396:194:2023/11/23(木) 21:05:30 HOST:KD106154149110.au-net.ne.jp
現代日本大陸化&銀連神崎島クロスSS ある日、日本が『超』大陸と化してしまった件サードシーズン?特別番外編 サードシーズン中のウマ娘達の出来事 その45


自暴自棄になったラファールルージュがコンバットナイフを取り出し、自らに突き立てようとしている。
最悪の結末を予感して、皆が悲鳴を上げた、その時だった。


ゴースト「お前が死んだら全てが無意味になる」

ラファール「・・・・・えっ・・・・・?」


今目の前に広がる光景に、周囲は困惑した。
それはそうだ。一切の無表情で、口調も完全な別人と化したゴーストウィニングが、素手でコンバットナイフを掴んでいたからだ。


ラファール「・・・は、はな、して・・・・・!?」

ゴースト「断る」


力を入れるが、ナイフはピクリとも動かない。
手から血が滴り落ちているが、そんな事も意に介していなかった。


スぺ「・・・・・はっ!?ご、ゴーストちゃん何してるの!?」

ゴースト「スペシャルウィーク、すまないが静かにしていて欲しい」

スぺ「はぅ!?」


日本総大将の問いに、静かにしろの一言で黙らせるターフの亡霊。
場が困惑を超えて、混乱し始める。

397:194:2023/11/23(木) 21:06:00 HOST:KD106154149110.au-net.ne.jp
ラファール「・・・・・お願い・・・・・私は・・・・・」

ゴースト「今この場で死んだら、全ての罪科がラファールルージュ一人に転嫁され、全ての下手人は無罪放免で野放しだ」

ラファール「え・・・・・」

ゴースト「今のお前の告白は、あくまでお前個人の証言であって客観的な証拠は存在しない。証拠が無ければ罪には問えない。
   罪に問えないのならば、それは【無実の人間】だ。それで終わっていいとは言わせない」


ゴーストが語る残酷な現実に、ラファールルージュは打ちのめされる。
全ての罪を押し付けられて、責任者の罪の多くが、無かった事にされる。
そんなのは・・・そんなのは、あんまりではないか。


トリー「・・・・・ま、待って!でもティ連の技術を使えば、例えラファールルージュが何も言えなかったとしたって、幾らでも証拠が・・・!」

ゴースト「此処はフランスであって日本では無い。事件の捜査権限はフランス側に有り、強引な捜査介入は内政干渉に当たる」

トリー「で、でも・・・」

ゴースト「加えて言えば、日本では元総理でも世界的大富豪でも、罪を侵せば平等に容赦無く裁かれ罪となる。
   だが、この地でもそうであると断言出来るのか。『富豪でも功績者でも裁判に掛ける後進国』等と、真顔で言う者共が存在する地域に」

トリー「う・・・・・」


ゴーストの容赦の無い指摘に、さしものトリーも論破されて黙り込んでしまう。
何せ相手は、フランスのウマ娘部門のトップに短期間で上り詰める化け物である。
安易な行動は、逆に相手に利用される隙となるだけ。それは流石に避けなければならなかった。

398:194:2023/11/23(木) 21:06:30 HOST:KD106154149110.au-net.ne.jp
ゴースト「・・・・・心配するな、ラファールルージュ」

ラファール「・・・・・え・・・・・?」

ゴースト「・・・・・目には目を、歯には歯を。権力と言う盤外戦術には、更なる権力と言う盤外戦術を」

ラファール「・・・・・なに、を・・・・・?」


彼女は困惑していたが・・・ふと、ナイフを見て驚愕する。
軍用のコンバットナイフに、音を立てて皹が入っているからだ。
そして、大きな音と共にコンバットナイフが砕け散った。


ゴースト「悪がこの世に栄え続ける理は無し」

ラファール「・・・・・砕け、た・・・・・」

ゴースト「・・・・・【会長】、とか言ったか」


ゴースト「【逃げられると思うなよ】」


血が流れ出る右手で、諸悪の根源が居る場所・・・ロンシャン競馬場の会長室の有る辺りを指さすゴーストウィニング。
今まで誰にも見せた事の無い、暴龍の如き負の感情が溢れ出していた。

399:194:2023/11/23(木) 21:07:01 HOST:KD106154149110.au-net.ne.jp
さて、その会長はと言うと・・・
漸く会長室へと辿り着いた時には全てが終わっており、会長達の悪事が白日の下に晒されていた。
もっとも、あくまで証拠の無い証言に過ぎない。だが、フランスの政財界は躊躇う事無く、トカゲのしっぽ切りで自分達を生贄に捧げるだろう。
その事実に、側近はヘナヘナと崩れ落ちる。


