450 名前:635[sage] 投稿日:2024/02/09(金) 19:51:52 ID:119-171-251-139.rev.home.ne.jp [2/10]

銀河連合日本×神崎島ネタSS ネタ ゲートの先は神崎島もヤルバーンも無いようですその一〇四



草原に影が走ると驚いた動物達が一斉に走り出す。
その姿は一様に地球人類の知るものではない。
その草原の上を一隻の船が飛ぶ。ゲート日本の護衛艦グレイファントムだ。
その艦橋では先程より女性がうっひゃーと声を上げている。
女性の藤丸立香だ。


「ねえねえ!マシュに電ちゃん、あの大きなカニみたいのは!?」

「先輩、あれはヴァズラーです。イゼイラの機動兵器の名前にもなってるんですよ。」

「美味しいの?」

「味は大体カニなのです。イゼイラガニの名称でスーパーなどでも売られてるのです。」

「ヴァズラー食べたいなあ……。」

「甘みもお忘れなく。」

「マックイーンさんにテイオーちゃん自重するのです。」

「何人前なんだろ?あ、あの恐竜みたいのは…。」


電とマシュの二人に矢継ぎ早に質問を浴びせ少し前までの不安定な姿はない。
その光景を微笑ましそうに見るのはゲートフェルさんと太陽の子(ガチ)な方のフェルさん。


「マシュサンも笑顔が増えマシタネ。」

「トトロットサンに島に来た方のモルガンサンにカルデアが南極に来ても影ありマシタが…。
先輩二人揃いましたシネ…デモあの女の子の方のリッカチャンまず味確認する辺ニホンジンサンデスネ。」


特にゲートフェルにとってマシュは妹分の様な存在、そんな気にもなるだろう。
姉の立場は半分暁型に侵食されつつあるが。


「ありゃ軌道エレベーターかな?大人の私。銀河連合日本の地球でヤルバーンも見たけどこれだけ沢山な上に軌道上のリングと接続してる光景は圧巻だよねえ。」

「加え太古の大災害で崩壊した惑す星の外殻が残り山の傘となる。太陽系じゃこんな光景見られないよ。」


大小二人のダ・ヴィンチは話し込んでいる。


「藤堂や後どれ程でサントイゼイラ中央宇宙港まで着くのですか?」

「後、十分程です。しかし事前に聞かされてましたがこの光景は圧巻ですな。
後、地平線の向こうに巨大なガス惑星が見えるとは…。」

「ホホホ、地球の様な星から見ればそうでしょう。
かつては宇宙戦艦ヤマトのガミラスの様な構造の星だったのですよ、このイゼイラは。」

「えっ?本当ですか!?」

「今はその宇宙戦艦ヤマトも誕生することもありませんが。」

「実際、今宇宙戦艦ですもんね(汗)。」


ナヨもこの場に居てゲート日本の海自の藤堂と会話をする。
そして他にも艦娘やおウマさん、ゲートヤルバーン・日本人員に新旧カルデア上層部、護衛のの英霊に異聞帯のなどもいる。
ちなみに政府中央艦常世とストームボーダーは現在イゼイラの大気圏外に待機している。
今回のゲートイゼイラ訪問の主役はゲート日本だからだ。
そして神崎に責任者故にこに艦いるのだが…。

451 名前:635[sage] 投稿日:2024/02/09(金) 19:52:24 ID:119-171-251-139.rev.home.ne.jp [3/10]


「そういえば神崎提督はどちらに…?」


ゲート日本の総理の言葉に電が答える。


「司令官さんならうちのアルトリアさんとモルガンさんと一緒に別室にいるのです。」

「あんまり話してないけどどういう人なんだろ?」

「そういやあのアルトリアとモルガンとも話してないなあ。」

「アルトリアさんは私達の世界出身でアヴァロンで傷を癒やしていたアーサー王御本人。
モルガンさんの方はサーヴァントじゃない異聞帯出身のご自身なのです。」


後者二人兎も角提督である神崎は立香からすれば立場違い過ぎて艦娘やゲート日本人以上に会話の機会のない存在である。
なお神崎島の異聞帯だとか本来消滅する人物いたりするのについてはどういうことなの…と疑問投げかけられたがそういうもんだと答えるしか無い。
座礁という現象は存在するが何故そうなるかというのは幾つかの説はあるが明確には判明していないのだ。

