865 名前:トゥ!ヘァ![sage] 投稿日:2023/09/20(水) 18:01:27 ID:FL1-133-202-247-108.kng.mesh.ad.jp [53/109]
日本連合 日本 第二話

前回の予告通り今回は日中が戦争(という名の一方的な蹂躙)をしていたころに欧州の解説をしたいと思う。


当時の欧州を簡単に言い表すならポリコレ!難民!イスラム!といった感じである。

国家は諸々の問題に疲弊しており、従来の国民からの突き上げと上流階級による謎のポリコレムーブと、いつの間にか人口比で従来国民よりも移民、難民の方が上回って逆転していたりなど混沌としていた。

そんな中で台湾紛争における日米の敗退からの米国の海外戦力撤兵の決定。
これにより欧州の在欧米軍も順次本国へと撤退することとなりNATOによる安全保障体制は実質的に崩壊した。

無論日米中が激突している時点で世界経済なんぞは崩壊途中であり、欧州においても強い経済混乱が襲い掛かった。
こうして欧州が国内問題と経済不安と安全保障関連でてんやわんやしている最中で中露陣営も動いていた。

中国は日本へ戦争を仕掛けるために欧米には余計な口出しをしてほしくないという思惑からロシアと手を組み欧州で暴れるポリコレ派閥や移民、難民。更にマフィアなどに武器、資金などを秘密裏に援助。

日本との戦争が終わるまでの間、アジアに目を向けてくれなければそれで重畳と言った感じでの支援であったのだが、これが思わぬ効果を生むこととなる。



欧州崩壊

日中戦争の開幕と共に欧州ではこれまでの比ではない混乱が起こっていた。

世界経済崩壊の余波による失業者の増加、貧困の拡大。そしてその流れはアフリカでも変わらず、仕事を失った難民たちが相変わらず欧州に流れ続ける毎日。

その中で秘密裏に中露が流した武器は明日の食事すら困っている失業者や低所得層、そして人口比で逆転していた移民、難民に火をつけた。

始めは単なる暴動であったが、そこから警察署へと襲撃。武器を強奪。
そして本格的な反乱騒ぎ…強いては革命へと勃発した。

欧州中で似たような動きが起きている中、各国の政府は軍に鎮圧を命じたが、経済不調の結果軍備を削りまくっていたことが祟り、なんと各地で正規軍の敗退が相次いでしまった。

難民たちは倒した正規軍の装備を鹵獲し、戦力が更に強化され、中には不利を悟って革命側に寝返る部隊も出ていた。

この時点で支援をしたはずのロシアも目が飛び出るほど驚愕していた(同じく支援していたはずの中国はこの時点で日連にボコされていてそれどころではなかった)

明らかに支援した武器弾薬の数と革命軍が運用している武装の量が合わないのである。
古いAkは流した覚えはあるRPGやまして対戦車ミサイルなんて供与した覚えがない!

ネタ晴らしをするとこれらは中露が支援したものではない。
ウクライナ・ロシア戦争において敗戦したウクライナから流出した武装群がその原点である。

元々ウクライナ及びその周辺には欧州でも指折りの巨大ブラックマーケットが存在していたことは有名であったが、ウクライナの敗戦と共に崩壊した旧政府から大量の武器弾薬がブラックマーケット経由で欧州に流れたのだ。
中にはウクライナ正規軍が使っていたミサイルや戦車、戦闘ヘリまでも含まれていた。

それだけではない。日米中の経済トップスリーの激突による世界経済崩壊は各国の軍隊。
特にそこで仕事している兵士や指揮官たちの生活にも直撃していた。
元々給料が左程良くない国の軍隊では軍からもらえる給料だけでは生活できず、軍の装備を横流しすることが頻発していたのである。

これは経済が貧弱な中小国の軍隊や警察で顕著であり、中には兵器のパーツまで横流しているところも存在していた。

革命軍との衝突時に各国の正規軍が敗れた理由は、この敗戦したウクライナ及び貧困に喘ぐ軍人たちによる武器弾薬の横流し。
そして経済不調の結果正規軍の弱体化が続いていたためである。
そして給料も待遇も悪化していた国が多かったため、生活のために寝返った軍人も少なくなかった。

追加で中露が支援した資金を使ってマフィアがオランダやベルギーのブラックマーケットから大量の銃火器を購入し、ばら撒いていたことも革命軍の装備が充実していた理由の一つである。

866 名前:トゥ!ヘァ![sage] 投稿日:2023/09/20(水) 18:02:07 ID:FL1-133-202-247-108.kng.mesh.ad.jp [54/109]
こうして頼みの正規軍すら崩壊していき、次々と既存国家が倒れていった。
元々移民人口の多かった北欧諸国は一週間経たず政府が転覆した。
多数の難民を受けれていたドイツでは一日絶たずで陥落した。
一瞬で軍が壊滅したのである。革命軍側の方が装備が良かったのだ。
イタリアでは押し寄せる難民の群れに市民ごと軍隊が飲まれた。
バチカンは陥落し、他の国々の教会と同じく全てが破壊され当時の教皇は貼り付けとなり火刑に処された。
英仏では正規軍が比較的善戦しており、政府機関や王室などの保護には成功していたが、ロンドンやパリと言った首都は陥落しており、両国政府は国外脱出を余儀なくされた。

