783 名前:モントゴメリー[sage] 投稿日:2023/08/01(火) 21:17:21 ID:116-64-135-196.rev.home.ne.jp [147/216]
日本大陸SS——東京山手急行電鉄——
【概要】
東京山手急行電鉄とは、東京都に存在する私鉄路線であり都民からは「第二山手線」として親しまれている。
その愛称の通り、山手線のさらに外側に敷設された環状線であり帝都東京の交通網の一角を担う重要路線である。
【計画】
計画は大正15年にさかのぼる。
当時は既に山手線は環状運転を開始していたが、沿線のさらなる発展を見込んで私鉄によってその外周にもう一つの環状路線を形成することが考え出されたのである。
鉄道省による審議では十分な需要があるか疑問として難色が示された。
しかし、政府より「強い要望」が発せられたことによりこの計画は了承された。
【路線】
起点は、品川駅から現在の京浜東北線で1駅目の大井町に設定された。
そこより現在の駅名で自由が丘—梅ヶ丘—明大前—中野—江古田—板橋—駒込—田端―北千住—鐘ケ淵—平井などを経て江東区の洲崎まで合計36駅、山手線の外側をぐるりと回るものであった。
なお、当時は東京湾の埋立てが完了しておらず洲崎—大井町間は未開通であったが、埋立て完了後この区間にも路線が敷設され完全なる環状線となった。
この路線の特色として、既に存在していた各路線をつなぐ様に設定されている点が挙げられる。
具体的には、池上電気鉄道線の雪ヶ谷駅、東京横浜電鉄東横線の自由ヶ丘駅、玉川電気鉄道線の駒沢駅、小田急線の梅ヶ丘駅。
そして当時計画中であった渋谷急行電鉄と京王電気軌道線が交差する明大前駅、中央本線中野駅、西武鉄道村山線の新井薬師前駅、武蔵野鉄道武蔵野線の江古田駅、東武東上本線の下板橋駅と山手線支線の板橋駅。
さらに私鉄のみならず山手線・東北本線の田端駅と常磐線・東武伊勢崎線の北千住駅とも接続されている。
(私鉄会社名は当時のもの)
つまり、本路線は山手線という環状線の能力強化のみならず、東京に放射状に存在する各路線を接続するという役目も担っているのである。
また洲崎は当時吉原とともに遊郭のあった繁華街として有名であり、高い需要が見込まれた。
のみならず日本橋方面からの東京市電のほか、亀戸から延びる城東電気軌道(現在の都電)と乗り換えができ、更に当時の東京市が市営地下鉄として東京駅~洲崎間を計画していたこともあって起点駅とされた。
784 名前:モントゴメリー[] 投稿日:2023/08/01(火) 21:17:58 ID:116-64-135-196.rev.home.ne.jp [148/216]
【技術的特徴】
本路線で特記すべき点として、開通当初から踏切が一切存在しないことが有名である。
その構造は当時の宣伝文句をそのまま使えば、「塹壕式」と呼称できる。
すなわち、路線の大部分を掘割し半地下状態で線路を敷設したのである。線路と交差する道路はその上を通るため踏切は必要ではないのだ。
昭和初期頃の東京の私鉄では踏切のない路線など存在しなかったので、これだけでも最新式の路線として評判となった。
(ただし国有鉄道に目を向ければ、当時も東京市内の山手線や中央線、総武線には踏切が無かったので完全なオリジナルとは言えない)
また、当時の一般路線としては高速であったことも評価すべき点である。
そもそも、路線名の「東京山手急行電鉄」とは
『山手線の少し外側を急行(高速度)運転する電車』
という意味が込められており、高速運転は至上命題でもあったのである。
本路線は「塹壕」の中へ全線複線電化、最急勾配25‰、最小曲線半径12鎖(約240m)の規格で第三軌条式の線路が敷設されていた。
(後に架線式に変更)
第三軌条式とは、レールのすぐ脇に給電用のレールを設けるもので、浅草~上野間に開業した日本初の地下鉄、東京地下鉄道(現・東京メトロ銀座線)と同じ方式であるがこちらの方が採用は早い。
これも本路線が最新鋭といった印象を与えた要因である。
具体的にどれほど高速なのか?
当時の山手線との比較では一周に要する時間が1割ほど少ない。
全長も約1割短い(まだ全周開通してない)ので当たり前のように思えるかもしれない。
しかし、山手線の駅数が28なのに対し、本路線の駅数は36なのである。
それだけ列車の最高速度及び加速・減速機能が強化されているということである。
【運用】
本路線は鉄道省の予想をいい意味で裏切り、開通直後から大盛況となった。
山手線の混雑率は当時から猖獗を極めるものであったが、本路線の登場により幾分か緩和されたのである。
また私鉄会社らしく、沿線開発にも力を注いでおり路線掘削で生じた土砂を下町の低湿地の埋立てに使い、そこを住宅地にして売り出すなどもしている。
このように本路線は帝都東京の発達に多大な貢献を成し、21世紀においても欠くことのできない首都の大動脈として動き続けている。
785 名前:モントゴメリー[sage] 投稿日:2023/08/01(火) 21:18:53 ID:116-64-135-196.rev.home.ne.jp [149/216]
以上です。
ウィキ掲載は自由です。
どうも私が「女神」に心を奪われて日本大陸を滅ぼそうとしている、という風評被害が出ているようなので今回は趣向を変えてみました。
HOST:24.184.151.153.ap.dti.ne.jp氏に倣って、日本大陸のインフラ系のお話でございます。
史実で幻となった「第二山手線」
これ現代にあったら滅茶苦茶便利ですから
夢幻会の鉄オタグループは絶対成立させると思います。
…さて、風呂にでも入るか。
最終更新:2023年08月26日 21:50