347 名前:ホワイトベアー[sage] 投稿日:2023/07/18(火) 20:04:01 ID:om126233187153.36.openmobile.ne.jp [4/13]
Ta186 「フッケバイン」
乗員:2名
全長:20.55 m
全幅:12.712m
全高:6.18 m
エンジン:ハインケル BMW 005アフターバーナ付ターボジェットエンジン(ドライ出力:53.3 kN):2基
実用上昇限度:実用上昇限度:17,800 m
最大速度 :約1,825km/h
航続距離 :2,175km
固定武装
MK 108 30mm機関砲×2
搭載兵装
LLR-60短距離空対空ミサイル×4
LLR-80中距離空対空ミサイル×4
爆弾: 3,200 kg (7,040 lb)
概要
赤色空軍と初期のドイツ帝国空軍の主力ジェット戦闘機であったI-15やI-16などの後継機としてドイツ帝国において1930年代に開発と配備が行われたジェット戦闘機。
ドイツ帝国の戦闘機としては初のエリアルールを採用した超音速戦闘機。
機首には初歩的ながらレーダーも搭載し、大日本帝国国防総省の定める基準では第2世代ジェット戦闘機に分類されている。
冬戦争ではソ連軍で運用されていた初期型がフィンランド空軍や日米義勇軍と死闘を繰り広げた他、1939年にドイツ帝国空軍で舞台運用が開始されたのを皮切りにイタリア空軍やスペイン空軍、北欧諸国など欧州連合各国にも採用され冷戦初期においては欧州連合の防空の一翼を担った。
また、本来は迎撃機として開発された本機であるが、長い航続距離や大型な機体を買われて偵察機や戦闘攻撃機、爆撃機の護衛機にも転用されるなど幅広く活用した。
348 名前:ホワイトベアー[sage] 投稿日:2023/07/18(火) 20:04:39 ID:om126233187153.36.openmobile.ne.jp [5/13]
開発経緯
大戦末期に協商国側で参戦した日米による『迎撃できない高高度からの戦略爆撃』と言う戦術によって都市や主要な国内インフラを破壊され、戦後に窮困するドイツ帝国人を救うために行われた『オペレーション・セント・ニコラオス』によって日米の持つ圧倒的な空輸能力をマジマジと見せつけられた欧州列強の政治家や軍人、航空機メーカー達は協商、同盟問わず大きな衝撃や恐怖心を受けた。
ドイツ帝国の政府や軍上層部も同様でヴルサイユ条約が結ばれた後であったものの、彼らに高高度で作戦行動が可能な戦闘機の開発を決意させた。
1922年にラパロ条約が締結されると、ドイツ帝国は同じく日本の戦略爆撃の脅威にさらされたソビエト連邦と協力して極秘裏にベルサイユ条約によって禁止されていた戦闘機の研究および開発を開始。
レシプロ機の開発と同時平行でだが次世代の技術としてジェットの研究開発をスタートさせる。
この計画は文字通りドイツ帝国とソ連の命運を賭けたもので、空から降り注ぐ脅威から自国を護る剣を鍛えるために企業や組織を問わず両国でも最高の技術者達が集められた。
独ソにとって幸いなことに当時のソビエト連邦には世界大戦時に日本から供与された航空機が少なくない数存在していた。
これらは全てレシプロ機でジェット機などの先進的なものはなかったが、そうであるからこそ当時の独ソの技術者達でも解析を行うことが可能であった。
ジェットエンジン関連の技術は日本で特許が切れた技術をモスクワの長女と言われるフランス共産党を介して入手することで獲得し、ラパロ条約が締結したからわずか3年後の1923年には両国は初の実用に足るジェット戦闘機であるIL-400の初飛行にまでこぎつけるなど研究は順調に進んでいった。
1930年、再軍備のために動き出していたドイツ帝国航空省では当面の主力戦闘機をI-15とI-16の2機種とすることが正式に決定する。
両機種は赤軍の主力戦闘機として開発された機体で、共に史実戦後第一世代ジェット戦闘機に引けを取らない優秀な戦闘機であった。
しかし、世界大戦で徹底的に叩きのめされたドイツ帝国が日本や
アメリカを侮ることなどできるはずもない。
航空省の技術部門はジェット戦闘機に護衛された日本軍の大型爆撃機を迎撃するにはI-15は勿論I-16ですら性能が不足していると考え、早々に新型迎撃機の研究にも着手する。
同年には空戦の将来に関する一連の研究プロジェクトをドイツ帝国航空省は完了し、国内の航空機メーカに対して開発要求を発表。
メッサーシュミット社はポリカールポフ設計局と共同で開発していたプロジェクト1200試作長距離戦闘機を原型とするP.1034を僅か三週間のうちにの設計を完了させ、モックアップと共に航空省に提案する。
ドイツで唯一ジェット機のノウハウを持つメッサーシュミット社が設計したこともあってP.1034の完成度は他社の試作機よりも遥かに高かく、各社の提案を比較検討した帝国航空省はメッサーシュミット社のP.1034を次期主力迎撃機とすることを決定した。
1934年9月、P.1034にTa186の開発コードを与え、メッサーシュミット社と開発契約を締結する。
1936年2月初旬に試作1号機と試作2号機がロールアウトし、エアプロブングスシュテル軍用航空試験開発施設にて初飛行が行われる。余談であるが、この時Ta186はドイツ帝国のジェット戦闘機としては初の水平時の超音速飛行を記録した。
当初は1937年からの部隊運用開始を目指していたドイツ帝国空軍とメッサーシュミット社であったが、アプロブングスシュテル軍用航空試験開発施設での各種試験によって幾つかの問題点が発覚。
原因究明と改修作業をおこなう必要に迫られたため、実戦配備は1939年7月までずれ込んだ。
