726 名前:ホワイトベアー[sage] 投稿日:2023/11/20(月) 18:33:23 ID:om126254215016.33.openmobile.ne.jp [3/12]
22式装輪装甲車
全長  :7.00m
全幅  :2.80m
全高  :2.44m
速度  :99.78km/h
エンジン:三菱MTA-T-10-6D 6気筒液冷ターボチャージド・ディーゼル・エンジン(350hp)
航続距離:
乗員:3+9名
兵装
  :1.27mm車載重機関銃×1丁
  :7.62mm車載機関銃×1丁
  :40mm車載擲弾

【概要】
22式装輪装甲車は三菱重工が開発し、大日本帝国陸軍および大日本帝国海軍海兵隊、都道府県戦闘警備隊が西暦1922年に採用した日本初の本格的な装輪装甲兵員輸送車である。

本車は汎用機動車のみで移動していた日本軍軽歩兵部隊に装甲、火力、戦術機動力を与えるために開発された。
開発当初から数種類の装輪装甲車両の基盤となる設計を共通化するファミリー化を前提として開発が行われ、基本型である装甲兵員輸送車型以外にも歩兵戦闘車、偵察戦闘車、自走対空車両、指揮車両、自走迫撃砲、戦車駆逐車、自走榴弾砲、戦闘工兵車、装甲回収車など多彩なバリエーションが開発され、世界大戦後の帝国軍再編計画においては機動師団の中核車両として1922年に帝国軍で正式採用が決定して以降、派生型も含めると1950年までに帝国軍・都道府県戦闘警備隊、同盟諸国向けに約16,000両以上が製造された。

727 名前:ホワイトベアー[sage] 投稿日:2023/11/20(月) 18:34:15 ID:om126254215016.33.openmobile.ne.jp [4/12]
【開発経緯】
世界大戦終結後、欧州列強諸国の弱体化や国際連盟の創設など列強間の国際協調体制の再成立によって世界的に正規軍同士による正規戦が起きる可能性は大きく低下し、世界的に軍縮の流れが強くなっていた。
この流れは世界大戦で勝利し莫大な利益を得た日本も変わらず、世界大戦終結後日本軍は大幅な軍縮を実施していた。
しかし、それは世界から戦乱がなくなったことを意味していなかった。
欧州列強諸国の弱体化や、ソ連の成立に伴い世界に広まった民族自決という一種のイデオロギーが世界各地の列強植民地や勢力圏の不安定化を招いてしまったからだ。

世界大戦を経てイギリスに変わる世界の超大国として君臨した大日本帝国は国際情勢の変化による影響を最も受けた国家となってしまう。

日本やアメリカの裏庭となっていた東アジアおよび中南米、中東などでも情勢の不安定化が深刻な問題となり、これらの地域では反政府ゲリラや軍閥、過激派、最悪の場合にはそれらに煽られた現地政府などが日系企業や日本の持つ利権を取り戻すことを大義名分として現地の邦人や企業にテロ攻撃や一方的な財産没収を行う事件が多発してしまう。


日本は邦人や利権の保護のために軍部隊を派遣する必要に迫られた。
しかし、当時の日本軍は軍縮による数の縮小を埋め合わせるべく、世界大戦でも活躍した12式重戦車や12式歩兵戦闘車、10式装甲兵員輸送車などの重装備を充実させることでその能力を維持しようと、軽歩兵部隊や空挺部隊などの一部精鋭部隊を除き大半の部隊が機械化部隊へと改編していた。
これら重装備部隊は強力な戦闘能力を誇り、正規戦では無類の強さを発揮できたか目的地に展開するまでに時間がかかり過ぎてしまうという弱点を抱え、多発する非対称戦に投じるには向いていなかった。

重装備部隊では対応できない以上、散発する非対称戦の対応には空挺部隊や軽歩兵部隊などの軽装備部隊が当てられた。
これにより一定以下まで民間への被害を抑えることには成功したが、いくら練度が低く装備も貧弱な民兵が相手とは言え、それでも最低限銃器で武装し、ゲリラ戦を仕掛けてくる民兵を相手に即応性のために防護力や攻撃力を犠牲にしている軽装備部隊の投入は死傷者の増大を招いてしまった。


こうした事態を重く見た日本軍は変化する国際情勢に対応するために帝国軍再編計画を構想。1930年までに地上部隊を大きく以下の2種類に分けることした。
1つは従来のように対正規軍戦に対応することを目的とした重装部隊で、機甲師団や機械化歩兵師団など世界大戦で活躍した部隊である。
もう1つが世界大戦後に発生したベルリン市街地戦や、大陸方面や中南米で多発していたゲリラの掃討など非対称戦を重視し、優れた緊急展開能力と一定水準以上の攻守能力を合わせた即応機動部隊である軽機甲部隊である。

帝国軍再編計画は犠牲者の増加に頭を悩ませていた帝国議会軍事委員会から即座に了承された。
帝国議会では軍が求めた予算が全額認められた軍は即応機動部隊が装備する新型軽装甲戦闘車の開発計画を直ちに始動。この装甲戦闘車開発能力のある国内メーカー12社が仕様要求に応えた仕様書を提出した。

728 名前:ホワイトベアー[sage] 投稿日:2023/11/20(月) 18:34:45 ID:om126254215016.33.openmobile.ne.jp [5/12]
計画の立案にあたり陸軍および海軍海兵隊が提示した仕様要求は

