139 名前:ホワイトベアー[sage] 投稿日:2023/08/19(土) 22:36:57 ID:157-14-230-150.tokyo.fdn.vectant.ne.jp [9/22]
日米陣営ルート ゲートネタ②

2017年8月8日 日本 東京都 首相官邸

「大日本帝国との交渉を公表してからこっち、平日休日問わずデモ隊やマスコミ達の狂乱は収まることを知らないな。どうやら日本には未だに暇人が多いみたいだ」

日本の行政のトップに立つ内閣総理大臣は呆れた様な呟きに内閣総理大臣の懐刀である官房長官は冷静に答えた。

「野党の無能達を忘れていますよ総理。
まあ、彼らがいくら騒ごうとも世論の大半も騒いではいますが野党がアレなので我々を支持しています。問題はないでしょう」

「そうだろうな。しかし、野党やマスコミ、それに今騒いでいる馬鹿達は友好的な関係を結ぶ以外にどんな対応を望んでいるんだろうな。
彼らがその気になれば我が国は再び国土が炎に包まれると言うのに」

「それを避けるのは政府与党の役割とか言って何も考えてはいないんでしょう。
そもそも無責任と無能を掛けて2で割ていない人間の集まりですよ。
例え彼らと戦争になろうが、国土が瓦礫に覆われようが、自らの首に刃が落とされるまで誰かに責任を擦り付けるでしょう」

「全く……まあ、幸いなのは前回の時とは違い世論がそこまでマスコミに振り回されなくなっていることか。
しかし、並列世界の大日本帝国と国交を結ぶ……か。全く、神の悪戯か悪魔の意思かわからんが、余計な仕事を増やして欲しくはないんだがなぁ」

総理大臣は最後に叶う筈もない願いを小さな声でだが呟いた。

彼らがこの様な苦労を負う全ての原因は数ヵ月前に発生した全日機行方不明事件の原因と思われる壁から突如として現れた2隻の軍用戦闘艦であった。

それらの艦は当時壁周辺にて警戒活動中であった巡視船「あきつしま」に対して大日本帝国海軍所属の「択捉」、「オウナラスカ」、「ウマクナク」を名乗り行方不明であった民間人の引き取りと国交樹立を前提とした交渉を求めてきた。

この要求を受けた日本政府内では受け入れるかどうかで大論争がおきたものの、最終的に総理大臣の決断で「択捉」、「オウナラスカ」、「ウマクナク」を海上自衛隊横須賀基地に受け入れた。

その後、日本政府は外務省や防衛省、自衛隊の”信頼できうる”人間を集めた交渉団を急ピッチで立ち上げ、「択捉」を名乗るフリゲートに乗っていた外交団とお互いの情報を擦り合わせる為の対話を開始していった。

この対話は双方ともに機密に当たらない一般的な情報を開示していく形で進められたが、日本帝国側が開示した情報は日本側を大混乱に陥らせ

「日本列島が大陸化していて人口がアメリカより多いとか冗談も大概にしろ!」

「第二次世界大戦がおきずにナチスドイツとソ連を盟主とする陣営と大日本帝国とアメリカを盟主とする陣営が冷戦中ってそれなんて仮想戦記?」

「工業力、GDPともに優にアメリカ越えているのですがそれは」

「何で70年代にアイパットやスマフォが存在しているんだよ!?しかもこっちでもまだ研究中の5Gへの対応を前提にしているヤツが!?」

「無人自動車がすでに実用化間近……だと……」

「マスドライバーが実用化されていて、核融合炉か試験炉ではあるが存在し、さらに恒久月面基地や軌道エレベーターの建設もスタートしているとかそれなんてSF?」

「再生治療が一般的なまでに普及しているのか!?」

「日露戦争でM3とB-17が運用され、第一次世界大戦ではM60とB-52を運用してるとかアホだろ……」

「イージス艦だけでもうち(海自)の全護衛艦より多いし、さらに全体の規模が米海軍を越えているんだけど」

「空軍も第5世代機が1,000機以上配備されているぞこれ」

「陸軍の規模も米軍を越えているのですが……」

と言った驚愕の反応を見せていた。

そもそも日本側の交渉団は当初、史実大日本帝国の延長線上の国家として考えていた。
だが蓋を開けてみれば並列世界の大日本帝国はアメリカもビックリの自由主義と資本主義を掲げる民主主義国家で、開国から常時世界最先端の科学力と世界最大の軍事力を活用して発展していたアメリカを越える超々大国兼覇権国家であったのだ。
むしろ大混乱程度で済んだ事を誉めるべきであろう。