349 名前:ホワイトベアー[sage] 投稿日:2023/07/18(火) 20:05:17 ID:om126233187153.36.openmobile.ne.jp [6/13]
特徴
Ta186は強力縦通材と円框からなる通常のモノコック構造の胴体構造を採用しており、構造材にはチタン合金を使用している。
機首には目標の捕捉とミサイルの誘導などに使用するレーダー等などFuG 200火器管制システムの中心となる機器を収めたレドームが設けられ、主翼には45°の後退翼を採用した。
ソ連と言う広大な国土を持つ国での運用も考慮されたたため長い航続距離が求められ、より多くの燃料を積載できるように機体は大型化、エンジンもなるべく後方に設置された。
エンジンは双発式として胴体後方にジェットエンジンを2基搭載。エアインテークは主翼付け根に、ノズルは胴体後部に設置されている。
原型となったプロジェクト1200試作長距地戦闘機の段階では、I-16で採用されたユンカースJ004Dの発展形であるJ004Eを搭載していた。
しかし、J004はあくまでも第一世代ジェット戦闘機用に開発されたエンジンで、いくら改良を加えているといっても推力不足など重大問題が幾つものあった。
プロジェクト1200での反省を受け、Ta186ではドライ推力:で53.3 kN、圧縮比12というバケモノクラスの二軸式ターボジェットエンジンであるハインケル BMW 005にエンジンを変更している。
火器管制システムとしてはFuG202を搭載している。
これはレドームに搭載されているFuG200火器管制レーダーと赤外線照準器を連接したもので、全天候での機関砲の見越し角射撃や全天候での短距離空対空ミサイルの自動発射を可能とし、さらに中距離空対空ミサイルの誘導能力も兼ね備えている。
FuG202の搭載によって全天候戦闘機としての能力が限定的だったI-15やI-16とは違い、Ta186は完全な全天候戦闘機として完成した。
ただ、未だコンピュータ技術に劣るドイツ帝国ではこのレベルの戦闘機をパイロット一人で完全に操ることはできなかった。
そこでTa186はコックピットは直列複座式を採用。パイロットの他にレーダー機器類の操作やミサイルの誘導は後方の座席に座る兵装システム士官が搭乗する。
武装としては機首の左下方に30mm機関砲を固定装備している。
胴体下には中距離空対空ミサイル1発を半埋込式で搭載できるスペースが4箇所設けられ、胴体中心線下の1箇所と左右の主翼下にも各2箇所のパイロンを設置可能なハードポイントも存在する。
各パイロンは槽や電子線ポットの他にミサイルや自由落下爆弾、機関銃ポットなどの兵装も搭載可能で、主翼下パイロンは1箇所辺り最大2発のミサイルもしくは3発の自由落下爆弾を搭載可能で、胴体下パイロンにも最大で6発の自由落下爆弾を装備できる。
本機の最大速度はマッハ1.7と音速を超えた超音速飛行を可能としていた。
当時のドイツ軍主力戦闘機であったI-16の最大速度がマッハ0.78であったことを考えると飛躍的な進化であり、一時は欧州最速の戦闘機として君臨していた。
(ただ、当時の欧州で航空技術が爆発的に発展していた時代で、短時間のうちにマッハ2級戦闘機が登場したためにこの座は短期間のうちに奪われた)
水平尾翼が主翼よりやや低い位置に設置されていることからT字尾翼採用機で発生するピッチアップのような悪癖が無い。
しかし、未だ超音速機開発のノウハウが未熟な状態で開発された機体であるため初期生産型は
- 特定の飛行条件でヨーが不安定になり慣性カップリングが発生する
- 失速速度に近づくと翼の先端で揚力が失われ、激しい機首上昇が発生する
といった問題を幾つか抱えていた。
しかし、こうした問題は即座に洗い出され、幾度化の近代化改修によって解決した。
350 名前:ホワイトベアー[sage] 投稿日:2023/07/18(火) 20:05:57 ID:om126233187153.36.openmobile.ne.jp [7/13]
運用
1939年にドイツ帝国空軍第44戦闘航空団がTa186を受領した初の実戦部隊となった。以降、ドイツ空軍やソ連防空軍は旧式化したI-16を置き換える形で国内の主要部隊への配備が行われた。
独ソの軍備計画ではTa186のみ制空戦闘機として配備される予定であった。しかし、チタン合金や当時最新の電子装備を余すことなく搭載したTa186は非常に高価なため、ドイツ軍やソ連軍では十分な数を調達することは困難であった。
そこで、両国はより安価なEF 130を開発し大量配備する「Hi Lo Mix(ハイローミックス)」運用を採用した。
主な派生型
Ta186A
初期量産型。
Ta186B
A型で発覚した問題を解消するために改修が施されたタイプ。
Ta186C
Ta186のエンジンを新型のハインケル BMW 010に換装。
自動迎撃データリンクとパルス・ドップラー方式を使用した新型レーダーを搭載することでドイツ製戦闘機として初めてルックダウン能力を獲得した。
Ta186D
主翼の改良やパイロンの追加、低高度爆撃システムの装備などが行われた戦闘攻撃機型。
351 名前:ホワイトベアー[sage] 投稿日:2023/07/18(火) 20:08:06 ID:om126233187153.36.openmobile.ne.jp [8/13]
以上、世界に冠たるルフトヴァッフェと世界初にして唯一のプロレテリアによる空軍である赤色空軍が自国の空を護るために造り出した剣ことTa186フッケバインでした。
wikiへの転載はOKです。
最終更新:2023年08月26日 21:15