「戦術輸送機や大型ヘリコプターで空輸可能で、7.62mm機関銃弾に対する耐弾性とNBC防御力を有し、機動性と維持整備性に優れた装輪式車両」

とされた。
というのも、帝国軍再編計画で重要な目標の1つとして挙げられたのは、96時間以内に世界のどこにでも機動旅団を、120時間以内に 1個機動師団、30日以内に5個機動師団を当該地に配備できることであった。
これを叶えるために機動師団の中核となる装輪車両には何より軽量であることが求められた。
原型となったGPLWAVシリーズは4x4、6x6、8x8の3タイプが存在したが、そういった理由から当初軍では6×6型が望ましいとする声が強くでた。
しかし、三菱重工は将来的な発展性を残すため陸軍や議会の求める6×6型原型としたコンパクトな車体というコンセプトそのものに否定的で、むしろ車体を大型化させるために8x8型を原型にするべきであると軍部に力説。
陸軍ほど空輸にこだわっていなかった海軍海兵隊の援護射撃もあって6式戦術輸送機に搭載できる範囲でならと了承を得ることに成功したがそれはまた別の話である。

最終的に日本陸軍と海軍海兵隊は三菱重工が自社開発を進めていた汎用装輪装甲車(GPLWAV)シリーズ、陸軍憲兵隊向けに日立製作所が開発した14式装輪装甲車の発展形であるLAC-300、カモミールがアメリカ軍のLAV-40の後継車両として開発していたLAV-60の日本仕様型であるLAV-60Jの3車種の実車製作に関する契約を締結。運用試験のためにそれぞれ3個中隊分ずつ発注した。

1921年4月には陸軍教導旅団及び海軍海兵隊装備実験隊に納入された各試作車両が配備され、実戦に限りなく近い環境を再現できる富士特別訓練センターやヤキマトレーニングセンターなどでトライアルが行われた。
1922年8月、帝国軍再編計画によって誕生したばかりの国防総省は、整備性の高さや生存性の高さを理由に三菱重工製の汎用装輪装甲車を22式装輪装甲車として採用することを発表した。
同年12月には三菱重工と国防総省の間で969台の初期生産契約が締結され、翌年より量産が開始された。


【車体設計】
22式装輪装甲車は8輪駆動型のGPLWAVを原型に開発された装輪装甲車で、必要に応じて8輪駆動と4輪駆動を切り替えることができる。
車輪には8輪のコンバットタイヤを装備することでパンクなどで全て脱気してもある程度の走行を可能としている。

車体は軽量高硬度鋼装甲の全溶接構造で構築され、使用要求に応え全周囲において7.62x51mm弾の直撃に対する防弾能力を有する。
また、正面円弧上などの重要箇所にいたっては12.7×99mm弾の直撃に耐える事ができる。

エンジンは出力350hpの三菱製MTA-T-10-6D 6気筒液冷ターボチャージド・ディーゼル・エンジンを採用し、これに三菱ふそう製のMT1900自動変速機(前進5段/後進1段)を組み合わせパワーパックとして車体前部に搭載。
サスペンション・システムは独立油気圧式サスペンションで、機動力は路上最大速度99.78km/h、路上航続距離668km/hを発揮可能とした。

729 名前:ホワイトベアー[sage] 投稿日:2023/11/20(月) 18:35:24 ID:om126254215016.33.openmobile.ne.jp [6/12]
基本となるAPC型の車内レイアウトとしては前部右側に操縦席、左側にパワーパックと車長席が設けられ、車体後方には左右それぞれ4名、合計8名分のベンチシートが向かい合わせに並び、後部乗降車ランプと向かい合う形で1名分のシートが用意されている兵員室を備え、車体後面上面には兵員の搭乗のために観音開きで外側へ開く上部ハッチが4枚設置されている。
車体後面には大型の油圧式ランプドアが設けられ、短時間のうちに兵員の降車展開を可能とする。

一般的なAPC型の武装としては車体上部にあるキューポラに12.7mm重機関銃や7.62mm汎用機関銃、40mm自動擲弾銃を装備することができる。
これら車外武装は乗員による直接操作の他、NBC兵器防護の観点から車内からの遠隔操作もできる。
防護兵装としては発煙筒を車体上面最後部の左右にそれぞれ4基ずつ装備している他、成形炸薬弾への対策としてスラット装甲を追加装備することもできる。

【派生型】
22式装輪装甲車は原型となったGPLWAVシリーズの高い汎用性と拡張性という特性を引き継いでいる。
そのため基本型である22式装輪装甲車をベースに90口径35mm機関砲と対戦車ミサイルを全周囲周回可能な砲塔に装備する装輪式歩兵戦闘車型や戦闘偵察車型、105mm低反動ライフル砲を装備する火力支援型、25mm他銃身機関砲1基と4連装地対空ミサイルランチャー2基を装備した対空装甲車、対戦車ミサイルを搭載した対戦車装甲車、指揮通信車、自走迫撃砲、砲兵前線観測車、工兵車、野戦救急車など様々なバリエーションが開発・生産され、日本軍ではAPC型と共に機動旅団として指定された部隊に配備された。

730 名前:ホワイトベアー[sage] 投稿日:2023/11/20(月) 18:36:03 ID:om126254215016.33.openmobile.ne.jp [7/12]
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最終更新:2023年12月09日 13:28