一方で史実側から説明を受けた日本帝国側は混乱こそ無かったが、史実世界の技術力の低さや政治体制の違いに対して困惑はしていた。

141 名前:ホワイトベアー[sage] 投稿日:2023/08/19(土) 22:37:30 ID:157-14-230-150.tokyo.fdn.vectant.ne.jp [10/22]
「21世紀なのに主流な通信規格は3Gかよ……」

「あのアメリカで黒人大統領が誕生した……だと……」

「敗戦が切掛とは言え日本でも女性参政権が認められているのか……」

「未だに再生治療が実験レベルなのか」

「有人宇宙船が1隻もなくて宇宙開発とか行けるのか?」

「何で1940年代に世界大戦初期レベルの武器を運用しているんだよ!?」

「世界初の有人宇宙飛行実施が1961年!?」

「我が軍最新のF-65(F-35)相当の機体が21世紀世界でも最新とはな」

彼らからしたら自らより50年も先の世界の筈なのに使われている技術の大半は自分達と同じ程度であり、一部は劣ってすらいたのだからそれもそうだろう。

こうした情報は当然それぞれの政府上層部にも伝えられた。
当初の日本政府は日本帝国側が1970年代と言う情報しか知らされていなかったこともあって、大日本帝国を言い方は悪いが発展途上国となめていた。
大日本帝国との交渉もそうした認識を前提にして行おうとしていた。
しかし、幸運な事に本格的な交渉が始まる前に一連の情報を手に入れることに成功した日本政府は大慌てになりながらも、何とか正式な国交樹立交渉が始まる前に自らの襟を正す事ができた。

情報のすり合わせが完了し、日本帝国側と本格的な交渉を開始した当初は大日本帝国の事も含めた壁に関する全情報を調査中と言う名目の下に極秘にしていた日本政府であったが、そこはスパイ天国と呼ばれている史実日本である。
早々にこの情報はスッパ抜かれ、大々的に報道されてしまう。

これにより、史実日本(以後日本)はアメリカや中国と言った諸外国からこの交渉に自分も噛ませろと言う圧力を喰らうことになったが、日米枢軸側の大日本帝国(以後日本帝国)側があくまでも一対一の交渉を望んだ事からこれらの圧力を回避できた。

国内では情報が報道されるや否や情報がネットを利用して早急に国内を駆け巡り、ネットを中心に炎上や祭りと言った言葉ではとても表せない様な大混乱がおきていく。
一部特定野盗やプロ市民、マスゴミなど並列世界とは言え大日本帝国と言う名前に拒否感を覚え、日米枢軸側の大日本帝国に関して否定的な発言を繰り返す人間や組織も少なくない数が見られていた。

特に野盗やマスゴミの対応はひどく、日本帝国に対する虚偽の情報や自分の主観に則った的外れな批判などネガティブなプロパガンダを繰り返し世に広めていった。

幸いな事に前政権時のゴタゴタやSNSを含めたネットワークシステムの発展と普及によって影響力や信頼を失っていた野盗やマスゴミがいくら騒ごうが世論には対して響かず、また交渉においても大した障害と成らなかった。
もっとも、これは野盗やマスゴミのあまりに礼を失する行動をとる度に日本側の外務官僚や大臣などが多く日本帝国側に謝罪をしていたからではあるが。

ともかくとして、こうした日本の外交官や政治家達の立ち代わりもあって交渉は順調に進み、およそ2ヶ月ちょっとと言う極めて短期間で国交が平和裏に樹立された。
史実日本では上記の通りパヨクと野党による反日本帝国・反政権を掲げるデモを行う自由が守られた。
彼らはしばしばの休息と今後の混迷するであろう国際状況を乗り越える為の施策を考えられる時間を手に入れることができた。

なおこれは余談であるが、交渉の前に行われた情報のすり合わせで、壁の向こう側では現在(1970年)でも「民族自決?なにそれ美味しいの?」な植民地主義が日米陣営や欧州陣営を問わずにまかり通っている事を知った史実日本政府上層部と防衛省、自衛隊は、最悪の場合に備えて絶望的な戦力差がありながらも対日本帝国用の防衛政策を練っていく事になるがそれはまた別の話である。

142 名前:ホワイトベアー[sage] 投稿日:2023/08/19(土) 22:38:26 ID:157-14-230-150.tokyo.fdn.vectant.ne.jp [11/22]
以上、史実日本の反応でした。
次はヤンキーの反応になると思います!
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最終更新:2023年10月13日 13:28