255 名前:モントゴメリー[sage] 投稿日:2023/06/03(土) 17:01:10 ID:116-64-135-196.rev.home.ne.jp [29/79]
戦後核アレルギーべいてー世界支援SS——Pe-10爆撃機——

全幅:42.0 m
全長:28m
全高:6.5 m
エンジン:シュベツォフ ASh-73TK空冷星型18気筒レシプロレシプロエンジン(2,400 hp) × 4
最高速度:時速約500 km(高度10,000m)
実用上昇限度:11,000 m
航続距離:約6000 km
乗員:11 ~ 12 名
固定武装:
ShVAK 20mm機関砲×2門(尾部・胴体背部)
UBT 12.7mm機関銃×4丁(左右エンジンナセル後方及び機首連装)
爆弾搭載量:6,000 kg

【概要】
ソビエト連邦が開発した重爆撃機。
レッドセルを用いて不完全ながら得たB-29の情報と、ドイツから接収した「アメリカ爆撃機」のデータを用いて
ウラジミール・ペトリャコフ技師自らが設計したPe-8の改良機である。

【計画】
第二次世界大戦中、スターリンはアメリカに対しレンドリース法によりB-29を供与するように要求していた。
しかしアメリカは戦略兵器でもある重爆撃機をソ連に渡したくなかったため、拒絶し続けられた。
この姿勢は対日講和が成された後も継続されることになる。
業を煮やしたスターリンはレッドセルを用いてB-29のデータを収集し、それを用いての違法コピーを画策したが、それも果たせなかった。
日本からレッドセルの情報を得たアメリカは遅まきながらも情報漏洩対策を行ったのだ。
彼らレッドセルたちは戦時中は泳がされていたが、与えられる情報は虚実織り交ぜたものとなり、そのまま利用することは不可能となった。
(残念ながら原子爆弾の情報漏洩は止められなかったが)
外から得ることが不可能になったスターリンは、重爆撃機の独自開発を命令した。
最初からそうしろよ、と言いたくなるがともかくも計画は始動し1942年のPe-2墜落事故を奇跡的に生き延びたウラジミール・ペトリャコフ技師に白羽の矢が立った。

256 名前:モントゴメリー[] 投稿日:2023/06/03(土) 17:01:40 ID:116-64-135-196.rev.home.ne.jp [30/79]
【設計】
基本コンセプトは「Pe-8の欠点を是正し、かつ航続距離を延伸する」である。
まず、エンジンは新型のシュベツォフ ASh-73TK空冷星型18気筒レシプロレシプロエンジンに換装された。
このエンジンは2400馬力を発揮し、信頼性も実用レベルという申し分ないものであり
Pe-8の最大の弱点であったエンジンの馬力不足と信頼性不足はこれで解決された。
更に(何とか)アメリカから得た排気タービン過給機を追加し高高度性能も確保した。
また、接収したドイツの「アメリカ爆撃機」計画から与圧コクピットの技術も活用したので高高度飛行に問題は無くなった。
航続距離の延伸は機体規模を拡大し燃料タンクを増大させた。
確実ながら単純なこの方法が取られたのは、B-29のインテグラルタンクのコピーに失敗したからである。
また、空力性能の向上による燃費向上も図られた。この空力性能の悪さもPe-8の弱点とされていたのでペトリャコフ技師にとっても克服すべき問題であったのである。
爆弾搭載量は5トンから6トンへと増大されただけで、あまり変わっていない。
これは、航続距離の延伸が優先されたためであるが、6トンあれば原子爆弾を搭載は可能であるから問題なしとされたのである。
他は、基本的にPe-8を継承している。
(防御火器など)

【性能】
パイロットから最も喜ばれたのはエンジンの信頼性向上である。
独ソ戦初期にベルリン爆撃に参加した際はエンジントラブルで半数が失われるという惨状であったから、さもありなんである。
また、最高速度がPe-8から約100km/hも向上した点も好まれた。これだけでも生存率が大きく向上する、と。
(ミサイルの時代には誤差の範囲となるが)
肝心の航続距離は、約6000kmと約2倍になり片道攻撃ならばソ連本土からアメリカ本土への攻撃が可能となった。
(この事実にアメリカ上層部が狂乱したことは言うまでもない)
しかし、Pe-8の欠点を完全に克服することは出来なかった。
特に大きな主翼により生じる強い揚力により、方向転換時に機首が独りでに持ち上がるという悪癖はそのままであり安定性は低いままであった。
(低速時はさらに悪化するので着陸時は細心の注意が必要である)
されど安定性が低いということは、旋回性能が高いということと同義である。
この特性を活かし、満州戦争時には「鈍重な重爆」と慢心したアメリカ人パイロットの一撃離脱攻撃の初撃を回避している。


【評価】
Pe-10はアメリカのB-29と比較すると洗練されているとは言い難いが、冷戦期のソ連重爆撃機の礎となった欠くことのできない名機である。
また、余談であるが「敵への原爆投下に成功した最初の機体」という名誉も保持している。

257 名前:モントゴメリー[sage] 投稿日:2023/06/03(土) 17:02:11 ID:116-64-135-196.rev.home.ne.jp [31/79]
以上です。
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久々に635氏への支援ネタです。
以前話した「ソ連独自の重爆撃機」ですね。
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最終更新:2023年10月26日 23:44