側近「・・・終わりだ。何も、かも・・・」


だが、この期に及んでこの男は悪足搔きを始めた。


会長「・・・ぐぬぬ、おのれ!おのれぇぇぇぇぇ!!!!!」

会長「せめて最後の意地として、トリプルターボとツインターボを亡き者にしてくれる!!」

側近「なっ!?まだやるんですか!?!?」

会長「破滅が免れないなら、せめてそこまでしなければ死んでも死に切れん!!おい!!」


そこまで言って、傍らの屈強な男二人に命令する。
この男達だが・・・何とボディーガードではなく、会長が万が一の事を考えて雇っていた暗殺者の兄弟だったのだ。


会長「・・・ターゲットの二人を射殺しろ!!報酬は倍額払うし、出国ルートも確保する!!急げ!!」


契約を果たすべく、狙撃銃を組み立てる二人。
組み立てを終え、窓をほんの少し開けて銃を構える。そして時を同じくして、ゴーストが会長室を指さした・・・その時だった。
青空広がるこのパリの地に、突然雷のような轟音と閃光が、ロンシャン競馬場の会長室のある一角に炸裂したのだ。

400:194:2023/11/23(木) 21:07:31 HOST:KD106154149110.au-net.ne.jp
ルドルフ「・・・あの光は!?」


あれはかつて、日本で抗議活動と言う名の暴動を起こしたツイフェミが消失した事件で確認された、雷のような轟音と閃光ではないか。
あそこに諸悪の根源が居る。そう確信した会長は、その一角目指して走りだした。
それを見て、カナもルドルフ会長を追いかける。


カナ「会長!どこに行く気や!」

ルドルフ「あの光と轟音を見ただろう!あそこに、今回の諸悪の根源共が居る!私達ウマ娘のレースを汚した連中だ!この手で天誅を加える!」

カナ「ならウチも行かせてもらうで!」

ルドルフ「カナリハヤイネン!ここからは荒事が待っている!不慣れな君を伴う訳には」

カナ「そうはいかん!ウチの親友達にかましてくれおったんや!ボコボコにせんと気が済まんわい!止めても無駄やで!!」


カナの意志は固い。早々と説得を諦めたルドルフ会長は、条件付きで動向を認める事にした。


ルドルフ「・・・分かった。だが、少しでも危険を感じたら即引く様に。そうでなければ認められない。いいか?」

カナ「了解や!あ、それとフルネームだと長いから、以後はカナと呼んでや!」


カナもルドルフ会長に信頼してか、以後はニックネームで呼んで欲しいとお願いする。
その頼みを、ルドルフも苦笑しながら受け入れる。


ルドルフ「分かった。行くぞ、カナ!」

カナ「ほいきた!待っとれや!腐れ外道共!!」

401:194:2023/11/23(木) 21:08:02 HOST:KD106154149110.au-net.ne.jp
会長室目掛けて一直線に駆け抜ける二人。程無くして会長室の前に辿り着く。
競馬場の警備員達が駆け付けようとしているのが見えたが、二人が一歩先に会長室の扉を蹴破る。


カナ「ゴラァァァァァァァ!!ウマぴょい警察やぁ!!神妙にウチ等にボコボコにされ・・・・・って、えええええええええええ!????!?」

ルドルフ「・・・こ、これは・・・!?」


二人と、遅れて現場に突入した警備員が目を見開く。そこには・・・


口から泡を吹きながら、白目を剥いて気絶している会長・側近・そして暗殺者二名が居た。何というか

ホンワカパッパッパッパッパ~~~~~

てな感じのSEが聞こえてきそうな有様である。
しかも・・・


カナ「・・・ウッ、くさっ!?コイツ等、両方盛大にお漏らししとるやんけ!?」


両方で盛大にお漏らししており、酷い異臭()が部屋中に漂っている。
しかもである。よく見ると・・・額に「viande(フランス語で『肉』と言う意味)」と刻み込まれているではないか。
とそこに・・・眩い光と共に手紙が天井から降ってきた。


カナ「ぬわー!??!?目が!??!?目がーーーー?!!?!?!」


カナが光に目をやられて、ウマ娘のお約束的なリアクションを取る中、ルドルフ会長が、手紙の差出人を確認する。
そこには・・・予想通り日本の神、つまり伊邪那岐様の名前が書かれていた。


