278 名前:基盤屋[sage] 投稿日:2023/08/24(木) 22:01:03 ID:24.184.151.153.ap.dti.ne.jp [17/27]
日本大陸SS:首都圏外郭環状貨物線
首都圏外郭環状貨物線は、複数の鉄道会社の路線の組み合わせで構成される貨物線の総称である。
通称は外環貨物線。
1. 概要
帝都中心から半径100km圏内の主要な軍事拠点に対する、軍用貨物および人員の輸送用に設定された貨物線である。田浦駅 - 淵野辺駅間を除き、ほとんどの地域で国道十六号線と並走する。
ただし、一部路線について既存の旅客用路線に供用を受ける形での運行であることから、首都圏外郭における環状旅客路線としても運用されている。
運行主体は日本国有鉄道(国鉄)だが、一部路線については供用であり、貨物車両は主として軍の所有であるため、疑似上下分離方式ともいうべき状態にある。
2. 利用路線
経路を時計回りに辿ったときの路線と始点・終点にあたる駅を記載する。
左に路線名、右に駅名を置く。
行頭の記号で以下の通り分類される。
│本線
├支線
■既存路線
□新規路線
│■京急本線 馬堀海岸 ~ 汐入(元の位置から東に移転済)
│□国鉄汐入支線 汐入(京急本線) ~ 横須賀(国鉄横須賀線)
├□横須賀鎮守府専用線 汐入・横須賀 ~ 横須賀鎮守府内
├□久里浜倉庫専用線 横須賀 ~ 久里浜倉庫
│■国鉄横須賀線 横須賀 ~ 逗子 ~ 大船
├■相模運輸倉庫専用線 田浦 ~ 吾妻島方面
├□海軍空技廠専用線 田浦 ~ 海軍空技廠内
├■池子弾薬庫専用線 逗子 ~ 池子弾薬庫内
├■第一海軍燃料廠専用線 大船 ~ 第一海軍燃料廠内
│■国鉄東海道本線 大船 ~ 平塚
├□国鉄藤鎌線 鎌倉 ~ 藤沢
│■小田急江ノ島線 藤沢 ~ 本鵠沼
├□国鉄南辻堂支線 本鵠沼(小田急江ノ島線) ~ 南辻堂(新駅:辻堂砲術演習場最寄) ~ 茅ヶ崎(国鉄東海道本線)
│■小田急江ノ島線 藤沢 ~ 湘南台
│□国鉄湘南台支線 湘南台(小田急江ノ島線) ~ 綾瀬(新駅:厚木飛行場南西) ~ 相模野(相鉄本線) ~ 相武台前(小田急小田原線) ~ 北相武台(新駅:座間駐屯地北) ~ 淵野辺(国鉄)
├■厚木飛行場専用線 相模野 ~厚木飛行場内
├■相鉄本線 相模野 ~ 瀬谷
├■海軍資材集結所専用線 瀬谷 ~ 海軍資材集結所内
│■国鉄横浜線 淵野辺 ~ 新八王子(新駅:八王子東方)
├■相模陸軍造兵廠側線 淵野辺 ~ 相模陸軍造兵廠内
├■国鉄中央線 新八王子 ~ 立川 ~ 国分寺
├■国鉄武蔵野線 国分寺 ~ 北府中
├■陸軍燃料廠引込線 北府中 ~ 陸軍燃料廠内
├■国鉄青梅線 立川 ~ 中神 ~ 拝島
├■立川陸軍航空廠線 中神 ~ 立川陸軍航空廠内
├■福生飛行場引込線 拝島 ~ 福生飛行場内
│■国鉄八高線 拝島 ~ 東福生 ~ 箱根ヶ崎
│□国鉄入間川支線 箱根ヶ崎(国鉄八高線) ~ 豊岡町(西武池袋線) ~ 入間川(西武新宿線)
├■豊岡飛行場西引込線 豊岡町 ~ 豊岡飛行場内
├■豊岡飛行場東引込線 入間川 ~ 豊岡飛行場内
├■西武新宿線 入間川 ~ 北所沢 ~ 所沢御幸町
├■所沢飛行場引込線 北所沢 ~ 所沢飛行場内
│■西武新宿線 入間川 ~ 川越
│■国鉄川越線 川越 ~ 古尾谷(新駅:荒川近辺)
│□国鉄川越支線 古尾谷 ~ 大宮 ~ 岩槻(東武野田線)
│■東武野田線 岩槻 ~ 春日部 ~ 南桜井 ~ 川間
│□国鉄川間支線 川間(東武野田線) ~ 柏北部中央 ~ 柏
│■東武野田線 柏 ~ 新鎌ヶ谷
│■鉄道連隊松戸線 新鎌ヶ谷 ~ 北習志野 ~ 津田沼
│■鉄道連隊習志野線 北習志野 ~ 千葉
│■鉄道連隊下志津線 千葉 ~ 下志津
│■国鉄内房線 千葉 ~ 木更津 ~ 富津(新駅:富津砲台最寄)
│□富津砲台引込線 富津 ~ 富津砲台内
│□国鉄富観線 富津 ~ 馬堀海岸
国鉄と私鉄を結ぶ新線については、原則として「国鉄(私鉄駅名)支線」の名称になる。
ただし、途中で駅を経由するのみの場合は名称に含まない。