こうして日中戦争が終結する頃には欧州の既存国家の多くが滅亡し、新たな国々が誕生していた。

旧イギリスことブリテニスタン、旧フランスことガリアニスタン、北欧諸国はまとまってノースニスタンとなり、ドイツに関してはゲルマンイスラム国の名を掲げていた。

欧州の主要国家は軒並み移民、難民を主軸としたイスラムもどき系国家となり果てたのである。


これに慌てたのがロシアである。何せ資源売買のお得意様となっていた国々が気づけば滅んでいたのだから。
中国も死に、アメリカの内戦状態となった今ではまともにロシア産資源を買ってくれる経済力を持った国がいないのである。

辛うじてインドやブラジルと言った国々は余力はあるが、彼らも資源大国でありロシア産資源の大きな買い取り先とはならなかった。

それ以上に不味いのが安全保障体制である。
英仏の核兵器は両国政府が国外脱出する際に幾らかは確保されていたが少なくない数が革命政府に確保されていた。
更に言えば原発関連も革命政府の手の中である。

これだけでも頭が痛いのに最大の問題は樹立されたイスラム革命諸国の経済であった。
彼らは生活のためにと革命を起こしたはいいが経済の素人。更に言えば世界経済は絶賛崩壊中であり、当分の間は改善されることはないだろうということが推測された。

元々自分たちの生活のために革命を起こしたというのに、その生活が保障されないのであれば民衆の怒りの矛先はどこに向かうかと言えば現在の革命政府たちだ。
では怒りを向けられそうな革命政府が何をするかと言えば、その矛先を他国に向けるしかない。
つまりは他国への出兵と略奪である。

その矛先は間違いなくロシアに向く。何せご近所を襲っても奪えるものがろくにないのだから。

元々革命の申し子(ソ連)の後継者であるロシアは彼ら経済音痴のイスラムもどきな革命ごっこ政府のことを良く理解していた。

次狙われるのはロシアであると。だって自分たちが同じ立場ならそうするのだから。


ロシアにとって幸いなのが欧州全てが敵に回ったわけではないという点だろうか。

ポーランド、スロバキア、ハンガリー、ルーマニア、ブルガリア、トルコ、フィンランド、バルト三国と言った国々は革命と呼べる規模にならなかったか、上手いこと鎮圧に成功していたのである。

これはウ・ロ戦争の結果ロシアへの警戒心を増した結果軍備増強と準戦時体制を維持していたためであった。

しかし革命を回避したは良いが、西欧諸国は軒並み暴力革命の波に飲まれ、経済も不調が続いていく中ではいつ再び革命が起きるか、または新政府群による十字軍もどきに襲われるか気が気でないのが本音。

そして金はともかく食い物と資源だけはあり、革命国家群を警戒している国が彼らの後ろにいた。

867 名前:トゥ!ヘァ![sage] 投稿日:2023/09/20(水) 18:02:52 ID:FL1-133-202-247-108.kng.mesh.ad.jp [55/109]
20XY年。ロシアが上記の国々への軍事支援を決定。
同時に資源や食料のやり取りも再開。
続いてアイスランドに避難していた英仏亡命政府及び北アイルランドを“保護”していたアイルランドもこれらの取り組みに加わることなる。

欧州広域支援機構(European Organization for Regional Support) 通称EORS(イオロス)が発足された。
目的は革命政府群への対抗及びできれば国土の奪還である。

参加国家はポーランド、スロバキア、ハンガリー、ルーマニア、ブルガリア、トルコ、フィンランド、バルト三国、ベラルーシ、ウクライナ、モルドバ、アイスランド、アイルランド、ロシア。
そして英仏を中心とする亡命政府群。

亡国または滅亡の危機に脅かされようやく欧州は一丸になったのだ。


そしてそれだけではなかった。
英仏亡命政府及びポーランドを中心とする東欧諸国は日連と交渉し、彼らが運営している日連系PMCの雇用契約を取り付けることに成功。

各国の国境警備や軍事教練など依頼していくこととなる。

以降の欧州では国境において度々EORSと革命政府連合による武力衝突が勃発。
そして数年後に本格的な全面衝突を迎えることとなる。




次回予告

世界警察に疲れ果て戦争から逃れたアメリカを待っていたのは、また地獄だった。
ポリコレの名のもとに住み着いた傲慢と暴力。
行き過ぎたリベラル思想が生み出したソドムの国。
差別と格差、失意と貧困とをコンクリートミキサーにかけてブチまけた、 ここは北米大陸のゴモラ。

