27:194:2023/11/10(金) 21:21:00 HOST:KD106155008144.au-net.ne.jp
現代日本大陸化&銀連神崎島クロスSS ある日、日本が『超』大陸と化してしまった件サードシーズン?特別番外編 サードシーズン中のウマ娘達の出来事 その31


赤坂「雨天続く六月。この日は曇天ですが、雨の影響でバ場は生憎の重バ場なここ東京競バ場」

赤坂「GⅠ安田記念、1600mの戦いが間もなく始まろうとしています」

赤坂「実況は私、赤坂。解説は川本 晃(かわもと あきら)さんです。よろしくお願いします」

川本「よろしくお願いします」

赤坂「川本さん、今回のレースをどう見ますか?」

川本「今回のレースですが、連日の雨でバ場で悪くかなりの苦戦が予想されます」

川本「その中で重バ場に強いウマ娘達が有利かと思われます」

川本「ブラストツインエスやファイネストエイチ、更にはヴィブロローラーやバーニングビーフが、重バ場に強いという評価がされています」

赤坂「ですが、バーニングビーフは距離の面で不利では無いでしょうか?」

川本「そうですね。短距離での加速に難があると言われていますからね。今回のレースは、苦手とされる1600mの戦いとなります」

川本「その不利を如何にして克服するのか、そこがこのレースの分かれ目になるかと思います」

赤坂「ありがとうございます。最後に残ったデクスターがゲートイン。各ウマ娘、態勢が整いました」

28:194:2023/11/10(金) 21:21:31 HOST:KD106155008144.au-net.ne.jp
ガッチャン


赤坂「スタートしました。レッドブラストジーがやや出遅れましたが、他は出遅れ無し。おや?」

赤坂「バーニングビーフが大外・・・外ラチギリギリに遷移しました。これはどういう事でしょうか?」

川本「暴走では無いと思いますが・・・何かの作戦でしょうか・・・?」

赤坂「さぁ予想外な展開が続きますが、現時点での各ウマ娘の位置を見ていきましょう」

赤坂「先頭はブラストツインエス、二バ身離れてファイネストエイチにヴィブロローラー・フォースブレード・クエイクハーケン」

赤坂「そこからニバ身離れてダイナエフブレードにデンジントウ・スパインドライバー、大外にバーニングビーフ」

赤坂「一バ身離れて後方集団。フォースアックス・ブラストホールエス・フラッシングスピア・ジャックハンマー」

赤坂「更に半バ身離れてガリオン・デクスター・ヘルフレイムアール・プラネットジーシー・レッドブラストジーの順となっています」

赤坂「各ウマ娘、順位は変わらないまま第三コーナーへ。下りという事も有り、少しずつスピードも上がっています」

川本「外へと膨れない様に、注意したい所ですね」


第二コーナー出口手前800m付近。
南坂がストップウォッチを止めて、タイムを見る。


南坂「・・・45秒1。何時もより速度が乗っています」

トリー「・・・トレーナーさんの、狙い通りですね」

イクノ「・・・あのような策で、加速する為の距離を稼ぐとは。まさに逆転の発想ですね」

29:194:2023/11/10(金) 21:22:01 HOST:KD106155008144.au-net.ne.jp
本来、彼女のトップスピードは決して遅くはない。寧ろチーム全体で見ても速い方なのである。
だが、追い込みウマ娘の常として短距離での加速力に難が有るのも確かだ。レースゲームで例えると「最高速度が速い代わりに加速が遅いマシン」という奴だ。
しかし逆に言うならば、加速し切れる距離さえあればより早く走り抜ける事が出来るのだ。
問題は加速し切れるまでに使える距離。彼女が1600mのレースで、幾度も悔し涙を呑んで来た一番の要因もそれだ。
ならばどうするか。
そこで南坂が考えたのが、本来有利とされる内側ではなく、敢えて余分に距離を走る事となる大外・それも外ラチギリギリをで走るという、逆転の発想だった。
そう、今回南坂が用意した策。それは、

敢えて外ラチギリギリを走る事で疑似的に走行距離を伸ばし、加速する為の距離を稼ぐ

という物だった。
普通なら余分に走る分だけスタミナを消耗する事から、基本的に回避するのが推奨されている。
だが、南坂はそこを突く事を選択。副産物として、バ群に飲み込まれて抜け出せなくなって沈むと、いう事態も回避する事に成功している。
勿論、それで稼げる距離は決して多くは無い。せいぜい数十m程だ。
だが、その数十mの距離が彼女の更なる加速を可能としている。短い距離に泣かされてきた彼女の姿は、そこには無かった。


カナ「せやが・・・問題はここからや」

ネイチャ「全力で加速しなきゃいけない事には変わりないから、普段以上のハイペースが要求される。果たして、ゴールまで彼女のスタミナが持つかどうか」

ターボ「持つに決まってる!今まで沢山特訓して来たんだ!ビーフは必ず勝つ!」

レインボー「・・・ターボ先輩の言う通りね」

ブリッツ「・・・信じよう。奴のスタミナと根性を」

スラテン「ビーフちゃぁぁん!!頑張れー!」

ニンスナ『必ず勝つでござるよ!!』

マチタン「行けーーーー!!」

30:194:2023/11/10(金) 21:22:33 HOST:KD106155008144.au-net.ne.jp
チームメンバー達が必死に声援を送る。
出走ウマ娘達が第三コーナーを超えて最終コーナーへと侵入。最後の攻防戦が始まった。


