255:194:2023/11/19(日) 21:05:31 HOST:KD106155012162.au-net.ne.jp
現代日本大陸化&銀連神崎島クロスSS ある日、日本が『超』大陸と化してしまった件サードシーズン?特別番外編 サードシーズン中のウマ娘達の出来事 その40


病院を抜け出したターボが、凱旋門賞に出走しようとしている。
その光景に驚愕する会長達だったが・・・トリーが居ても立ってもいられずに病院を飛び出して行ってしまう。


カナ「トリー!!」


カナの叫び声も無視して、全力でロンシャン競馬場へとひた走る。


トリー(お姉ちゃん・・・・・!!どうか、無事でいて・・・・・!!)


沖野「何てこった・・・!!竹内は一体何をやってたんだ!!」

南坂「そんな事を言ってる場合じゃありませんよ、沖野さん!!」

会長「南坂トレーナーの言う通りだ。今すぐ竹内トレーナーに連絡を!」


会長は急ぎ、竹内トレーナーに連絡を入れる。
果たして間に合うのか・・・。


一方その頃、パリ・ロンシャン競馬場の観客席に・・・・・とある親子の姿が。
キグルミシステムで変装をした、柏木親子だった。蒼空大戦への介入以来、乙世界で奮闘している最中であり、北米奪還作戦に向けての様々な打ち合わせ等で大忙しだったのだが、
白木達から


白木「忙しいのは分かるが、ある程度は此方に任せろ。夫婦と姫ちゃんとで、旅行なり何なりして英気を養ってこい」


という言葉を頂戴する事となり、今回は仲間達の言葉に甘えて、久々の家族サービスの時間と相成った訳だ。
ではどこに行くのか・・・となった時に、ちょうどいいタイミングで凱旋門賞(ウマ娘部門)の開催を知り、では観戦に行こうという事になったのだ。

256:194:2023/11/19(日) 21:06:01 HOST:KD106155012162.au-net.ne.jp
柏木(キグルミ中)「こうして親子で旅行とか、随分と久し振りだね」

フェル(キグルミ中)「エエ。しかし日本ニ負けナイ位に、凄い人だかりデスネ」

柏木(キグルミ中)「まぁ欧州を中心とした海外に、ウマ娘が複数確認される様になったからね。そんな彼女達の走りを一目見ようって人が、沢山出た結果だろうね」

姫迦(キグルミ中)「・・・あっ!おウマなお姉ちゃん達が出て来た!」


大きな声ではしゃぎながら、スタート地点の方を指さす姫迦ちゃん。
ゲートが展開し、各国のウマ娘達が続々とゲートインしていく。
それでは、少し時間を遡ってターボがゴースト達と合流した時に戻ろう。


スぺ「ターボちゃん、大丈夫でしょうか・・・」

ゴースト「・・・ここで心配してても始まらないよ、スぺちゃん。それよりも、自分達の方を優先しないと」

竹内「・・・ゴーストの言う通りだ。ツインターボの思いに応える為にも、全力を」

ターボ「ちょっと待ったーーーーーーーーーー!!!!!」


突然の言葉に、思わずその方向を見る三人。
何とそこに、勝負服を着こんだツインターボがいるではないか。


スぺ「た、ターボちゃん!?」

ゴースト「ちょっ!?動いて大丈夫なの!???!」

ターボ「うん!極端な無理をしなければ大丈夫って、お医者さんから太鼓判を貰ったぞ!」

竹内「大丈夫って・・・・・!?と言うか、会長達は!?」

ターボ「退院の手続きをしてもらってるから、ターボだけ先に来ちゃった!」

257:194:2023/11/19(日) 21:06:31 HOST:KD106155012162.au-net.ne.jp
嘘だった。無断で抜け出し、一人でここまで来たのだ。
だが、当然ながらそれは言えない。