ルドルフ「これは・・・かつてのゴーストが持ってたのと同じ」

カナ「・・・ウチ等をこの世界に呼び込んだ、日本の神様の手紙か!?」

402:194:2023/11/23(木) 21:08:34 HOST:KD106154149110.au-net.ne.jp
悶絶状態から立ち直ったカナが、そう語る。
警備員の頭に?マークが浮かぶが、ルドルフ会長が日本の神話を簡単に説明する事で、理解させている。
つまり、この状況を齎したのは日本の神様という事だった。そんな訳で、手紙の中身を確認する。
今回は、何時も以上に長い文面だった。


『やぁやぁ、ウマ娘の皆。察しの通り、この吐き気を催す邪悪な、汚物にも劣る連中だが、私の手で神罰を加えておいた。
君達が、こんな連中相手にその手を汚す必要性は皆無だからね。日本の超大陸化やウマ娘達の召喚で随分神通力を消耗した事も有って、
カミさんから『みだりに神通力を浪費するな』と怒られていたのも有って、ツインターボの襲撃時に何ら手を打つ事が出来なかった。
その事を、この場を借りて深くお詫びさせてもらうよ。そんなだけど、この連中はこの期に及んで狙撃による暗殺を試みていたから、流石に看過出来ずに
神罰を加える事にした次第。あ、件の四文字君には事前に話は通してあるから、その辺りはモーマンタイ(死語)だよ。
で、神罰の内容だが・・・流石に欧州は遠いから、この前のゴミクズ女共の様に一か月も預かる事は出来なかった。とはいえ、ゴミクズ女共同様に
笑ったり泣いたりしたりする事が出来ない様にしておいた。また同様に、自死や他殺(死刑等)による死亡も、出来ない様にしておいた。
で、こいつ等独自の罰として、額に神様製の入れ墨を刻み込んでおいた。罪人に入れ墨は、古代ではとてもポピュラーだったしね。
ティ連の技術力を以てしても、取り除く事は不可能な代物だよ。
これはこいつ等が、少しでも己の犯した罪から目を逸らした瞬間、真っ赤に輝きながらありとあらゆる苦しみ(例・死なないのが不思議な程の激痛・
死んだ方がマシに思えるような苦しみ・最早毒レベルな過剰な快楽・絶頂寸前で苦痛レベルの長時間の寸止め等等)が与えられる様になっている。
一目で罪人である事、赤く輝いていたら自分の罪から目を逸らした事が、他人からも一目で分かる様になっている。
どちらにせよ、もう二度とシャバでの生活は不可能と断じていいだろう。まぁフランス当局には、この様な汚物共を世に放つ事の無い様、
『賢明な判断』を期待しているが。・・・もし釈放する様な真似をしたら、神罰の適用者拡大も考えないと(使命感)
そしてこの神罰は、ここに居る連中だけでなく、ラファールルージュの家族や仲間がいる牧場に張り付いていた連中や、今回の悪事に関わった全ての者達に
等しく下しておいた。その事を、彼女にも伝えておいて欲しい。
では最後に、今回の凱旋門賞はとても見所揃いな良いレースだった。そして、ツインターボにも伝えておいて欲しい。
この様な無茶は、もう二度としない様にという事と、凱旋門賞の制覇とウマ娘達の矜持を守り抜いた事を、心から称賛させて貰うと。ではでは。                                
                                             by伊邪那岐命

PS・何でviandeにしたかって?下界では額には『肉』と書くのがウッボー(死語)だと聞いたからね。だからその通りにした次第。
腐れな罪人共にはお似合いな言葉だと思うよ?それでは                                                   』

403:194:2023/11/23(木) 21:09:05 HOST:KD106154149110.au-net.ne.jp
手紙の内容に、言い様の無い脱力感を感じる二人。後ろでは警備員達が、四文字さんが居るという事実に驚愕しているが・・・二人にはどうでもいい事だった。


カナ「・・・・・何か、すっかり気が抜けてしもうたな」

ルドルフ「・・・・・そうだな。後は、警備員と警察に任せるか・・・・・」


そう言って、後の処理を警備員と警察に丸投げする二人。
そのままターボ達の元へと戻る。


ゴースト「・・・奴等はどうなったの?」

ルドルフ「・・・伊邪那岐様が、特大級のお灸を据えていた。もう二度と、悪さどころか泣いたり笑ったり出来ない様にされていたよ」

ゴースト「・・・そう」


神の手で神罰が下された事で、ある程度の納得がいったのか、ゴーストが溢れさせていた負の感情が急速に消えていく。
と同時に、普段のゴーストに戻ったようだ。


ゴースト「・・・痛ッ!?・・・え?何で右手が血まみれに・・・!?!?」

トリー「・・・何も覚えていないの?ゴースト」

ゴースト「・・・・・いや、気が付いたら手が血まみれになってるんだけど」

404:194:2023/11/23(木) 21:09:37 HOST:KD106154149110.au-net.ne.jp
ゴーストの余りの変わり様に、トリーも二の句が繋げない。
まぁこれ以上深淵を除くのはやめた方がいい。そう思って、ルドルフ達の方に向く。


