253 名前:奥羽人[sage] 投稿日:2023/11/20(月) 12:42:18 ID:sp49-105-99-218.tck01.spmode.ne.jp [3/8]
地球(銀河の半分)連邦世界 (仮題)



西暦2191年 銀河系外縁部より外側
地球連邦統合政府直轄領域「ビーメラ星系」
亜空間ゲート遺跡宙域



「不明艦隊、未だに応答無し」
「ゲート付近に駆逐艦5、フリゲート20。尚も増加中」
「新たに巡洋艦1、駆逐艦4、フリゲート16を確認。ゲートを確保する布陣です」

銀河の外側の辺境にある主系列星、ビーメラ。
地球連邦の領域でも端の端に位置しているここは、人類が生存可能な環境を有し、尚且つ政府直轄の保護区に指定された第4惑星を有する星系である。

そこからさらに何光年、銀河から離れた所。
幾つもの輪が重なったような異様な巨大構造物を臨む宙域に、地球連邦統合軍の艦隊は集結していた。

「……どうすんのかな、コレ」

誰とも分からず呟かれたその言葉は、ある意味でその場に存在した全ての宇宙軍将兵の内心を代弁したものだっただろう。

「いっそ撃っちまうか?」
「バカ言え。奴らが噂の超高度古代文明アケーリアス人だとしたら、こっちが鎧袖一触にされるぞ」

彼らの視線の先にあるのは、今現在彼らを悩ませる主因である、未知の異星文明のものと思われる「不明艦隊」
先月頃、統合政府と大学が学術調査を行っていた古代文明のワープゲートが突如として起動し、その中から現れたのが彼らだった。
全体的に濃い緑色、進行方向に付いてる目玉を思わせる発光体が特徴の、芋虫のような姿の宇宙艦で構成されている。
各艦にはいくつかの荷電粒子ビーム兵器と推測される砲塔が確認でき、それが純然たる軍用艦艇であることが伺えた。

「ゾッとしない話だな……おっと、機動部隊の前衛武装艦まで来たぞ。こりゃ上は案外やる気じゃないのか?」

対する統合軍と政府もこれを重大事態と捉えたのか、対抗するように艦隊を送り込んできていた。
たった今“デフォールド”してきたのは、ドレッドノート級前衛“無人”艦とアンドロメダ級前衛武装“無人”艦から構成から構成される前衛打撃艦隊だった。
彼らは、今まで不明艦隊と対峙していたコンゴウ級“戦闘空母”を主力とする有人艦隊と交代するように前方へと配置された。

「イセ級にナガト級まできたぞ、おい」
「そりゃ前衛艦隊が居るなら居るだろうさ、もしかしたらキイ級も来たりしてな」

254 名前:奥羽人[sage] 投稿日:2023/11/20(月) 12:43:20 ID:sp49-105-99-218.tck01.spmode.ne.jp [4/8]







「前方の艦隊、“地球連邦統合宇宙軍”を名乗り、此方に呼び掛けを続けております」
「地球連邦(テロン)艦艇、尚も増加中。ゲシュタム=アウトに似た重力震……テロンの巡洋艦20、戦艦5が戦列に加わりました!」
「これは……想定以上であるな…」


所変わってこちらは不明艦隊……ガミラス帝国軍の艦隊旗艦のガイデロール級航宙戦艦「シュバリエル」艦橋では、栄えある先鋒(肉壁ともいう)を務める大ガミラス帝国軍、二等ガミラス空間機甲旅団長であるヴァルケ・シュルツ大佐が、進むも退くも難しい状況に唸っていた。


