969 名前:奥羽人[sage] 投稿日:2023/10/25(水) 19:24:10 ID:sp1-79-89-99.msb.spmode.ne.jp [2/4]
近似世界 【高初速試験砲】
[自走式超々高初速射出技術検証システム“ヤシマ”]
全長:33.2m(砲車)
24.8m(電源車)
重量:71.5t(砲車)
最高速度:50km/h(砲車)
主砲:500口径30mm多段加速式超軌道砲
2010年代後半に防衛装備庁高等開発局が主導し、試験的に製作された先進技術検証用超々高初速飛翔体投射システム。
全体としては砲車と電源車の2両で1セットとして扱われている。
砲車は、戦車輸送用の特大型運搬車の荷台を流用した車台に限定旋回が可能な砲システムを搭載している。
電源車は荷台にユニット化された大容量キャパシタと小型原子炉コンテナを搭載しており、砲車に電力を供給する。
どちらも最低限の装甲が施されており、これは攻撃を防ぐというよりも、砲発射時の衝撃波から車体を防護するためのものである。
発射プロセスとしては、先ず砲口皮膜にて砲身を密閉し真空状態にすることが前提となる。
第一段階としてヘリウムガス等の軽量なガスを電磁加速式高速ピストンで強烈に圧縮し、流体シリンダーのピストンヘッドを加速。
第二段階として、俗に言う宇宙鋼などの特殊構造用金属によって作られた流体シリンダーに充填された圧縮性の低い液体がピストンヘッドによって小直径バレルに前進し、ベルヌーイの定理に従って流速を高めながら弾体を加速。
副次効果として、極めて高速で圧縮された流体が瞬時にプラズマ化して膨張、核融合炉の磁気封じ込め技術を応用したシリンダー保護機構によってある程度の指向性を与えられることで、弾体の加速にある程度効果を寄与する。
第三段階として、バレルを前進してきた弾体を一般的な電磁誘導方式で再加速し、十分な速度に達した弾体は砲口皮膜を突き破って投射される。
その砲口初速は推定20~25km/sにも達する。
最大の脅威はその弾速であり、もし十分な耐熱性・対損性を持つ弾体を自転・公転方向に発射した場合、地球重力はおろか太陽の引力圏を振り切って恒星間空間に到達してしまう。
言うまでもなく破壊力は絶大であり、APFSDS弾芯のような形の無尾翼ダーツ形状の投射体直径は僅か30ミリでありながら(逆に言えばこのレベルの小型弾でなければ現状技術的に困難)水平発射時の大気圏内弾道終端での運動エネルギーですら100メガジュールを超える。
尚且つ圧倒的な弾速によって弾頭先端から発生する超高温高圧の断熱圧縮プラズマ化大気層によって、アクティブ防御システムに用いられる指向性エネルギー兵器のエネルギーを吸収、散乱させてしまう為、現状の装甲・防護技術では事実上防御不可能とされている。
その重力による放物線弾道が望めない高初速の為に間接射撃能力は持たないが、異常な程の速度により直接照準射撃能力は圧倒的であり、適切な射撃管制システムさえあれば地上(海抜0メートル地点)から低軌道衛星を狙撃することも可能とされている。
反面、トレーラーによる運用の為の小型化によってかなりタイトな全体設計となっており、射撃時の投射システム各部位や駐退復座ユニットに掛かる機械的負担は大きく、大抵の場合は第一射で砲身もしくはシリンダー部が破損もしくはプラズマ化流体の圧力によって破裂。第二射の成否は賭博、第三射が撃てれば奇蹟といった具合である。
また、トレーラーや運用人員自体に対する初速による副次被害が発生する可能性があり、発射時には適切な防護手順の遵守が求められている。
元々は、宇宙進出に伴う対デブリ防護対策……高速デブリ突入時の条件を再現する為の高速衝突実験用に製造された衝突体射出機が母体であり、その研究成果を流用して超高初速砲として設計された。
現在、軍ではこの種の兵器の利用法を模索している段階である。
(通常目標への攻撃の場合は流石に過剰性能な弾速であり、弾道弾迎撃兵器としては連続射撃能力の低さが懸念されている。事実、開発者の一人は「空飛ぶ要塞が相手でもなければこれ程の物は必要無い」と言っている)
970 名前:奥羽人[sage] 投稿日:2023/10/25(水) 19:28:31 ID:sp1-79-89-99.msb.spmode.ne.jp [3/4]
以上です。転載大丈夫です。
仕事中の現実逃避中に「そういえば結構前にライトガスガンと電磁誘導組み合わせて微細ペレットを秒速十数キロまで加速できそうとか聞いたことあるな」とぼんやり考えたので大陸日本パワーならまぁ30ミリ砲弾くらいなら不自然にもならないだろうとなんとなく考えてた事を書きました
最終更新:2023年11月03日 20:15