次回 合衆国内戦  次も地獄に付き合ってもらう。

868 名前:トゥ!ヘァ![sage] 投稿日:2023/09/20(水) 18:03:36 ID:FL1-133-202-247-108.kng.mesh.ad.jp [56/109]
〇説明

  • ロシア
「ち、ちが…こんなつもりじゃ…こんなことになるなんて…」
そうだ。ロシア。お前がやった。

ウ・ロ戦争の負債から中国のポチ公だった時期に欧州に武器を流した元凶の一人。

とはいえ流した武器や資金の量などたかがしれており、実際にはウクライナが敗戦したときに流れたものと元々現地で飛び交っていた銃火器や横流し品の類が革命の際の主力であったが、肝心のロシア君はそんなこと知らない。

とはいえ火つけの理由の一つなのは確かであるため、原因一人ではある。

中国が死んで借金返す必要がなくなったぜ!と喜ぶのもつかの間、欧州にとんでもないイナゴ集団が誕生してしまった。

このため仕方なく敵対視しあっていた東欧諸国や英仏の亡命政権などと手を組みEORSを結成。
革命イナゴに備えることとなる。

なお当のロシアの軍事力はウ・ロ戦争の際にズタボロとなっており、現在は動員解除したこともあって正直張り子の虎以上にはなっていない。

戦力が回復するのは旧中国紛争地域へ介入する数年後を待たねばならない。



  • EORS
欧州広域支援機構。略称EORS。読み方はイオロス。
NATO、EUに変わる新たな欧州連合である。

リベラル革命と呼ばれる一連の出来事で旧西欧諸国が軒並み崩壊した結果残った東欧諸国とロシアと西欧亡命政権ズと他細々した国々で発足された。

主に新しい経済市場の形成と革命諸国連合に対抗するための軍事同盟を目的としている。

旧東欧諸国+αはウ・ロ戦争の結果ロシアを警戒して準戦時体制を続けていたため戦力が充実しているが、同戦争の結果主力の過半を失ったロシアと革命により戦力の大半を失った亡命政権ズに関しては戦力としては数えられておらず。
もっぱら戦時体制を続けている旧東欧諸国+α(フィンランドやトルコなど)が主戦力となっている。

ここにロシアはウ・ロ戦争中に発足したドローン軍団を、英仏亡命政府は逃げ出す際に持ってきた海軍戦力などを提供している。


自国の戦力体制が貧弱であることは共通認識であったため中国が死んで手持無沙汰になっていた日連のPMC各社を誘致し、国境警備や軍事教練の任務についてもらっている。
あわよくば日連の支援を得たいとも考えているが、当の日連は欧州の出来事に興味がないため袖にされ続けている。

「だって遠いし。経済的な旨味も少ないし。核撃たれても衛星軌道で迎撃できるから脅威にならんし」
というのが日連の回答である。


現在は革命諸国と睨みあいながら国境線上の重陣地化を進めている。



  • 革命連合
リベラル革命により既存の欧州諸国を打倒して生まれた新国家群の総称。

ブリテニスタン(旧イギリス)、ガリアニスタン(旧フランス)、ゲルマンイスラム国(旧ドイツ)、ノースニスタン(旧北欧)、聖イスラム(旧イタリア及びバチカン跡地)、レコンキスタ共和国(旧スペイン)などの国々とその他多くの中小国が存在している。

生活のために始まった一連の革命はリベラル革命と呼ばれ、既存政府の大多数を打倒したが、生活の安定には程遠いのが現実。
直接取り除けない原因であり、更に新政府関係者も勢いでなった素人ばかりであるため、なんの問題解決もできていない。

現在は革命の際に旧政府及び上流階級から収穫した資産を配ることで落ち着かせているが、遠からず破綻するのは目に見えている国ばかり。

このため彼ら革命政府群は現状資産や資源を持っていそうな旧東欧諸国やロシアへの東進、またはトルコやサウジと言った国々への南進を目論んでいる。


数年後のEORSとの全面衝突の際には革命に反発的な犯行分子や旧政府や元上流階級者を突撃させる。
略奪許可と薬物の配給によりハイになった元難民や低所得層による第二突撃。
そして最後に旧政府から奪った兵器を装備した正規軍もどきによる三段物量戦をぶつけることとなる。

なお革命連合的には邪魔な反乱分子とごく潰しが減るので食料その他の在庫のやりくりしやすくなるくらいにしか考えていない。

またこれら革命政府に対して北アフリカの軍事国家群などが支援を行っており、わざと残りの欧州諸国とぶつかるように誘導しているとの噂も存在している。

869 名前:トゥ!ヘァ![sage] 投稿日:2023/09/20(水) 18:04:42 ID:FL1-133-202-247-108.kng.mesh.ad.jp [57/109]
投下終了

日連「どうして正規軍が負けているんだ?」

ロシア「どうして正規軍が負けているんだ…」

欧州「どうして正規軍が負けているんだ!?」

革命軍「どうして正規軍に勝てたんだろう?」


今世紀最大の謎!!!
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最終更新:2023年12月09日 12:32