933:リラックス:2023/12/29(金) 09:33:25 HOST:softbank060105247090.bbtec.net
乙です。EDFの兵器はやはり凄いなぁ
そんなEDFが毎回壊滅するんだからフォーリナーって、もうヤダ(白目
便乗して私も
厄いものが湧いたみたいです~何故、セカンドインパクトは起きたのか?~
第二の地球が出現し、それが魔物と生存戦争を遂行中の世界であるとの情報は、瞬く間に世界中に拡散した。
さらに通称ファーストインパクト、セカンドインパクトと呼ばれる初期対応の失敗により、環大西洋圏が人類の勢力圏から離れたことと、残された太平洋圏がβ/甲世界側の支援を受けながら魔物と地球の覇権を争っていることが判明すると、大西洋沿岸諸国はその情報の入手に躍起となった。
α/乙世界が太平洋圏で日本を中心に環太平洋条約機構と呼ばれる勢力圏を構築し、更に月をテラフォーミングし、太陽系の他の惑星への進出が現実的なプロジェクトとして計画されるだけの技術を有していることが明らかになり、環太平洋条約機構側がティ連世界側の地球に航宙艦ナデシコにて表敬訪問を実現するにあたり、
『お間抜けの日本に適当な理屈で貸しを作らせて技術支援させてティ連や日本に対して優位を取る、あわよくば向こうの地球にて宙ぶらりんになっている利権を確保する』という皮算用から動きが活発化する。
勿論、α/乙世界側からすると『あいつら魔物を舐め腐して簡単に大西洋圏を解放出来るって認識しとるやろ』『で、「そのままバイオトロフィーを確保して、ついでに現地の実効支配をムフフフフ」って皮算用しとるやろ』と魂胆が透け見えており、ティ連世界側の日本に国連が民族総レイ○を受け入れるよう通達した実績を知ると『わざわざ貴重な労力と時間を割いてまで関わる価値もない』と早々に見切りをつけた。
勿論、その事実をわざわざ教えたことからも分かるように、そんな連中の為にわざわざ骨を折ってやる程ティ連や日本もお人好しでなかったこともあり、
『先方との相互理解の為に密に連絡を取り合う為、貴国には橋渡し役として仲介の責任と義務がある!』と五月蝿い某中華な国や欧州からの鬼電を『現在鋭意調整中』とBoTじみた対応で流していた。
しかし、相互理解の為の名目で情報共有くらいなら問題ないだろうとα/乙世界側の情勢が明らかになるにつれ、ティ連世界に激震を走らせた。
「環大西洋地域は欧州圏を含め軒並み国家ごと消滅?」
「亡命政権すらも残っていないだと?」
「ロシアも
アメリカも、事実上日本の保護国として環太平洋条約機構に加盟?」
これらの情報ですらジャブに過ぎなかったと言えば、その衝撃の大きさが分かるだろう。
「そちらの世界においても日本国憲法が存在する以上、そちらの言う『魔物駆除作戦』に自衛隊を導入するのは第九条の内容に違反するのではありませんか?」
この底意地の悪さの透け見える質問に、ネット民等は『流石に改憲したんやろなぁ』という認識でいたのだが、環太平洋条約機構側の解答は斜め上をいった。
「日本国憲法は発布満了しました。現状では通称:環太平洋憲章が環太平洋条約機構における憲法として機能しています。故に、憲法九条に違反はしません」
発布満了という聞き慣れない言葉に加え、既に現行の日本国憲法が効力を失っているという現実を突きつけられ、ネット民から記者、各国のお偉いさんに至るまで『は?』の文字で埋め尽くされた。
「あの、発布満了というのはどういうことでしょうか?」
「そのままの意味です。日本国憲法は大日本帝国から日本国に生まれ変わる為の物であり、セカンドインパクトによって更なる変化が必要なことが明らかになったことで日本国憲法は役目を果たしたと解釈されました。
故に廃止でも改憲でもなく、発布満了という扱いとなったのです」
この解釈はティ連世界側でちょっとした伝説となり、主にアンチ日本派から『実に日本らしい解決方法』と評されたりもしたが、『満了しないなんて何処にも書いてないわな』『改憲はしてないな、確かに』と呆れ半分感心半分な感想が見られた。
「それと、自衛隊は国境警備軍における環太平洋条約機構内における人類同士の諍いの対応を主に行う組織である為、自衛隊を魔物駆除作戦に投入するということは基本的にありません」
「国境警備軍、ですか?」
「新憲法発布に従い設立された組織です。主に魔物との最前線を押し上げること、魔物が文明を築き発展することを妨害することを主な任務としていますね。
旧自衛隊は、この国境警備軍の中の一組織という位置付けで再編されました」
α/乙世界における日本国憲法に代わる憲法の発布と再軍備が明らかになったことに発狂する連中が各地に現れたが、今回ばかりは彼らを責めるのは酷だったろう。
934:リラックス:2023/12/29(金) 09:34:59 HOST:softbank060105247090.bbtec.net
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「改憲したり廃止されることもなく役目を果たしたとして満了という唯一無二の終わり方をした憲法として語り継がれるなら、それで良いじゃないか」
「憲法でなく日本人という民族にしたら似たようなこと言ってる人がいましたけどね、でも、これで発狂してたらこの後で保たないんじゃないですか?」
「ケラーシラキ、流石に酷じゃない?まあ、α/乙日本こそが日本のあるべき理念を守り続ける理想国家とか妙な妄想拗らせてる連中はどうかと思いますが」
「人格改造刑ヲ『殺処分に至らない軽い罪を犯した犯罪者に行われる刑罰の『一部』』と素デ勘違イサレタノハ此方モ驚イタカラ…」
柏木は自分の執務机の上でうがーと伸びて白木が茶々を入れる。
その時ふと大見に一人の女性が声を掛ける。
「そういえばセカンドインパクトの原因とは結局何だったんだ?確かに一度根付いた魔物を駆除するのが困難なのは分かるが、封じ込めの為と前線基地を兼ねた要塞都市の準備までしていたのだろう?