神崎と立香の話に戻すがゲートイゼイラに到着するまでの数日間は寧ろ自分周辺と神崎の周囲の人物との絡みに巻き込まれる機会の方が多い。

カルデアの源頼光が政治的理由含め神崎の所へ嫁入りした神崎島の自身に遭遇、死闘へと発展したり、
ラーヴァ/ティアマトがマシュの産みの母兼倭大国魂である銀河連合日本のティアマトと会ったことでどちらが真にマシュの母かという決戦に発展したり、
アルトリア顔達が生身で生を謳歌している銀河連合日本のアルトリアに絡んで行ったり、
メドゥーサシリーズが間桐桜に構って離れなくなったり。
モルガン(狂)やメリュジーヌ(ランサー)がトトロットや異聞帯のパーシヴァルから離れなくなったり。
いつの間にかいた武蔵ちゃんが増えたカルデアの美少年少女に興奮していたり。
王様・皇帝連中がハイクァーン見て生きてる時に欲しかったと零したり。

ちなみに神崎に対する認識として少年立香からはなんかエラい人で少女立香からは電の旦那さんである。
その他カイニス、オデュッセウスやアスクレピオスからは嫌いな神の初恋の相手奪ったので拍手喝采であるがどうでもいいことである。


「そういえばあのアルトリアは聖剣じゃない剣もってるみたいだが…。」


ゴルドルフがそう零すと電が聖槍はあるが出していないだけだと言う。


「じゃああの剣は…?」「何処かで見たことある気がするが…。」

「後、あのアルトリア、日本系の神気も感じるんだよな。」


護衛のサーヴァントらが言葉を零す。
それに対する電の解答は予想の斜め上だった


「ああ、アレですか?聖剣を失ったアルトリアさんに貸し出されている電達日本の切り札にして至宝が一つ、天叢雲剣。
レプリカや形代ではない壇ノ浦で失われ神崎島に流れ着いた本物…布都御魂や現存する数少ない神代の剣の実物の一振りなのです。
神気纏っているのはその影響で記紀神話体系の存在に変質しつつあるからなのです。元が竜なので相性が良いのでしょう。」

「なんでそんなシロモノを貸し出すかなあ!?」

「そんなこと言われましても…。」


叫ぶゴルドルフにそんなこと言われてもと零す電であった。
そんなことを話している間に草原の上を飛行していたグレイファントムは上昇を始め、ゴルドルフは話題を転換する。


「そういえば地表に人家はないがイゼイラ人は何処に住んでるのかね?」

「もう、所長読んだ【原作】を忘れちゃったんですか?」


雲海に突入するグレイファントム、その艦橋ではゴルドルフの言葉に皆が笑い、マシュは手元のPVMCGで高度を表示させる。


「1000メートル…1500メートル…そろそろですね。」

「そろそろ?」


雲海を抜けたその先、その光景。
科学文明の粋を凝らしながらも数万年浮かび続ければ独自の生態系を保持する。
整然としながらも緑溢るる空中に浮かぶ都市、その光景を例えるならば何か。


「天国…。」


理想郷(ユートピア)…【原作】を読まばトマス・モアのそれを思い浮かべるだろう。
マシュはひどく懐かしそうにその光景を見つめる。


「サントイゼイラ、もう一年振りですね……ハッ!?そういえば男性の方の先輩は!?」

452 名前:635[sage] 投稿日:2024/02/09(金) 19:53:15 ID:119-171-251-139.rev.home.ne.jp [4/10]







「ブリテンより流れに流れとうとう異星まで来ましたか…。」


グレイファントム展望デッキの長椅子に座り眼下に広がる空中都市サントイゼイラの景色を見つめる神崎島に座礁したモルガンは己の頭を隣に座る神崎の肩に預ける。
その反対側には銀河連合日本産アルトリアが座ってる。

サーヴァントとなった自分と、出会い娘と出会い、部下と出会い、
己は今を生きる存在であるがそれらは須く死者である…娘含め。
生者である知人や関係者といえばトトロットとパーシヴァルくらいなもの。
まあそこら辺神代と化した銀河連合日本では生と死は色々と曖昧な所もあるのだが。
そんなモルガンに声を掛ける人物が…少年の藤丸立香だった。


