689 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2023/07/29(土) 23:03:40 ID:24.184.151.153.ap.dti.ne.jp [4/28]
日本大陸の空港考察/東京近辺の空港はどうなるのか
1. 前提の整理と本稿の目的
日本大陸は(一部の亜種世界線を除き)以下の前提をもとに考察されている。
これはつまり、各地点間の直線距離が史実日本列島に対しおおよそ3.16倍になる、ということである。
もちろんその状態で現在の日本列島の位置に収めきることは出来ないため、地図を描いた場合は史実日本列島に比べれば歪んだ形状にならざるを得ないが。
さて、この前提のもとで考えると、色々な懸念点が発生する。
都市間の移動の困難さ、インフラ整備については別稿の通り「行幸の困難さを理由として国策で実施する」という解決策を提示した。
都市内の交通整備についても、具体的な想定はさておき「道路の拡幅と地下鉄・鉄道会社や鉄道路線の増加」で恐らく説明可能だろう。
(というよりも、複雑すぎて想定しきれない部分が多い、という方が正しいのだが)
そして、そういえば空港については特に考えていなかったことに気付いたため、今回のネタ執筆を行った次第である。
690 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2023/07/29(土) 23:04:25 ID:24.184.151.153.ap.dti.ne.jp [5/28]
2. 結論
いきなり結論だが、「史実で計画されていた空港がそのまま整備された前提であれば、多分カバー可能」である。
史実では、各道府県に対し内務省管轄の「都市計画地方委員会」が設置されている。
これはその名の通り都市計画を専門に行う機関であったが、その中に調査・研究の機能を備えていたという。
この委員会で提案されたのは「調布」「浦和」「砂町」「羽田拡張」「松戸」「朝霞」の六ケ所であった。
1938年に承認されたのは、「調布」「浦和」「砂町」の三飛行場開設についてである。
調布飛行場は史実世界でも存在する、戦前は陸軍の、戦後は離島へのアクセスに使用された空港である。
滑走路予定地は戦後の
アメリカによる接収で水耕農園として利用されたが、これが完成していれば800m×30m級の滑走路を二本備える中規模空港になっていただろう。
これを大陸規模に拡大すると、2500m級の滑走路を3本並行で備える大型空港になる。
更に言えば、西側の警察大学校や大学などのエリアは、米軍用の居住地として整備されたエリア、つまり戦前はまだ利用可能な土地である。
この一帯を活用すれば、4000m級の滑走路を4本から5本は設置可能となり、羽田空港や成田空港をも超える規模になる。
西日本や大陸方面からの玄関口として機能し得るのではないか。
浦和飛行場は、埼玉県の秋ヶ瀬公園対岸付近に整備予定の空港であった。
こちらは荒川沿いの土地を利用した空港になるが、滑走路の長さこそ調布飛行場に匹敵するものの、川沿いというだけあってこのままでは拡張できない。
これを大型空港化するために、以下の工事を行うことになるだろう。
- 史実同様に、荒川の直線化を行う
- 史実における秋ヶ瀬公園もすべて取り込む
ここまでやると、川を挟む形ではあるものの、面積としては調布飛行場以上に確保できる。
武蔵野線や東北新幹線などが近くを走る空港ということで、交通アクセスも充分によい。
史実では帝都北方の防衛を目的とした整備であったが、近隣に朝霞基地があること、朝霞案があることなどを考えると、朝霞基地に軍用飛行場を正式に設置することになると考えられる。
この場合、浦和飛行場については北関東の工業地帯向け貨物輸送を含む民間空港としての発展が見込まれる。
砂町飛行場、あるいは東京市飛行場は、夢の島付近に整備予定の空港であった。
面積が当時の羽田の五倍であり、都心との距離も羽田より近く、さらに京浜運河計画(*)により将来的な拡張の見込めない羽田に対して、帝都東京のための空港としては大本命であった。
計画では2500m級を3本確保する予定だったというから、これを大陸規模に拡大すると8000m級が9本である。
流石に長すぎるため、風向に備えた複数の方角に分散した4000m級の滑走路とするだろうが、これでも10本程度は引けるものと思われる。
史実においては日中戦争の長期化からくる物資不足により中止に追い込まれたものの、そのような消耗戦に陥る世界線のあまりない大陸世界においては、特に障害もなくそのまま整備されることが想定される。
さらに言えば、対抗馬となり得る羽田空港は、海軍航空基地を経て空軍基地となると思われる。
東京市飛行場が国際空港を、調布飛行場が国内空港として成立するならば、羽田空港から路線が移動する可能性が高いためである。
こうなると、帝都南方方面の防空拠点としての活用が行われる可能性は高い。
なお、松戸飛行場については、内務省ではなく逓信省の手で開設され、現在では松戸駐屯地として利用されている。
当初から郵便航空目的であり、戦時中に陸軍管轄となった基地であること、位置から考えると、帝都東側の防衛拠点としての発展であろう。
成田空港は、東京市飛行場が存在する場合あの位置に設置するメリットがないので、存在しないのではないかと思われる。
(*)京浜運河計画
:品川あたりから沿岸部を開削し、川崎付近まで幅700m程度の運河を作り、出た土砂で埋め立てて工業地帯を作る計画。
:史実においては、関東大震災以後の海上輸送の重要性と、東京湾の浅さから1927年に計画されたが、戦後に羽田を接収した米軍が容赦なく周辺を埋め立てたことで頓挫した。
:大陸世界においてはそのまま残り、実現されている可能性がある。
691 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2023/07/29(土) 23:05:08 ID:24.184.151.153.ap.dti.ne.jp [6/28]
3. まとめ
以下のようになると思われる。
:「調布空港」。満州や朝鮮、台湾や樺太も含めた国内線を扱う大型空港。
:南関東の物流と、国内移動を支える一大拠点。
:「秋ヶ瀬空港」・北関東の玄関口にして貨物空港。
:地方総監府制度を採用している場合は大宮に総監府があるので、そちらへのアクセス用途も。
:「東京空港」。世界最大の国際空港。
:帝都東京への物流・人流の一大中継点として24時間稼働する「眠らない空港」。
:「羽田空軍基地」。
:帝都に対する防空の要であり、航空パレードの名所として知られる。
:そんなものはない。
:ここにあるのは宮内省下総御料牧場である。
692 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2023/07/29(土) 23:09:07 ID:24.184.151.153.ap.dti.ne.jp [7/28]
以上となります。wiki掲載OKです。
きっかけは「京葉線東京駅はもともと成田新幹線の始発駅だったらしいけど、これって大陸世界だと必須では? 遠くね?」でした。
しかし考察を進めたら、そもそも成田空港を開設する理由がなくなってしまい、本末転倒な感じに……
そして巻き添えを食って軍事基地になる羽田空港であった。
都市計画まわりは色々面白いネタが多いのですが、カバーすべき範囲が広すぎてなかなか大変ですね。
最終更新:2023年08月26日 21:44