β/甲世界側の支援もあって築かれた要塞都市まで陥落するのはどうにも解せないのだが」
「ん?ああ、それか…」
大見に話し掛けたのは所用により官邸を訪れていた神崎島の戦艦長門である。
いつの間にか執務室に据え付けられていたサイフォンを使いコーヒーを淹れていた。
「端的に言うと性欲が原因…というべきか」
「え?いや、まあ… 籠城は内に籠る人員のストレス問題は大きな問題だとは分かるが」
「笑イ話デハナイゾ。ドウモ魔物ノ中ニハ粘膜接触ニヨリ細胞ヲ植エツケテ眷属ニスル生態ヲ持ツ連中モイルラシイ」
「下半身丸出しのまま牧場で動物に蹴り殺されたガチのケモナーの話とか海外ニュースで偶に話題になるし、バイオトロフィーを狙う奴とかもいる。元カレの元カノの元カレの元カノの元カレの元カノの元カレの元カノの元カレの元カノの元カレ、みたいに難民経由で
パンデミックを起こす下地はあったのは分かるだろう?
それが内部工作で魔物駆除に反対!とか魔物との友好!とか利権屋が魔物駆除反対!ってノリで騒いでバカ共釣って小遣い稼ごうと画策してる連中から学んで、唆した結果、見事に唆されたらしいな」
「それは、何というか… 」
こちらでも起こったかのように存在しない記憶まで生えて来そうな程、既視感を覚える光景である。
そして恐らく、魔物と関わった場合、幾ら先方から忠告されたところで『言うてアイツらが間抜けだっただけやろ』『この程度なら手間がかかるけど対処出来るって』と舐めた輩が同じように引っかかるのは、まず間違いなくコチラの世界でも変わらないことを、何となく悟った。
「正直、殺処分という処理における遺伝子やミームの一部を修正してクローニングの後、社会奉仕活動の後に社会復帰という刑罰は、こうなった者達への対応を応用したのではないかという分析もある」
「向こうのカリフォルニアやアリゾナのコロニー等では、自治政府が魔物に迎合して人類に反旗を翻すことを宣言したというケースもあったらしいし、『魔物は敵』という価値観を共有出来ない者も同罪と言われると否定し難いところだ」
共通の敵がいれば団結する、と言うが『違う!僕たち、私たちの敵は、僕たち、私たちを虐げるこの社会そのものです!』と反発したくなる輩は絶対に沸くものだ。
日常化しない社会問題に一々関心を持たない無関心層や箱入りは絶対にいるし、何となく多数意見側だと無条件に括られることに不満を持つ者も絶対にいる。
その中に行動力だけはある輩がいないという保証はないし、一度周囲から白眼視されると、そういう連中が集まって先鋭化していくのは歴史が証明している。
それを放置した結果もセカンドインパクトを助長させた原因だとすると、α/乙世界で起きた一連の事件はコチラの世界でも充分に再現される可能性がある。
「実際、その辺りがセカンドインパクトの原因になって大西洋圏が人類の勢力圏から離れたのだから… もう一度やったら今度こそ人類文明が地球から叩き出されかねん。
となると、そういう輩を野放しに出来ないという程度には追い込まれているとも、またやらかされた場合の備えをする程度には対処法を身につけているとも言えるが」
「だからこその月の開発…? 最終避難先か一時避難先かは兎も角、万一の際に立て直しが効くように備えていると?」
「少なくとも、魔物をα/乙世界でもβ/甲世界でも、『最低限その程度の備えが必要というくらいには警戒しなければならない相手』と認識していることは確かだな」
「仮に向こうに派遣されて、この手の魔物の眷属にされたて戻って来た連中が出たら、社会的にどれだけ右往左往させられるんでしょうか…」
実際、遺伝子の一部が書き換えて魔物の支配下に置かれた者への治療はティ連や日本でも困難というのが問題だった。
935:リラックス:2023/12/29(金) 09:35:40 HOST:softbank060105247090.bbtec.net
植え付けられた細胞を完全に取り除いても、書き変わった遺伝子情報まで元に戻すのは(書き変わる前の遺伝子情報が残っていれば別だが)並大抵のことではない。
一説によると宇宙に存在する原子の数より多いとされる遺伝子パターンの中から、正答も分からないそれを探り当てることは実質不可能である。
仮に治療したとしても後遺症はないのか?治療出来なかった者は社会的にどう取り扱うべきなのか?自我を乗っ取られていた時に行われた犯罪や被害への責任は?被害者遺族の感情は?という問題もある。