「あ、ここに居たんだ。」

「なぜココに居るのです?藤丸立香。」

「うん、艦内探検してて道に迷っちゃって。」


あっけらかんと言う立香をじっと見つめるモルガン。
アルトリアは立香に指摘する。


「その手にあるPVMCGで地図でも出せばよかったのでは?」


その言葉に自分が支給されたPVMCGのことを思い出しバツの悪い顔をする。
何でも無いような普通の様子の立香。
モルガンは長椅子座ったまま手招きし立香を呼ぶと疑問符を浮かべながらも近づくと手を取られ足払いされ、そのまま。


「あ…。」


立香は自分の顔に触れる長く垂れる長く白い髪、淡く水色の瞳が自分を覗き込むことに気づく。
そして後頭部の暖かく柔らかな感覚、自分が膝枕をされていた。
フウと息を吐くと立香の頭を撫でながらモルガンは口を開く。


「まずは貴方と女性の藤丸立香に感謝を…あの子を…バーヴァン・シーを変えてくれたこと、バーゲストの殻を破ってくれたこと…。
そして妖精國を忘れないで居てくれたこと…あの國の真実を物語で知ってもなお美しいと思ってくれていることも…。
サーヴァントの私とメリュジーヌは…まあ…その…コホン。」

「まあ…自分のことはなあ…。」「だまらっしゃい我が夫!!」


神崎はモルガンが言い淀んだ所について言及しさもありなんという神崎の声を一喝するモルガン…その光景に重なる酷く懐かしく…。


『母さんはなあ…。』『あなたは黙ってて!!』


もう戻らない、戻れない遠い日の光景。


「それから……もう無理に笑わなくても頑張らなくてもいいのですよ。」


神崎に対する対応とは打って変わりただただ穏やかに話すモルガン。


「ここに居る貴方…貴方が休んでも、やりたいことやっても誰も怒りません。」

「……ここに居ていいの?」

「ええ。ここに居るのが貴方でなければならない理由はあります。」

「頑張らなくてもいいの…?」

「ええ。」

「休んでも…やりたいことをやってもいいの?」

「ええ。」


モルガンの言葉を聞くと立香はモルガンの身体に顔を押し付け嗚咽を漏らし泣き始め暫くすると眠ってしまった。
暫くそのまま…既に艦内放送はサントイゼイラ中央宇宙港に到着したことを告げ立香を呼び出していたが神崎が気を利かせ体調不良を理由に欠席を伝える。
モルガンに髪を撫でられる藤丸立香の顔を覗き込むアルトリア。

453 名前:635[sage] 投稿日:2024/02/09(金) 19:54:26 ID:119-171-251-139.rev.home.ne.jp [5/10]


「姉上、この子も限界でしたか。」

「マシュらと再会し立ち直りった女性の方の藤丸立香も限界だったのです。
瞳使わずとも表向きは明るいからとこの子も大丈夫だという理由にはなりませんので…。」

「なんの力もないレイシフト適正が高い以外はただの人間ですからね。」

「心砕き、慟哭を飲み込んで、くだらない理由で…意地と希望で走り続けたただの人間、しかし…。」


モルガンが目を向ければ眼下のサントイゼイラ中央港には青い絨毯がグレイファントムの搭乗口に向け敷かれているのが見えた。
その向こう側、宇宙港のターミナル側に高位の人間と人目で分かる姿が二つ、モルガンも銀河連合日本の世界の…だが会ったことのあるマリヘイルとサイヴァルだ。
喜びの笑みを浮かべたその姿、千の夜を超え朝を迎えたかのような。


「しかし、そんな人間だからこそ皆は力を貸したのでしょう…今日とは違う明日を、永劫の夜より一の朝を見るために…。」




重々しい音を立てグレイファントムのハッチが開き、この星の太陽たるセタールの光が入る。
パリッと糊の効いたスーツを着た人物…日本国内閣総理大臣は眩しそうに目を細め外を見つめる。
その傍らには赤い髪少女が一人、青い肌に金の瞳の双子以上にそっくりな異星人が二人、白い肌に青い瞳の異星人が一人、
同じ制服と機械を背負った長い茶色の髪片方で纏めた少女と双子の様な少女、それに桃色掛かった紫の髪の少女が三人と馬の耳と尾を持つ鹿毛と芦毛の少女が二人、銀の髪の母神。
今回の外遊に同行した外務省の役人がカメラを回している。

