銀河連合日本×神崎島ネタSS ネタ ゲートの先は神崎島もヤルバーンも無いようですその九十七


「これではまるで…古代の寓話…神話ではないか…。」


ゲート側ティエルクマスカ銀河、イゼイラ星間共和国。
日本への移住者を乗せたへのヂラールの襲撃により急遽招集された議会に出席出来た一人の議員の発する言葉が全てを物語る。
現地のPVMCGや映像記録装置を通してイゼイラにも流れる映像。

ダストールの古代生物にも似た見たこともない種族(ディノス)が持つハルマ由来と思しき火器が火を吹くとヂラールの一部を吹き飛ばしすはまだいい、
金髪のサイボーグハルマ人(キリシュタリア)が手に持つ長身の粒子の刃で切り裂くのもまだいいだろう。
自分らの知らない武装だが理解の範疇である。

古代生物の様な種族の同族(テペウ)が雷の如く宙をかけヂラールを切り裂き、
白い髪のハルマ人の青年(妖精國パーシヴァル)がその手に持った光を纏う原始的な槍で生身のままヂラールの肉体をやすやすと貫き、
女性ら(生身のモルガンとキャストリア)が杖を振るえば雷が炎が氷が風が雨が、
自然現象が気象現象がヂラールを射抜く。
粒子ビームや重力子兵器などの現代兵器より酷く原始的な武装や自然現象である筈であるのにヂラールを圧倒する。
イゼイラ人の常識としてありえない…それこそ幼い頃に読み、大人になると幻想と成り果てた物語の様な光景。
それらがヂラールを圧倒する。そして何より…。

イゼイラ人を同胞達の下へ、ヤルマルティアへと導きイゼイラの国民でもあるハルマの少女…マシュ・キリエライトが盾を振るうと怪物が押される。
力なき少女が力を得て他者を守る…そんなことは物語の中でしかなかった筈だ。

そしてマシュより幼い茶色い髪の少女(電)はハルマ人に似ながらも頭部に耳を生やした別の種族の少女(トウカイテイオー)が変化した四足歩行のボルダの様な生物に騎乗すると縦横無尽に大ホールを飛び回り大型ヂラールを肩の火器で穿ち、手に持った鈍器(盾)で磨り潰していく。
頭部に耳を生やした少女の同族ら(おウマさん)は生身であるのにロボットスーツを纏っているかの様な力でイゼイラ人やゲート自衛隊の自衛官、大日本帝国の海兵隊を助けだし一つの場所に集め、それを終えるとヂラールを持ち前の機動力で撹乱する。


『電、マシュ!助けに来たわよ!!』

『雷お姉さん!それに鎮守府侍女部隊と陸自の機械化空挺団とラフムの皆さん…妖怪さんにヨーロッパの妖精さんたちも!!』

『皆!行くわよ!!』

133 名前:635[sage] 投稿日:2023/09/04(月) 07:13:32 ID:119-171-255-156.rev.home.ne.jp [3/6]


神話の様な彼ら彼女らがの戦闘に駆けつけるた銀河連合日本の援軍もイゼイラ人から見れば現代の存在ではない。
古めかしい貴人に仕えていそうな制服を着た者(侍女)に節足動物や動物などを模した古代の祭祀の様な仮面を被った者(仮面ライダー)、
明らかにティエルクマスカと違う金属質の鎧の様なサイボーグやパワードスーツを纏う者ら(メタルヒーロー)。
黒い翼に赤い鼻の人型種族(天狗)や角の生えた種族(鬼)、
翅の生えた小さなディスカール人の様な種族(妖精)やボルダの様な生物に乗る首のない者(デュラハン)、
それこそティエルクマスカ各国の昔話にでも出てきそうな存在だ。
後、明らかに侍女とヤクザがマシュにラフムと呼ばれてマシュと侍女とヤクザの間で視点を回す者もいるが。

