603:194:2023/10/08(日) 13:30:31 HOST:KD106155008182.au-net.ne.jp
現代日本大陸化&銀連神崎島クロスSS ある日、日本が『超』大陸と化してしまった件フォースシーズン?その29 科学者達の奮闘
北海道からの避難が完了して2カ月。北海道を焦土にしたエクス・グラウコスは、暫くの間は無人と化した北海道を橋頭保にしようとしていたプライマーと小競り合いを続けていたが、
やがてプライマー側が諦めて手を引いた事も有って、遂に南下を開始。東北地方に飛来して来た。
幸い北海道に留まっている内に事前に避難を進めていた為、住民の被害こそ皆無だったが、経済的な損失はうなぎ上りな状態だった。
実際北海道及び東北の農産物が入手不可能となり、慌てて超大陸世界から緊急輸入する事で何とか補っている状態である。
一方、プライマー側も被害は甚大だった。北海道を巡る小競り合いで少なくない戦力を失っているのだが・・・東北にて更に甚大な被害を被る事となる。
それは、岩手県盛岡市郊外・沢山の田んぼが広がるある住宅街にて、それは起こった。
プライマー側は戦線を押し上げるべく、アーケルス1体とメカエルギヌス3体で形成された怪生物軍団を投下。北関東へと進撃させようとしたのだが・・・
そこにエクス・グラウコスが飛来してきたのだ。
スカウト『こちらスカウト!本部、応答願います!』
本部「どうした!?」
スカウト『怪生物軍団とエクス・グラウコスが遭遇!睨み合っています!』
本部「何だと!?」
スカウト『中継映像を送ります!』
送られてきた中継映像内で、エクス・グラウコスと怪生物軍団が静かに睨み合っていた。
少佐「怪生物同士では争わない筈ですが・・・これは・・・」
スカウト『エクス・グラウコスと怪生物軍団・・・一体どうなるんだ・・・?』
本部「スカウトチーム、迂闊に接近するな!距離を大きく保って様子を見るんだ!」
スカウト『了解!・・・・・ああっ!?』
604:194:2023/10/08(日) 13:31:04 HOST:KD106155008182.au-net.ne.jp
次の瞬間、エクス・グラウコスの全力でのブレス攻撃が怪生物軍団に襲い掛かる。
周囲一帯があっと言う間に焼け野原と化す中、非常識な火力のブレスの前に、メカエルギヌスやアーケルスが呆気無く倒されてしまう。
怪生物軍団をワンパンで撃破したエクス・グラウコスは、程よく焼けた怪生物軍団の死骸を嬉しそうに貪り食う。
金属部分以外を残さずしっかりと食べ切ったエクス・グラウコスは、我こそが絶対王者だと言わんばかりの咆哮を上げる。その後、満足げな様子で北へと飛び去って行った。
スカウト『エクス・グラウコス、飛び去って行きます!』
本部「・・・・・スカウトチーム、これ以上観測する必要は無い。撤退しろ」
スカウト『了解』
この場には、休暇を切り上げた柏木夫婦と神崎提督も参加していたが・・・皆一様に沈黙している状態だった。
本部「・・・・・エクス・グラウコスめ、やりたい放題ではないか!」
少佐「グラウゴスの攻撃によって、都市部を中心に深刻な被害が広がっています。このままでは、そう遠くない内に作戦司令本部に到達すると思われます・・・」
本部「クソッ!奴を止めたくても、攻撃が通じなくてはどうしようもない!このままでは防衛戦略が完全に崩壊する・・・いや、現時点で既に崩壊しつつある・・・!」
フェル「プライマーは、何テ物を生み出したデスカ・・・」
柏木「少佐、現段階での対抗策の進展は?」
少佐に現状を問う柏木。
確認も兼ねて、現在進められているプロジェクトの説明を開始した。
605:194:2023/10/08(日) 13:31:35 HOST:KD106155008182.au-net.ne.jp
少佐「現在、超大陸世界のニーラ博士を中心としたティ連科学者の皆さんに、三世界のヤル研。乙世界の大郷寺博士を中心とした戦娘関係の技術者達」
少佐「更に我々の世界の兵器開発部の主任(プロフェッサーの事)、そして四世界の世界中の科学者を集結した『エクス・グラウコス殲滅プロジェクト』を開始」
少佐「総力を結集して、対エクス・グラウコス兵器の開発に邁進しています」
多川「具体的には?」
少佐「奴を無敵足らしめているのは、その体から発生する膨大過ぎる熱量です。その熱を強制的な冷却によって奪い取り、本体へ打撃を与えます」
少佐「まずは炸薬の代わりにティ連製冷凍材を充填した冷凍弾、極超低温のレーザーを使用するコールドレーザー兵器」
少佐「それ等の技術を応用して、様々な新兵器を開発しています。原子氷結破壊砲を装備したコールドEMC。威力が大幅に強化された改チラン爆雷」
少佐「極超低温レーザー砲を装備した、新型攻撃衛星『アクエリアス』を開発・建造を進めています」
少佐「それと・・・神崎島鎮守府の協力の下、四連装砲の代わりに極超低温レーザー砲「ゲシュテーバー(独逸語で吹雪という意味)」を装備した、改潜水母艦の建造を開始しました」
本部「改潜水母艦だと?建造するのは良いが、どう考えても間に合わないだろう?」
本部がそういうのも無理はない。
