393 名前:635[sage] 投稿日:2023/11/09(木) 22:22:49 ID:119-171-230-189.rev.home.ne.jp [12/28]

日蘭ネタ モントゴメリー氏支援かも支援ならんかもしれない思いついたFFRネタ


時は20XX年。
久々の支那封鎖地域の飢饉による棄民よって発生した支那植民地への大規模侵攻を数日前に撃退し終えた早朝のエリゼ宮。
智謀大統領始めFFR政府高官らは事後処理の為に連日の様にエリゼ宮に泊まり込み漸く事務処理に一段落がついた。


「マリー、コーヒーの一杯でもどうかしら?」

「ええ、一段落ついたし…」


そう言葉を零した反抗期(命名智謀大統領)の参謀総長に答えるのは女神のみ有する国権の行使の代行を国民の信任により委託された総指揮官代理。
そう言うと最近仕事に付いた若い部下にコーヒーと菓子を持ってくる様に命じた。


「但しその胸元のモノはダメよ。」

「ええ、ケチ―良いじゃないの彼の大音楽家も言ってるじゃないの【一杯のコーヒーはインスピレーションを与え、一杯のブランデーは苦悩を取り除く】って。」


参謀総長は母国の英雄をモデルにした曲を書き上げた作曲家の一言を諳んじる。


「我らを動かす黒い油全てを飲み干すのは構わないわ。けど公務の最中にアルコールはダメよ。」


対し総指揮官代理は祖国の誇る小説家の言葉を上げる。
黒い油、FFR国民に好まれるコーヒーの言い回しの一つだ。
我らが指揮官と少しでも同じ物をというFFR国民の熱意の現れでもある。
高官二人がじゃれつきあってる、そんなことをしている間に部下、最近がコーヒーを持ってきて入れていた。
そして二人はコーヒーを飲むのだが、ふと気づく。


「あら…豆変えた?」

「いつものではないようだけど…。」


二人は訝しげな顔をした。
総指揮官代理の部下は申し訳なさそうな顔をする。


「申し訳ありません。現在エリゼ宮内の指定の豆を切らしていまして…。」

「ま、どこもコーヒー飲みながら処理してるし。」

「そうよね。」


仕方ないと言う二人に恐縮する部下、それよりと気になるのはこの豆の方だ。
彼を知り己を知れば百戦殆からずというエスト・シナの古い諺に則りFFRとその同盟国全て、
いやOCUや主敵たるCIS、BCまでものコーヒー豆を飲んできた二人も知らぬ味。
強いて言えばFFRコーヒー栽培の北限、最近になり漸く生産可能となったFFR北アフリカ産の豆に近い味だが…、
正直何処ぞの店に売っている安物よりも味は劣るが文句を言うつもりはない。
二人共前線を離れたとはいえ一端の将兵。
兵站の重要性は分かっているしエスト・シナでの実戦では補給の失敗(コーヒー切れ)で酷い目に合ったこともある。
どんなものであれ飲みたい時に飲めるのが最善であると心得ている。


「私の私物、南仏の実家のビニールハウスで自家用に作ってる豆です。」


味は市場に出せるものでなどではないですが、恥ずかしそうに笑いながら言う。
その言葉に総指揮官代理と参謀総長は目を合わせる。

394 名前:635[sage] 投稿日:2023/11/09(木) 22:23:32 ID:119-171-230-189.rev.home.ne.jp [13/28]


「ビニールハウス…マリー、貴女そんな考え浮かんで?」

「いえ…コーヒー豆といえば露地栽培との固定観念だったわ。品種改良と栽培法の改善で北アフリカで生産可能になった話を聞いて喜んでいたくらいよ。」

「ましてそれが一足飛びに本土で生産とは…。」


二人は一緒に部下に目をやる。
二人の視線を受け年若い部下は不思議そうな顔をしており二人は吹き出す。
フランス本土でのコーヒー豆の生産、眼前の部下はそれがどれだけ凄いことかを分かっていない。
それが可笑しくて二人して童女の様に笑い転げる。
自分達が固定観念から昔ながらの方法での改良に苦心、固執していたものを、
部下とその家族はそこにあるものの創意工夫で一飛びに地中海沿岸到達どころか地中海を超えてしまった。


「プププ…いやはや…この年齢になっても学ぶことは多いわね…。」

「クスクス…そうね…改めて色々と教えて貰ったわ。」


不可能という言葉はフランス語にはない、その言葉を実践する次の世代が育っているのを二人は実感した。


「転属した時の土産話がまた増えたわね。」

「ホント、私達の転属までどれだけ土産話が増えることやら…。」


先達や先に逝った戦友にどれだけの土産を持っていけるのか分からないが両手で抱えきればい程になりそうだ。
まだ疑問符を浮かべる部下を見てクスリと笑い互いの視線を交差させると参謀総長は肩をすくめ、総指揮官代理は首を横に振った。

395 名前:635[sage] 投稿日:2023/11/09(木) 22:30:39 ID:119-171-230-189.rev.home.ne.jp [14/28]
以上になります転載はご自由にどうぞ。

とりまネタの解説。

一杯のコーヒーはインスピレーションを与え、一杯のブランデーは苦悩を取り除く
第九や運命で有名なベートーベンの言葉になります。
多分アナイスさんの座右の銘。

黒い油
フランスの小説家オレノ・ド・バルザックの言葉、
【コーヒーだけが、想像力豊かなこの労働機械の活動を、再々促す黒い油であった。コーヒーは知的能力の活動時間を、しばしば延長させてくれる】
の一節になります。我らが指揮官が黒い油で動くのならば己等もあやかろうというFFRの精神です。

そして最後にこのネタをモントゴメリーのネタと共に思いついた言葉

シャルル=モーリス・ド・タレーラン=ペリゴール「よいコーヒーとは、悪魔のように黒く、地獄のように熱く、天使のように純粋で、愛のように甘い」

正しく我らが指揮官のことではないかと。
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最終更新:2023年12月09日 13:23