ落とすというおまけつきの効果を発揮できた。
そして、国内開発に伴って生じる利益を一部プールしつつも、惜しみなく投資することで操業を続けたのだ。
この結果として日本は多くを得た。
太平洋の横断によるハワイ領有、そこからアラスカ方面およびアメリカ西海岸への到達である。
そこからは海洋資源獲得と後発となるゴールドラッシュによる投資費用の回収以上の利益を獲得した。
国内における開発や技術発展に必要な資源が外部から流れ込んだことは、元々が潤沢とはいえ、機構や特性上得られないものを多く得られ、加速をもたらした。
これらによって日本人が進出した地域こそ、のちの大日本帝国の領土として組み込まれる地域のひな型となった。
加えて、この各地に展開した領土を結ぶネットワークにより構築された勢力圏は、当時の列強さえも弾く領域として非常に完成度が高かった。
日本という国家が自分たちの領域を守るため、そして資源などに不自由しないため、そして安全を確保するため。
得られたものは、金銭的なモノだけではなく、それ以上であったのだ。
そうであるがゆえに、後世の人々は、欧州の人々もそうだが日本の勢力圏にいる人々さえも、完成されすぎたそれに恐怖したのだった。
まるで無駄がない。必要な時に必要なモノを揃え終わっており、あるいは進出した先で獲得できることを理解しているかのように振舞うのだ。
一見して無謀な賭けに見えるそれらも、多少の負けはありはしても最終的にはすべて勝ち越しており、最終的なゴールにもたどり着いている。
加えて、異常な技術発展がそれらを支えていた。
戦国時代が終わったとほぼ同時に、待ちわびたようにあらゆる技術が花開いていったのだ。
まるで騒乱の時代が終わった時に備えてあらかじめ用意され、下地を整えてあったかのように。
当時の欧州先進国さえも凌ぐそれらが一斉に花開き、国力増強に貢献した。
ここまでくれば、少々考えが回る人間にはわかってしまうだろう。
何者かの作為を。あるいは未来を見通しているかのような行動を、判断を。
予定調和にもっていくほどの何かが、表に出ない範疇で蠢いているということを。
だからこそ、この陰謀論をはじめとした幾多の憶測は、ある種の説得力を以て、長らく世に流布することとなる。
それこそ、織田信長台頭以前よりもさらに前ではないかと推測された。
いや、もっと前からではないか?
議論に果てはない。
いずれにせよ、それらは中らずと雖も遠からずであった。
彼らさえもいつ頃からいたかも把握していない、日本という国の裏側で動く彼ら---
夢幻会の活動の結果なのだから。
けれども、そんな噂の立つ世界においても、彼らは自らの目的を果たすために動き続けた。
いや、どちらかといえば、北米に生じさせたミームという強敵との決着をつけるため、かもしれないが。
そして、それでも、世界は順調に回り続けているのである。
244 名前:弥次郎[sage] 投稿日:2023/07/15(土) 22:22:20 ID:softbank060146109143.bbtec.net [28/73]
以上、wiki転載はご自由に。
短いですが、このころの日本を後世から見たら…って感じで
最終更新:2023年08月26日 21:07