ハッチが完全に開くと彼らは歩みを進めサントイゼイラ…いやイゼイラという星の大地を踏んだ。
宇宙港の建物には多くの人集りが見え一部は建物の屋上にまで溢れている。
その広いサントイゼイラの宇宙港には青い絨毯がハッチから一直線に進んでいる。
その向こうには二つの人影が見える…その片方、水色の肌に青い瞳の男性…サイヴァルが総理を見ると喜色を浮かべ小走りに走り出しちらに向かってくる。
それに驚くと後ろから押される、押したのは茶色い髪の少女…電だ。


「千年の歳月を超え、イゼイラの人々が望んだ邂逅なのです。」


その言葉に納得した。そして走る人物を迎えるべく小走りに歩を進める。
小走りに走ってくるサイヴァルが躓き悲鳴が上がるがとっさに総理はサイヴァルを受け止める。
サイヴァルは総理を見つめ涙を流す。


「アア…大凡千周期…我々イゼイラ人が置き去りにしてしまったイゼイラ人始めティエルクマスカの者らの末裔に…、
発達過程文明を築き上げた我々の同胞に…漸く会えマシタ…。」

「まだ実感は薄いのですが…我々日本人には貴方達と同じ血が流れているとか…。」


総理はサイヴァルに立ち上がる様促すと右手の掌を上に差し出し、その手をサイヴァルが取った。


「ハイ、貴方がたは間違いなく千周期前…精死病となったナヨクァラグヤ帝を移送していた船の乗組員の末裔、我らの同胞に間違いありまセン。
地域国家間の戦争での敗北による苦難、
度重なる大規模災害についても報告を受けていマス。申し訳ない…長きに渡り苦労を掛けてシマッテ…。」


聞き及んだ日本人の歴史を思い出してしまったのだろうサイヴァルは総理の手を握ると泣き崩れてしまった。
同胞を大切にする彼らからすれば日本人の体験した苦難は想像を絶するのだろう。
ゲート側のマリヘイルや電ら残りの者らも総理達の側に近寄るとマリヘイルはフェルらに話しかける。


「フリンゼフェルフェリア、大変な使命を成し遂げられましたね、おかえりなさい。
そしてフリンゼ始め並行宇宙のティエルクマスカの皆様、初めまして。」


その言葉にフェルら始め銀河連合日本の面々が挨拶をする。


「何か姿形も種族も変わっているそうですが…ケラーマシュおかえりなさい。」

「はい!マシュ・キリエライト戻りました!」

「そちらの方が貴女が言っていたセンパイなる方ですか?」

「はい!私の先輩、藤丸立香さんです!もう一人いらっしゃるのですが今は体調不良で艦で休んでいらっしゃいます。」

「概要は聞き及んでいましたが再会出来たのですね…初めましてケラーリッカ。」

「あ、はい藤丸立香です。(ねえマシュ、この人ってあの神崎島外務大臣の?)」

「(はい、同位体でティエルクマスカ連合で一番偉い人でもあります。)」


マシュに紹介され慌てて挨拶する立香、マシュからティエルクマスカ連合のトップと聞かされ何でそんな人物がここにという気持ちになった。
そしてその他関係者の紹介となった。

454 名前:635[sage] 投稿日:2024/02/09(金) 19:54:58 ID:119-171-251-139.rev.home.ne.jp [6/10]


「ボクはトウカイテイオーだよ。」「私はメジロマックイーンですわ。」

「ああ…何でも元は知的生命体ではなかったと聞き及んでますが。」

「まあ、色々とあってね。」

「そういえば私達とマシュさんの関係どう説明したものか…。」

「普通に友達でいいんじゃないの?」


トウカイテイオーのそんな言葉にマシュの頬が緩んでいたり、
まあ切った張ったではない関係の人などマシュのこれまでの人生から見れば少なく初めてのまともな友人かもしれない。


「それでこちらが…左から巡に雷お姉さんに電お姉さんにティアマトお母さんです。」

「姉よ!」「姉なのです。」「母です。」

「……。」


事前に知ってはいたがマシュは試験管ベイビーと聞き及んでるのがいつの間にか実姉と実母が生え実際に遭遇、
ティエルクマスカ銀河猫となるマリヘイルなのであった。

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最終更新:2024年02月11日 00:42