竹内「・・・本当に、本当に大丈夫なのかい?」

ターボ「うん!何より・・・ターボはヒキョーな奴に負けたくない!ここで勝って、ラファールルージュにヒキョーな事をさせた悪い奴を、見返すんだ!!」

スぺ「ターボちゃん・・・」

ゴースト「・・・鞍上、鞍上はどうしたいの・・・?」

竹内「・・・俺は」


本音で言うなら、仮に言っている事が本当だったとしても、走らせたくはない。
だが・・・卑怯な裏工作をする輩に打ち勝ちたいという彼女の気持ちも、痛い程よく分かる。


スぺ「・・・竹内トレーナー。無茶なお願いかも知れませんけど・・・、ターボちゃんの思いを、汲んでもらえませんか?」

竹内「スぺちゃん!?」

スぺ「確かに無理はさせたくないけど・・・ターボちゃんの気持ちも、痛い程よく分かるんです。お願いします!」

ゴースト「・・・まぁ私も、こういう人の悪意って、許せない思いも有るからね。打ち勝って欲しいって気持ちも、確かにあるかな」

ターボ「スぺシャルウィーク・・・ゴーストウィニング・・・・・」


ターボだけでなく、スぺやゴーストの思いも汲んだ結果、竹内トレーナーは決断してしまう。


竹内「・・・分かった。ただ、一つだけ約束して欲しい。少しでも拙いと感じたら、躊躇わずに棄権する事。良いね?」

ターボ「うん!有難う!竹内トレーナー!」

スぺ「よし!それじゃあターフに向かおう!」

258:194:2023/11/19(日) 21:07:04 HOST:KD106155012162.au-net.ne.jp
そう言って、スタート地点へと向かう三人。
ターボは表面上は何時も通りに振舞っていたが・・・その実、強い痛みと懸命に戦っていた。


ターボ(うう・・・滅茶苦茶痛い・・・。でも・・・、ターボは負けない!!こんな痛みに勝てない様じゃ、ゴーストに勝つなんて・・・夢のまた夢になるから・・・!!)


きつくきつく包帯を縛って無理矢理出血を止めてはいるが、全力で走ればたちまち傷口が開いてしまうかもしれない。
だが・・・、それでもターボは退く事を良しとしなかった。これは、自分だけの戦いではない。全てのウマ娘達の誇りを賭けた戦いなのだから。

そしてゲートに辿り着く三人。
同じくゲートインを待つばかりだったラファールルージュは、信じられないという顔でターボの事を見る。
無理も無い。死にはしなくても、とてもレースに出られない大怪我を負わせてしまったのは間違いない。
なのに、何故ここに平然と立っているのか。


モンジュー「・・・どうしたの?ラファール?」

ラファール「え!?・・・い、いえ・・・師匠。何でも有りません・・・」

モンジュー「・・・間もなくレースが始まるわ。勝つ為にも、今は集中しなさい」

ラファール「は、はい・・・」


そう言って会話を打ち切った物の、動揺は隠せない。
そんな彼女の姿を確認したターボが、彼女の傍で小声で話しかけてきた。


ターボ「・・・ラファールルージュ」

ラファール「・・・何で?重症の筈じゃ・・・?」

ターボ「・・・ターボは、負けない」

ラファール「・・・!?」

ターボ「お前にも・・・お前にヒキョーな事をさせる、悪い奴にも・・・ターボは、負けない!!」


そう言って、ゲートへと向かうターボ。
係員に声を掛けられるまで、彼女は信じられない物を見たかの様な状態で、固まっていた。

259:194:2023/11/19(日) 21:07:35 HOST:KD106155012162.au-net.ne.jp
さて、今回出走するウマ娘達は全部で20人。以下が、その内訳となっている。

1枠⑩フェルディナント(ドイツ)
  ⑤ラファールルージュ(フランス)
2枠⑧スペシャルウィーク(日本)
  ⑯ドバイアフター(UAE)
3枠⑫グレートリーフ(豪州)
  ④ゴーストウィニング(日本)
4枠②ヴェニュスパーク(フランス)
  ①モンジュー(フランス)
5枠③リガントーナ(フランス)
  ⑬ツインターボ(日本)
6枠⑦スターゲイザー(英国)
  ⑨ナースホルン(ドイツ)
7枠⑳マリオーネ(イタリア)
  ⑭スコットレディ(英国)
8枠⑪フィレンツェ(イタリア)
  ⑥ヴァレンシアガール(スペイン)
9枠⑮アマゾナス(ブラジル)
  ⑰チャタム(ニュージーランド)
10枠⑱ブリティッシュモア(英国)
  ⑲シチリアカンパニー(イタリア)

