471 名前:弥次郎[sage] 投稿日:2022/04/13(水) 21:30:43 ID:softbank126041244105.bbtec.net [2/103]

憂鬱SRW ファンタジールートSS「ゴート・ドールは踊らない」証言録2


「えっと、扶桑の料理ってあります?」
「もちろん。ガリア、ヴェネツィア、ロマーニャ、カールスラント、スオムス、イスパニアと各国の料理を揃えていますよ。
 ただ、ブリタニア料理はお勧めできませんけど」
「あはは……お茶の時だけにしますね」

  • 食堂にて、祖国の味を注文した芳佳。各国から人が集まるがゆえにエネラン戦略要塞の食事事情は国際色豊かだった。



「わっ、男の人がたくさん……」
「ちょっと怖い」
「いや、同じ訓練するんだからさ…」
「でもぉ……」
「貴方、先行って頂戴」

  • ウィッチ候補生たちとウォーザード候補生たちの合同演習にて。男慣れのしていないウィッチたちはどうしてもしり込みしてしまう。




「覚悟はしていたがな……同じ戦場に立つと、こう、な」
「わかる。ブリタニアの連中がウィッチを嫌がって、あのバカな大将の援助をしたのが何とかく理解できる」
「ウィッチにお近づきに慣れるなら問題ないけどな」
「お前……」

  • 同じくウォーザード候補生たち、成人している彼らからすると同じような環境で轡を並べることに少なからず忌避感を覚えてしまう。



「なるほど、ウィルマ・ビショップも『候補者』かもしれない、と」
『あくまで可能性の話ですよ、大佐』
「だが、卿らの『虚憶』はとても有用で、外れたことが少ないからな」
『あくまでも虚憶にすぎません。我々が接触し、影響を与えたことで、容易く推測される未来は変わってしまうのですから』
「だが、実際に彼女の能力は本物だ。候補者どまりかもしれないが、多くの戦場を生き抜いてきた能力は評価に値する」
『…わかりました。ただ、我々もすべてを保証できるわけではないことをご承知おき下さい』
「勿論。そこを含めて、卿らは頼りになるということだよ。夢幻の住人達」

  • リーゼロッテと夢幻会の連絡役の通信。外伝とはいえ主役を張っていたウィルマは少なからず注目を集めていた。



「わ、すごい……ネウロイそっくり」
「これが仮想敵なんですか?」
「そう、挙動も収集されたデータを基にしている。
 たまに違う動きをすることもあるから、訓練になるだろうとの判断で配備された」

  • 多種多様なDNDやBNDなどを前にしたウィッチ候補生やウォーザード候補生たち。平成世界を超えたテクノロジーに驚きを隠せなかった。




「首相、ティル・ナ・ローグへの派遣枠の件ですが」
「どうだった?」
「枠の譲渡を打診した国も、ティル・ナ・ローグの方も受け入れるとのことです。
 特に枠を欲する国は多いようでして、カードとしてちらつかせるだけで飛びついてきたと」
「それはよかった。とはいえ、切れるカードの枚数は限られている。
 気前良く分けすぎて、自国のウィッチ教育を怠るわけにもいかんからな。外務省にはそこをよくよく伝えてくれ」
「かしこまりました」

  • ブリタニアでの会話。各国への補償や補填を行うため、ブリタニアは切れるカードを切らざるを得ない状況にあった。



「姉妹制度?」
「ウィッチの教育課程において、先任が後任の教育や相談事などにおいて面倒を見る…」
「少人数のグループを作っての共同訓練もあり…」
「面白そうだね」
「でも、自分だけでも忙しいのに、後輩の面倒も見るのは大変かも…」

  • ウィッチたちに通達される教育課程における「姉妹制度」。反応は様々。

472 名前:弥次郎[sage] 投稿日:2022/04/13(水) 21:31:22 ID:softbank126041244105.bbtec.net [3/103]

「……ッ!むりぃ!」
「ここまでか……5分と持たなかったな」
「こ、こんなきついのが訓練になるん、ですか……!?」
「ああ。負荷がかかった状態でも平静を保てるかどうか。集中力をいかに持続させるか。
 まさか戦場でのんびりと魔法を行使する余裕があるわけがあるまい。肉体的にも精神的にも疲れや負担がある中だ。
 むしろここは好条件すぎるくらいだぞ?」
「かといって妨害は聞いていないです……」
「30分どころか1時間耐えたものもいる。慣れることだな」

  • 魔力の循環訓練を受けるウィッチとリーゼロッテ。目ぼしいウィッチはリーゼロッテ自ら訓練を課していた。




「あううう……ここどこぉ……」
「……あれ同じところに出た?」
「えっと、地図は……え?ここじゃない?」

  • 広く複雑な建造物であるエネラン戦略要塞内部では、慣れていないストパン世界の住人が迷子になることもあった。



「やっぱり出たか迷子」
「第一陣の時点でそうだったし…案内役ドローンの出番かな」
「ただ、それでも自分の勘で動いて列から離れちゃう人もいるみたいで…」
「それ迷子になる典型例じゃね?」