この点に関してα/乙世界側が導き出した答えがシステムEGOの技術によるナノチップエキスパンションを利用した三級から一級まで五段階に分けた殺処分というシステムなのだろうと考えると、少しは採用された経緯を理解も出来るだろう。
それはそれとしても、人間の能力・記憶・人格をコピーし、さらに都合よく切り貼りしたり極端化したりといった操作を行える【システムEGO】の理論と、それを用いて殺処分された犯罪者のクローニング体に矯正された人格と記憶をインストールし、更生プロジェクトを受けた後に社会復帰させるという発想に辿り着き、実行していることに価値観や倫理観の乖離を感じるのだが。
尚、恐ろしいことに別にβ/甲世界が唆したとか、適切な助言をしたという訳ではなく、自発的にα/乙世界というか環太平洋条約機構側は自力でこの発想へと至っていた。
「ちなみに環太平洋条約機構側は『罪を憎んで人を憎まず、それを実現した画期的なシステム』として、人道的で革新的なイノベーションを実現するシステムだと本気で認識しているらしい」
知ったばかりの言葉を並べ立てる意識高い系を皮肉ってるのか?と言いたくなるような語彙のラインナップではあるが、まあ、大凡どういう扱いなのかは察しやすいだろう。
「その認識が罷り通る程度には一般人にとっても日常に組み込まれた体制と…、そういうことか」
「確かにこれが彼らにとっての常識なら、人格改造刑が『比較的軽い刑罰』という認識になるのも納得だが…」
「コレは下手に向こうの世界に『現地への取材に応じてあげてくださ~い♪』とは言えませんね」
「元よりそんな無茶振りをするつもりも、してやる義理もない。何かトラブルが起きて取材陣に被害の一つも出たら大々的に糾弾するのが目に見えている」
その矛先が仲介役にも向いて『謝罪と賠償を!』と面倒さに折れるまで主張し続けるのも目に見えているのだから、全くもって百害あって一利なしというやつである。
「ああ、それともう一つあった。向こうだと人権とは『統治者が保証してくれているもの』で、統治者、この場合は環太平洋条約機構側が保証する対象が『人類』という認識だそうだ。何でも、『身一つで魔物の前に放り出された場で生まれつき持ってる人権とやらがどう保証されるか試さないと分からないのか?』という話になるそうで」
「……」
「向こうに行った連中が問題起こしたら処罰としてでなく、単なる事実として取材陣の安全や行動の自由の保証を『取り消す』というくらいのことはしそうですね」
「離反したコロニーの『処分』や、そうした行動に反発を覚える者達への『説得』が、自衛隊の主な仕事らしいからな、他所の世界の…ほとんど宇宙人みたいな連中に、躊躇いなぞそうは持たないだろう、というのが上層部の見解だそうだ」
この分析に上層部も頭を抱えていた、という話に全く持って同感だと頷く一同。
良識と常識を兼ね備えた者たちですらこうなのだから、ティ連世界側の各国はα/乙世界側の殺処分やシステムEGOについて「人格改造刑と変わらないじゃないか」と驚き、幾らなんでも「倫理的にどうなのか?」という声が上がるまでに時間はかからなかった。
某欧州の人権問題を飯の種にしている連中等は「ヒトの尊厳を踏み躙る、殺人以上に忌むべき悪行だ」と大仰な言葉で糾弾し、政府もコレを利用してティ連を含む各国に環太平洋条約機構に圧力をかけようと呼びかけることになった。
ただし、ティ連も日本思う所はないではなかったものの、『α/乙世界に滅んでまで旧来の価値観を守れという権利も責任もない』『解放しろと言うが、助けてと言われた訳でもないのにこちらの一方的な価値観を押し付けて救済しようとするのは独善であり、ただの傲慢』という態度に終始することになる。
オマケ
『発布満了て、変な言葉作んなよ』
『いやぁ、軍隊ではない軍隊なんてパワーワードよか全然マシやろ』
『改憲反対派への配慮ってか、違う、そうじゃない』
『これは戦争ではない、紛争だ!に近いもんを感じるな』
『まあ、あれだけ情勢が変わったなら新しく作り直した方が早いってなるのかもしれないけどさぁ』
『てか、自衛隊はあるのね』
『多分、書類や刻印変える手間惜しんでトンチを利かせただけだと思うなぁ』
某動画配信サイトのコメント欄
936:リラックス:2023/12/29(金) 09:38:14 HOST:softbank060105247090.bbtec.net
以上、年内にもう一回くらい何か投下出来れば良いな
最終更新:2024年01月23日 19:07