実況の方は、欧州のモブアナウンサーでは味気ないので(ヲイ)、日本のこの二人に出て貰おう。
丁度生中継で実況するので、何も問題は無い・・・筈である←殴

260:194:2023/11/19(日) 21:08:06 HOST:KD106155012162.au-net.ne.jp
赤坂「晴れ渡る空が広がり、絶好のレース日和なここパリ・ロンシャン競馬場」

赤坂「世界各国から集まった、合計20人のウマ娘達。果たして、此方の世界で行われる初めての凱旋門賞(ウマ娘部門)の栄冠を勝ち取るのは、一体誰なのでしょうか?」

赤坂「実況は私、赤坂。解説は細井 澄子さんです。よろしくお願いします」

細井「よろしくお願いします」

赤坂「細井さん、この世界初めてのウマ娘の凱旋門賞となりましたが、この戦いをどう見ますか?」

細井「そうですね。世界各国から精鋭中の精鋭が集まっていますからね。どういう展開になってもおかしくありません」

細井「勿論我が国のウマ娘達も、悲願である凱旋門賞制覇を果たすべく、精鋭が送られています」

細井「『ターフの亡霊』ゴーストウィニング、『日本総大将』スペシャルウィーク、『不屈の逃亡者』ツインターボ」

細井「彼女達が自分のペースでレースが出来れば、十分にチャンスは有り得ます。悲願の達成、是非成し遂げて貰いたいですね」

赤坂「有難うございます。さぁ、最後の一人シチリアカンパニーがゲートイン。態勢が整いました」


間もなく凱旋門賞が始まろうとする中、竹内トレーナーは心配そうに三人を見ていた。
まぁそれも無理はない。つい先日、ツインターボが襲撃されたのだ。レース中にも何らかの妨害が有るかもしれない。心中に不安が過る。
と、胸にしまっておいたスマホ(マナーモード)が鳴る。ルドルフ会長からだった。一体どうしたというのか。


竹内「もしもし?」

ルドルフ「竹内トレーナー!今すぐツインターボを棄権させるんだ!」

竹内「え!?」

ルドルフ「彼女の傷は癒えていない!病院を抜け出したんだ!」

竹内「何ですって!?」


その直後だった。


ガッチャン


赤坂「スタートしました!出遅れは無し、快調な滑り出しです!」


竹内トレーナーが止める間もなく、レースが開始されてしまったのだった。

261:194:2023/11/19(日) 21:08:37 HOST:KD106155012162.au-net.ne.jp
以上です。遂にレースが始まってしまいました。
本来なら止めるべきでしたが、スペ達の後押しと、何より竹内トレーナーのウマ娘のトレーナーとしての経験値が不足していた事も有って、
ターボ師匠の状態を見極め切れずに許可を出してしまう事に。
もし居たのが沖野若しくは南坂トレーナーだったら、決して首を縦に振る事はしなかったでしょう。・・・・・陣龍殿、申し訳ないorz
一方のラファールルージュですが、当然ですが信じられない物を見た状態となっています。
何せ大怪我させてしまった相手が、何事も無かったかのように参加している訳ですからね。そりゃ普通に驚きます。
さて次回ですが・・・会議が長引いて、ロンシャン競馬場に着くのが遅れている諸悪の根源が、ツインターボが死んでいないばかりか出走している事に激怒。
レース中に消す事を命令して来ます。果たしてラファールルージュの決断は?そしてターボ師匠の運命は?
という事で、次回をお楽しみに。・・・まぁ明日からまた平日なので、更新スピードが落ちそうですが(汗)。それでは。
wiki掲載は、自由です。

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最終更新:2023年11月21日 20:50