そんな彼らが相手取るのは巨大ヂラールはゲートイゼイラの者らがゲート側のサルカスで知るヂラールより遥かに醜悪で悍ましい。
剥ぎ取った生物の肉を圧縮したような人型の上半身に下半身は何もない異形の、正しくこの世の全ての毒を吐き出すその名前に恥じぬ人々を苦しめる悪の化身である化け物。

神話、誰かの言葉に議場の皆が同意する。
それはその場にいるゲートイゼイラのトップであるサイヴァルも感じる、まるで神話の時代であると。
創造主ナヨクァラグヤに関わる伝説の地ヤルマルティアの発見、
そのヤルマルティアの人々が発達過程文明を築き上げたイゼイラ人…同胞であるという事実、それだけでも伝説的であるのに…。
神話の中の存在が絶対的な悪と対峙する…目の前の現実は神話で描かれてることそのものだ。


猛攻に耐えかねたのかヂラールは一端その身を己がぶち抜いてきた穴に沈める。
するとみるみる間に身体の傷が再生する。


「ちィッ!こいつ…!!」

「傷つけたそばから再生してるわ!!」

「まさかこいつ…この船のハイクァーンリアクター取り込んだのです!?」


猛攻で大型ヂラールを押す電らではあったが負わせた傷は直ぐに再生し数秒で塞がる。
誰かの言葉がその理由を当てた。ヂラールの人で言えば下腹部に見慣れたハイクァーンモジュールが存在した。


「だったらその再生力を上回るだけなのです!!」


電が叫び盾を鉞に持ち替えるとトウカイテイオーが嘶きさらに加速、黄金の稲妻を纏う刃でヂラールを凄まじい速度で切り裂いていく。
他の者らも攻撃の速度を早めヂラールの傷が増える速度が回復速度を上回る。
その光景に喜ぶ議場の者らであったが攻撃に耐えかねたのかヂラールは何かをハイクァーンで多数造成する。
その造成されたものを見て議場のイゼイラ人達の顔が歪む。
恐怖から…あるイゼイラ人は腰を抜かし動けなくなり、ある者はイゼイラ人は少しでもゼルモニター越しの光景から遠ざかろうと床を這って進む。
そしてシレイラ号で生で目にするイゼイラ人たちであればそれ以上の恐怖を味わっていた。
狂乱に陥り逃げ出そうと足掻くが足が上手く動かないイゼイラ人、股間を濡らすイゼイラ人。
その光景におウマさんらに助け出されイゼイラ人と一纏めにされたゲート日本の自衛官らは困惑する。


「一体どうしたんだ?」

「分からん…あのバケモンが造成したのが原因の様だが…!!」


ソレが口を開く、見慣れぬ日本人見れば怪物の狩人の獣竜種をより醜悪にした存在が…その数十。
この狭い船内にひしめく様に出現した。
自衛官らはイゼイラ人の狂乱の理由を理解した。自分らは被捕食者でありソレらにとってエサでしかないのだと。
ソレらは一斉に目の前の獲物に襲いかかった。

134 名前:635[sage] 投稿日:2023/09/04(月) 07:14:06 ID:119-171-255-156.rev.home.ne.jp [4/6]

取り込まれたハイクァーンにより造成されたヂラールがイゼイラ人の方へ向かった為に電達は一端大型ヂラールへの攻撃を止めその間に割って入る。
船内を破壊しながら涎を撒き散らし迫るソレら。
それも電も見たことある存在を模していた。イゼイラ人の根源的恐怖の対象である猛獣。


【GYAAAAAAAA!!】

「ツァーレじゃないか…こいつら!?」


盾に持ち替え眼前の獣の攻撃をいなす電を乗せたトウカイテイオーが叫ぶ。
甲冑を纏った恐竜だか翼のない竜と言うべきその相貌は紛れもなくツァーレ、それもヂラールがその姿を真似た…。
その様相はより凶暴により醜悪に悪魔の如し、ヂラール・ツァーレとでも言うべきか。
猛り狂うヂラール・ツァーレ達は守りに入った電達を猛攻する。
その後ろではイゼイラ人達が凶相の異形のツァーレの姿に皆怯えている。
マシュも己が盾で自らの十倍近くあるヂラール・ツァーレを止める。
凄まじい体格差だが艦娘として十万馬力すら超える出力を持つマシュには問題ない…だが。