「テロン艦さらに増加。大型戦闘母艦と重巡洋艦クラスが多数!」
「我々が相手にしているのは……もしや、天の川銀河の超大国だとでも言うのか?」


分裂していたガミラス大公国を統一、国名を「大ガミラス帝星」と改称したガミラス帝国。
その立役者であるアベルト・デスラー総統の意思の下、全宇宙のあまねく星々の救済を使命とする『イスカンダル主義』を全宇宙に広める為に版図を拡大するデスラー・ドクトリン……
その覇道の道は、大小マゼランを統一して銀河系に進出しようとした段階で途端に躓くこととなった。
バラン星に鎮守府を置いて前線基地としつつ、亜空間ゲートを通じて意気揚々と銀河系の近傍に侵入したのはいいものの、そこで地球連邦を名乗る勢力の艦隊と出くわしたのだ。


「なっ……新たに機動要塞クラス1、超弩級戦闘母艦クラス2、その他戦艦、巡洋艦クラス推定60以上がゲシュタム=アウト!」
「テロン艦隊、此方を半包囲しようとしています!」


問題は、その地球連邦の戦力が思った以上に強烈であることだった。
一目見て分かるレベルの重武装な250メートル“巡洋艦”級と450メートル“戦艦”級が犇めき、その中には4、500メートル級の戦艦母艦が鎮座する。更に後方には800メートルの超弩級双胴戦闘母艦や、推定1600メートル以上の機動要塞までやって来ている。
まさに巨艦のバーゲンセールだ。

「どうしますか!」
「まだだ!まだ様子を見るんだ」

彼我の詳細な性能差は不明であるが、解析から推定される機関出力だけでもガミラス軍艦艇と同等かそれ以上なのはほぼ間違いない。
となれば、この状況……明らかに勝ち目は無い。しかし、ガミラス帝国は所謂独裁政権の軍事国家であり、面子の問題がある。
臣民は“無敵ガミラス”と“デスラー・ドクトリン”の幻想を信じきっており、それに反して征服惑星では大規模反乱の兆しも見えていた。
ここで弱気な態度を見せたとして、どうなるかは想像に難くない。

正に、進むも地獄、止まるも地獄なのであった。






255 名前:奥羽人[sage] 投稿日:2023/11/20(月) 12:45:23 ID:sp49-105-99-218.tck01.spmode.ne.jp [5/8]


この世界は、国土面積が史実比約10倍の所謂“大陸日本”世界であり、尚且つ、その中でも「大鎖国ルート」等の積極的に海外進出を推し進めた結果として、近代に入る頃には「日本とそれ以外」と言われる程度には一極状態となっていた世界線だった。


事の切欠は、1999年7月まで遡る。

7月17日、月軌道上に発光現象とともに巨大な物体が出現。物体は地球への落下進路をとり、インドシナ半島上空から大気圏に突入する。
高熱と衝撃波で欧州全域から北米にかけて甚大な被害を及ぼしながら地球をほぼ1周し、太平洋上の小笠原諸島南端に落下した。衝撃で落着地域の島の半分が吹き飛び、振動により太平洋島嶼は大地震で壊滅。日本も地震や津波の被害を受け、その後も異常気象に見舞われた。

そして後の調査の結果、落下した物体は隕石等ではなく……異星人の巨大な戦闘用宇宙艦である事が判明したのだった。



「ここマクロスじゃねーか!!!!」



夢幻会は勿論慌てた。
何せ、このまま行けば約480万隻のゼントラーディ軍ボドル基幹艦隊によって地球がまるごとプラズマ焼け野原にされてしまう。
もちろん原作を参照すれば助かる道はあるものの、折角未来が分かるというのに、ただ焼かれるに任せるのは忍びない。
故に、夢幻会は全力でこの脅威に抗う事を決定した。


