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    銀河憂鬱伝説    シマヅ戦記


  自由惑星同盟第14艦隊旗艦『???』


「結局ダメでしたねシマヅ提督」

「ああ、まさか初手でフォーク准将が出した案ば出して即議決を求めてくっとは思わんかった」

「レベロ議長がシトレ本部長に謝罪してきたときの絶望した顔が忘れられませんよ」

「まったくじゃ、こんまで腐っとったとは」

「帝国との戦いに反対するのは売国奴と言って議論まで封殺するとは。
民主主義の否定ではないですか」

「だからちて、政府が決定ばしたからには出兵して戦わんとかん、今おいらがすべきはいかに国にかかる被害ば減らすこっじゃ」

怒りを押し殺しシマヅとシマダはシトレ本部長に呼ばれ、出兵が決定されたと伝えられた時のことを思い出す。



「すまん、シトレ」

「レベロ委員長にホアン委員長、トリューニヒト委員長がいても止められなかったのですか?」

「サンフォード議長を甘く見ていた、派閥争い主導権争いは君たち軍だけでなく、むしろ我々政治家にこそあるという点を低く見積もりすぎた私の落ち度だ」

「トリューニヒト委員長…」

苦い顔をするトリューニヒトに言葉を失うシトレ。

今この場にいるのは出兵案を阻止するべく手を結んだ、トリューニヒト、レベロ、ホアン、シトレそしてそのための策を考えたシマヅとシマダの6人だった。

「予算の方からのアプローチはできなかったのですか?」

死んだ子の齢を数えるようなものだとしてもシマダは聞かずにはいられなかった
それにレベロは

「開口一番だった、『今軍より大規模な出兵案が出ている』と議長が言ったのは、この時点でシトレ元帥、君から出された案は出せなくなった。出したとしたら悪手になっていただろう、この出兵案は軍部並びに国防委員会も賛成していることになってしまう」

レベロは言う
「私は即言ったよ、今の財政状況では不可能だと。だがウィンザーに『帝国を打倒して帝国の圧政に苦しんでいる帝国市民を助け出す大義の前には些細なことだ』と言われたよ、あとはもうお察しの通りだ、議論するまでもないと即議決を取られたよ」

失望、ではない。絶望がこの場を支配した。

「シトレ元帥、もうこうなったら君らが頼りだ。この出兵による同盟に対するダメージを可能な限り少なくしてくれ。
私も国防委員長としての権限を尽くしてそれに答える」

頭を下げながらトリューニヒトはシトレに頼んだ

「わかりました、私も全力で事にあたりましょう」


溜息しか出ないとはこのことだった、よく考えれば当たり前と言っていいトリューニヒトの同盟国民の人気はサンフォード議員を大きく上回る。そのトリューニヒトがレベロやホアンとしばしば会合を行っている。このことを知ったサンフォード議長は拙速でも出兵案を出して政権での主導権を奪いたかったのだろう。派閥力学で政権を取ったと言われるサンフォードだが、いや、だからこそ我らの動きに気付いたのだろう。風見鶏は風向きに敏感でなければならないのだ。

「提督、とりあえず頭を切り替えましょう」

「ほいじゃな」

「切り替えたところでお尋ねしたいのですが…この艦の名前を考えたのは誰ですか?」

「おいじゃ、なかなかよか名じゃろう」

「いい悪い以前です。なんで艦の名前が『ゴジラ』なんですかぁぁぁ!!!」

「なんばいうちょる、怪獣王にして破壊の化身じゃぞ」

「ほかの艦の名がギリシャ、ケルト神話で統一されている中で、特撮の怪獣はいくら何でも悪目立ちしすぎです!!!」

こいつもあの変態(夢幻会)と同種の人間かぁぁぁ。返せ、今までのシリアスな展開を返してくれ。
心の中で血涙を流しながら吠えずにはいられなかった。

837:冷石:2023/10/26(木) 12:03:02 HOST:p432200-ipngn200305gifu.gifu.ocn.ne.jp
とりあえず今日は短めですが以上です。wiki掲載はご自由に
第14艦隊旗艦の名前は最初は「YAMATO]にしようと思いましたが(もちろん宇宙戦艦の方です元になったのは)
よりインパクトを求めてこれにしました。謝罪はしますが賠償と著作権料は…

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最終更新:2023年11月10日 22:25