  • 並行して動員される案内役ドローンの準備をしながらティル・ナ・ローグのスタッフたち。




「こんなに勉強しないといけないなんて……」
「魔法ってここまで複雑だったの…?」
「ううっ……ページがたくさんあるぅ……」

  • なんとなくで魔法を使ってきたウィッチたち、一つの体系として整理された魔導理論には大苦戦。



「………死ぬ、死んでしまう……」
「地球連合が我々の先を行くというのは想像していたが……ここまでとは……」
「生きているか後輩共、まだまだここからだぞ!」
「その通り!まだ別世界の扶桑(日召日本)クラスを超えたばかりだ!ハハハハ!」
「科学の進歩は時代の進行に比例するのではなく、累乗的に進歩していくというらしいぞ!
 ここで転んでいては先に進めないぞ、分からなければ聞くといい!」

  • 同じく時代の差で躓く技術者や学者たち。国力底上げのため、魔導以外の教導や教育も強力に推進された。



「聞きましたか?アイスランドの件…」
「ああ、保養地と演習場を作る話でしたか?」
「ここでは息が詰まるというのはわかり切っていた話でしたからね…でも今更ですか?」
「ここが稼働しだして最初のころは予算がね…」
「ああ、そういうことか。やっと目途がついたのか」
「人工物に囲まれたここだとリラックスできないってのもあるんでしょうね」

  • エネラン戦略要塞スタッフたちの会話。ストパン世界各国の了承を得て、アイスランドに保養施設や演習場の建設が始まることに。

473 名前:弥次郎[sage] 投稿日:2022/04/13(水) 21:32:09 ID:softbank126041244105.bbtec.net [4/103]

「ああ、そうだ宮藤軍曹。忘れるところだったが、演習ではこっちのストライカーユニットを使ってくれ」
「これを…ですか?」
「うむ、先だっての検査で、卿の魔力の量と質が以前から大きく進化している。
 ここでの訓練と適切なケアを受けた結果、身体がより最適化されたのだろうな」
「そう、ですか?」
「あまり自覚はないだろうがな。下手なストライカーユニットを使うと…おそらく相当意識しなければ、その魔力で壊してしまう」
「ええっ!?」
「ということで、対策としてこの特別製の訓練機を使ってくれ。
 ただし、決して他人には使わせるなよ?卿には耐えられても、他人では耐えられない負荷を意図的に掛けるように設計してある」
「あ、はっはい!」

  • 訓練とケア、食事などで素質を引き出されていく芳佳は、数週間と経たずに魔力の量や質が飛躍的に向上していった。そのため専用機が割り当てられることに。




「こんなに武器が……」
「すごいたくさんある」
「元々はMPF用に開発したものですが、ウィッチなどでも使えないかということで用意されました。
 一応使えるものとして選定もしくは改造されていますので、実験をお願いします」

  • MPFの武装の一部はウィッチ向けに使われることも検討され、訓練で使用された。



「こんな変なのを背負っていくんですか?」
「傍目には重そうですけど、搭載されている演算宝珠によって軽量化されています。
 空気中のエーテルから自前で稼働の魔力は獲得するので、魔力量に影響はありませんしね」
「へぇ…」
「ただし、魔導理論の座学と実技で点をちゃんと取った方でないと使用許可は出さないとのことです」
「そんなぁ……」
「実技はともかく座学がぁぁぁ!」

  • ウィッチにも浸透し始める魔導武装。しかし、扱いにはきちんとした知識と訓練が必須だった。



「あの、すいません。ウィルマ・ビショップ軍曹、ですよね?」
「ええ。あなたは?」
「私、501JFSから転属してきた宮藤芳佳軍曹です!えっと、リーネ…じゃなくてリネット・ビショップ軍曹に大変お世話になりました!」
「ああ、あなたがあの!リーネが手紙で言っていた扶桑から引き抜かれた子ね!」

  • ウィルマと芳佳、訓練の中で邂逅することに。




「まったく、苦労したものだ……この私に1年以上かけさせるとはな」
「ですが、これで?」
「わからん。まだ実戦で試していない。理論上はこれで坂本少佐の魔眼を再現している。
 前線での試験運用をしてもらって、そのフィードバックが必要だ。その精度も含めての情報もな」

  • 1943年末、坂本のコアを見抜く魔眼を再現したスコープのプロトタイプがシティシスにて完成。即座に実践テストに持ち込まれることに。

474 自分:弥次郎[sage] 投稿日:2022/04/13(水) 21:32:39 ID:softbank126041244105.bbtec.net [5/103]
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最終更新:2023年10月13日 18:25