2000年5月、日本は超高度宇宙文明の存在と落下した宇宙艦(ASS-1)の事実を公表し、同時に“地球統合政府”案を発表。世界各国に対して積極的な加盟交渉を推し進める。
普通ならこれに反発する筈の欧州勢力は、ASS-1大気圏通過時の余波で大災害が発生しており、半数は大きく国力を消耗し、もう半数はほぼ無政府状態となっていた。
日本はこれを好奇と自らの復興を急ぎながら、もはや死に体の欧州諸国を飴と鞭で次々と吸収。欧州の崩壊に巻き込まれた形のアフリカ諸国も、次々と統合政府の自治区としていった。
西欧の崩壊を前に要らぬ野心を抱きかけたロシア勢力を短期間で容赦なく破壊する頃には、日本……ひいては統合政府に逆らう存在は地球上から一掃されていた。
将来の星間大戦を前に、地球内で国力を消耗している暇など無かったのだ。


2001年、曲がりなりにも地球を統一した統合政府は、本格的にASS-1の解析と研によって得られたオーバーテクノロジー(OTM)を利用して、ゼントラーディ軍に対する防衛計画を推し進めていく。

OTMの既存兵器への応用は元より、全く新しい対巨人全領域戦闘システムの構築。
そして、一番の主力とされたのは……数キロメートル規模の超大口径エネルギー砲、グランドキャノンの建造だった。

このグランドキャノン、原作ではたった一回撃っただけで敵の反撃により沈黙してしまったものの、その威力は一射で約80万隻の艦艇を粉砕するものであり、数さえ揃えば基幹艦隊を誘引して完全撃破することも不可能ではなかった。
原作では全5基が建造される予定だったが、反統合勢力の妨害工作によって工事が遅延して一基のみ完成だった。
対してこの世界では、反統合勢力は既に一掃されており工事は何事も無く進行。
最終的には、世界中と月面に計8基のグランドキャノン建造を達成し、単純計算で640万隻の敵艦を内惑星宙域で殲滅できることとなった。
もっとも、統合政府はこれで満足せず宇宙艦隊建造の傍ら、直径数キロ級の円筒型超巨大レーザー砲「ソーラ・レイ」を各ラグランジュ点に計5基建造。
これら超巨大戦略兵器は、時代に合わせてアップデートと増産が重ねられていき、長く地球圏の防衛に貢献することとなる。

256 名前:奥羽人[sage] 投稿日:2023/11/20(月) 12:50:19 ID:sp49-105-99-218.tck01.spmode.ne.jp [6/8]
そうして一通りの軍備を取り揃えた後、ついにやって来た2009年2月。

その日、月軌道上はとても静かだった。

時空間レーダーには何も反応が無く、一応遮断しておいたマクロス主砲システム周りも動く気配は無い。
3月を無事に越えて4月も過ぎる頃には夢幻会もそろそろおかしいと感じ、原作なら基幹艦隊がやってくる2010年2月11日になっても、何かしらがデフォールドしてくる気配は無かった。

夢幻会は首を傾げながらも、マクロスが落ちてきた以上油断はしていられないと考え、太陽系開拓の傍ら「銀河播種計画」を始動。
世界中でマクロスを手本に大型移民船の建造を行い、銀河の各方面へと恒星間移民船団を送り出していった。


そうして21世紀も後半に差し掛かった頃……




「これが、新たに発見された移住可能惑星から見つかった、高度星間文明のものと予想される宇宙艦です」

「……恒星間連絡航宙船シェヘラザードじゃねーか!!!!ここヤマト(リメイク)かよ!!!」


夢幻会は仮想敵が480万から1000万に増えたことに絶望しつつも、仕方ないということでアケーリアスやイスカンダル等の文明の遺物を解析研究し、更なる国力増強に邁進するのであった。







2191年 ボラー連邦辺境 
地球・ボラー国境領域 ガルマン星


「総督!地球連邦は銀河辺境の不明艦隊を此方の差し金かと疑っているようで、国境部の地球軍戦力に増強の動きがあります!こちらも対応しましょう!」

「ならん!!相手は銀河系の6割を支配する大帝国だ!!下手に刺激して万が一開戦ともなれば、我が国は“終わる”ぞ!!」

257 名前:奥羽人[sage] 投稿日:2023/11/20(月) 12:51:24 ID:sp49-105-99-218.tck01.spmode.ne.jp [7/8]