「段々とですが…力が増している…!?」

「サルカスのヂラールより強いと思ったらそういうこと…!」


己の錨で殴りつけヂラール・ツァーレを止める雷は吐き捨てる。


「あの魔人モドキ関わってるから予想出来たけど、こいつら純正のヂラールじゃない…!
呪術的も使われてる…怨霊寄りの性質与えられてる!
イゼイラ人のツァーレへの怨嗟と恐怖を取り込んでるのよ!」


眼前のヂラールはただのヂラールではなかった。
呪術を使い強化されたヂラール…知的生命体の怨嗟と恐怖…そして魂を取り込み果てしなく強くなる。


「ヂラールが…!」


防衛線の隙間を縫い数体のヂラール・ツァーレが武器を持たないイゼイラ人の方へと向かう。


「皆さん!逃げてえええッ!」


マシュが叫ぶ。
大日本帝国の軍人や自動人形達は絶望するまた守れないのかと、あれから幾星霜やつらに勝つために全てをなげうって。
スールの柏木はその光景に奥歯が砕け口から血が出るほどに歯を食いしばり、飛ばされた銃へと手を伸ばすが届かない。

ヂラール・ツァーレがその顎をイゼイラ人に向けて開き、その様相を恐怖から逃げることも出来ずに見つめるしかないイゼイラ人達。
その瞬間。
銃声が響き爆発によりヂラール・ツァーレが怯む。


「え…ヤルマルティア…の…?」

135 名前:635[sage] 投稿日:2023/09/04(月) 07:14:54 ID:119-171-255-156.rev.home.ne.jp [5/6]


イゼイラ人の一人が呆然と呟く。
イゼイラ人達を守るように一団がヂラール・ツァーレの前に立ち塞がる…ゲート側の自衛官達だ。
彼らのその姿は正しく弱気を助け悪しきを挫く戦士……というにはお世辞にも格好良くはない。


「怖くない…!お前らなんて怖くなんてないぞ…!」


震える声で叫ぶ自衛官。
皆恐怖で顔を歪ませ全員の股間は湿っている、それでもなお彼らはそこに居た。
ヂラール・ツァーレに銃撃を加え続けるゲート世界の自衛官達、その攻撃は怯ませることは出来てもその歩みを止めさせることは出来ない。
それでも…それでも…。


「時間を一分…いや一秒でもいい!時間を稼ぐんだ!!彼ら、彼女らがこちらへ来るまでの…!」


鼻水を流し恐怖で顔をぐしゃぐしゃにした自衛官が叫ぶ。
彼ら(正義の味方)がいる。彼ら(正義の味方)が己等の視界に、この船にいる。
その事実のみが彼らを支えていた。彼らが来ればどうにかなる。
おのおのの知るヒーローや英雄の名前を口にし自分を鼓舞する。
中にはかつての競争馬の名前呟くのもいるが。

ヂラール・ツァーレはゆっくりと着実に近づいてきていた…しかしその歩みは確実に遅く低下している。
恐怖を抱いたイゼイラ人達のその心が和らいだからだ。
同胞が絶望の象徴たるツァーレに立ち向かう…その事実がどれ程彼らの心を守っていることか…。それだけではない。
生身のただの人間が、ただの日本人が抗うかつてあった光景、死にゆくためではなく生きる為に。
その事実が大日本帝国の者らにどれほど眩しく映ることか。

近づいたヂラール・ツァーレが尾を振るい悲鳴が上がる。
それだけで不用意に前に出た自衛官の一人ががくの時に折れ曲がり投げ棄てられた人形の様に吹き飛び壁に打ち付けられ動かなくなる。
まだ、動ける大日本帝国の兵士や自動人形が援護射撃するが梨の礫…そして完全に近づいたヂラール・ツァーレはその顎を開き、
皆に再び絶望の声が上がる。

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最終更新:2023年09月04日 17:59