また、外環貨物線における本線であっても、原則として旅客路線に対する支線であることから支線と呼称する。
279 名前:基盤屋[sage] 投稿日:2023/08/24(木) 22:02:42 ID:24.184.151.153.ap.dti.ne.jp [18/27]
一部の路線・駅については以下に補足する。
├□国鉄藤鎌線
横須賀線鎌倉駅から東海道本線藤沢駅を結ぶ路線。
既設路線のままでも大船を経由すれば接続は可能だが、折り返しが必要であることから速達性に難があると判断されたため本線の敷設に至った。
□新八王子駅
横浜線・八高線の直通運転のため、八王子駅の東方に設置された地上駅。
本駅設置のため、中央線豊田駅 - 八王子駅間の経路は、豊田駅を出てすぐに西に曲がり、そのまま八高線に合流する形に変更されている。
│□国鉄川越支線
東武野田線との接続の関係上、川越線そのままでは「大宮駅を通り、かつ折り返しなしで直通する」ことは不可能であった。
このため、大宮駅および既存路線とは直行するような地下駅を設置し、東北本線との接続は大宮駅および東北本線西側から上がり合流する形となっている。
後に高崎通勤新幹線大宮支線、および宇都宮通勤新幹線大宮支線の経路としても利用。
古尾谷駅は、川越線と川越支線の分岐駅として新設された駅になる。
│■鉄道連隊松戸線
│■鉄道連隊習志野線
│■鉄道連隊下志津線
戦地や災害時の鉄道建設や修理、運転などを行う部隊として編制された鉄道連隊は、その本拠地を千葉に置いていた。
部隊自体の鉄道設備の運搬や保管、部隊の平時における訓練と技術伝承のため、いくつかの軽便鉄道の軌道を敷設したのが始まりである。
最初期は軽便鉄道だったが、国内の主要鉄道がほぼすべて標準軌となったこと、千葉に陸軍の関連施設が多数設置されたこと、物資輸送量の増大などの理由から標準軌で敷設しなおしたのが本線である。
国鉄への移管については、敷設理由と同様に訓練が必要であることから鉄道連隊所管のままになっている。
│□国鉄富観線
富津岬と観音埼の間、浦賀水道北端の海底を掘削した海底隧道(東京湾口隧道)を通る路線。富津・馬堀海岸以外の駅はない。
東京湾口隧道については後述。
陸軍の観音埼砲台と富津試験射場、海軍の横須賀鎮守府と木更津飛行場・館山飛行場への連絡線として機能している。
馬堀海岸を出てすぐ、小原台地下で北東方面に潜り、そのまま海底を抜けて富津駅に繋がる構造。
3. 経緯
首都圏に多数設置された陸海軍(後に空軍)の基地や研究所に対する輸送は、鉄道輸送によって行われるのが基本である。
貨物自動車などの導入は軍民問わず進んでいたものの、半径100km圏内という輸送距離に対する費用対効果の観点から言っても、鉄道輸送が依然として主流であった。
しかし、戦車や噴進弾、航空機部材など輸送すべき軍用資機材は大型化と大量化の一途を辿っていたうえ、経済発展に伴う民間の輸送需要の増大により、既存の貨物輸送網では早晩破綻しかねない、という状態にあった。
かといって、複線化・複々線化、輸送鉄函方式や高出力の機関車の採用というだけでは抜本的な解決とはならない。
そこで、軍用物資の輸送を行うための貨物線を、首都圏外の基地を結ぶ形で構築することで輸送量を分散させ、もって過密地帯である東京市内外の混雑を緩和させることを目指したのが本線である。
4. 路線整備
本線の特筆すべき点として、国鉄のみならず、首都圏郊外を通る大手私鉄五社の路線、さらに鉄道連隊線をも通る唯一の系統であることがある。
(余談ではあるが、既設の引込線を可能な限り接続し、かつ既設の路線を可能な限り辿るようにした結果だったとはいえ、そのための折衝がきっかけで軍官民における技術交流が促進されたとも言われる)
そのため原則として、既存路線は施設を所有する事業者が、新設路線は国鉄が主体となって整備を行うこととなった。
既存路線の整備に際しては、それまでの貨客輸送能力に維持するための複線化・複々線化、駅の移設や増改築も含めた工事を実施できるよう補助金を交付。