トリー「えーと、会長。元凶が裁かれたという事は・・・」

ルドルフ「ラファールルージュの家族達が居る牧場に張り付いていた連中や、今回の企てに関わっていた連中も纏めて処されたそうだ」

ルドルフ「だから・・・ラファールルージュを縛る物は、もう存在しなくなった」


その言葉を聞き、呆然と座り込むラファール。
何せ神の力()という、ゴーストが言った通りの更なる権力と言う盤外戦術で、あれよあれよという間に解決してしまったのだ。
こうなるのも、無理はなかった。


カナ「・・・ま、後はラファールへの沙汰やが・・・これは、ターボが決めるのが筋やろうな」

ターボ「え?ターボが?」

カナ「襲われた本人やからの。ターボが決めるのが一番やろ」

ターボ「・・・分かった。ラファールルージュ」

405:194:2023/11/23(木) 21:10:07 HOST:KD106154149110.au-net.ne.jp
ターボの声に、体をびくつかせるラファール。
あれ程の事をしてしまったのだ。何を言われても自業自得。彼女はそう、覚悟を決めていた。


ターボ「一つ約束して欲しい。辛いからと言って、簡単に死を選ばないで欲しい」

ラファール「・・・・・え?」

ターボ「お前が死んだら、お前の両親も、仲間も悲しむだろ。勿論、ターボもだ」

ラファール「・・・何で?何でそこまで・・・?」

ターボ「今回、凱旋門賞で走って思ったんだ。ゴースト以外にも、こんなにも沢山の強いウマ娘が居るって。そして、お前も強かったぞ、ラファールルージュ」

ラファール「・・・・・」

ターボ「だからこそ、どっちが強いかキッチリと白黒付けたいんだ」

ラファール「・・・白黒?・・・でも、勝敗は・・・」

ターボ「何を言ってるんだ。白黒はちゃんとついていない。ぶっちゃけ、ターボ的には今回の戦いはノーカンなんだ!」

ターボ「ターボは大怪我していたし、ラファールルージュも、悪い奴にアレコレ横から言われて、レースに集中してたとは、言い難いじゃないか!」

ターボ「だから、今度はお互いにベストな状態で、今度こそ白黒付けようじゃないか!」

ターボ「だから、ちゃんとゴメンナサイして・・・また一緒に走ろう!その日を待ってるぞ!ラファールルージュ!」

ラファール「・・・・・ッ・・・ハイ!・・・・・ハイ!!」


ターボが差し出した手を、涙を流しながら取るラファール。
絵に描いた様な(ヲイ)友情劇に、観客達も拍手を送る。
こうして、後に『疑惑の凱旋門賞』と名付けられる事となった一連の出来事は、終わりを迎えたのだった。

406:194:2023/11/23(木) 21:10:37 HOST:KD106154149110.au-net.ne.jp
以上です。汚物未満な連中への制裁と、最終的な結末なお話となりました。
最初の前半部分ですが、陣龍氏のSSからかなりの部分をぱk・・・ゲフンゲフン、流用する事に。
だって、自分のより完成度が高いんだもん←殴
その後の神罰に関しては、当初から決めていた物です。まぁゴーストも言っていた『更なる権力と言う盤外戦術』と言う言葉には、合致していたかと。
そして、最終的にターボの言葉でラファールルージュは涙を流しています。
あ、それと残りの凱旋門賞・UMA部門と通常の凱旋門賞ですが・・・ここで中止したら、混乱の収拾がつかなくなるという事も有り、
残ったメンバーで予定通りにやる事に。まぁ、来年から数年間は開催自粛が確定しておりますが。
今回のやらかしに関わっていなかった人達は、泣いていいと思う(小並感)
次回ですが、ウィニングライブの様子と説教、授賞式や出走者の慰安会の様子、そして帰国前の様子を書いてフランスから日本へ帰国となります。
もう少しだけお付き合い頂けると幸いです。それでは。
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最終更新:2023年12月19日 20:41