赤坂「各ウマ娘、間もなく最終コーナーを抜けて最後の直線へ!最後の追い込みに入る!」

赤坂「ブラストツインエス、懸命に逃げる!ファイネストエイチとクエイクハーケンも上がって来る!」

赤坂「・・・と、大外からバーニングビーフ!バーニングビーフが物凄い速度で上がってきている!いつもより速度が乗っている!?一体何が起こったのか!?」

川本「・・・そうか、やはり作戦でしたか」

赤坂「どういう事ですか?」

川本「恐らく・・・敢えて外ラチギリギリを走る事で、トップスピードへ到達する為の距離を稼いだのでしょう。今の彼女の伸びは1800mのそれに匹敵します」

赤坂「何と、まさかの方法で加速する為の距離を稼ぎ、1800mクラスの走りを実現するとは!これは他のウマ娘達にとっても予想外だ!」

ブラストツインエス「嘘だろ!?」

ファイネストエイチ「何ですって!?」

赤坂「ブラストツインエス懸命に逃げる!ファイネストエイチも上がってきた!そして大外からバーニングビーフだ!」


観客達が最後の激突に大歓声を上げる中、バーニングビーフは・・・歓声も何も入ってこない、無の境地な状態だった。
彼女の視界に入るのは、ゴール板ただ一つ。全ての力を出し尽くして、ゴール目掛けて駆け抜ける。

31:194:2023/11/10(金) 21:23:04 HOST:KD106155008144.au-net.ne.jp
スペインウマ娘A(アンタ、本当に加速がおっそいわね)

スペインウマ娘B(ウマ娘じゃなくて、牛と勝負した方がいい勝負になるんじゃない?)


ーーー負けない・・・


ビーフの母(貴女には、貴女だけの力がある。貴女の力に気付いてくれる人が、きっと居る)

ビーフの父(日本で頑張ってこい。そして・・・馬鹿にした奴等を見返してこい)


ーーーーー負けっぱなしで終わらない・・・・・


ニンスナ(拙者は夢を成し遂げた。今度は、ビーフ殿の番でござるよ)

スラテン(信じてるから。安田記念を、必ず制覇出来るって!)


ーーーーーーーーーー皆の思いに応えたい。だから・・・・・・・・・・


ビーフ「アタシは・・・・・絶対に勝つっす!!」


ビーフの踏み込みが一段と深くなる。そして・・・彼女の身体が、淡い光に包まれる。
瞬間、目の覚める様な加速と速度で高低差2メートルの坂を駆け上がり、最後の直線を猛進する。


赤坂「バーニングビーフが更に伸びる!バーニングビーフが更に伸びる!逃げるブラストツインエスを遂に捉える!」

赤坂「残り20!抜いた!抜き去った!バーニングビーフゴォォォォォォォォォォル!!差し切ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

32:194:2023/11/10(金) 21:23:37 HOST:KD106155008144.au-net.ne.jp
見事な追い込み勝利。東京競バ場に大歓声が沸き起こる。
膝を付いて懸命に息を整えようとしているビーフの下へ、カノープスのメンバー達が駆け寄る。真っ先に駆け付けたのは、スラテンとニンスナの大親友二人だった。


スラテン「やったよビーフちゃん!安田記念・・・見事に制したんだよ!!」

ニンスナ『・・・見事な追い込みでござった!』


二人の声を聞き、改めて掲示板の着順を見るビーフ。
1着の所にしっかりと、自身の番号である18の数字が点灯していた。


ビーフ「・・・・・やった・・・・・・・・・・やったっすよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」


空に向けて咆哮するビーフ。するとどうだ。
まるで彼女の勝利を祝福するかのように、雲の隙間から太陽の光が差し込んで来たではないか。
全身で勝利の喜びを表すビーフに、観客達も惜しみなく拍手を送っている。


イクノ「よく頑張りましたね、ビーフ」

ネイチャ「いやー、キラキラと輝いてますなぁ」

ターボ「信じてたぞ、必ず勝つって!」

マチタン「ターボの言う通りだったね。本当におめでとう」

トリー「・・・凄かったよ。ビーフの諦めない気持ち、こっちにもしっかり伝わってきた」

カナ「流石やな。馬鹿にしてた連中を、見事に見返したったな」

ブリッツ「本当に見事だったぞ。・・・次は余とレインボー。・・・そしてカナとのリベンジマッチだ」

レインボー「私も負けないわよ。・・・ま、今はそれは置いておいて、よく頑張ったわ、ビーフ。本当におめでとう」

ヤス「今までの頑張り、見事出し切った良いレースだったわ」

南坂「さぁ、今日の主役として、ファンの皆さんに応えて来て下さい」

ビーフ「はいっす!!」


観客席に手を振って、ファン達の声援に応える。
その後のウィニングライブの彼女が、誰よりも輝いていたのは言うまでもない。
そして、前半最後のGⅠレース、宝塚記念。カナとブリッツ、レインボーの三人の因縁の対決が、始まろうとしていた。

33:名無しさん:2023/11/10(金) 21:24:07 HOST:KD106155008144.au-net.ne.jp
以上です。バーニングビーフ、見事に安田記念を制しました。
南坂トレーナーの策ですが、ある程度の予想が出来ていた人も居るかと思いますが、外ラチギリギリを走らせて、疑似的に加速出来る距離を稼ぐという物でした。
割と単純な策でしたが、それで稼げた距離を生かして加速。見事GⅠ制覇を成し遂げました。
さて次回ですが、カナとブリッツ&レインボーコンビによる宝塚記念となります。
あ、出走に必要となるファン数ですが、描写外でGⅡ及びGⅢのレース複数に出走しており、そこでの好成績でファン数を急増させて、所定ファン数に無事到達しております。
なので、天に恥じる事等何一つない状態です(大本営発表)
では、また次回。
wiki掲載は、自由です。

11/11 ファイネストハンマーの名前をファイネストエイチに変更

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最終更新:2023年11月11日 17:55