  • イソカゼ級護衛艦
名前こそ磯風型だが、その正体はヤマト2202のドレッドノート級前衛航宙艦の有人モデルと同位存在。
統合宇宙軍では駆逐艦的な扱いを受けている。
また、無人高機動突撃仕様として“ドレッドノート級前衛無人艦”が存在する。

  • ムラサメ型巡洋艦
名前こそ村雨型だが、その正体はヤマト2202のアンドロメダ級前衛武装宇宙艦の同位存在。
統合宇宙軍では巡洋艦的な扱いを受けている。
また、無人高機動突撃仕様として“アンドロメダ級前衛武装無人艦”が存在する。

  • ウラガ級護衛空母
マクロスシリーズによく出てくる護衛空母。護衛空母と言いつつ全長550メートルはあるので、艦載機運用能力では他国空母になんら劣らない。

  • コンゴウ級戦闘空母
マクロスFのマクロス・クォーター級の同位存在。統合政府内が日本圧倒的優位なので日本的名称を付けられた。
十分な艦載機運用能力と個艦戦闘能力、艦隊指揮能力を併せ持ち、戦隊の旗艦としても運用される。
主砲である重量子波動反応砲は、波動砲特有の高エネルギーに加えて、重量子崩壊に伴うフォールド爆弾と同等の反応によって射線上を空間歪曲で圧壊させる新型である。


  • イセ級戦闘空母
マクロスΔのマクロス・エリシオン(ツーサード級)の同位存在。
800メートルの巨体から統合軍では重巡洋艦的な扱いを受けており、小~中艦隊の旗艦から空母部隊の直衛まで行う。


  • ナガト級戦闘空母
マクロスシリーズにおけるバトル級ステルス攻撃宇宙空母の同位存在。
全長1600メートル超の圧倒的な戦闘能力を持つ統合軍の戦艦/正規空母的存在であり、艦隊旗艦を務める場合が殆ど。
4連装重量子波動砲(バスターキャノン)の一撃は、あらゆる艦隊を容易く殲滅する。

?????『宇宙が引き裂かれる(危惧)』



  • キイ級砲艦
マクロスⅡの巨大砲艦マクロス・キャノンの同位存在。
全長数キロの巨体に、これまた全長2キロの波動砲4基を搭載する規格外の砲艦。
単艦で惑星を再起不能に陥れることが可能なレベルだが、あくまでも砲艦なので旗艦能力や運動性能はそこまででもない。

?????『宇宙が引き裂かれる(確信)』



  • ソーラレイ
宙域防衛型大口径エネルギー砲。
初建造当時は純粋なレーザー砲だったが、幾度もの改修を経て、現在は口径6キロの超大口径波動砲と化している。
重要防衛拠点や大規模居住惑星ができる度に防衛兵器として増産されており、地球連邦領域全体で見れば結構な数が存在している。
一応、パルスエンジンで遅いながらも移動させることが可能。

?????『宇宙が引き裂かれる(迫真)』





  • 重量子波動砲
統合軍の次元波動兵器の総称。
イスカンダルから純正波動コアを入手できていない代わりに、マクロス研究を端緒に発展した高次元物理学、フォールド物理学の側面から次元波動理論を補強する方法で発展させてきた。
大小様々な統合軍艦艇に最大火力兵器として搭載されている。



  • フォールド爆弾、時空振動弾
マクロス墜落から200年の時を経て研ぎ澄まされた、波動砲に隠れているが地味にヤバい奴ら。
素の破壊力が惑星級な上に、高次元方向に破壊力を振り撒くから大抵の防御フィールドを貫通する最終兵器。

258 名前:奥羽人[sage] 投稿日:2023/11/20(月) 12:53:11 ID:sp49-105-99-218.tck01.spmode.ne.jp [8/8]
以上となります。
転載大丈夫です。
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最終更新:2024年08月23日 22:29