さらに敷設に関しては、鉄道連隊や陸軍工兵部隊、海軍建築局などが協力することで、機密の保持と事業者負担の軽減を行うという異例の体制を取っていた。
これは軍需物資の貨物線であることもそうだが、根本的に採算が取れるものではなく鉄道事業者にとり利益がなかったため、実地訓練を兼ねつつ軍事費で補填する必要があったためである。
なお、東京湾口隧道についてのみ建設省が主体となり工事を行っている。
5. 運用形態
運行主体は日本国有鉄道貨物局に設置された外郭環状線運営部である。
軍の輸送計画および各社の運行計画をもとに運行図表を作成し、それに基づいて貨物列車の運行を行っていた。
本線は軍需物資の輸送を主体としており、輸送内容に基づいて経由駅や時間・車両が決定する以上は物資の具体的な内容について把握する必要がある。
当然ながらその機密性から厳重な箝口令が敷かれており、退職後もほとんどの職員は業務内容に関する詳細を上記以上は明かしていない。
280 名前:基盤屋[sage] 投稿日:2023/08/24(木) 22:04:43 ID:24.184.151.153.ap.dti.ne.jp [19/27]
6. その後の影響
- 首都圏郊外に向かう貨物列車の大多数が都心部を通らなくなったことで混雑が緩和された結果、余裕が出来た各線の拡幅工事が進み、結果として更に混雑が緩和されるという効果があった。
- 当初は貨物輸送のみを行っていたが、軍官民から要望があり少量ながら旅客輸送も開始。これも想定以上の利用者が居たことで、維持費負担をかなり軽減することが出来ている。
- 本線が端緒となった「既設と重複する路線については、別事業者からも供用を受けることで用地買収の手間と敷設費用を減らす」という方式は後の通勤新幹線でも採用され、一部の経路(大宮支線など)がそうして完成している。
- 首都圏外郭を囲むかたちで線路が繋がり、かつ各所の基地などと直結したことから、有事に際して列車砲や弾道弾搭載車の機動的運用が可能となっている。
■東京湾口隧道
富津岬と観音埼の間、浦賀水道北端(東京湾口)を結ぶ海底隧道。
これより南方では急激に水深が深くなるものの、この近辺であれば深くても100m前後であるため、青函隧道と同様に海底隧道の掘削が可能と判断された。
断面は円形であり、上の半円部分に鉄道(国鉄富観線)を、下の半円部分に道路(東京湾口道路)および通信線・電線を通す構造になっている。
東京湾口を結ぶにあたり橋梁案と隧道案が提示されたものの、艦艇の大型化と対候性の観点から隧道案が採択された経緯がある。
本隧道が開通したことで東京湾口道路が通り、これをもって国道十六号線は環状線として完成。建設省の悲願のひとつが果たされることになった。
281 名前:基盤屋[sage] 投稿日:2023/08/24(木) 22:08:50 ID:24.184.151.153.ap.dti.ne.jp [20/27]
以上となります。
wiki掲載OKです。
……最初はほんの出来心だったんです。
「地図上に軍の基地とか飛行場置いたら色々イメージしやすくない?」って。
そうして場所を調べてみると、なんか路線が繋げられそうに見えたんです。
だいたい引込線もありましたし、鉄道繋がってると嬉しいですし(私が)
でまあ繋いでみたら思ったより綺麗に繋がったので、思い切って富津と観音埼を海底トンネルで接続しました。
で、記載内容の補強のために調査を進めたら、普通に史実にトンネル計画があったので盛り込みました。
そして「これ列車砲走らせられるんじゃね?」というひらめきがあったのでそれも盛り込みました。
その結果がこれです。
こちらが首都圏の路線図になります。
ttps://imgur.com/BFFyvj3
そしてこちらが通勤新幹線の路線図になります。
ttps://imgur.com/fssO9Oq
点線は史実にある路線、実線がSSで投稿された(史実に存在しない)路線です。
駅名は史実から変えてる部分も結構多いですが、一応ちゃんと由来があるもの……のはず。
最終更新:2023年10月11日 20:32