大元の潜水母艦(セイレーン・パンドラ・エピメテウス)の三隻の建造だが、EDF結成から開戦までの20年もの時間を掛けて建造されているのだ。
幾ら戦時とはいえ、到底間に合わない。本部はそう考えたのだが・・・
ここまで黙って推移を見守っていた神崎提督が、口を開く。
神崎「建造期間に関しては心配いりません」
本部「どういう事です?」
神崎「我が神崎島鎮守府には、ゲーム内でバーナーと呼称されている物資・『高速建造剤』という物が有ります。それこそ大和級の様な超弩級戦艦も、あっと言う間に建造出来る代物です」
本部「何だと!?」
606:194:2023/10/08(日) 13:32:05 HOST:KD106155008182.au-net.ne.jp
予想外の答えに驚愕する本部。
まぁ無理も無い。三~四年は掛かる超大型戦艦がそれこそ一瞬で建造出来るというのだ。普通は驚く。
神崎「その高速建造剤を惜しげもなく投入して、短期での建造を行います」
少佐「建造数は三隻。ポセイドン・エーギル・ネーレウスの三隻となります」
少佐「しかし、建造は短期間で出来ても訓練の方はそうはいきません。どれだけ短縮しても三カ月。他の兵器の建造・配備もその位掛かる見通しです」
本部「・・・そうか。その頃には東北を焼き尽くし、関東目掛けて南下して来る頃だろうな」
少佐「これらの配備が完了次第、EDF日本支部の有るここ横須賀に誘導。エクス・グラウコスとの決戦に臨みます」
本部「分かった。この三カ月が正念場、という事だな」
少佐「はい。それと・・・・・これは総司令部からの通達なのですが・・・」
本部「どうした?」
少佐「近隣諸国・・・主に中国・韓国・北朝鮮を中心とした国々が・・・最悪の事態に備え、エクス・グラウコスの脅威を排除する為に、『コードN』の発動を強硬に主張。総司令部が、条件付きで認めたと」
本部「何だと!?正気なのか、総司令部は!そんな事をすれば、どれだけの被害が出ると思っている!?」
少佐「総司令部による決定事項です、我々には覆しようがありません。良くも悪くも、総司令部もエクス・グラウゴスの脅威を正確に認識しています」
少佐「我々の作戦が失敗した場合、直ちに潜水艦隊よりN6ミサイルを発射。どんな犠牲を払ってでもグラウゴスを早期撃破し、日本列島外への進出を阻止するとの事です」
本部「例えそこに我々が居たとしても、か」
607:194:2023/10/08(日) 13:32:36 HOST:KD106155008182.au-net.ne.jp
そこまで話が進んだ所で、柏木が疑問を呈す。
嫌な推測が、頭を過ったからだ。
柏木「・・・ちょっと待って下さい。特に強硬に主張しているのは、『あの』三か国なんですよね?これって、もしや・・・」
神崎「・・・柏木君の推測通りだろうな。並行世界の支援を最も手厚く受けている我が国を妬み、エクス・グラウコスの脅威にかこつけて、ドサクサ紛れに滅ぼそうとしているのかもしれないな」
本部「ふざけるな!!!!!」
本部の怒号が響き渡る。
本質的に善人な本部にとって、この様な理由は到底許容出来なかった。
本部「人類ばかりか、この地球に住む全ての生き物が脅威に晒されているというのに、自国の面子と好き嫌いを優先させるとは!最早これは、利敵行為以外の何物でも無いではないか!!」
少佐「・・・総司令部も、その辺りは見透かしているようです。そこで「EDF日本支部の壊滅が確認され次第」という条件をねじ込みました」
少佐「更に、『勝手に大規模破壊攻撃を行った場合、理由の如何を問わず該当国家を裏切り者として、N6ミサイルで壊滅させる』と、大きな釘を刺しています」
本部「どちらにしろ、我々が奴を撃破出来るチャンスは一度だけだ。ならば総司令部の望み通り、我々の総力を結集して、どんな犠牲を払ってでも奴の息の根を止めてやる」
本部だけでなく、この場に居る全ての者達は覚悟を決める。
決戦の時まで、後少しと迫りつつあった。
608:194:2023/10/08(日) 13:33:07 HOST:KD106155008182.au-net.ne.jp
以上です。今回は戦闘シーンは無く会話中心と相成りました。
2か月程小競り合いを続けていたエクス・グラウコスが遂に本州へと上陸。人的被害こそ皆無ですが、経済的損失は考えたくもない状態です(汗)
そしてプライマーも、怪生物軍団が奴のエサとなってしまう等、甚大な被害を受ける羽目に。そのせいで、攻勢計画にも影響が出始めるのではないかと(汗)
そんな中、各世界の世界中の科学者達が結集して様々な冷凍兵器の数々の開発建造を進めて行く事に。
それ等の兵器が揃い次第、決戦へと移行します。
その一方で、特亜の三馬鹿がコードNを強硬に主張。まぁ流石の総司令部もこいつ等の狙い()は見透かしているので、無条件での攻撃は断固認めませんでした。
とは言え、日本列島の外に出たら凄まじい惨劇が避けられないので、作戦失敗した時は仕方なくそれによる攻撃を行いますが。
いずれにせよ、絶対に負けられない戦いとなったエクス・グラウコス殲滅作戦。その様子を追っていく事となりますので、お楽しみに。それでは。
wiki掲載は、自由です。
10/8 一部誤字を修正
最終更新:2023年10月08日 15:51